% xx.x%が支持しています
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\begin{document}
\section*{■xx.x\%が支持しています■}
ときどき市場調査の結果のふりをして
\begin{center}
xx.x\%が支持しています
\end{center}
のような文句を見かけることがある。これが自社製品の宣伝であれば、いかに多くの人が支持をしているかを示す絶好の数値である。ところでxx.x\%の数値が
\[
50.0,\quad 66.7,\quad 75.0,\quad 60.0,\quad \dots
\]
といった数値のときあなたはどう思うだろうか。この数値から半数以上の人が支持している様子が伝わってくるが、あまりにも``きれい''な数値に疑問をいだく人もいるだろう。確かに$1{,}000$人を対象に調査をして、ちょうど$500$人が支持を表明すれば$50.0$\%の支持を得る。本当にこういった結果になる幸運に恵まれる場合もあるだろうが、$50.0$\%という数値は二人のうち一人が支持しても得ることができる数値である。調査の対象になった人が何人いるかわからない場合は、ごく少ない調査対象から得られた数値であることも考慮したほうがいい。
しかしxx.x\%の数値が
\[
52.6,\quad 69.2,\quad 71.4,\quad 64.7,\quad \dots
\]
といった数値のときなら、おそらく十分大きな調査対象から得られたと思われる。
本当にそうだろうか。
実はこの数値は
\[
\frac{10}{19},\quad \frac{9}{13},\quad \frac{5}{7},\quad \frac{11}{17},\quad \dots
\]
から得ている。だまされてはいけない。分母が$20$にも満たないような調査なら、実際はとても低い支持のものでも、好ましい評価をするグループにかなり高い確率で出会う。あなたが注意深い人物なら表面の数値を鵜呑みにせず、実際に調査対象となった数を探すだろう。そうすることで、より精度の高い情報を得ることができる。
では、$10{,}000$人の調査で$7{,}088$人の支持を得たという情報が書いてあったらどう考えるだろうか。支持率は$70.9$\%であるからかなり高い支持を得ている。しかも実数が書いてあるので信用できそうだ。だが、残念ながらこれでも不十分だ。
たとえばこのときの調査が、質問に対して次の三つの選択肢から選ぶものであったらどうか。
\begin{enumerate}
\item 賛成である
\item おおむね賛成できる
\item 反対である
\end{enumerate}
当然上の二つが支持する回答で、$3$番めの回答が支持しない回答である。この質問に対し
\begin{enumerate}
\item 賛成である\quad ($2{,}248$)
\item おおむね賛成できる\quad ($4{,}840$)
\item 反対である\quad ($2{,}912$)
\end{enumerate}
の結果を得れば、$7{,}088$人の支持になる。しかしこの選択肢は反対する理由がなければ賛成に組み込まれてしまうものである。実数からすればむしろ反対の方が多いとも思える。つまり選択肢によって情報を操作されていると考えてよいだろう。
少々極端な数字を例に出してみたが、実態をともなわない数値が大手をふって歩いている現実がある。気になる数値に出くわしたら、ちょっと調べてみることをお勧めする。
\end{document}
(↓で調べる際は0.1〜99.9までの0.1単位の数値を入力してください)
- % → 分母がもっとも小さい分数は /