% ユニーク

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\begin{document}

\noindent\textbf{ユニーク}

日本語でユニークというと『面白い、変わってる』のような意味合いがあるようだ。しかし英語で unique というと『唯一の、独特の』が本来の意味である。だから数学で『ユニークな解』と言えば『ただ一つの解』ということだ。個人番号みたいなものだ。もっとも解がただ一つなら、多数のうちの一つではないので『面白い解』と言ってもよいだろう。であれば、日本語訳も決して間違いというわけではなさそうだ。終わり。

おっと、ここで終わっては項目を立てた意味がないので、ただ一つが個人番号に通じることに関して私見を書いておこう。日本の戸籍は漢字で登録することになっているが、読み方を特定するためにふりがなを振ることにしている(2025年からそうなった)。でも個人番号があるんだから、読み方は個人番号でよくない? つまり『山田太郎』と書いて『123456789012』と読む、みたいな。そしたら同姓同名で迷うことはない。

それではあまりに突飛だから、ちょっと発想を変えよう。戸籍はカタカナと個人番号を登録して、必要と思った人が漢字/アルファベットなどの``振り文字''も登録するのはどうだろう。生活する上ではカタカナだけ使い、正式なコト(ってなに?)には個人番号を追記すればよいではないか。しかし、それでは日常的に同姓同名が増えてしまうが、もともと話し言葉で『ヤマダタロウ』は『山田太郎』なのか『山田太朗』なのか不明なので、それほど問題にはならないはずだ。問題は文字で書いたときだ。

カタカナには``V''の発音に``ヴ''が当てられている。これを発展させて、``L''と``R''、``S''と``Th''、``Z''と``Th''などを区別する文字を作ればよいのでないかい? たとえば、``L''は``ラ, リ, ル, レ, ロ''で``R''は``$\overline{ラ}$, $\overline{リ}$, $\overline{ル}$, $\overline{レ}$, $\overline{ロ}$''とか。``S''は``サ, シ, ス, セ, ソ''で``Th''は``$サ\!^\circ$, $シ\!^\circ$, $ス\!^\circ$, $セ\!^\circ$, $ソ\!^\circ$''とか。``Z''は``ザ, ジ, ズ, ゼ, ゾ''で``Th''は``$サ\!^\phi$, $シ\!^\phi$, $ス\!^\phi$, $セ\!^\phi$, $ソ\!^\phi$''とか。そうすれば、『light = ライト、right = $\overline{ラ}$イト』『lock = ロック、rock = $\overline{ロ}$ック』『slow = スロー、throgh = $ス\!^\circ\!$ロー』などと区別できてよいと思うんだけどね。

けれど、政府が急にこんなことを言い出したら猛反発を食らうのは目に見えている。ここは国任せにせず、賛同する人が芸名や商品名に用いたり、小説に書くなどしてじわじわ使うのがよいだろう。で、こういうのが流行らなければ、そういうものだったというだけのことなんだから。

\end{document}