% 2001年問題
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\begin{document}
\section*{▼$2001$年問題▼}
$20$世紀末に、西暦$2000$年にコンピュータが誤動作を起こす可能性が問題になった。原因はコンピュータ内部で西暦を下$2$桁で表していたからだ。この方式では「$00$」が「$2000$年」なのか「$1900$年」なのか区別できない。
実にくだらないことかもしれないが、「$2001$年問題」というのもある。
さまざまな商品には「有効期限」や「賞味期限」が書かれている。そしてここでも西暦の省略形として
\begin{center}
$991209$
\end{center}
のような表示がされている。もちろんこれは
\begin{center}
$1999$年$12$月$9$日
\end{center}
の意味である。
近ごろでは、ある国で作られた製品を他の国で販売することはザラだ。国によって日付けの表し方に微妙なスタイルがあるので、時にとまどうことだってある。それを緩和するために``親切にも''
\begin{center}
$991209$ ($091299$)
\end{center}
と書いてある商品も見受けられる。(~) 内はもちろん「$9$日$12$月$1999$年」の意味である。この国とは逆の順で日付けを表すところもあるわけだ。すると立場が変われば
\begin{center}
$091299$ ($991209$)
\end{center}
と書くことがあるかもしれない。この場合は(~) 内が「$1999$年$12$月$9$日」の意味である。
さて問題はここからだ。
\begin{center}
$011202$ ($021201$)
\end{center}
と表示されていたらどうしよう?
\begin{center}
$2001$年$12$月$2$日 ($2$日$12$月$2001$年)
\end{center}
と見ようか、それとも
\begin{center}
$1$日$12$月$2002$年 ($2002$年$12$月$1$日)
\end{center}
と見ようか、一体どっちなんだ。
日にちは$1$日から$31$日まであるから、この混乱は$2001$年から$2031$年まで続く。恐ろしいことだ。もっともこの問題は「$2000$年問題」と比べものがないくらい簡単に片付く。
\begin{center}
$'011202$ ($0212'01$)
\end{center}
でいいのだ。これなら誰が見ても「$2001$年」だ。「$2001$/$12$/$02$ ($02$/$12$/$2001$)」と書けばもっとよい。
でも、これで完全解決というわけではない。「$2001$年$12$月$2$日($2$日$12$月$2001$年)」なのだろうか、それとも「$2001$年$12$日$2$月($2$月$12$日$2001$年)」なのだろうか。「$2001$年$12$日$2$月($2$月$12$日$2001$年)」は明らかに変だろう、と思わないように。そういう習慣の地域だってあるのだから。
とは言え解決は簡単で、ちゃんと年月日を入れるか、英語なら「$2001$ Dec $02$ ($02$ Dec $2001$)」などと書けばよい話である。要するに文字をケチって曖昧にしないことだ。昔は機械の性能に制約があったとかで、止むを得ず略記せざるを得なかったのかもしれない。人をだまそうとしない限り、はっきり分かるように記述すればよいのだ。
\end{document}