私のアレルギー性鼻炎

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私は、萬象アレルギーではないか、と思うほどである。スギ、イネ科草、セイタカアワダチソウなどの花粉、ハウスダスト(ダニの可能性がある)、猫。その他にも原因があるかも知れない。

ある時、動物好きの娘がこっそり猫を飼い始めた。最初、そんなに広い家でもないのに、それに気がつかなかった。ところが、何か、鼻がムズムズする。変だ変だ、と言いながらしばらくして、泣き声を耳にした。すったもんだで、娘はよそにあげるかどうかして、猫は居なくなった。とはいえ、しばらくは猫の「け」(毛ではなく「気」だと思いたくなるのだが)が残っているので、猫は去っても鼻炎は去らずに尾を引く。猫の経験しかないが、他の動物の可能性もあると思っている。動物につくダニなのかも知れない。

典型的な「アレルギー性鼻炎」「花粉症」である。

それが、今から振り返ると小学校に上がるか上がらない頃から出ていた可能性がある。今から57〜8年前のこと、春先に眼が痒くて、洗眼することになった。けれども、多分、一度やったときにいやだったのだろう。眼を洗ってあげる、と聞いた途端、逃げだして、田圃の畦を逃げ回ったことを覚えている。

大学時代に、北海道の田舎を見ておこうと、毎年、アルバイトで旅費を貯めては旅行に出た。すると必ず「夏風邪」をひく。それを4年間繰り返した。ところが、就職したのがその田舎。周りは牧草地だらけで、オーチャード・グラスとかチモシーとか呼ぶイネ科の牧草が至る所にある。陽気が良くなると、それら牧草の花が咲き花粉が飛ぶのでクシャミを連発、目はしょぼしょぼ、鼻水が出っぱなしでティッシュ・ペーパーをきらせない。そんな夏を数年経験した頃、たまたま札幌で健康診断をする機会があり、花粉アレルギーだということを担当した医者が見つけてくれた。

牧草を扱う仕事の人たち、例えば牛飼いのお百姓、牧草の品種改良に携わる人たちなどに患者が増えているので、ある意味、職業病の形相もある、とおっしゃる医者もいた。私の知人でも、最近、花粉症になった、という事例が結構ある。ある知人研究者は、ディーゼル自動車の排気ガスが助長している可能性がある、とも言っている。私の直感では、食品に問題があるのではないか、という気もする。

話は戻って、自宅に帰り地元の病院で医者にその話をしたら、その医者、得意そうにアレルギーの専門家だという。そこで早速、検査、すなわち、薄めたエキスをツベルクリン注射のように皮膚に植えてみたら、間もなく反応が始まって見る間に腕の半分以上が真っ赤になり、医者もビックリ。早速、点滴治療。幸い、大事に至らず、一晩泊めてもらい帰って来た。ひどいときには、気管が詰まって呼吸困難になり手術で空気が通るように開けてやることもあるとのこと。医者の専門というのは、直すことではなく、研究することを言うらしく、だから専門だからといって必ずしも安心してかかれるわけではない。

以来、いろんな治療をいろんな医者の元で試みたけれどうまくいかず、未だに直らず、むしろ少しずつ原因が増えてきた感じである。で、どうしているかといえば、副作用のない薬を医者との共同作業で見つけ、それを必要に応じて服用、ということがすべてである。あまり激しく花粉が飛ぶときにはマスクもするけれど、鬱陶しいのでサボり気味である。世間では、いろいろ治療法があるといって、やっているが、私の場合、ほとんど全くそれらの厄介にはならず、最小限の薬で抑えながらほとんど共存、という方針である。それにより、おかげで日常生活にはほとんど支障がない。しかし、消費者金融には大変お世話になりっぱなしで、ポケット・ティッシュが多くの季節、手放せない。

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