絶學無憂

トップページへ戻る

「絶學無憂」の目次の最新項目へ飛ぶ

「絶學無憂」は老子道徳経19章または20章に見える言葉です。「學を絶てば憂いなし」この前後の記述はひとつの理想を唱っていると思います。同じことは、第18章において「知恵出でて大偽あり」とも言われております。

太古、人は自然という家族の子供でした。大地という母親に抱かれて育ちました。親兄弟姉妹が一体で、互いに師であって、日々経験し互いに教えあい、必要なことは何事も共有していました。とりわけ母親は、困ったときなどなんでも教えてくれるのでした。家族の全ての経験は自然の知恵として共有されていました。その時代、正邪の別もなく、人に憂いなし、でした。ところが、いつの日か、人はパンドラの箱を開けるように、自然という筺(はこ)を開け、正邪に二分し、さらには個々ばらばらにしてしまいました。そして、今や、それら小さな断片を更に一層掘り下げることが得意な大博士や大教授がはびこる世になってしまいました。不自然な人為が世の乱れを生み出しました。そんな世では、學をすれば憂いが増えるばかりです。太古のように自然の中に融け込み學を絶ち、元来のバランスのとれた知恵を身につけなければ憂いは続きます。

ばらばらになった断片を筺(はこ)に拾い集めることは今や不可能です。それに代わることが何かあるか、といえば、「知恵の熊手」でも作りだすことでしょうか。それは、ひっかいて壊してしまうのでなく、必要なものは掻き集め、必要としないものは傷めることなく元のままに残しておくような融通無碍な熊手でなければなりません。そんな熊手があり得るでしょうか。確信はないのですが、そんな知恵を求め、そんな境地に一歩でも近づこうと、ひたすら學びつづけるのです。學を絶つために學ぶ。これは矛盾です。しかし、その矛盾に向き合いそこから何とか使えそうな「知恵の熊手」を考え出すことが、そこに近づく唯一の道に思えるのです。「知恵の熊手」は、先人が築いてくれた知恵の山脈の上にあると思うのです。


以下は、そんなことから生まれたエッセイです。



目 次      トップページへ戻る



主婦の眼と男の目    本文へ

よく隠れし者はよく生きし者     本文へ

暗黙知について      本文へ  パスワードを外しました

知の統合・・・絶學無憂に近づくために     本文へ

教育の荒廃、国の荒廃   本文へ

自然は無限、知識は有限、知恵は普遍   本文へ

たんぼの色   本文へ

好きな土地が減ってゆく   本文へ

クラシック音楽ブーム   本文へ

格差社会のなくし方    本文へ

対談:人間の条件    本文へ

「人間の条件」と「背教者ユリアヌス」    本文へ

私のアレルギー性鼻炎   本文へ 

マルクスの上を行く人たち   本文へ

対談:人間の条件(続)   本文へ

いま、なぜ老子か?   本文へ

対談:戦争と人間    本文へ

自縄自縛に迷い込まない   本文へ

罪人をも包み込む母なるもの    本文へ

対談:極光のかげに    本文へ  

新幹線の車内清掃をてきぱきとする小母さんたち    本文へ

同級生が参院選に出馬して   本文へ


戦争は時代遅れ    本文へ  


書評のあり方    本文へ  

ジャンヌダルクはどこだ?   本文へ 

青色LEDの成功の裏に(高校同期の宮原諄二氏の論考; 学士会会報868号:平成20年1月より)   本文へ

このままで良いはずがない   本文へ 

自己責任論でなく   本文へ

みなぎり逆巻く出水のあと、春が来る・・・プリーシヴィン「裸の春−1938年のヴォルガ紀行」(太田正一訳)を読んで    本文へ 

イスラムを知る努力   本文へ

浦和レッズはアカか?   本文へ

温暖化、サイクロン、地震、貧困   本文へ

悪法作りの小泉方式  本文へ

エイリアンに会ってきた  本文へ

ラサ鉄道とチベット「暴動」   本文へ

秋葉原より   本文へ

平和への時の流れに   本文へ

戦後の歴史を振り返り農業の未来を想う   本文へ

今の私が1929年の大恐慌とつながっている!   本文へ

国民本位の政治を実現するための国民連帯協定(案)   本文へ

小泉劇場「枯れ尾花」・・・民営化 正体見たり 枯れ尾花    本文へ

太宰治と座標軸   本文へ 

政界の混迷から抜け出すために  本文へ

連立政権への期待と不安・・・辻邦生は細川内閣をどう見たか?  本文へ 

尿失禁、残尿感でお困りの方へ   本文へ

戦後から未来への時の流れと「憲法9条」・・・「『憲法九条の会つくば』4周年記念のつどい」に参加して   本文へ 

'09総選挙結果の評価について   本文へ

勝間和代という生き方  本文へ

嗚呼 満蒙開拓団  本文へ

庶民の底力が試されるとき  本文へ 

日本の弱腰、中国の強腰 ・・・ 尖閣諸島をめぐる両国政府の態度  本文へ

中国で沙漠化に挑み村おこしをする知人  本文へ 

消費税頼みでなく、大企業の社会的責任で経済の再建を  本文へ 

劉暁波氏のノーベル平和賞と零八憲章   本文へ

ひとりの女の顔にもドラマが・・・滝平二郎遺作展を見て   本文へ

北方領土問題に対する戦略は・・・    本文へ

「ゴミ」を捨てながら考える  本文へ

日中友好、民衆、平和  本文へ

平和はアジアから?  本文へ

深読み、連想も読み方のうち  本文へ

フランス革命の成果としての人権宣言とその後世への影響(序説)  本文へ

資本主義の現在、その危機の根源と問題の核心  本文へ

「百姓」が未来を開く   本文へ 

アラブの春って何なんだ?  本文へ 

日本のメディアは、本来の役割を忘れた 本文へ 

流れを変える時・・・維新八策でなく庶民の発奮を  本文へ 

清盛、西行の時代から現代をみる  本文へ 

歴史ノートより、竹島および日韓協約(資料)  本文へ
目次の トップへ

トップページへ戻る