% となり組素数

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\begin{document}

\noindent\textbf{となり組素数}

「となり組素数」というのは私が勝手に名付けた素数のグループである。まず奇数列から、あるお眼鏡にかなった数を取り出したものが素数である。あるお眼鏡とは、$1$と自分自身以外の約数を持たない数しか見えない眼鏡のことだ。すると、その眼鏡を通して素数だけが浮かび上がる。言うなれば、それが素数表である。

出来上がった素数表をながめると、いかに素数が不規則に登場するかが理解できるだろう。そう、素数に規則という言葉は似合わないのだ。しかし、そんな素数表にも規則的な素数列が存在する。たとえば、$3$, $5$, $7$は$2$の間隔で並んでいる素数列だ。その先には、$47$, $53$, $59$という$6$間隔の素数列がある。そこで私は、素数表に等間隔で並んでいる素数列をとなり組素数と呼ぶことにしたのだ。

これは、双子素数からの連想である。双子素数とは奇数列に含まれる素数で、その差が$2$である---すなわち奇数列では隣り合うペアとなる---組をいう。そのような組は無数にあると考えられているが、差が$2$で隣り合う三つ組が一つだけ存在する。それが、$3$, $5$, $7$の組だ。

$3$, $5$, $7$の組は奇数列での三つ子であると同時に、素数列においても三つ子である。奇数列の三つ子は$2$の差に限定されるが、素数列なら$2$以外の差で連続するものがあるだろう。先の$47$, $53$, $59$はその例になっている。ならば、素数表に等間隔で並んでいる素数列にはどんなものがあるのだろう。そして、$3$連続だけでなく、等間隔で$4$連続や$5$連続(四人組や五人組と呼ぼう)に並ぶことがあるだろうか。

それを調べるにはコンピュータが適している。そこで、となり組素数を調べるものを\verb|Excel VBA|で作ってみた。\verb|SUP|は\verb|Integer|型なので、しょぼいコンピュータなら最大でも$32{,}767$までの素数表しか調べることはできない。さらに大きな数を調べるなら、\verb|SUP|とその他の変数を\verb|Long|型にし、\verb|SUP|の値を大きな値にするとよいだろう。

ところで、となり組素数を``△つ子素数''と呼ばず``△人組''と呼んだのには訳がある。△つ子というのは家族の絆をもつ。この場合の家族とは奇数列である。さて、奇数列から飛び出た素数列は家族の枠からも飛び出ている。そのかわり、社会の中でのつながりをもつと言ってよいだろう。だから、△人組なのだ。△人組には、つながりが強固なものや希薄なものもある。つながりは、すなわち素数どうしの間隔である。それをWorksheetではDistance(距離)で表現したので、となり組素数がどんな間隔で存在しているかも見てもらいたい。

\end{document}