陰。地球規模の環境問題の講演を聴く。今や大気圏の炭酸ガス濃度を人工衛星からかなり正確に測ることができる。しかし、地上で測るときほど正確でない。そこを解決することが焦眉の急、とのこと。人工衛星観測技術の発達はめざましい。
また、外来生物が怒濤のように来日している。例えば、クワガタムシは数百万頭/年も輸入されている。それと一緒に外来のダニも病気まで背負って付いてくることも。カミツキガメ、ブラックバスやカエルツボカビなどはマスコミでもにぎやか。ツボカビは、日本中のカエルを絶滅しかねないし、外来種は日本在来種を駆逐して生物相に悪影響を与えるという。また、例えば、船の底にくっついたり、石油タンカーの帰り船に積む海水などに紛れて日本の海産生物も外国に出て行くという。これは国同士お互い様の所もある。以上のことを食い止めたり、在来種を守ったりする対策も検討中という。しかし考えるに、地質年代的にはともかく、文明史的に考えても、そういうことは起こりうることで一概に善悪を言えず、生物は自然法則的に新しいバランスを取って行くのではあるまいか。問題なのは、人為故に国際的な移動のスピードと規模がいまだかつてなく大であるところ。さてさて、人間は実にせっかちな動物である。
|