花室川(はなむろがわ)は、私の住む団地のそばを流れる川で、両岸に水田を従え、果ては霞ヶ浦に注いでいます。土手の粘土の地層からナウマン象の化石が見つかります。春は土手に菜の花が咲き乱れ、夏は水田にホタルが舞ったこともありましたが、最近はほとんど見なくなりました。秋には水田が黄金色に染まります。冬には、タゲリやシギの渡り鳥が目にとまるようになりカモがゆっくりと水面に三角を描きます。
日照りに凶作なし、といわれて今秋は台風害がなければ豊作と思われます。しかし、現代は、豊作が必ずしも喜ばれない時代になってしまいました。日本の農業は、今のままでよいはずはありませんし、今の政府が推し進めている農政でも、良くなる保証はありません。その証拠に、食料自給率を上げるといって掛け声かけても下がりこそすれ上がりません。別の道を考えることが必要なようです。
花室川周辺の水田も稔りの秋を迎えようとイネは穂を垂れ始めました。トンボも飛んでいます。
花室川の周辺は、結構、自然が豊富でチョウもいろいろなものを見かけます。これは、ムラサキシジミです。自転車で良く通る農道の脇、クズの叢で見つけました。紫というか、鮮やかに輝く青に目が引き付けられました。ものの本によると、アラカシ、コナラなどを食べて生きているそうで、確かにこのあたり、そういう木々が台地の懸崖林などに生えているのを見かけます。成虫で冬を越すらしいですが、この地方ではどうでしょうか?
花室川はあちらこちらに小さな枝川が流れ込んでいます。その枝川は、谷津田を従えています。下の写真もそんな谷津田のひとつです。流域ではほとんど田植えも終わりに近づき、GWに田植えをした田圃では、この写真のように早苗が根付いて風になびいています。これからすくすく育って、来月後半には水面の緑もぐっと増すことでしょう。(5月13日記)