% プールx杯分の何々

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\section*{▼プール$x$杯分の何々▼}

ある国のビールの消費量が年間何万kLである---などというとき、競技用プール何杯分だとか△△ドーム何杯分だとかのたとえはよく見聞きするだろう。たしかに$1,500$万kLのような数値は具体的だが現実味に欠けるので、競技用プール$6,000$杯分と言う方が現実的だし分かりやすい$\dots$か? ちなみにこの計算は、$\textrm{kL} = \textrm{m}^3$であることと、競技用プールの推奨貯水量が$2{,}500$m$^3$であることから
\[
1500\times10000\div2500 = 6000
\]
として求めた。でも、競技用プール$6{,}000$杯って言われても全然想像できない。だよね。だったら
\[
\sqrt[3]{1500\times10000\ \textrm{m}^3} = \sqrt[3]{15}\times100\ \textrm{m} \approx 246.6\ \textrm{m}
\]
と計算して、一辺が$250$mほどの立方体を想像する方がまだマシかもしれない。

でもね、人間って$250$m四方の平面なら想像しやすいけど、さらに高さが$250$mあるって言われてもちょっと理解しがたいものである。東京タワーの$3/4$程度の高さと言ってもピンとこないだろう。

こんなとき私なら
\[
\sqrt{1500\times10000} = \sqrt{15}\times1000 \approx 3873
\]
を計算する。m$^3$に平方根の計算を当てはめても意味ないだろうって? いいや。この計算は$1500\times10000$m$^3$を、底辺が一辺$3873$mの正方形で高さが$1$mの直方体に見直す計算である。つまり、およそ$4$km四方の土地が$1$mの高さに浸水した様子に等しい。どうかな? これだったら地図を見ながら想像できるのではないだろうか。

しかしこのような場合、可能なら『一人あたり何々』と言い換えた方が分かりやすいだろう。そうすれば自分を基準にして、このサイトの『Essay:倍半ルール』を適用すれば想像しやすい。おっと、他の記事を勧めているわけじゃないからね。換算するなら、より想像しやすいものに見直すことが肝要であると言いたいのだ。

\end{document}