tommyさんのつぶやき2000年後半

 「落ち穂拾い」、「晩鐘」でご存知のミレーについて、日経新聞で連載している“美の巨人たち”では、このシリーズ最後になるそうですが、これはテレビ東京でも放映されていますので、貴方もご覧になっているかも知れません。
ミレーの絵は山梨県立美術館にあるので、行かれた方も多いかと思いますが、ミレーの住んでいたバルビゾン村にはルソーも移り住んでいて、二人は仲が良かったそうですね。とりわけミレーは、母親が許さない結婚をして、9人もの子沢山に恵まれますが、妻が優しく働き者で農作業と子育てをこなし、ミレーの絵を描くのを助けたのだそうです。しかし、年がら年中貧乏で、ルソーがそれを助けていたと言うのです。
それゆえ、ミレーはバルビゾン村での生活や農夫の絵を沢山描いていて、先の有名な「晩鐘」等で農民の敬謙な祈りを描いているわけですね。

 ところが、それだけではないのですよ。ルソーと一緒に、近くにあるフォンテンブローの森が、建材や製鉄所の燃料用に伐採され開発され始めて、森が荒れるのを防止するために、森林保護を時の皇帝ナポレオン三世に直訴して、森の自然を守ったそうで、それを感謝した地元の森林組合によって、森の入り口の奇岩の一つに2人のレリーフ像が埋め込まれているそうです。自然保護の先駆者と言うわけですね。ミレーの意外な一面を知り、改めてまた山梨へ絵を見に行きたくなりました。きっと、今度は違った目で絵を鑑賞できるでしょう。( Nov. 29. 2000 )


 「昨日の3時頃? 渋谷のブティックで? この赤い? ブラウス買ったの?」
これは、2人の女子高生の会話ですが、ブラウスを買った女の子に、相手が質問しているのではないのです。ブラウスを買った女の子が、自分のブラウスについて、その時の様子を話しているのです。
 もうご存知でしょうが、最近風潮の語尾上げ言葉なのです。この話し方は、何も女子高生の専売特許ではないのです。会社でも、中年のおじさん社員や女子社員が電話でしゃべっている言葉もこれなのです。聴いている私はイライラしています。私だけそう感じるのかな? と思っていたら、そうではない事がわかりました。

 先日のテレビで「あなたも被害者 語尾上げ言葉の検証」でこの問題が取り上げられていました。実際にこのような語尾上げ言葉と、普通の言葉とを聴かせた時の脳の反応を調べたところ、前者の場合、脳に大きな負担が掛かることが確かめられていました。
 何故、質問でもないのにこのような語尾上げ肯定文が話されるのでしょうか? 番組では、東京外語大の井上教授がその理由を“帰国子女のために使われた”のではないか? と推測しておられますが、又別に“メディアで使われていたのが蔓延した”と言う説もあります。おまけにインターネットで「反語尾上げ連盟」などというホームページを掲げる所も出てきていると言うのです。

これは現代人が会話に自信を失ってきたために、
   @ 相手に相づちを求める
   A 相手の注意を自分に引きつけたい
   B 曖昧にして角を立てずに伝えたい
などの理由で語尾を上げるのではないか? と分析されます。
 私には、以前よく見られたように、自分の意見を言った後、「うん!」と自分自身で必ず肯定して見せる話し方(無論いまでもよく見られますが)と同じ感覚の話し言葉で、前者が自分の自信喪失の結果としたら、後者の自分自身の肯定は、同意を強制する意味で自分自身が肯定する、という行為になるのではないかと考えています。
 いずれにしてもコミュニケーションが薄れてきたように、インターネットのE-mailや携帯電話で象徴されるバーチャル・コミュニケーション時代を反映している現象なのではないのでしょうか? ところで貴方は“語尾上げ言葉”の肯定派? それとも否定派?( Dec. 20. 2000 )


 子供の虐待事件の報道が続いていますね。罪の無い子供が、食事も満足に与えられずに餓死するという事件が発生しています。それも、実の母親や父親が虐待をしているという事実に驚きを禁じ得ません。一体、母親の母性本能は何処へ行ってしまったのでしょう? 父親の尊厳は無くなってしまったのでしょうか? 学校などでのイジメのおおもとは、家庭での子供への虐待にあるのではないでしょうか? 子供を生きている物としてではなく、ゲームのキャラクター感覚で育てているのでしょうか?

 以前、NHKテレビで「子育てを放棄する親たち」を見ましたが、それによると子供をどうして育てていいのかわからないと言うのです。まさに本能の喪失です。自分の事しか考えられない親のエゴイズムがそこに見られるようです。自分の権利主張ばかりに固執した現代人の哀れな姿が見えてきます。男女雇用機会均等法にも見られるように、なぜ従来の母性保護の思想を捨ててまで、男女均等(平等では無いですよ!)でなければならないのでしょうか? 私には、実力に見合った評価は、男、女の区別は無いように思います。ただ、従来の男社会に於いては、女性の地位は決して高く評価されない場合が多かったようには感じていますが、それと男女雇用機会均等法の中身とは全く異なるように思えて仕方ありません。そこには(現代を象徴する)金・地位・名誉だけに拘る姿しか映ってきませんが…。

 児童虐待については、何も日本だけではありません。世界の子供達の虐待については、国連によって“ユニセフ(United Nations Children's Fund)”が、当初、戦争で荒廃した地域の子供達の支援のために設立されました。その後、多くの子供達が貧困と飢餓の為に、大人によって虐待されることを防止する為、1959年に「児童権利宣言」を国連が採択し、1979年を“国際児童年”としたことはご存知でしょう。このことについては、何時も日曜日に布教活動される“ものみの塔”の冊子「目覚めよ!」の12月8日号に“子どもたちの問題、ついに解決へ!”でも述べられています。

 また、同じように、恵まれない世界の子どもたちの支援組織としての“フォスター・プラン協会”の活動についてもご存知のことと思いますが、同じ児童虐待にしても、現在日本で起こっている事件は、余りにも常識を超えています。世界での児童虐待は、少なくとも貧しさからくる児童への強制労働、児童の売買、病気、飢餓などですが、日本のそれは、戦争や経済的な貧しさからくるものではなく、全く原因を異にするものだけに、異常であり、精神的に未発達の大人の増加が大変心配です。ひょっとすると、環境汚染によって、人の脳への知的障害が起きているのかも知れません。何とか早く手立てを講じないと、大変なことになりそうですね。( Dec. 16. 2000 )


 “インスタント・ラーメン”が一位。富士総研が行った「20世紀の世界をうならせたメイド・イン・ジャパン」の意識調査の結果が、日経新聞に掲載されていました。2位は“カラオケ”だそうですから、なるほど、私の意識も同じだなぁ、と変なところで感心してしまいました。私も“インスタント・ラーメン”は切らすことが出来ない好物で、日曜の昼食は“インスタント・ラーメン”を楽しみにしています。それも「明星チャルメラ」でなければならないのです。即席ラーメンは1958年に誕生したとありますから、日本経済の成長期に合わせて発展してきたのですねぇ。外国出張する人の必携品だったことを聞いて、日本人だなあと思ったことがあります。

 2位は“カラオケ”ですが、これはもう世界的なブームを引き起こして、メーカーがフル生産で大儲けしたことで、これも日本経済に大変寄与しているんでしょうか? 私もソニーの“カラオケ”を持っていて、盆や正月に子供たちが来ると、大騒ぎです。歌が下手でも様になるところが良いですね。多少は近所迷惑かも知れませんが、お隣さんも持っていて、時々は合コンしますから、近所とのコミュニケーションにも大変役立っています。
 3位は“ヘッドホン・ステレオ”だそうですが、これはもう“ウオークマン”と言った方が早いのかも知れませんねぇ。これが若者に蔓延して(?)対話をなくし、電車の中などでのトラブルにもなりました。現在の携帯電話と同じですね。最近でも運転しながら電話をしている人が多いし、歩きながら電話をしていて、とっさの時に対応できないので気をつけてもらいたいですね。( Dec. 12. 2000 )


 ベニイ・グッドマンをご存知でしょうか? 年配の方は、自分の青春の日々を懐かしく思い起こされることでしょう。
映画「ベニイ・グッドマン物語」をテレビ東京の20世紀名作シネマで見ました。白人ジャズの王者ベニイ・グッドマンのクラリネットと彼の楽団の演奏するスィング・ジャズの調べに、当時の情景が浮かんできます。ジャズと言えば、ニューオーリンズが発祥の黒人ジャズが主でしたが(ルイ・アームストロングのトランペットに魅せられて、私もトランペットを吹いてみましたが…/そりゃムリだ! 色が黒いだけではダメなんだよね)、その後ベニイ・グッドマンらの白人によるジャズバンドが圧倒的に歓迎されてきました。トミー・ドーシー、グレン・ミラーなど多くのジャズバンドにより演奏されてきましたね。

 この映画は1955年に製作されたのですが、その年に私は高校を卒業して当地に就職したのです。その年は不景気の最中で就職難でしたが、幸い当地のフィルム会社が、新工場の稼動で大量募集していたため運良く入社することが出来たのです。当時の私の社員番号は55307ですが、これは55年入社の307人目というわけです。同期に県外の工業高校からは私を含めて18人が入社しています。当時の高校では坊主頭が普通でしたので、背の小さい私は、中学生とよく間違われました。(当時は、中学卒の人も沢山就職していましたし、後に社内の教習所で、私が講師として彼らに計測をはじめ機械工学概論や物理Aなどを講義する事にもなりますが、果たして役に立ったのでしょうかねぇ?/そりゃ〜はなはだ疑問だねぇ!)

 それはさておいて、当時は社交ダンスが盛んで、社内のダンス部員が講師で、定時後に食堂の2階でダンスの講習会が開かれていました。男子校出身の私は“雑巾ダンス(柔道)”しか知りませんでしたから、女性の手を取って踊るなどとはとんでもないことでしたが、友達と一緒に勇気を奮って講習会に行くことにしました。そこでは、同じく女子高出身の同期生と知り合い、恥ずかしげも無く学生服でのダンスに心ときめかしたものでした。

 音楽の好きな私は、当時のダンスミュージックに使われた、ベニイ・グッドマンをはじめグレン・ミラー、パーシー・フェイス、スタンリー・ブラック等に留まらずアルゼンチン・タンゴやコンチネンタル・タンゴまで幅広くレコードを収集していきました。それが、後の4チャンネル・アンプの製作にまで発展することになります。私の青春は、ベニイ・グッドマンと社交ダンスから始まったのかも知れません。貴方の青春は如何ですか?( Dec. 10. 2000 )


 天才ゴルファーのタイガー・ウッズさんが小児がん研究の病院に50万ドル(約5600万円)を寄付するという事を新聞で見ました。それについてウッズさんは「自分の才能を(病気と闘う)勇気ある子供と家族のために使えることを誇りに思う」とコメントしていますが、さすが苦労して第一人者になったタイガーウッズ選手らしいですね。日本だとこうはいきません。せいぜいチャリティー・ゴルフ位でしょうか? 金と名誉(地位)に執着するのがせいぜいですねぇ。他人の事を思いやる心なんて持ち合わせないんですよ。

 今日、赤十字新聞が届きました。それによると、モンゴルから三宅島の子供たちに、災害のお見舞いとして700点の絵や手紙が送られてきたそうです。国境を越えて、地球市民としてお互い助け合うことが大切になっています。自分だけが良ければ良いという時代ではないのです。私もささやかながらユニセフ(国際連合児童基金United Nations Children's Fund)を通じて、飢餓や病気に苦しむ世界の子供達のために、毎年、年末に、義捐金の目的で貯金した小遣いの一部を贈ることにしています。
 日本の子供たちは恵まれすぎていて、世界中で飢餓や貧困と闘い、学校へも行けず、家族の生活を支えて、一所懸命生きている子供達のことを思いやることも出来ないのではないでしょうか? これは親自身が、自分の子供のことしか目に入らない視野の狭さが原因なのではないでしょうか?

 カンボジアやラオスでは、戦争の(アメリカ軍の)残した地雷の犠牲となって、多くの子供たちが、手や足をもぎ取られ、失明してもなお果敢に生きようとしています。何の罪も無い子供たちが、大人の勝手な論理による戦争の犠牲になっているのですよ!(アメリカ軍の)枯葉剤のために、多くの奇形児が生まれ、今なお戦争の後遺症に悩まされています。それでも、日本の政治家はアメリカの言うなりに成っているではありませんか? 戦争が如何に非情で愚劣なことか、貴方はきっとお解りでしょう? ( Dec. 8. 2000 )


 82才でヒマラヤの奥地、高山地帯に咲く“幻の花ブルーポピー”を求めて、酸素さえ希薄な失神しそうな高山病をおして、ひとりスケッチブックを携えて登山に挑む、孤高の日本画家・堀文子さんを、NHKの「ヒマラヤ・高き峰をもとめて」で見ました。

 堀さんは、絵の師匠を持たず、独力で自分の絵を作ってきたのだそうです。何ものにもとらわれず、自分の感性で描く絵は、定まった画風を持たないで、その時々での描き方で構成されていきます。
 私達は、ゴッホは強烈なタッチの絵であるし、ルノアールは柔らかなタッチの絵だと識別しますし、画風によってロマン派とか後期印象派だとか区別していますが、堀さんにとっては、絵は感情の発露であって、その時々に描かれるタッチは、自由な形を取ることに成るのでしょう。別の言葉で言えば、次々と新しく創造された日本画が生まれると言う事でしょうか?

 ヒマラヤの高山で、夢にまで見た“幻のブルーポピー”が、岩の間にひっそりと咲いているのを発見します。もう二度と来られないかもしれません。人に知られず孤独に咲き、孤独に散るブルーポピーは、孤高の画家・堀文子さん自身とダブって見えるのかもしれません。
 ここまで自分の心の赴くままに画材を求めて、否、自分の夢を追いかけて人生を賭けられる堀さんが羨ましいと思いました。何時までもお元気で、夢を求めて、素晴らしい絵を描きつづけて下さい。( Dec. 7. 2000 )


 福岡国際マラソン大会を見ています。今、藤田敦史選手がオリンピックの金メダリストのアベラ選手を一気に引き離して40Km地点を通過して行きます。“2時間28秒”でした。非常にリラックスして手をぶらぶらさせながら走っています。1Kmのラップが“2分55秒”という好タイムです。さあ、日本記録が出るでしょうか! ガンバレ藤田!!

 やりましたッ! 2時間6分51秒!! 日本歴代最高記録です!!!

 2位には、韓国のイ・ボンジュ選手がきました。五十嵐選手がガンバって3位に入ってきました。残念ながらアベラ選手は、力尽きて5位になってしまいました。お疲れ様でした!
 藤田選手は、とても冷静なレース運びでしたね。終わった後のインタビューでも、淡々としています。もう少し喜びを隠さないで、笑って跳ねまわって欲しいですねぇ。NHKのど自慢大会の合格者みたいに、司会者に抱き付いてはしゃぎまわって下さい。(バカ〜、マラソンと娯楽番組と一緒にするなッ!/そうなの? 嬉しいのは同じじゃないの?/“おれは鉄兵”なのだッ!!…これ、わかるかナ? わかる貴方はマンガ通だょッ!)

 NHK杯国際競技会のフィギュアースケートのエキシビションは、いつもながら楽しいですね。特にアイスダンスは素敵ですね! 自分も思わずやりたくなってきますが、何しろ前へ進むだけがやっとですからねぇ。ジャンプしたり、足を上げて後向きに滑るなんて、とても神業ですよ!

 ペアで優勝した中国の趙宏博のペアのスケーティングは、アクロバチックでシャープでした。中国国技団を思わせます。
女子シングル優勝のロシアのスルツカヤさんは、若くて可愛くて、とても笑顔が素敵でした。
アイスダンス一位のフランスのマリナ・アニシナ/グェンダル・ペーゼラ組は、人気も一番、演技も遊び心があって見ていて楽しさが倍増します。
男子シングル優勝のロシアのプルシェンコさんなどは、途中で美女の居る観客席へ飛び込んだり、茶目っ気たっぷりで、会場の女の子にもてもてでした。私もやってみたい! (ムリ、ムリッ! 歳を考えろ、それに鏡と相談しろッ!/あ〜ぁ、天は2物を与えずか!/バ〜カ、1物も与えていない!)( Dec. 3. 2000 )


 少年法改正案が昨日参院本会議で可決されたそうですが、以前、少年法の改正が青少年の人権を擁護する思想から外れるのではないかと危惧していましたが、度重なる少年の凶悪犯罪をテコにして強引とも思える厳罰化に向かって、適用年令の引き下げと言う形で改正されることになってしまいました。

 青少年の犯罪は、全てを青少年のせいにするには問題がある様に思いますし、凶悪犯罪にしても、世の中の情報化が進んで、件数は僅かでもテレビや新聞などのマスコミが大きく取り上げるようになって、如何にも凶悪犯罪が増加しているように見えますが、実際には、長年変化していないそうです。マスメディアの発達によって、即時に情報が行き渡る為、少年犯罪が急激に増加したように感じられるわけです。

 何度も言うようですが、少年法の精神は、過ちを犯した少年の更正を願うのが建前ですから、犯した罪に対する厳罰化が目的ではないはずなのです。もし犯罪を犯した少年の罪を厳しく追及したほうが良い場合は、従来の少年法でも運用によって充分目的を達するように思います。厳罰化によって何が解決できると言うのでしょう? それよりも従来は被害者側が、犯罪を犯した経緯を知らされず、納得の行かないものでしたから、被害者にこそ審判の内容を情報公開すべきではないのでしょうか? 一応、5年後の見直しを盛り込んではありますが、もっと被害者などの意見も取り入れて充分に議論すべきだったのではないでしょうか?

 問題は異なるかも知れませんが、私が東名高速で追突された事故の例でも分かるように、警察は被害者の意見には耳を貸さない体質にあるのです。加害者の言い分を聞いたほうが警察としては都合が良いのではないでしょうか? 事件の原因を正しく掌握し、今後の事故を未然に防止することよりも、事件の決着を早くつけたいのが本音なのではないでしょうか? 少年法の改正は、日経新聞の報道にも有るように、充分な審議が尽くされず拙速過ぎるのではないでしょうか?( Nov. 28. 2000 )


 NHKの「名物研究室」で同時通訳機の研究をしている名古屋大学の稲垣研究室が紹介されました。私達日本人(ひょっとして私だけかな?)は、英語が苦手ですし、外国人を見ると尻込みしてしまいますねぇ。英語さえ話せれば(むろん聞き取れなきゃダメですが)堂々と話しが出来て世間も広がるというものですが、外国語は、書くことや読むことは出来ても会話となると難しいですよね。

 ところが、稲垣研究室では、それを可能にする同時通訳機を研究しているのです。現在、試作段階でもかなり上手く翻訳して発声出来ることが良く分かりました。英語と日本語の違いは、主語と述語の順序が逆になるので、文章の一区切りでないと翻訳できないことでしたが、稲垣研究室では、文章全てを訳すことをやめて逐次訳していくという手法を取りました。そのため少し不自然な順序に成ることも有りますが、即時に翻訳することが出来、同時通訳による遅れの問題が解消でき、タイミングが大切な会話には最適です。

 同時通訳機については、以前紹介しましたようにIBM等でも研究が進んでおり、かなりの成果が期待されていますが、即時性については、稲垣研究室のアイディアの勝ちかも知れませんよ。こんな便利な物ができれば、怠け者の私などは英語の勉強さえも(?)しなくなりますねぇ。(日本語でもまともでないくせに!)しかし、これから益々広がる国際化には欠かせない道具ですね。( Nov. 26. 2000 )


 ケーキの材料として使用されるコーンミールに、遺伝子組換えトウモロコシ“スターリンク”が混入されていることを市民団体から指摘を受け、それに対して、既に2月に約3万8000トンがアメリカから輸入されていたことを厚生省が明らかにした。

 わが国では、遺伝子組換え作物の法的規制は、まだ明確になってはいないが、農水省では、輸入飼料についてアメリカ政府に対して、船積み前検査を実施して、対日輸出を未然に防ぐよう要請しているそうである。食品に付いては厚生省の管轄になっているようで、食品衛生法での規制(来年4月から規制か?)がないため輸入販売を禁止したり、回収を命じる法的措置は取れないとしている。しかし、アメリカでは、飼料用しか認められておらず、食品用としては、消費者団体などが人間が摂取するとアレルギー反応を起こす懸念があると指摘しているため、認可されていない。

 日本では、農水省と厚生省で見解が異なっており、厚生省の論理でいけば、人間が摂取して問題が発生しない限り規制はしないと言うことなのだろう。これはまた、非加熱血液製剤の使用で、厚生省が、エイズ感染の可能性を知りながら早期措置、対策を怠り、多くのエイズ感染者を発生させ、それをごまかす為に「性交渉にはコンドームを!」などのキャンペーンで、大学生にコンドームを配布させた苦々しい問題を思い起こさせる。

 遺伝子組換え作物については“人体への危険性が明らかでないから規制しなくて良い”のではなく、“飼料や食品に用いて家畜や人に安全であることが証明されていないものは、使用してはならない”のではなかろうか? 都合の悪いことは国民に隠す、厚生省のこの体質を改革しない限り、国内で最近続いて問題を引き起こしている食品の品質異常や医療過誤の問題は、何時になっても改善されないのではないか? 行政改革で、官僚の体質とタテ割り行政の弊害が改善されることを期待したいが…。( Nov. 23. 2000 )


 日経新聞の「デジタルスパイス」欄で、お馴染みの山根一真さんが“中古パソコンに残る重要文書”として企業で多く使われているリースのパソコンが、中古パソコンとして市場に出回ることが多いのだが、問題は、そのハードディスクに残された企業の重要なデータが、何の苦も無く読み出されることだそうである。例えハードディスクを初期化しても、市販の修復ソフトで容易に復元できると言うのだ。実際に出てきたデータが写真で示されているが、これにはビックリ! 住所録や名簿まで出てくるというから、私物のパソコンの買い換えで、中古品として出すことだってあるから、本当だとしたら大変だ!

 事実、この記事を見て山根さんのところへ、問い合わせのメールが殺到したと言うから、多くの人達が、この記事で心配になったに相違無い。私も、新しいパソコンにすぐ乗り換えたがる方なので、これは他人事ではないぞ! 幸い、今まで使っていたパソコンは、いずれも物置やタンスの中で寝ているので、今のところは心配無い(ホッ)。貴方の古いパソコンはどうかな? くれぐれもご用心!! ご心配な方は、山根さんのアドレス( LEB06140@nifty.ne.jp )へどうぞ! ( Nov. 21. 2000 )


 やはり自民党内の茶番劇か? 加藤、山崎両氏の自民党・森内閣への危機感は何だったのか? 国民はやっぱりバカにされていたんですねぇ! 野党の森内閣不信任案に同調すると言う、加藤・山崎両氏の言葉に、きっと貴方も、新生自民党を期待していたのではないですか? 一転、不信任案採決に全員欠席すると言う変わり身の速さに、一所懸命、加藤・山崎両氏の果敢きわまる発言の報道テレビを、真剣に見ていた自分が、バカだったことを思い知らされたのではないでしょうか? 理由はどうあれ、結局、自民党は自民党でしかないんですよ。( Nov. 20. 2000 )


 オーストリアでのケーブルカーの火災事故は、予想外の大惨事になってしまいましたね。ワイヤーで引っ張っているだけの車両とかで、火災が発生するとも思えませんでしたが、大火災となって大半の遺体の損傷もひどいそうで、無残ですね。
 運転手が乗車しているにもかかわらず、非常時の誘導も無かったのでしょうか? おまけに非常ドアも開けられなかったとかで、窓ガラスを割って脱出した僅かの人達だけが、幸運にも助かったそうですが、邦人の10名の生存は危ぶまれています。傾斜がきつい上、真っ暗闇のトンネルの中では脱出は困難なのかも知れませんが、どうかして脱出していて欲しいものですね。

 最近大きな事故が多いですね。それもほとんどの乗客が死亡しています。ロシアの原潜沈没といい、フィリピン航空の工事中の滑走路での事故といい、人災としか言いようが無く、また事故発生後の処置方法によっては、被害を最小限にできたようにも思います。今回もそんな気がします。世の中何かが狂っているんではないでしょうか? ( Nov. 14. 2000 )


 14億円ですって! 大統領選でブッシュ氏とゴア氏の得票集計でもめていますが、さすが景気の良いアメリカですねぇ! イチロー選手の交渉権に提示された金額だそうですよ。入札制度でオークションにかけられたって感じで、人間商品でしょうか? 噂どおり、佐々木投手のいるマリナーズの指名だそうですから、交渉が順調に進んで契約が成立すれば、2人で日本男児の心意気を存分に示して欲しいですね。昨日の日米親善野球でも、巨人の高橋尚投手が大活躍で、7奪三振で1:0で競り勝ちました。あわよくば彼も目指すはメジャーか? 21世紀のメジャーリーグも、トルネードならぬ日本旋風が吹き荒れるでしょうか? 日本経済の地盤沈下で、代りに、野球でアメリカに殴り込みでしょうか? 何はともあれ平和なスポーツで勝負なら文句ありません。期待してますよ、イチローさんッ!!( Nov. 10. 2000 )


 やりましたねぇ! ハマの大魔神、佐々木投手。アメリカン・リーグでの新人賞獲得! あの開拓者・野茂投手に続いて二人目ですね。日本のプロ野球の選手がアメリカのメジャー・リーグでも通用する実力をつけてきたと言う事でしょうか? しかし新人と言っても、もう30過ぎているんですからねぇ。でも、日本で温室育ちのプロ野球選手がアメリカで活躍するには、きっと言うに言えない苦労があるでしょうね。

 アメリカでは、全てに実力主義が徹底していて、努力無くして栄光は得られないのです。もう20年以上前にもなりますが、ブロードウエーでショウ・ダンサーの競争の厳しさを聞きました。1日でも練習を怠ると明日の出番は無いのだそうです。だから、シドニー・オリンピックの野球競技(?)なんぞにメジャーの一流選手は出ないそうです。プロは正にプロとして、身体を張って勝負をしているのですね!
 それにしても、日本のプロ野球選手が、野茂選手に続いて、ぞくぞくメジャーリーグを目指していますし、イチロー選手も指名契約待ちだそうですから、益々楽しみですね。( Nov. 7. 2000 )


 秋の叙勲が発表されましたね。先月、叙勲などの栄典制度の見直しを行って、受賞者が政治家や官僚に偏らないようにするという話がありましたが、その舌の根の乾かない今回の叙勲に、何と!勲一等旭日大綬章9人全てに国会議員が選ばれ、それも井上参院議長を筆頭に全て自民党議員が並んでいるのを見て、何とも言葉がありません。
勲三等までの外国人を除く428人中、政治家の受賞者は31人、官僚が121人、大学長、大学教授(名誉教授)等が170人となっています。その他が101人ということになります。

 勲一等瑞宝章に、外資系である日本アイ・ビー・エムの椎名武雄氏が選ばれたのが、せめてもの慰めでしょう。椎名さん自身は、 日経に連載の「私の履歴書」で、日本独自の文化を重ね合わせた、純粋培養の日本企業のつもりで育て上げられたと明言されているし、日本の中で、最も日本らしい文化を持った企業であると感じている。
 何で、それほど日本アイ・ビー・エムに拘るのかは、私自身が、日経新聞社のコールド・システム(コンピュータ製版)構築の際に、写真植字の校正でシステムの一部である写植ペーパの現像処理システムを設計・製作し、後のメンテナンスに関わるなど多くの影響を受けたこともあったからで、それらの詳細に付いては、また機会をみてお話ししましょう。( Nov. 5. 2000 )


 晩秋の奥入瀬に行ってきました。ところが1日から3日までなんと雨続き。この前、合気道部の有志で訪れた時も雨でした。そして、待望の八幡平は吹雪で引き返しました。今回も八幡平は1日目でしたが、この雨では大雪か? と3度目の正直(1回目は自分で運転して夏に登りましたが、濃霧にまかれて生きた心地がせず引き返しました)もダメか? と思いましたが、何と奇蹟的に(?)霧に巻かれることも無く、むろん雨は止みませんでしたが、無事に“雨の八幡平”を満喫しました。霧の切れ目に岩手山の姿が浮かび上がった時は感激しました。頂上では、先日降った雪が残っていました。

 この時期の奥入瀬は、紅葉も落ち葉でガッカリと思っていましたが、どうしてどうして、バスガイドさんが糸で縫い付けておいてくれたそうで(?)しっかり紅葉を楽しむことが出来ました。しかし、レインコートに傘を差しての写真撮影は苦労のし甲斐がありました。
 今回は陸中海岸のコースで、途中、数日前にテレビで紹介されていた日本三大鍾乳洞(山口県の秋芳洞、高知県の龍河洞)の一つ、岩泉の「龍泉洞」へ寄り、ビックリするほどの透明度の地中湖に驚嘆の声を上げ、そこの地下水で作られたおいしい“モンドセレクション金賞受賞”の“龍泉洞コーヒー”を味わいました。(私はコーヒーは好まないのですが、これはお世辞でなくおいしかったですよ!)名水「龍泉洞の水」も小瓶1本だけ買ってきました。その辺のスーパーで売っている水など足元にもおよびませんよ。欲しい人は、岩泉町産業開発公社(Tel.0194-22-4432)に問い合わせて下さい。

 更に、北山崎の「鵜の巣断崖」を見物して、遊覧船で「浄土が浜」へ。これが大変でした。海が荒れていて、ひどいローリングとピッチングおまけに雨、ウミネコの写真を撮るのも命がけ。浄土ケ浜へ到着し、集合写真を撮る頃になってやっと雨も上がりました。
 帰りの盛岡までの途中では雨も上がり、山々の素晴らしい紅葉の景色を満喫しました。バスの窓ガラスは、熱線防止で青い色が付けられていることに初めて気がつきました。窓越しでは、綺麗な紅葉の景色がわからなかったのです。窓を開けると冷たい風が入るので、写真を撮るとき僅かだけしか開けられません。何のための観光バスでしょうかねぇ?

 せっかくの奥入瀬も、雨でなければもっと素晴らしかったのかもしれませんが、岩手の久慈美人(久慈市は“琥珀”の産地で、ネックレスやイヤリングは女性の人気が高いのでご存知でしょうが…)の素敵なガイドさんのお陰で退屈せずに楽しいドライブになりました。おまけに“読売旅行”の添乗員さんも私と同姓で、それに可愛い人でしたから、暗い天気も気になりませんでした。旅は、色々な出会いがあって楽しいものですね。家に篭っていると世間に疎くなっていけませんねぇ。(インターネットだけにハマッていてはいけませんですょ!/お前だけじゃぁないか?/いやいや、お互いに!)旅は道連れ世は情け、か?( Nov. 4. 2000 )


 ノーベル化学賞の白川英樹博士の独創の軌跡として「日経サイエンス」の12月号で詳しく紹介されています。それによると、当初の発端は、韓国の留学生にポリアセチレンの重合について指導している時に、触媒の量を間違えたことから、ポリアセチレンが粉末ではなく薄膜を形成したのだそうですが、この薄膜自身には導電性は無く、博士のするどい勘と10年以上もの歳月を費やした執念の研究によって、導電性を持たせる可能性が出てきたと言います。

 そして決定的な出会い。アメリカのペンシルベニア大学のマクダイアミッド教授が東工大を訪れた際に、教授がその薄膜を見たいと申し出たのがきっかけで、白川さんが渡米して一緒に研究することになったのだそうです。
 一部の報道関係では、ポリアセチレンの電気伝導性は、韓国の留学生の研究によるものだとして、当時の韓国人留学生を探し出して取材し、その夫人に“ノーベル賞は、本当なら(留学生であった)主人が貰うべきものです”と言わせていますが、まったく事実をよく知らないで、日本人として喜ぶべきノーベル賞受賞の足を引っ張ろうとする、日本人の独創性の芽を摘む悪い癖を、端的に表している例と言えましょう。

 ポリアセチレンの導電性に付与については、沃素をドーピングすることによって得られたそうですが、ご存知のように、ハロゲン族の沃素(I)は、臭素(Br)や塩素(Cl)と共に、写真感光材料として銀と結び付いてAgI,AgBr,AgClの結晶をつくり、光が当ることによって金属銀に還元されて潜像を形成します。やはり、プラスチックの導電性の付与には、臭素も効果があったようですから、素人なりに何となく納得しました。

 現在、導電性プラスチックとしては、ポリアセチレンのほかポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどが注目されており、まだまだ興味の尽きない研究分野でしょう。
 また、電気伝導性を有する金属に比し、格段に軽いことと化学薬品の耐蝕性に優れ、柔軟性がある導電性プラスチックの用途は益々広がることでしょう。その点で、この発見は産業界の常識を覆すほど画期的なものであり、ノーベル賞の評価も当然でしょうね。また、白川博士の人と成りや研究態度も、科学者の鑑とすべきものではないかと感じ入りました。
 白川博士と私は同い年(1936年生まれ)ですが、片やノーベル賞科学者、片や油まみれの設備保全のシルバー・スタッフ、落差がありますねぇ!(当たり前だッ! 比較の対象ではないッ!!/それもそうだ! しかし〜、昭和30年に実験ミスで気がついてれば、それから40年もあったのになぁ…/アホか! 40年間カーボンの粉をかき混ぜていろッ!!)( Oct. 29. 2000 )


 フォスター・プラン・ニュースの49号が届きました。今月は、ボリビアのタリハ地区に住むフォスター・チャイルドのベイマル君の1日が紹介されています。

 ベイマル君は14才ですが、母と姉2人と共に働いて家計を助けています。朝7時に起きて町に住むハラミリョさんの家に出かけ、家の掃除、庭の草刈り、植木の世話、家具磨き、そして買い物などの手伝いをします。これで、1ケ月約2200円の収入になります。仕事が終わると、一旦、家に帰り学校での宿題を済ませます。学校へは、午後の2時半に行きます。ボリビアには、家の仕事で朝学校へ行けない子ども達の為に、午前と午後の2部入替制の学校があるのだそうです。彼はこう言います。

「このまま勉強が続けられればいいなあ。学校を卒業したら、その上の学校でも勉強して、自動車の修理工になりたいんだ。そしたら、自分の力でお給料をもらって生活できる。そうなったら、家族みんなが一緒に暮らせる住み心地のよい家を持ちたいな」

 世界の多くの子ども達は、ベイマル君のように、家族の為に必至に生きています。ひるがえって、多くの日本の子ども達や若者はどうでしょうか? 豊かさの中にどっぷり浸かって、学校へ行くのが嫌だとか、目的も無く大学に進み、自分の好きな仕事が無いからと言って、フリーターでその日暮らしを続けているのではありませんか?
 大人の一部には、価値観の多様化であり、今の若者の姿が現在の望ましい生き方だという人もいます。本当でしょうか? 生きることに真剣になって、初めて自分の生きる目的がハッきり見えてくるのではないでしょうか?

 今の甘い親は、いつまでも子供の面倒を見て彼らの自立を阻害しています。ひどい場合は、結婚して独立している息子や、嫁にやった娘の面倒まで見て、それが良い親だと勘違いしているふしもまま見られます。そうでなくても、高校や大学の入学に「2浪まではいいじゃないか」と平気で言う親も少なくないようです。これが金満日本の現実の姿です。決して価値観の多様化で片付けられる問題では無いような気がしますが…。( Oct. 26. 2000 )


 長嶋ジャイアンツやっと白星、それも飛びっきりの9:3での素晴らしい逆転良かったですねぇ! それも沈黙が続いていた松井の豪快なツーランが出てほっとしたでしょう。クリーンナップが沈黙では様にならないもんね。
2回に同点に持ち込まれた上原に、こりゃあダメだ、長嶋監督も継投を間違ったか? と思いましたが、味方の打線の爆発にあと押しされて立ち直っての見事な力投でした!

 逆に王ダイエー監督は、3回での早期の継投に躊躇したことで逆転を許してしまいました。どちらにしても継投が勝敗のポイントとなりそうですね。
 投手陣をバッチリかためた長嶋ジャイアンツと、頼りない?投手陣を粘りの打撃陣でカバーする王ダイエーの対決は、益々面白くなってきました。まだまだ、7戦までガンバって、日本シリーズのON対決、わくわく楽しませてよね!( Oct. 24. 2000 )


 水の郷2000年サミット全国大会が、当南足柄市で開催されました。
同時に、特別講演として、女優の和泉雅子さんの「笑ってよ北極点」がありました。和泉さんを間近で(満員のため2階からなので、間近とは言えないか?)拝見するのは初めてですが、その若さに驚きました。(53才に成られたそうですよ!)そして、とても北極点までの踏破を果たしたとは思えない、にこやかな笑顔と語り口でした。

 北極と言えば白熊ですが、南極と違って大陸はありません。どこまでも氷の海です。その中で水は大変貴重で、日常私達が接している水や氷の観念とは異なります。氷の海では、氷を溶かしても塩っ辛くて飲めないのだそうです。塩水は氷にならないとばかり思っていました。だから北極ではおいしいオンザロックがふんだんに楽しめるのではないかと思っていましたが、自然とは厳しいものですねぇ。そういえば、海水の淡水化は簡単ではないですよね? 凍らせて淡水が得られれば簡単ですものね。

 また、厳しい氷の海を征服して北極点に立つまでには、一分たりとも気を緩めることはできません。ちょっとした判断ミスや失敗が死につながります。自分だけでなくメンバー全員の生命が掛かってきます。
 そのような生と死の限界で最大の力を発揮するには、緊張ではなくリラックスなのだそうです。“火事場の馬鹿力”と言いますが、神経を集中する為には緊張していてはダメなのだそうです。いわゆる肩の力を抜いてリラックスすることです。オリンピックでも、緊張して折角の大舞台で持てる力を充分発揮できないことがあるではありませんか? “タコの八チャン”(歳が分かりますねぇ)のようにくにゃくにゃになることですよ。と身体をくねらせて笑いました。
 こんなところで「気」の講釈を聞くとは思いもよりませんでした。やはり限界に挑んだ人だけに迫力があり、説得力がありますね。私がこのホームページで講釈している「気」では、誰も信じてくれませんがねェ。

 同時に、映写されたスライドを通して、氷点下40度の北極の無の世界をひしひしと感じました。よくもまあ物好きに命をかけて行きましたねェ。私にはとてもそんな勇気は湧いてきません(当ったり前だッ! 寒い朝、ミカン畑を5Km走るのとは、わけが違うんだぞ!)
 人が死に直面した時、本当に生きるとは何か、人の優しさとは何かが初めて理解できるのかもしれません。和泉さんのことばの端はしにも、他人の話しを聴く態度にも、さりげなく細かい神経が行き届いていました。とても感動しました。私達も今に安住することなく、常に冒険する勇気をいつまでも持ちつづけることが大事なのでしょう。( Oct. 20. 2000 )


 驚きついでに又一つ。国民栄誉賞を金メダルの高橋尚子選手に与える、と森首相が発言しました。
 別に反対する気は毛頭ありませんが、しかし、何故、高橋選手だけなのでしょうか? 金メダルを獲得した素晴らしい選手は他にもいますよね? 柔道の田村亮子選手、柔道男子の滝本選手、井上選手、更には限りなく金に近い篠原選手など多くの選手がいますが、どこに違いがあるのでしょう? 銀だって、銅だって何ほどの違いがあるんでしょうか? モリソバさんは、いやはや、何とも不可解な言動を起こす人なんですねぇ?
 いっそのこと、「メダルを獲得した選手全員に国民栄誉賞を与える」という約束にしたらどうでしょうか? それとも順番に、首相とデートして夕食を(もちろん自腹で)おごってもらうとか…。

 その向うを張った気でもないんでしょうが、田村亮子選手に“菊池 寛賞”を与えるということが新聞で報道されています。菊池 寛賞というのは、作家とか文学関係で与えらる賞だとばかり思っていた私はうかつだったのでしょうか? 授賞理由は、“シドニー五輪での金メダル獲得で悲願を達成した、たゆまざる努力に対して”だそうです。益々解らなくなってきました。それだけではありませんよ。(プロ野球の)日本シリーズで、第1戦の始球式に高橋尚子選手、第2戦の始球式(?)に田村亮子選手が起用されるそうですが…? 大人の考えることは不可解ですね?(きっと私はオトナに成りきれていないんでしょッ!)( Oct. 19. 2000 )


 驚きましたね! ノーベル化学賞の白川英樹筑波大名誉教授とシドニー・オリンピックで金メダルの高橋尚子選手が縁続きだと言うのですからねぇ! 日本のノーベル賞授章は前回授章の大江健三郎(文学賞)さんから6年ぶり、化学では、福井謙一さんから19年ぶりということです。片や高橋選手は、女子選手では初の新記録でしたから、共にそれぞれの分野での最高記録でした。

 白川教授が、導電性プラスチックの発見(?)については、“ポリアセチレンの実験をうっかり間違えて、不純物を多く加えた為に導電性のプラスチックが出来てしまった”とこともなげに話されるのを見て、またまた二重に驚きました。普通なら実験のミスなどとは、大きな声では言わないものです。型破りの根っからの研究者、いや探求者なのでしょう。
 マラソンの高橋選手は、あの独特なと言うか、異端者の走り方を小出監督が見出したと言いますが、こちらも型破りな走りが世界を驚かす記録となったのでしょう。しかし、どちらも非凡な才能の持ち主に違いありません。それを正当に評価できる土壌が日本の国に育たないのでしょう。高橋選手を育て上げた小出監督も負けず劣らず型破りなのですから。

 またまた、ひんしゅくを買う話しになるかもしれませんが、私も昭和30年に就職して、研究所の、何と!高分子研究室に配属されました。(私は工業高校の機械科卒なのです)研究室の竹中主任さんは“化学屋ばかりの研究所に、一人くらい機械屋がいても面白いんじゃないの?”ということで、私をつれてきたと言うのです。(私はモルモットか?)

 竹中さんは、当時の日本の化学界では相当知られた存在で、学会などでは、いつも一番前の席に陣取って、講演中は居眠りをしていて、講演が終わるとやおら目を覚まし、鋭い質問を浴びせかけて、講演者や発表者を震撼させたことで有名です。あだ名を“半兵衛さん(竹中半兵衛)”と呼んでいて、今居たと思ったら、何時の間にか疾風の如く消え去っていて、まさに神出鬼没でした。小柄で、まだ30代だというのに、頭が禿げ上がっていて、“だから空気の抵抗が少ないんだよ”と陰口をされていました。
仕事への厳しさもまた格別でした。先輩達には“良いところへ配属されたね”と羨ましがられましたが、何の、何の!仕事の厳しさには閉口しました。

 話しが長くなりましたが、竹中さんは、この新入社員の機械屋の私に“プラスチックに導電性を持たせて、かつ伝導度が調整できるように考えよ”と言うのです。白川さんならともかく、化学の全く分かっていない私ではパニックで、何しろ闇雲にポリビニールアルコールに炭素の微粉末を分散させ、溶解したセルロースに混ぜて、何とかならないものかと四苦八苦しました。無論そんなことでは何とも成るものではありませんでしたが、その過程で、印画紙にセルロースをしみ込ませれば、写真の処理性や保存性を改善できるのではないかと思い付きました。印画紙を現像処理するときに染み込んだ定着液が、水洗で完全に抜けきれないと、ご存知のように写真が経年変化で変色するのです。(昔の写真は茶色になって画像が淡くなっているでしょ?)それに、水洗を十分する為には時間と水の消費量が多くなるので。処理時間が掛かってしまいます。(今なら環境にも悪いですね)

 この考え方は、すぐには実用化されませんでしたが、現在はほとんどが同様の考え方で実用化され、WP(Water Ploof)ペーパとして使用されています。
“研究者は、失敗であっても、その中の小さな現象を見落とすな!”と言うのが、竹中さんの私に対する教えでした。今でもその言葉を思い出して、今は亡き竹中さんを懐かしく思い起こしています。竹中さんもまた異端児だったのかも知れません。( Oct. 15. 2000 )


 日経新聞によると、125年ぶりに叙勲などの栄典制度の見直しが行われ、受賞者が政治家や官僚に偏った現状を是正するとあります。叙勲の内訳に付いては従来より政・官に偏っていて、社会に貢献した人への感謝や顕彰とは程遠いという批判がありましたが、一向に改まることなく、何と!125年も続いてきたとは驚きですね。

 叙勲は「国家又は公共への功労を総合評価して勲章を授与される」ことで、勲章の等級としては、大勲位から勲八等までの9段階27種類と文化勲章があります。それに褒賞は、特定分野での功績や善行をたたえる制度で、紅綬、緑綬、紫綬など6種類の褒賞があります。
 経済界では、奥田日経連会長が「人に等級をつけて区別つけるのはおかしい。民間人にはいらない」と言われていますが、日本スーパーマーケット協会の清水会長の言われるように、政・官・軍(自衛隊)は、昔から勲章を欲しがる種族で、政治家がこの制度を検討する限りは無くならないのではないか?

 褒賞についても、人の功績に序列をつけるのは困難であり、結局は周りの推薦(実際には順番待ちか?)によるわけで、スポーツなどのように点数で区切れないものであり、例え、点数で区切った所で明らかな差を見出すのは難しく、所詮、人の差別を助長することに過ぎないように思われる。(オリンピックだって審判が正しいとは限らない)

 しかし、栄典制度がある以上「春秋」欄で述べられている様に、“人の値打ちに位階勲等をつけて差別するのはけしからん”と授賞を固辞しつづけた土光経団連会長でさえ、(後で授章する人の)“順番が狂い、経済界全体に迷惑がかかる(?)”との側近からの説得で授章に応じたとあるように、授章辞退を公表しない限り、実際にはゼスチャーでしかないのだろう。制度自体をなくさない限り改革などはあり得ない。
 人が物(メダルや勲章)や金、地位や名誉に固執する限り、それによって益々煩悩を増やし、他人を思いやる心や、己の精神の発達・向上は望む術も無い。
 ノーベル賞選考委員会でも同様にノーベル賞の権威は薄れていて、受賞者の数の制限の撤廃やら、新規分野の新設などを検討していると言うから、「何処も同じ秋の夕暮れ」か?( Oct. 8. 2000 )


 TBSのスペシャル番組、「シドニー五輪女たちの凱旋帰国」を見ました。マラソン金メダルの高橋尚子選手をはじめシンクロナイズド・スイミングや銀メダルで一躍脚光を浴びたソフトボールの皆さん、これはと思うようなテコンドーの岡本依子選手、競泳の皆さん、そして遠方からテレビを通して“柔ちゃん”こと、田村亮子選手、底抜けに明るい水泳の田島寧子選手など、改めてシドニーでの女子選手の活躍の興奮が蘇ってきました。

 素晴らしかったですね! 苦しかったであろう練習の日々、追いかけられ、付きまとわれるマスコミとの対応、メダルの重圧、どれをとってみても精神的な負担は想像できないくらい厳しかったに違いありません。よくガンバってくれましたね。シドニーまでの日常の日々もビデオで紹介されました。思わず涙が溢れました。惜しくも栄光を手に出来なかった選手の方々にも拍手を送りたいと思います。努力は必ず報われます。その価値は自分が一番良く知っているはずですから…。

 私は、ホスト役の“みのもんた”さんは、個人的に好きではありませんでした。何しろ、表情が暗いし、断定的なトゲのある口調は好みません。しかし、今日の“みのもんた”さんは、選手の皆さんに対して、非常に気遣いのある、よく神経の行き届いた会話で素晴らしかったし、高橋選手を育てられた小出監督の明るさも良かったですねぇ! おまけに、ビックリするようなお客様、シモン選手の出場には驚かされました。高橋選手は、シドニーの金メダルは世界記録を目指す道の捨石だと言いますから、まだまだシモン選手との戦いは続くのかも知れません。

 選手の皆さんのご健康(特にケガの無いように!)と益々の精進、今後の活躍を心からお祈りします。次のアテネを楽しみにしていますよ〜! 男子もガンバレよッ!

 マジック1となった王さんのダイエーも苦戦していますねぇ。昨日に引き続いて惜しくも4:5でロッテに連敗を喫して、おまけに西武が5:1でオリックスに連勝したために、優勝は明日にお預けになってしまいました。最後の1勝がどうしてもものにできません。
 長嶋巨人ジャイアンツが早々と優勝して、O,N対決をファンの皆さんが首を長くして待っていますよ。早く決着をつけて下さいよ! しかし、わが野村阪神タイガースは、今日もボロボロ5つのエラーでせっかくの勝てる試合を落としてしまいました。もう見込は無いとは言え、もっと空元気でも出して、タイガースらしさを見せてよッ! これで飛びっきりの最下位、見事ではありませんか?(情けなくて、涙も出ませんッ!)こんなだったら、新庄をシドニーへ応援に出した方が良かったね。きっと、来年はガンバってよねッ!風船屋さんのためにも…。( Oct. 6. 2000 )


 日経新聞の「私の履歴書」に元日本IBM社長(現最高顧問)椎名武雄氏の連載が始まる。コンピュータ業界にとってIBMは常にトップの座を占めてきた。しかし、日本IBMと本社の米IBMの関係に付いてはあまり知られていないのではないだろうか? 確かにIBMの日本の子会社として日本IBMがあるに違いないのだが、それだけではない。米IBMと対等の立場でものを言えるように、日本IBMを独自の理念のもとに育て上げられた、椎名さんのなみなみならぬ努力と苦闘の歴史がここに披瀝される。

 IBMには、もともと立派な経営理念があり、それが次のように紹介されている。

   1. 個人の尊重
   2. 最善の顧客サービス
   3. 完全性の追求
これらの上に椎名さんは日本独自の文化を重ね合わせて、外資系という色眼鏡で見られないような会社に育てると同時に、経営実績としても、本社の米IBMに対等に発言して認められるような日本IBMに育て上げられたのではないでしょうか。
 先月、雑誌「THE 21」で日本の
“社員にやさしい会社”のランキングで、私が第二位に選んだ「日本アイ・ビー・エム」の理由がここにあります。昔はIBMのキャッチフレーズが“THINK”だったのを思い出される方も多いと思いますが、私もIBMのこの“THINK”を座右の銘として、仕事や研究に、改善提案や特許の考案などに精を出してきました。IBMブルーも大変好きな色でした。機器の試作機の色はいつもIBMブルーを塗って喜んでいたのを、今でも懐かしく思い出します。
 これからの連載で、椎名さんが明かされる日本IBMの秘められた物語が楽しみです。( Oct. 1. 2000 )


 シンクロナイズド・スイミングは素晴らしかったですね! 何しろ、日本は世界の強豪チームを相手に、チームでもデュエットでも銀メダルでしたからね。衣装も良かったし、演技も素晴らしかったですよ。団体フリーで芸術点に10が並んだ時は、やったぁ〜!! と思わず叫んでしまいました。(何で、お前が叫ぶのだッ?)いやいや私も日本の味方です!(当たり前だッ!)でも、フランスも良かったなあ…。

 でも何が良いかって? そりゃあ、水も滴る美女の生足をたっぷり(イヤと言うほどか?)見られるんですから、シカもタダでですよッ!(バ〜カ、Hッ!)これが男のシンクロナイズド・スイミングだとしたらどうでしょう? 考えただけでも食欲が減退してしまいますねッ!(あったりまえだッ!)
 ところが、男子のスイミングチームでこの練習に余念の無い高校があるんです。本当ですよ。見ていて美しいとはお世辞にも言えませんが。何しろ男子の体操の選手が水中で演技をやる姿を想像してもらえばわかります。力強さを表現するのだそうですが…。結構今の女の子は、男の子より力強いですからねぇ〜。その上美しくて、綺麗なんですから。何ですき好んで男がシンクロ・スイミングをやらなきゃなんないの? いくらやったって誰も見ちゃぁくれないから。そうでしょ? (そりゃぁ、男女差別だッ!)しかし、何はともあれ、シンクロナイズド・スイミングは良かった、よかった!( Sept. 29. 2000 )

 競泳用水着「スピード ファーストスキン」がミズノより一般に販売されることになりましたね。この水着は、サメの肌をヒントに、生地の表面につけた細かい突起が、水の抵抗を減らすという発想から商品化されたもので、今回のシドニー・オリンピックでは、地元のソープ選手が着用し、400m自由形で飛びぬけた速さを披露して、金メダルを獲得して話題になりました。オーバーオールの水着で登場したときは度肝を抜かれましたが、いきなり金メダルで効果満点でした。

 これだけでなく、今回のオリンピックでは陸上でも多くの話題があり、同じオーバーオールでも、やはり地元オーストラリアの原住民アボリジニのフリーマン選手が、女子400mで頭からすっぽり覆ったボディースーツで疾走し、見事、民族悲願の金メダルに輝きました。
 オーストラリア国旗(イギリスの植民地を表している)と共に掲げた先住民アボリジニの旗(真中の黄色い太陽を挟んで、上半分に肌と同じ黒、下半分の赤は大地と流された血の色を表す)は、長い間の植民地の少数民族排他の呪縛からの解放を心から喜んでいるのでしょう。

 オリンピックでは、国旗以外の旗を掲げてのウイニング・ランは認められていなかったが、開幕直前にサマランチ会長が「オリンピックは他文化主義を支持する」として認め、聖火の最終点火者にもアボリジニを起用して話題をまいた。今回を最後に引退するであろう、サマランチ会長の最後の独善であり、かつ唯一のファイン・プレーとなろう。( Sept. 27. 2000 )


 やりましたねッ、女子マラソンの金メダル! おめでとう! 高橋尚子選手。“42Kmを楽しんで走りました”と言う余裕の笑顔に、益々感心してしまいました。そうですよ! オリンピックは楽しまなきゃぁねッ、お祭りですもの。それにしても、マラソン史上まれなアップダウンの難コース。それをオリンピック最高記録で見事制覇しました。
 私達には、スパートを掛けてシモン選手を振り切ったと見えたのも、彼女曰く“自分の体と対話しながら、調子に合わせて走りました。他のことは考えずに、(身体の)兆候を見逃さないために、神経を集中していました。”と言うのです。正に「気」の世界ではありませんか?
 それにしても、シモン選手のしぶとさ! 競り合いの末、高橋選手に独走を許したとはいえ、ゴール前の最後で8秒差にまで追い上げたのには驚き以外の何物でもありません!
 しかし、途中までトップの高橋選手、シモン選手と3人肩を並べて競り合った市橋有里選手も立派でした。35Km付近でのスパートに力尽きましたが、15位までよくふんばりましたね。また、後から追い上げ、更に最後のトラックで1人抜いて、7位でゴールした山口衛里選手も素晴らしいですね。できれば、金、銀、銅を3人で独占したかったですね。それだけの実力十分でした。
 何はともあれ、おめでとう! お疲れ様でした。( Sept. 24. 2000 )


 オリンピックの柔道で前代未聞、審判の誤審が公然と(?)行われた。100Kg超級の決勝戦で、日本の篠原信一選手がフランスのドゥイエ選手を“内股すかし”で1本取ったにもかかわらず、主審は“有効”を宣告し、こともあろうに電光掲示板は相手のフランス側に得点を表示し、その結果、ドゥイエ選手に金メダルが授与されることになってしまった。

 誤審が問題なのではない。白い柔道衣での対戦では判断がしにくいこともあって、判定の間違いを避ける為に、今回からカラー柔道衣が採用され、白と青の柔道衣で試合をするようになったのである。しかし、今回は明らかに主審は“有効”ではあったが、副審の一人は“1本”の判定を篠原選手に挙げており、電光掲示板の表示が違っているものであり、フランス側に勝ちと判定したのは、明かに間違いである。そして更に不可解なのは、真実を知っているはずのドゥイエ選手自身及びフランス側の監督、コーチ陣が本来ならスポーツマンシップに則り、審判に再確認して誤審を正すべきではなかろうか? 誤審であろうと無かろうと金メダルを貰ってしまえばそれまでよ! という精神は許せない!! フランス柔道界は最大の汚点を、しかもオリンピックで残した。

 それに対し、不満をぶっつけず、抗議もせず、審判の判定を受け入れて銀メダルの授章に応じた篠原選手は、正に日本柔道の鑑、史上に輝く金メダル選手だ!

 国際柔道の審判に付いては、常々不信を抱いており、今回の女子の楢崎選手の決勝戦でも、明らかに1本にもかかわらず主審は“技あり”と判定し、結果的に楢崎選手は銀メダルとなったいきさつがある。この場合は誤審ではないが判定を不当に低くしたもので、このような不正が今後続くようならば、柔道の精神に鑑み、柔道いやスポーツの将来を考えて国際柔道連盟に不公正な審判を提訴すべきではなかろうか?
 非常に後味の悪いシドニーでの柔道大会の終幕となった。( Sept. 22. 2000 )


 シドニー・オリンピック柔道90Kg級の吉田秀彦選手のまさかの三回戦敗退! それも無名のブラジルのオノラト選手(聞いたことあります?)に、内股の返し技の内股に完全に飛ばされました。これが内股の危険な所です。自分より背の高い相手に内股をかけることは、内股で返される危険が大きいのですから。それを防ごうとしてついた右腕を見て、ハッとしました。自分と相手の体重が掛かるので骨折する危険があります。無名の相手にやられたくない思いが強かったのかも知れませんが、大事な右腕の肘関節を脱臼すると言う最悪のアクシデントになってしまいました。
 この怪我のため敗者復活戦で闘うことが出来ません。この事故が無ければ、敗者復活で、再度金メダルを狙えたでしょうに! 31才の吉田にしてみれば、ラストチャンスのオリンピックです。さぞ無念でしょう! 早く良くなって、この経験を後輩の指導に活かして下さい。

 しかし、柔道だけでなく、期待の体操や水泳陣も不振続きですね。これが、魔物が住むと言われるオリンピックなのでしょう。このことは、次回のオリンピックに期待が繋げる若い選手が多いということなのかも知れません。
でも、明るい成果もありますね。あまり日の当たらなかった女子のソフトボールの素晴らしさ!(プロ選手を加えた) 野球、それに期待を上回ったサッカー、ブラジル戦でも“もしかしたら?”と思わせるような活躍でしたね。いざこざのあったトルシェ監督の“ざまあみろ!”が感じられるような攻撃ぶりでした。(ちょっと詰めの甘さはありますがね)
 残る陸上と女子マラソンに期待しましょう! 選手の皆さん、ガンバってね! ( Sept. 21. 2000 )


 名古屋の水害地である西枇杷島町に行ってきました。
 新川の堤防が決壊して、堤防より低い地域一帯が浸水し、末っ子が入っている14階建ての社宅のある場所が最も低かったらしく、1階だったために床上で水位が胸まできたのだそうです。駐車場は建物よりも更に低かったため、駐車している車は全て水没して泥をかぶっていました。
 街中の路上には、浸水して泥をかぶった車が無数放置され、道路を通行するにもすれ違いができず難渋しました。朝7時に出て、普通なら11時迄には到着できる予定でしたが、渋滞のため廻りまわってやっと12時半に到着することができました。まだ停電していて信号機が点灯されず交通は混乱していました。水はやっと引いて道路は土埃がひどく、マスクをしないと喉がやられてしまいそうです。

 今回の水害で、いろんな問題点がわかりました。

  @ 住宅地が、河川の水位からどれくらいの高さにあるかを明確にしておく必要があること。
  A 通信手段を確保すること。停電によって携帯電話の充電が出来ず、用をなさなくなること。
    浸水した時、一度だけ連絡が取れただけで、後は携帯電話の電池が切れて不通となった。
  B 当然であるが、電気、水道、ガスの供給が断たれるため、食事ができなくなること。
    浸水しなかった2階以上に住んでいる人達も、同じ状態だったそうだ。
  C 水害の場合は、歩行や車での移動が出来ないので、食糧の補給が出来ないこと。
    実際に、まる一日以上、水と食糧が供給されなかったそうだ。
  D 一人暮しや、老人の家庭では、通信の手段がないと、生命の危険が大きいこと。
    実際に、水が引いてから、水没した家の中で亡くなっている老人が発見された。
  E 避難命令が確実に各家庭に届かなかった。自治会組織が完全には機能しないこと。
    確実に連絡できたことを集約できるようにしておく必要がある。

 今回の教訓を活かして、各自治体及び自治会等で災害時等の危機管理体制を見直して欲しい。( Sept. 17. 2000 )


 いよいよシドニー・オリンピックの開幕が近づいてきましたね。今年は、水泳もマラソンも日本の女子選手に期待がかかっていますが、オリンピックと言う大舞台で、果たして勝利の女神が笑うのは、どの国の誰でしょう?
 96年1月に放送された「オリンピックの精神」を見ました。オリンピックの歴史を通して、オリンピックとは何なのかを考えます。
 オリンピックの起源は、ギリシャの神ゼウスが、父クロノスを倒し、神々と人類の支配者になった勝利を祝って、ゼウスは、オリンピアの聖なる丘で競技会を行うように命じたのが始まりだとあります。そのオリンピックを、近代に復活させようと考えたのが、若きフランスの貴族、ピェール・ド・クーベルタン男爵であることは、皆さんご存知の通りです。しかし、以前にも書きましたが、クーベルタン男爵の描いたオリンピックの精神は、現在のオリンピックに受け継がれてきたのでしょうか? オリンピックによって多くの英雄達が生まれ、それと共に、成功によって大金を得ようと言う風潮が、オリンピックに暗い翳を投げかけるでしょうし、更には、政治の介入と暴力、オリンピックを利用しようとする権力の横やりなどが、さまざまな悲劇を生み出してきました。

 オリンピックの歴史を振り返る時、ある時はヨットレースで、他国のヨットの転覆によって海中に投げ出された選手を救うために、自分のレースを放棄して救助に当たった選手達。
ある時は、他国のボブスレーの故障した部品を、自分達のマシンから取り外して提供し、それによって提供を受けた他国が優勝すると言う、国境を越えた友情、勝敗を超越した愛の世界があった。

 現在のオリンピックには、勝敗へのこだわりはあっても、勝つことより参加する事に意義を見出すような、愛のドラマは少なくなってきているのではないだろうか? オリンピックの参加選手にとって、参加する事の喜び以前に、メダルへのこだわり、名声を得ることが、その人生の目的全てのように思えるのは、私の偏見だろうか? 確かに参加する限りは、メダルが、それも金メダルの獲得が重要なのだろう。選手にとって、参加する事の意義は金メダル以外に何物もないのかも知れない。しかし、本当にそうなのだろうか?

 もう一度、初心に返って“オリンピックの精神”を見直す時期がやってきたのではなかろうか? ( Sept. 10. 2000 )


 NHKハイビジョンで、ラテンダンス紀行「魂の叫び フラメンコ」を見ました。フラメンコと言えば、スペインの情熱的な唄と踊りだと思っていました。ところが実際には、インドの北部にいたジプシーの踊りだそうで、ジプシーがながれ流れてスペインの街に定住し、そこからフラメンコとしてスペインで盛んになったのだそうです。
 スペインのプロのフラメンコ・ダンサーのピラールさんは、有名なフラメンコ学校、3校で教えていますが、技術的には問題無いのですが、何となく、ジプシーの踊るフラメンコとは違いを感じており、欠けているものは技術ではなく、魂ではないかと考えています。魂とは、気持ちがあふれ出る事ではないかと言います。トップ・ダンサーを目指すピラールさんには、どうしても、欠けている魂というものを、自分の踊りに吹き込みたいと模索しています。

 スペインの3大祭りの一つ“フェリア”で、是非とも、完璧なフラメンコを披露して名声を高めたいと、仲間と共に練習を重ねますが、今一つ唄と踊りがしっくり合いません。
 フラメンコは、ギターと唄と踊りが一体となって醸し出す雰囲気が大切なのです。ジプシー達の踊りには、それらが備わっているのに、技術的には完璧なはずのピラールさんには、どうしてもそのフラメンコには到達していないと感じています。ジプシーのNO.1のダンサー、エバさんに会って、彼女の家族との付き合いの中から、フラメンコの魂を見つけ出そうとします。エバさんは、小さい時からフラメンコを踊っていて、トップ・ダンサーになって結婚しますが、子どもを産んでから、またダンサーとして舞台に立ちたいと考えますが、夫に猛反対されて困っていました。しかし、彼女には、フラメンコは生活の一部であり、身体の一部であって、フラメンコ無しの生活は考えられないといいます。ついには、離婚してしまいますが、既に次の子どもがお腹にいて、ダンサーを続ける事は出来ないのです。

 ピラールさんは、彼女たちの中で、フラメンコの魂は、喜びや楽しさが身振り手振りとなって現れるのだと悟ります。実際、ジプシー達のフラメンコには、踊りの形は決まっていません。しかし、踊りや唄が観衆と一体になって溶け合うのです。身重のエバさんも、お祭りには、思わず飛び入りで踊りだします。もう踊らずにはいられないのでしょう。
 “フェリア”の夜、ステージで踊るピラールさんに、緊張から解き放された、心からの喜びの笑顔が浮かびます。大成功です。招待したエバさんも舞台の上に迎えて、観客と共に本当のフラメンコを堪能します。

 “技術”と“文化”の違いというものを、はからずも、フラメンコを通して理解できたような気がしました。私たちは、民族の文化までも、技術の上で理解しようとしてはいないでしょうか? 先月見た「21世紀への証言・マイヤ・プリセツカヤ」で、ロシアの85歳のプリマ・バレリーナ、マイヤ・プリセツカヤさんが“踊りは私の全てなのです。誰の真似もしません。自分の踊りを生涯追求していくのです。”と言われて、暇さえあれば、歩きながらでもその場所が稽古場となっているのを見て感心しましたし、同じくNHKの芸術劇場で「踊る楽しさを伝えたい・障害を乗り越え踊るダンサー、ジーナ・ベシューン」で、ジーナ・ベシューンさんと、とても信じられないように楽しく踊る身体障害者の子どもたちに、同じ姿を感じました。

 科学技術の現代において、私たちは“魂”を置き忘れてきてしまったのではないでしょうか? ( Sept. 6. 2000 )


 今日は防災の日で、市内一斉に防災訓練が行われました。私は妻とともに、災害発生時を想定して長ズボン、長袖シャツに軍手、ヘルメットに緊急呼子笛を付け、リュックに非常食の乾パンと水筒、身分を証明する健康保険証等を詰め込んで、市の一斉放送によって避難場所に出かけました。
 ところが、避難場所には、一斉放送前からほとんどの人が既にやったきて待っていました。そして、服装なども半そでシャツに半ズボン、日よけ帽子、日傘にサンダルの人達も大勢います。帽子をかぶらない人もいます。それに私達の隣組14軒の内、来ているのは5軒だけです。防災訓練とは名ばかりで、真剣味が足りないのではないでしょうか?
 三宅島では、火山の噴火での火砕流の懸念の為、全島に避難命令が出されました。私達も、いつ何時、地震や水害が発生するかもしれません。他人事では無いはずです。

 今年は、近くの中学校の生徒の一部が訓練に参加しました。これはとても良いことなので感心しましたが、防災訓練場の広場での様子でがっかりしました。引率の先生がいけません。女の先生は、何とロングスカートにサンダルシューズです。男の先生も何の装備も無い普段着です。実際の災害発生時なら、尚更これではいけません。まして訓練に参加する格好ではありません。
それに、生徒の点呼がまただらけていてどうにも締まらないのです。集まりなさいと言っても、なかなか集合しません。見かねて、思わず“駆け足ッ! グズグズするなッ!”と、怒鳴ってしまいました。それでも、先生2人は何とも言わないのです。バカじゃないかと思いました。

 「最近の中学生に問題が多くて忙しいんだよ」と言った、お巡りさんの熊谷さんの言葉を、なるほどと思いました。先生自身の訓練が出来ていないのです。生徒を統率する力が無いのです。生徒にも事前に予行演習なり、当日の注意事項を徹底していないのでしょうか? これでは、実際に災害が発生した時、どうするのでしょう? 普段から訓練をしておかないと、非常時の役に立ちませんねぇ? イジメ、暴力、学級崩壊、学校崩壊も、さもありなんと感じました。幼稚園の生徒じゃないんですから、もっと生徒達自身に、自主的に点呼を取らして報告させるように出来ないんでしょうかね? どう思います? 年寄りの愚痴でしょうか? ( Sept. 3. 2000 )


 TBSテレビで「笑顔で走れシドニーへ」を見ました。マラソンの高橋尚子選手のルポです。ご存知のように、バンコクのマラソン大会で30℃を越す暑さの中、他のベテラン選手を尻目に平然と走りつづけて優勝し、笑顔で表彰台に立った姿は忘れられません。どこにそんな闘志が秘められているのか、あの華奢な容姿からは想像がつきませんでした。

 シドニーへ向けて、アメリカのコロラド州ボルダーで練習と調整を続けている高橋選手を取材しているルポルタージュです。シドニーのマラソンコースは、厳しいアップダウンがあって通常のトレーニングでは難しいので、標高2000mの高地であるボルダーで練習しているそうです。しかし、走るのを楽しんでいるように見える高橋尚子選手からは、厳しいシドニーの緊張は見られません。去年の日記に見られる自分自身に勝つことが最大の目標であると言います。他の選手は眼中に無いと言うのでしょうか? 否、己に勝つことが全てなのでしょう。結果が金メダルになるかどうかは、問題では無いのかも知れません。目標は、金メダルに違いありませんが…。

 高橋尚子選手の走り方を見て、正に「気」が出ているように感じてハッとしました。何気ない腕の振り、膝を上げないでスッスッと前に進む足の運び、これこそ「気」の出ている自然体では有りませんか? どこにも無理が無く、意識が身体を前に運んでいるようです。きっと、走るたびに記録が自然に伸びるような気がします。ちょうど、増田明美さんの正確な腕の振りと足の運び方とは全く正反対と言えましょう。どちらも素晴らしいマラソンランナーですが、どちらかと言えば、高橋尚子さんは息の長いランナーのような気がします。

 また、高橋選手の育ての親とも言える小出義雄監督も、ちょっと型破りで、ざっくばらんな話し方は、若い時から女子選手の台頭を予測して、女子の陸上選手を養成して来た実力が自信に満ちています。それと、多くのマラソンランナーの“足”であるマラソンシューズを研究開発し提供してきた、アシックス・スポーツ工学研究所の三村仁司さんも忘れてはなりません。左足が1cm短い高橋選手に、股関節にムリが掛からない靴を、何種類も設計して製作しています。彼もまたオリンピックの金メダルを目指している一人と言えましょう。

 現代スポーツは、運動科学(工学)の集大成なのです。もうアマチュアと言う語は死語になってきています。陸上も水上も氷上も、スキー競技でさえも、スポーツウエアや競技用具は科学的に研究されつづけていますし、トレーニングや海外での練習など、どれをとってもアマチュアリズムからは遠ざかっているように感じるのは、私だけなのでしょうか?
 しかし、理屈抜きにして、高橋尚子さんの笑顔の優勝まで一緒に応援しましょう!( Aug. 31. 2000 )


 国連平和行動委員会は、PKO(平和維持活動)について武力行使の権限を強化する事を決めたそうである。もともと国連のPKO活動は、アメリカ主体で武力行使を是とする行動が多く、国連の決定を無視してでも力で押え込むというやり方で、アメリカが、自国の保有している旧兵器の消化や、新兵器の実地試験をそれに求めているのではないかと疑っている位で、決して、紛争解決を平和的に行おうと言う意志は無いのではないかと考えている。もともと、アメリカのPKO活動については、クリントン大統領決定指令25号において、国益優先を明記しているので不思議ではないが、国連平和行動委員会が武力行使を表明するとは、とても正常な判断とは思えない。

 "目には目 、歯には歯を"と言うが、力でねじ伏せる武力行使は、平和にと言う考え方には程遠い。いかなる理由があれ、国連は、あくまで非武装で平和的に解決を図るべきで、国連に軍隊があってはならないと思う。
“右の頬を打たれたら、左の頬を出しなさい”(マタイ伝)と言う愛による平和解決こそ、最も必要な事ではあるまいか? 確かに、現実は決してそのような甘いものではない事は分かっているが、力で平和を維持出来るものではない。( Aug. 26. 2000 )


 チチカカ湖底に遺跡群を発見! 南米のペルーとボリビア国境にあるチチカカ湖で湖底に沈んだ小さな島に寺院らしき建物や石畳の道路、石垣、段段畑などがあるのを潜水調査で発見したと言う報道を見ました。

 チチカカ湖と言えば、インカ帝国が思い浮かぶほど有名な湖ですが、この遺跡群は、インカ帝国よりはるか以前のティアワナコ文明の遺跡らしいと言いますから、地球上の文明の発祥は、いったい何処からどうして起こり、どのようにして滅んでいったのか、大変興味深いものですね。
私たちの現代工業化社会文明の行く先には、何が待ち受けているのでしょうか?

 ボリビアといえば、私のフォスター・チャイルド、Dario Martinez君(5才)がTarijaにいるので、なおさら興味が湧いてきます。彼も今年から学校に行くようになりました。とても賢そうな可愛い子ですよ。まだ字は書けませんが、先日、色鉛筆とサインペンで描いた、太陽と山と家と木と川の景色を送ってきてくれました。川には魚が泳いでいました。Tarijaも、海抜2000m位の高地です。
最近、ボリビアについての報道が多くなってきました。いや、よく目につくようになったのかも知れませんが、一人でも多くの子どもたちが幸せになってほしいものです。( Aug. 24. 2000 )


 素晴らしい柔道選手、前田桂子さん。NHKの「トップランナー」でその正体(?)を知りました。全て1本勝ちでないと満足しないという、勝気で自信満々の言葉からは想像できないような、よく笑い、勝っても涙、負けても悔し涙、思ったことを素直に話す天真爛漫さに目を疑った。チョコレートに目がなく、減量のために食べられないのがつらいと言うし、料理も得意なのだと言う。笑顔も素敵な可愛い人だ。63キロ級というから女丈夫と言う感じではない。しかし、身体はたくましい。歩く姿は正に“柔道家”というべきか?

 得意業は、背負い投げ、それも相手の下にもぐりこんで担いで投げる変則投げである。自分で工夫して体得したと言うから、天才的な業師であろう。もぐり込み、担ぎ上げ、更に引きこんで自分の体をあづけてのしかかる。これでは逃れようがない。完璧な技である。払い巻込み、巻込み腰という変化業があるが、これに似ている。しかし、相手の襟を持ったまま、相手の懐に飛び込むのは、極めて難しく、肘を痛める危険性が高い。もぐりこんだ後、しゃがんだ姿勢から相手を担ぎ上げるわけであるから、よほど足腰のバネが強くないとできない。

 ご本人は、飛び込むタイミングは言葉では説明できないと言う。しかし、相手がどんな組み手の場合でも、飛び込むことは可能である、と言う様に、正に天性の動物的感によっている。筋肉が常にリラックスしていて柔らかく、意識するより先に行動にでるという「気」が出ているに違いない。
 恐ろしい選手が現れたものだ。筑波大3年生で、女三四郎の山口香監督の下での修行だから、まだまだ業に巾が出てくるに違いない。シドニーが楽しみになってきましたね。( Aug. 20. 2000 )


 夏の甲子園も、ついにベスト8の闘いになって、どの試合も見事な白熱戦ですね。1点の攻防に、思わず手に汗を握り、テレビ画面に身を乗り出してしまいます。ピンチとチャンスが交錯します。連投の投手も大変でしょうが、応援団も楽ではありませんね。横浜が東海大浦安に1:2で惜しくも敗れてしまいましたが、どちらも優劣の差はありません。どちらに運が味方するかですねぇ! ちょっとしたミスが勝敗の分かれ目です。
 いま、智弁和歌山と柳川が、10回を終えて6:6のまま11回にもつれ込んでいます。どちらも頑張れ!!( Aug. 19. 2000 )


 ロシアの原子力潜水艦「クルスク」の沈没?事件は、乗組員118名の無事救出を祈るのみであるが、この事件は、良く考えれば、考えるほど、背筋がゾ〜ッと寒くなる。

 先ず第一に、海洋での原子力船の事故は、ひょっとすると地球全体の規模の放射能汚染の恐れが有ると言うことだ。私達は、魚介類を非常に多く食料にしているため、海洋の汚染は、人類の生命にも関わる。

 また、ロシアの救出活動が遅れ、乗組員全員の命が掛かっているに関わらず、他国への緊急救助依頼が無いと言う事は、原潜に関する機密事項があるためと考えると、ひょっとして、最新型の水中よりの長距離ミサイルの搭載か、あるいは、核兵器の搭載の可能性があるのではないかと心配し、非核軍縮は本当に実現されるのかと言う疑問でもある。

 更には、この事件で世界中には、驚くほどの原潜が存在し、広い海域の中を常に静かに潜航しているという事実である。アメリカが74隻、ロシアが47隻、中国が6隻で(この3大国は、CTBT[包括的核実験禁止条約]に批准していない)他に、イギリス、フランス両国で21隻、合計で100隻以上の原潜が運行されている模様で、今回のような大事故の場合は報道されるが、明かにされない小さな事故は、日常発生していると推測される。こうなれば、魚介類や海草を安心して食べられないのは当然のこととして、人体への放射能による汚染が、既に広がってきているのではないかと、空恐ろしくなってくる。

 これでも、原子力政策は相変わらず推進されるし、軍縮についてもいっこう進まず、日本でさえ、度々の原子力関連の事故が発生していても、原子力発電は必要不可欠という意見が大勢を占めるし、別には、憲法改正で、武器を携えたPKO活動を可能にしようとする動きさえ、ちらちら見え隠れしている今日この頃である。平和とは程遠いのが現実か? ( Aug. 17. 2000 )


 戦後55年という歳月が流れました。戦没者の慰霊が各地で行われていますが、世界に平和が戻ってくるのは何時の事でしょうか? 広島の原爆の被爆体験を語り、伝えてきた「広島を語る会」の人達も、年々高齢に伴い体力の限界と今年を最後に解散されるそうで、非人道的な核兵器の廃絶に向けて、又一つの灯火が消えたような気がします。
 過去に何時までも拘る事は、煩悩を引きずると言う意味では良い事とは思いませんし、戦争体験も月日とともに事実から離れ、単なる話しとして脚色されていくのかも知れません。しかし、本当の事実だけは、史実として後世まで伝えていかなければなりません。私も戦争体験を知る最後の年代ですが、その記憶もだんだん薄れてきています。

 唯一、原爆被災国の日本ですが、被害者でもあり、また第二次大戦を引き起こした加害者でもあるわけですから、戦争そのものを無くすために、あらゆる努力を怠ってはなりません。自衛隊を強化して、国連のPKO活動として世界の地域紛争の解決に協力しようと言っていますが、これにはウソがあります。解決のためには、武力を行使してはなりません。武力を行使する事は、相手側から見ると、明らかに正義に名を借りた加害者なのです。何が真実なのかは、良く考えなければなりません。
 非核軍縮を唱えながら、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を行わないのは、米、ロ、中の核保有大国なのです。更に、アメリカは戦後55年を経て、なお、日本国にアメリカの戦略基地を置いてはばからないのです。今日もNHKテレビで、平和について討論をしていましたが、平和と言う事が解らない世代になっている事は確かです。頭では解っていても、実際にどうすれば良いのか誰も分かっていません。何故かと言うと、誰もが自分の利益を中心に考えているからなのです。

 「神」は語ります。“人が生きると言う事は、人が人類も含めて、地球上の全ての生命に愛を捧げる事だよ。愛は、与えるだけで見返りを求めないものなのだよ。キリストをごらん。人々の罪を全て背負って十字架に掛けられたのだよ。人々に自分自身の生命を与えられたのだよ。”
 我々凡人には出来ない事ですよね? しかし、その、1/10でも1/100でも、否、何万分の一だって良いではないか。出来る事をやろう! 意識より、行動する事が大切なのだ! とも「神」は語っています。既にNGOとして、多くの人が各国で活躍しておられます。被災地への義援金や物資の支援でも出来るではありませんか? 些細なことですが、近所の人達と明るい挨拶を交わす事だって、大切です。皆さん、やっていますか? ( Aug. 15. 2000 )


 “五輪メダル倍増へ答申!” 保健体育審議会(文相の諮問機関)が、今後10年間のスポーツ進行のあり方を検討する中で、オリンピックでのメダル獲得率を上げるため、選手の練習拠点となる「ナショナルトレーニングセンター」の早期建設について答申した、と新聞報道にあった。またか!メダル亡者の集まりの発言には飽き飽きする。おまけにその財源の一部として、サッカーくじの収益を当てると言うから、何をか言わんやである。

 たびたび言うようであるが、オリンピックの精神は、言わずと知れた“参加することに意義”があり、国境を越えた、人種差別も地域紛争も無く、スポーツを介して世界の人達の唯一の交流の場であろう。金、銀、銅のメダルの数を競う場ではないと思うのだが…。
 水泳の千葉すず選手が、代表選手選考もれについての提訴事件は記憶に新しい。たしかに選考方法や結果の情報開示等に問題は無いとは言えないが、評価は自分の思い通りになるわけではない。これなども、単にオリンピック出場に全てを賭け、メダル至上主義の結果、スポーツというものの性格が歪められてきたのではないかと危惧するのである。まして、サッカーくじに至っては、スポーツを賭博の対象として、平然と“スポーツ振興のため”と嘯く、サッカー連盟の気が知れない。

 スポーツが特定の人達だけでなく、一般市民や青少年の健全な心身の育成のためにスポーツ振興を目的とすれば、もっと違ったアプローチがあっても不思議ではない。メダル獲得至上主義は、益々スポーツを特定のスポーツ・エリート達のものにしてしまうに違いないと思うし、更に、第二の千葉すず選手が出ることの無いよう祈るのみである。(Aug. 10. 2000 )


 新聞報道によれば、WHO(世界保健機構)の専門委員会は大手タバコ会社(フィリップ・モリスやJTなど)が、様々な国連機関の反タバコ政策に対して、組織的な妨害工作を行っていたと告発する報告書を発表したとある。
 言われるまでも無く、日本でも、青少年の喫煙禁止には消極的で、一度決定していた喫煙半減策をJTなどの圧力によって取り下げ、青少年の飲酒防止だけを全面的に打ちだし、自動販売機の屋外設置の禁止や時間制限等に付いても、未だ明確にしてはいない。

 飲酒については、成人でも昼間から飲むことは少ないし、自動販売機を利用するにしても、通常は酒屋が閉まってしまった時とか、手持ちが足りなくなったバーベキューなどの時が多い。また、タバコと違ってアルコール耐性がないと飲めない物である。それに比べ、タバコは未成年の身体の成長に害があるし、肺ガンの発生との因果関係も証明されていて、禁止の対象になるだけの理由が有る。それを業界の圧力によって、禁止もしくは制限を撤回する厚生省などの気が知れない。公共交通機関の多くは、禁煙を推進しているし、企業等でも、自由に喫煙できる所は少なくなってきており、食堂などでは少なくとも分煙が実施されている。

 有害とわかっている商品を売ること自体、これからの社会では訴訟の対象となることをしっかりと認識しなくてはならないだろう。
もしも、貴方も喫煙しているとしたら、その害は,周囲に及ぼすので(少なくとも赤ちゃんや幼児の近くでは)今すぐ禁煙に向けてスタートして下さい。( Aug. 7. 2000 )


 気の長い話し、「長考一番、郵便で次の一手」。日経新聞の文化欄で図書館館長の勝川浩幸さんが“郵便碁”なるものについて書かれている。インターネット碁などは、私の友人や知人の幾人かが暇にまかせて楽しんでいますが、“郵便碁”なるものは、何と!遠く離れた見ず知らずの囲碁仲間が、手紙で指す囲碁なのだそうです。何しろ一手ずつ、郵便で送って勝負を進めるわけですから、一局指し終わるまでには、最低でも5年はかかるのだそうです。気の遠くなるような勝負の世界ではありませんか? 日常あくせくして暮らしている私達がバカみたいに思える贅沢な楽しみ方ですねぇ。

 勝川さんの碁相手はアメリカの大学教授で、対局を始めてから、もう34年目になるそうです。相手は、碁のプロセスが「分析哲学の入門理論に応用できる」という高邁な? 学者先生である為、一手のやり取りの手紙の内容にも、囲碁以外の政治経済、文化など多くの話題に恵まれて、又別の楽しみがあることだろうと推察します。 直接対局は、このZ局(現在48手目)が終わる5年先位になるだろうとのことですから、またまた楽しみでもあり、お互い元気でいなくてはならない。お二人のご健康と直接対局の実現を心から祈念したい。( Aug. 3. 2000 )


 「社員にやさしい企業ランキング」。ビジネス月刊誌“THE 21”の見出しに惹かれて思わず手に取りました。
こういうデータには、たいした根拠がある訳ではありませんが、もしかしたら私の会社は? と気になってしまうものですね。
これによると総合順位は、

  1位 リクルート(へえー)
  2位 横河電機(なるほど)
  3位 ベネッセコーポレーション(ええッ、そんな会社あったっけ?)

  5位 松下電器産業(ははあ、退職金の前払いか?)
  6位 日本アイ・ビー・エム(給料は高いが、仕事が厳しいと聞いているけど)
  7位 ソニー(人気企業だものね)

が挙げられています。

 しかし、この順位は、専門家5人(経済アナリスト、経営学部教授、コンサルタント、ジャーナリスト、産業カウンセラー)とジャーナリストの岸永三氏の挙げた企業にそれぞれ得点を加算し、その上に読者アンケートで挙がった企業に一人1点づつ加えた結果なのです。ちなみに、専門家5人が10位までに挙げた企業で5人とも挙げた企業は1社も有りませんでした。何が人にやさしいのか、判断する人によってまちまちなんですね。
 また、読者投票での1位はソニー、2位が松下電器産業、3位がベネッセコーポレーション(女性の人気ナンバーワンだとか)で、8位にやっと日本アイ・ビー・エムが挙がっています。6位に公務員というのが挙がっていて笑っちゃいますねぇ!

読者が“社員にやさしい企業”というのは、

  @ 成果、能力に応じた給与がもらえる(当然でしょうが!)
  A やりたい仕事をやらせてくれる(実力が伴えばね。しかし何をやりたいの?)
  B ライフスタイルに応じた働き方が可能(自分勝手な働き方ということか?)
  C 社員のキャリアアップを支援してくれる(自分で努力することではないの?)
  D 福利厚生が充実している

ということだそうです。私がもし選ぶとしたら、

  1位は、やはり人を人財として活かす、生涯雇用の「横河電機」でしょうか?
  2位は、日本の良き習慣を残している外資系企業「日本アイ・ビー・エム」でしょうね。
  3位は、やっぱり自分が好きで選んだ「富士写真フイルム」でしょう。自分がやりたいことを自由(勝手ではないですよ)にやらせて貰えましたし、また退職者の再雇用(シルバー・スタッフなど)にも道が開かれていますから。
 さて、あなたの評価は如何ですか?( Aug. 2. 2000 )


 「室生寺五重塔はこうしてよみがえった」をテレビで見ました。台風で倒れてきた大木によって、美しい五重塔の屋根が壊されたことは,記憶に新しいですね。しかし、この五重塔は、最初に重要文化財として指定を受けている物で、その修理も慎重を期さねばなりません。ベテラン技師の松田敏行さんと宮大工の瀧沢幸男さんのコンビで調査と修繕の計画が立てられます。今回の修繕を期に、この五重塔の秘められた過去の事実に迫ります。

 何故、私が五重塔の改修に興味を持つのかは、私の父が大工で、宮大工の経験もあり、大阪の天満宮だとかの遷宮の話しを良く聴きました。だから、神社などの屋根の傾斜は、棟先と軒先に縄を張って、その弛み具合で決まるそうなのです。自然に弛む形が一番美しいとききました。美しい室生寺の五重塔の屋根にも興味が尽きません。

 この五重塔は小ぶりな為、五層、四層の屋根全体をジャッキで持ち上げて修理するのだそうです。屋根の解体の際に取外した板によって、創建の年代を板の年輪を調べて割り出したところ、800年だと判りました。今から1200年前の平安時代でしょうか。
 修理には、破損した部材以外は全て元のままの部材を使って修復します。ところが、塔の桧皮屋根は、江戸時代の修復の際に板葺きから桧皮葺きに変更されていることがわかり、また屋根の傾斜が、明治時代の修復のときに緩い傾斜に変えられていることが判りました。そこで、宮大工の瀧沢さんは、元の傾斜に戻すか、それとも今までのままにするのか迷います。しかし、美しい屋根の傾斜を再現する為には、今よりももう少し反りを強くする方が良いと決心します。使用する桧皮は、桧500本分が必要なのだそうです。ついに修復が完成し、美しい姿が現れます。このような五重塔の修復に携わる機会はめったにありません。有り難いことだと瀧沢さんは喜びを噛み締めます。

 松田さんや瀧沢さんのような立派な人達によって、重要文化財の神社仏閣の建造物が守られているのですね。修復完成おめでとうございました! 何時までもお元気でこの技術を伝承して行ってください。

 ところで、またくだらない話しで申し訳有りませんが、今日、40年も前に使っていた机の袖の引出し部分を改造して、長さを短くしようとしました。五重塔の修復とは比べ物になりませんが、これまた素人には大変な作業でした。昔の机は堅い天然木で作られていて、ちっとやそっとで切れませんし(今時のラワンだと簡単なんですがねぇ)、釘を使わず、全てホゾ組みでしっくい糊(飯粒をすりつぶして作った糊)で固めてあります。バラすのも、組立てるのにも大変骨が折れました。大工の息子である手前、女房にも泣きは見せられません。四苦八苦の上、やっとどうやら改造は出来ました。やっぱり瀧沢さんは大変だったでしょうね。(バーカ、比較になるかいっ!)

 話しはまたまた変わりますが、最近「孫」という流行歌が爆発的に流行っていて、飲み屋へ行くと中年のおっさんや、リタイヤ組のリクエストにきっと顔を出すのは「孫」なんですよ。
 “♪♪何でこんなに可愛いのかよ〜、孫という名の宝物…♪♪〜”と、恥ずかしげもなく唄う親父の顔を見ると、親バカだけでなく、爺バカまでも増えているのかと呆れてしまいます。何も孫が可愛くないなんて言うつもりは毛頭ありません。小さな子供は、どこの子でも可愛いものですし、いっしょに遊んでいると子供の純真さに、ほっと心が和みます。私は子供が大好きで、近所の子供とは何時も遊んでいます。小学校へ上がる位までは一緒によく遊びます。むろん、自分の孫とも遊びますが、私は厳しいのでよく叱ります。だから、親達にはあまり評判が良くありません、しかし、子供たちは厳しくしても、一緒に遊ぶことは楽しいようです。

 最近は、甘い親が増えて悪い事をしても叱りませんね。それに自分の子供を誉めたり、自慢したりする親も多いように思います。それでいて、他人の子供の面倒は見ないで、“あそこの親は甘いのよねっ! 子供だって生意気で、憎ったらしいんだよっ!”などと、陰口をきいているのを聞くと、自分の子供だけが可愛いのかな? って変な気持ちになります。昔は子誉めと言えば、他人の赤ちゃんや子供を誉めて、自分の子供は誉めたりすることはありませんでしたね。また、他人の子供でも、悪い事をすれば叱ったものです。ところが最近は、電車なんかで暴れていたり、いたずらしている子に注意すると、そばにお母さんなどがいて、いらぬお節介とばかりに、睨み付けられてしまいます。

 日経新聞の「職員室」欄に、同じようなことが載せられていました。
「学期末の3者面談で、ここ数年間、保護者の様子が変わってきて、どうも我が子を誉める親が増えてきているように思える。…子供の良い所を誉め、つぎに改善して欲しい点を挙げると、保護者は“でも、うちの子はこんな良い所があるんですよ”と、その子がいかに親思いであるか、兄弟思いであるかといったことを、一生懸命話し出す。我が子の欠点は一切認めず、長所を売り込もうとする。…今の世の中、いったい誰が厳しい目で子供を育てる役を担っているのか?」と考え込んでしまうそうです。皆さん、どう思います? (July. 29. 2000 )


 日経新聞の“NIKKEIプラス1”(土曜特集)で、作家の山根一眞さんが「世紀の月食を生中継で」と言う一文で、こんな素晴らしい出来事は、インターネットで放送(ライブ配信)しているのではないかと、ライブ中継サイトを探してアクセスしたが、月食が終わるまでどうしても接続できなかった、そうである。インターネットの利便性は、時として過剰評価される。自分中心に考えれば、情報源のサイトは星の数ほどある。しかし、同じサイトの情報を欲する人が、多数同時にアクセスすれば、当然パンクすることは容易に考えられる。また、プロバイダーの回線数と会員数にもよって、時間帯にもよるが、必ずしも容易に接続されるとは限らない。山根さんのおっしゃるように、硬直化したTV放送に代わって双方向制のあるインターネットに期待しても、所詮1:不特定多数では対応できまい。例え自分一人が意見を E-mail で送ったとしても、受け手側では膨大な意見のメールを、どうにも処理できない状態が生じる。
 森首相までが、パソコンを買ってインターネットの俄仕込みで、IT、ITとはしゃぎ回っているそうであるが、先ずは、インターネットの問題点を十分に理解する事が大切であろう。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏も言っている“その国の事情によっては、パソコンやインターネットの普及よりも大切な事があるのです”( July. 22. 2000 )


 NHKテレビのビッグショウ「黒木瞳&武田鉄也」見ましたか? 私のアイドル“黒木 瞳”さんのショウでした。武田鉄也が居たって? いやいや彼は“黒木 瞳”さんの引き立て役ですよ。背が低くて、短足で、貧乏な育ちの所は、まるで私そっくりなんですから。歌が唄えるだけが取り柄なんですから…。
 宝塚出身の“黒木 瞳”さんは、歌声も素晴らしかったですねぇ! 踊りもお手の物だし、衣装も素敵だし、可愛いし、“武田鉄也”がいなければ、もっと良かったのではないかと思いますねぇ! しかし、私と同じイメージの彼を邪険に言うのも気が咎めますから、引き立て役に徹していた“武田鉄也”さんにも拍手を送りましょう!

 畑の水遣りに一所懸命だったので、この番組があるのをすっかり忘れていました。ここの所雨が降らなくて、野菜が水涸れしていて大変です。何しろ生活がかかっていますから!(本当に?)川から水を揚げて運ぶのは、かなり重労働ですね。思わず“♪♪お百姓さん、ご苦労さん〜♪♪”と唄ってしまいます。

 くたくたになって、帰ってきてビールで一杯、元気を取り戻してテレビのスイッチを入れたら、私のアイドル“黒木 瞳”さんが、颯爽と唄っているではありませんか。録画するのをすっかり忘れて、見とれてしまいました!
悪いことに、ソニーのビデオデッキが、又壊れてしまっていたのです。このまえ直してもらったのですが、またまた同じ故障なのです。本当に頭に来ますね! 天下のソニーさん、しっかりして下さい。技術に溺れてお客さんを忘れているんでは無いでしょうね? 何しろ電源スイッチを押しても、叩いても、ウンともスンとも言わないのです。カセットテープの取り出しも出来ないのです。これには頭に来ました! 会社は違え、私も機器の設計をやり、検査と品質保証の担当でもありましたからねぇ! 今更ながら、お客さんの気持ちが痛いほど解りました。

 それはともかく、我が“黒木 瞳”さんは、美人で、可愛くて、踊って唄えて、演技も上手くて、文才もあって、天は二物を与えずと言いますが、二物どころか全てを与えられているのでは無いですか? 神様、不公平ですぞ! 私や“武田鉄也”がかわいそうだと(お前だけだよ! 気の毒なのは。そうなの?)思いませんか?
まあ、元気でいれば、何時かはいい時があるか? “黒木 瞳”さんを、私のアイドルと言っても、誰も文句を言わないしね。(勝手に言ってろ!!)今日は良い日でした!(バ〜カ、ふざけるな!)ごめんね。 ( July. 21. 2000 )


 日経新聞の「Money & Life」欄で、歌手の奥村チヨさんが面白いことを述べておられる。若い頃「恋の奴隷」などでヒットして、所属事務所からの破格の給料に金銭感覚が麻痺して、衣装代に月150万とか200万とかの請求書が何通も届く日常だったのが、作曲家の浜圭介氏と結婚して、歌手を休んだ4年間で金銭感覚が一変したというのです。浜氏の音楽出版社からもらう給料は、歌手の奥村チョさんのとは比べ物にならないくらい少なかったに違い有りません。その給料を渡された時に、はじめて働いたお金の尊さを実感したと言います。(私達は普段から嫌と言うほど実感していますけどねぇ)それ以来、家計をしっかり考えるようになったそうです。(それに比べると、家のカミさんはしっかりしていますょ!! 私が浪費家ですからねぇ!)

 そして、2年前にキューバへ夫婦で旅行した際に“豊でもない国なのに、誰もが笑顔を絶やさず、情熱的な音楽があふれていました。その点、最近の日本は「お金、お金」。心の貧しさを痛感しました。私も若い頃の浪費を続けていたら、嫌な人間になっていたかもしれません”
 ありきたりの海外旅行には飽きて、未開拓のチョッと危険な国や奥地に旅行したがる日本人には、ちょっと耳の痛い言葉ではありませんか? ( July. 16. 2000 )


 日経新聞によれば、東京ガスが人工ダイヤモンドを使って、紫外線( 235nm )発光ダイオードを開発したとありました。先日、日亜化学工業でも、紫色( 405nm )半導体レーザを開発し、サンプル出荷するというニュースが報道されていましたが、以前、日亜化学工業で中村さんが、世界に先駆けて青色発光ダイオードを開発した物語をのせましたが、短波長の発光ダイオードの開発は非常に難しいものだそうで、紫外線となると又格別難しいものだろうと思いますが、これによって光を用いて記録するCD,CD−R/WやDVDなど、今後発展が期待されるデジタル記録・再生の分野では画期的なことでしょう。

 その上、紫外線なら、直接蛍光体に照射、発光させることができるため、現在、私達が日常使用している蛍光灯は、水銀を封入し、水銀蒸気中で放電させて水銀を励起し、紫外線を発生させ、管の内面に塗った蛍光体を発光させていますが、有害物質である水銀を用いることなく、直接紫外線で発光させられるので、蛍光灯を破損させても水銀が漏れる心配も無いので、環境にも優しく、かつフィラメントを加熱して放電させる現在の蛍光灯より、はるかに寿命の長い、場合によっては、より省電力の光源が得られるのではないかと、今後の実用化に期待しています。( July. 8. 2000 )


 雪印乳業大阪工場での、黄色ブドウ状球菌毒素混入による低脂肪乳製品の中毒事件は、益々被害が広がり、ついに石川社長の辞任にまで発展しそうだ。この事件は、単に雪印だけの問題ではなく、現在の企業の経営体質全般にあるもので、品質が企業の信用いや存亡に関わる問題であることを警告している。先だって発生した、参天製薬の目薬への毒物混入の脅迫電話に対し、参天製薬が200億円の損害を承知で、全国の販売店から全製品を回収し、脅迫犯人の毒物混入を未然に防いだのと対照的であろう。

 雪印大阪工場の場合は、ちょうど東海村の核燃料処理施設での臨界事故の恐ろしさと、その後の成り行きを思い起こします。いずれも原因は、正常な作業を無視して効率を上げる為に(?)必要な作業手順と確実な作業を行わなかったことに有ります。どちらの場合も、まかり間違えば人の命に関わること、だとの認識の低さに有るのではないでしょうか? 確かにコストダウンも必要でしょう。そのためには作業の効率化は欠かせないでしょう。
 しかし、ここで重要なことは、その結果、顧客に与える影響がどうなのかということと、それによって企業の責任がどうなるのかという、コストで測れない信用の問題があるのです。更には、企業責任、Product Liability いわゆる PL(製造物責任)問題が発生し、企業の存続にも関わる問題に発展する可能性があることを認識すべきなのです。

 今、どこの企業でもコスト削減の問題は避けて通れません。特に最近は国際間競争の時代ですから、コスト削減のためならニッサンに見られるような、とんでもないリストラが行われる時代です。しかし、企業の利益と人の命を天秤にかけるバカ(経営者)はいないでしょう。
 生産の為の3つの要素、“品質”,“コスト”,“納期”が有りますが、その優先順位の第1は、必ず“品質”であって、“コスト”ではないはずです。何故かと言いますと、Product out ではなく、お客様本位の“Market in”の思想から言えば、“品質”,“納期”,“コスト”となるのは当然でしょう。この3要素は、同列なのですが、優先順位は異なるのです。これが、結果的に企業の信用であり、企業の責任と義務でもあります。別の言葉で言えば、経営者の倫理と言う事でしょうか?

 全ての企業の経営者は、今一度自社の体質の見直しが必要です。マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏も言っています。“利益がどうかと言うことよりも、まず世の中にどう役立てるかです”( July. 6. 2000 )


 TBSテレビで“ジャスト”「黒木 瞳に大変身」を見ました。27才で一人の子供を持つ主婦が9才年上の愛するご主人を驚かせようと、世の男性方のアイドル(本当は私のアイドルなのです)黒木瞳のような容姿に変身しようと試みます。彼女自身は変身するまでも無く、かなり可愛い奥様(「私の女房よりはチョッと良いかな?」 ウソつけ! 比較になるかっ!!)なのですが、シンデレラ願望は女性の常でしょうか?

 ところが驚いたことに、テレビ局の準備する“ヘア・スタイリスト”によって、あらゆる現代の技術を駆使して、見る見るうちにヘア・スタイルが“黒木瞳風”に造られて行きます。また“メークアップ・デザイナー”によって目、眉、顔の肌色やコントラストまで、画家のキャンバスよろしく仕上げられて行きます。出来あがった顔は、正に“エセ黒木瞳”なのです。しかし、これで終わりではないのです。黒のイブニング・ドレスにジュエリーは、ネックレス、イヤリングなど計400万円もの装飾が施されて、非の打ち所も有りません。こんなきれいな女性なら妻と呼んでもいいなあ〜って、思わずため息が出ます。(女房には内緒ですよ!)

 話しはまだまだ続くのです。ご主人の帰りを待って驚かそうと言うのです。彼女の希望は、ご主人が“きれいになったねッ!!”て喜んでくれることだそうです。
 やっと、ご主人のご帰宅です。(玄関には隠しカメラとマイクが仕掛けられています)彼女はいそいそとお出迎えです。

「お帰りなさいッ!」
「ただいま!」じろじろ彼女の顔や服装を眺めています。
「どうお?」彼女は“きれいだね!”と言ってくれるのを期待しているのです。
「うん、いいよ、いいよ」と彼は言います。
「いい?」彼女はたたみかけます。
「小マダムみたいだね!」(これには、思わず笑っちゃいました)

 彼女が期待しているほど、関心が無いみたいです。(やっぱり男は外見には拘っていないのだ! 何しろジュエリーだけでも400万円もの投資が必要だからね! 私の女房だって、これまで髪型に工夫したり、化粧したり投資すれば、“エセエセ黒木瞳”くらいにはなれるさ!/ムリ、ムリ! 土台が出来てないよッ!)

 これを見ていて、女性の本当の姿ってどんなんだろうかって心配になってきました。(但し、黒木瞳は別ですよ!)これ以外に、美容整形って手もあるんですからね。家の女房なんか、結婚以来化粧した顔を見たことも無いんだから…。でもその方が安心だよね!(単なる気休めか?)美しい薔薇にはトゲがあるって言いますからね。身分相応、我慢、ガマン! ( July. 5. 2000 )


 世を挙げてIT革命! 日本では、インターネットにiモードの携帯情報端末、インターネットTVと、デジタル情報化社会が急速に押し寄せていると言いますが、はっきりいって、何が革命なんですかね? 単に、経済不況を何とか脱する手は無いか? そこで無知な国民をあおって、ビジネスチャンス(金儲け?)を拡大しようと言う政府と企業がぐるになっての魂胆か?

BS特集「ビルゲイツ 日本の若者たちへのメッセージ」を見ました。講演の後に、若者達の質問にもビル・ゲイツが気軽に答えます。さすが天才起業家と言われたビル・ゲイツですが、その視野の広さに改めて感心しました。

インターネットが普及している先進国以外では、何が一番重要かと言うことでは、
 「その国の事情によっては、パソコンの普及よりも大切なことがあります。年間600万人もの子供達が十分な医療も受けられず、命を落しています。子供達の健康とコンピュータの普及のどちらが重要かと言うと、言うまでもなく健康に優るものはありません。私の財団では、世界規模での健康問題を第1目標に掲げています。専門家達に相談しながら、素晴らしい進歩を可能にする、資金を確保しています」

 またインターネットなどによる情報化社会によって地域格差が無くなり、その国独自の文化までも失われるのではないか? との疑問に対して、
「私達がコンピュータによらなかった25年前と現在とでは、どの国も著しく変化してきていると思いますが、その国独自の文化が失われたかと言えば、そうではなく、必要に応じ対面のコミュニケーションも選択できるわけですし、インターネットは、遠くにいても即時にコミュニケーションができるし、居ながらにして、複数の違った地域ともコミュニケートできます。( E-mail が便利とは言っても)日本での季節の挨拶状を出す習慣なども、又別の意味があるのではないでしょうか?」

 また、ベンチャービジネスに関わる若者について、こうも言っています。
「若い人がビジネスの目標に、先ず(株式市場に)上場することだ。と言うのを良く聞きますが、ビジネスの目標は、上場することではなく、社会にどう役立てるかを目標にすることです。私は、自分の会社の株価がどうなるかと言うことよりも、私はソフトウエアの開発に専念しています。ソフトウエアには完全と言うことはありません。まだまだ改良の余地があり、誰もが使いやすい良いものを作り上げねばなりません。多分私が生きている間に、完璧なソフトウエアができるとはおもっていませんが…」

 また、日本のコンピュータ事情について、
「パソコンの個人への普及に比し、学校教育へのインターネットの導入が、世界の中で非常に遅れている。アメリカには、子供たちが利用している18,000の図書館が有りますが、いま私は、それらの図書館をインターネットで結ぶ為に4億ドルを提供して、近く全ての図書館がインターネットを通じて利用できるようになります。学校で使用するパソコンには時間の制約があるので、最終目標は、一人に1台づつパソコンが持てるようになることです」と述べられた。

 ビル・ゲイツにおいては、コンピュータ(ソフトウエア)事業は、単にビジネスだけのものではなく、世界中の子供たちに十分な医療を提供できるようにしたり、教育における地域格差を無くすという壮大な理想があるようで、さすが天才ビル・ゲイツだと、つくづく感心させられた。( July. 6. 2000 更新 )


私がホームページを作った目的

 私の言っていることが正しいかどうかはともかく、自分のご都合主義ではなく、日本の将来のために、自分たちの子孫のために(ちょっとオーバーかな?)自分の意見を主張し、行動することが大切だと思ったんですよ。(頭の老化を防ぐためにもね)
 今まで自分を育ててくれた諸先輩および社会に対して、残された自分の人生の時間をこのために使おうと考えたんですよ。
 インターネット・ディベート、これが実現できれば最高です。どうか貴方自身が私の考え方を批判したり、周りの人たちと討論して下さることを願っています。


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