「演ってて久々に気分のいいライブ」だったクアトロツアー
中：３月のクアトロって渋谷だけ？椅子がなかったじゃない
ですか。あれって誰が椅子をなくそうって言ったんです？
青：荻原君が結構、椅子はやめた方がいいって言ってたから。
中：確かに、自分の周りでも以前からあったんですよね、
そういう話。何で今まで実行されなかったのかなあって。
青：やっぱり、ねえ、集客が少ないから（苦笑）見栄えが
よくないっていうのが大きい理由で。まあでも、こないだ
も集客的にはそんなに、それまでのクアトロと変わって
なかったし。
マ：でも、空気全然違いましたよ。椅子がない方が絶対いいですよ。
中：音の感じも全然違うように感じました。ライブビートの公録の時も思ったんですけど、
音が凄くブ厚く感じられたというか。
青：うん。ああ、でもライブビートはちょっとヒドかったなぁ。
中：まあ後で、放送とか聴くと、
青：っていうかねえ。本人たちの演奏もちょっと良くなかったから。
ミスも多かったし、トラブッたり、歌詞忘れたのいっぱいあったし。
中：そういう意味では、放送されることで細かいところまで耳がいってしまうから。
青：そうそうそう。繰り返し、聴かれると、辛いなあって（苦笑）
マ：でもあの放送を聴いて、CD買いに走った人もいますよ。
青：ああ、本当？ いやぁ、でも辛いわぁ、あれは。
マ：聴いてる方には分からないものですよ。
青：東京のライブでようやくまとまってきたって感じだったから。
ま、演ってて久々に気分のいいライブでしたけどね。
中：それは見てて伝わってきました。何よりもメンバが楽しそうなのが一番ですよね。
青：だから大体単発でライブ演ることが多いから、大体その時曲を演奏するだけで精一杯な
状態なんですよ（苦笑）
中：しっくりきた頃に終わっちゃう。
青：うん。もう一回くらい演ればっていうのはねぇ。
中：GF'sの頃は結構頻繁にライブ演られてましたよね？
青：うん、昔は歌詞なんか見なくても歌えたんだけど（笑）今はぜんっぜん覚えないもんなあ。
中：昔頻繁に演れてたってのは、やっぱり今はメンバの調整が難しいからということですか？
青：やっぱり、うん、掛け持ち多いしねえ。やっぱり月１とかで演るっていう状況では
ないよねえ。
中：見る側としては是非演ってもらいたいですけど。
青：でも、あんまり演ってもぉ…飽きるでしょう？
中：いやいやいや（苦笑）それはそれで、趣向を凝らすことができるじゃないですか。
手を変え品を変えっていうか。
青：まあね、うん。
「ひとりだとどうにでもなるからねえ。選曲とかも」
中：インストアライブが毎週見れたのが、凄く嬉しかった
んですよ。
青：ああ。ひとりだとどうにでもなるからねえ。選曲とかも
中：勝手知ったるというか。
青：うん。好きなようにできるし。
中：（日程の）前半アコギで後半エレキに変えられたじゃ
ないですか。
青：うんうん。
中：あれって何か考えあってのことなんですか？
青：エレキの方が運搬が楽（苦笑）っていう。ソフトケース
とか。
中：それだけなんですか？（笑）
青：あと、弾くのも楽っていう。力があんまり必要ないし。爪とか握力とか…肉体的に楽って
いうのがあるんで。
中：インストアライブ演ってる時って、ウチのホームページとかってご覧になってましたか？
青：ああ、見ました見ました。「好きな曲アンケート」でしょ（笑）
私の一番気に入ってる曲が、一番上にいないっていう（苦笑）
中：あの結果を出した直後、渋谷のHMVで"SMASHING MY HEAD"を演られたので、
「しまったぁ」と思ってたんですよ。
青：ああ、そうかぁ。
中：（始まる前に）dAbさんとかと話してて、「何でこの曲、人気ないんでしょうかねえ」
って言ってたら、いきなりエレキであんな凄いのを。
青：いやいや。そんなに凄かったかなぁ？
マ：中西さんは、何の曲に投票したんですか？
中：私は全部に入れたんで、順位には影響なくて（苦笑）
一同：（笑）
マ：池袋のインストアからですよね、エレキって。
青：「あ、こりゃエレキの方が楽だわ」って。
マ：新しいお客さん、結構いましたよね。
中：普段ライブでは見かけないような方が。SPOT Gとかも
結構満杯だったじゃないですか。ホテルの地下に場所
変えた時もぎっちり詰まってて。
マ：だって、立見が出てましたよ。
青：100人位じゃなかったのかなあ？何人だっけ。聞いて
たんだけどなあ。
中：確かに椅子席でしたけど、100は軽く超えてたと思いますよ。
やっぱりメジャーに行くと、って思いましたもん。
マ：あと新しいファンの人でびっくりするのが、皆古いの（アルバム）を、もうガンガン
買ってるんですよね。
青：それは凄いね。
中：面白い。
マ：「やっと全部揃いました。まだ聴きはじめて３ヵ月ですが」とか。３ヵ月で全部揃えた
んだ、って（笑）
熊：ライブ会場で置いてあると。
マ：もうバァーッと買って帰って。
中：結構長くやってると、初期・中期・後期じゃないけど色が変わってくるから、古くから
聴いてる人でも「この頃の方が好きです」っていうのがあるじゃないですか。
青：ああ。
中：（青山さんの場合は）あんまりそういうの、ないんですよね。当り前にGF'sの頃まで
遡れて、そこで全部繋がってきちゃう。個人的に思い入れのあるアルバムも確かにあるん
でしょうけど、でも「この頃の方が」って強く固執する人は、あまりいませんよね。
青：それほど思い入れのある人がいないんじゃないかと（苦笑）
マ：いやいやいや、それは違いますって！
中：一本筋が通ったものがあるということだと思いますよ。思い入れがなきゃ（アルバム）
買わないでしょう！（笑）
青：まあ、ね。いやぁ。
「『BBB』の頃は、結構独裁してたから（笑）」
中：でもグラファンとソロが本当に自然に繋がったんですよ。
『BBB』の頃って、そんなに（今と）色合いが変んないし。
青：そうっすね。うん。あん時ゃ結構独裁してたから（笑）
マ：独裁バンド（笑）
青：ブーブー言いまくってた。
中：だから結構長いキャリアがある割には、そんなに区別が
付かないのが凄く面白いなあと。
青：まあ、音質の傾向の流行りとか、そういうのはあります
けどね。
中：ミキシングの違いはあれど、音楽性は一貫しているというか。
青：進歩がないんですよ（苦笑）
中：いやいやいや（苦笑）
青：いやいやいや（苦笑）ネガティヴに捉えるなあ、何故か（笑）
熊：歌がどんどん艶っぽくなってるというのは、
青：ああ、どうなんすかねえ。あんまり分かんないんすけどねえ。
中：ライブと併せて聴いてるからそう感じるんでしょうかね？
確かに、最初見たEgg-manの頃から比べると、やっぱり今の方が自信持って歌って
らっしゃるような気がします。
青：ライブの方は、メンバの構成とかもバランス取れてきたんじゃないのかなあ。
聴きやすくなってきたというか。
中：どっちに重点を置くか、というのはありますよね。リズムの妙を前に出すのか、
ボーカルを前に出すのか。
青：昔のメンバだと皆何も分からず、どういう風にしていいのか分からず全然バラバラに
演ったような感じだったから。
中：ああ。
青：クセのある人揃ってたし（笑）、結構。
中：横川（タダヒコ）さんとかですか？
青：そうそうそう。
中：あの頃に比べると今の方がシンプルというか、そこでボーカルやギターが前に出るように
なったんでしょうか。以前は、ギター弾く人だなあって印象は確かにあったんだけど、
例えば"Vampire"（『ONE OR SIX』収録）だとボーカルだけだったりとか。確かにサポート
メンバも多かったりしたけど、それでギター弾かずに一歩下がっちゃうのは、どうだろう？
とか思いながら。
青：うん。まあ、結構性格的にそういうところもあったしねぇ。
「あ、じゃあどうぞやって下さい」って（笑）
中：誰のバンドなんだ（苦笑）
マ：そしたらバリバリに（横川さん）ベース弾いてるという（笑）
あれはあれで面白かったですけど。
青山氏、ジョン・サイモンにプロデュースされる？
マ：博多は凄かったですよ。ソロギタリスト状態で。延々
ソロ弾かされてましたよね。
青：ああ。
マ：基本的にエレキのソロは青山さんが。
中：ウチにレポート下さった方も書かれてました。ギター結構
ガンガンに弾いてたって。
マ：ああいうギターソロ弾けるのは、多分（あの面子では）一番、
青：高野（寛）君も巧いと思うけど、エレキ持ったら。
マ：絶対空気的なものもあったと思いますよ。ああいう感じの
曲なら青山さんって。高野さんはアコギだったし。
格好良かったっすよぉ〜。
中：見たかったっすねえ。
青：ロビー・ロバートソンの物真似いっぱいして（笑）
中：（笑）ここで演らないと、
青：いつ演るんだって。何かでもあそこで演るって、本人がいるのに演るって何かちょっと、
ある意味いい度胸してるなっていう（笑）
マ：指揮してたんでしょ？ジョン・サイモンが指揮してコーラスやったって。
青：あ、リハ（ーサル）の時ね。
中：ああ、写真見ました。
マ：で、芝さんが始まる前に「今日はねぇ、ラストの全員で演るアンコール１曲だけ！でも
4,000円の価値あるから」って
青・中：（苦笑）
マ：で、何演んのかなーって思ってたら「や、ジョン・サイモンが全員まとめて指揮
やってんだよ。私ゃ感動したよ」って。
青：っていうか、皆遠慮して、その、コーラスの部分をちゃんと歌わなかったんですよ。
だんだん、ジョン・サイモンがちょっと苛々してきて「お前はこう歌え、お前はこう
だぁー！」（と、ジェスチャー付きで説明）
中：（笑）でも、それが見れるだけでも感動しますよね。
マ：周りの人とか感動してて、「うわぁジョン・サイモンがまとめてるぅ」
青：「プロデュースされてしまったぁ」とか思ってた。
中：アルバム１枚プロデュースしてもらえたら、いいですよね。佐野元春の例もあるし、
青山さんも。
青：ず。...どうだろうね。
中：ミッチェル・フルームよりは望みあると思いますけど。
青：ああ、ミッチェル・フルームねぇ。売れっ子だよなあ。
中：売れっ子ですねえ。
青：ジョン・サイモンなんか全然売れっ子じゃないもんなあ（苦笑）
中：（笑）日本だけかも。異様に人気ありますものね。
マ：そうなんですか？アメリカじゃあんまり人気、ないんですか？
中：どうなんですかね？あの辺の人ってやっぱり「懐メロ系」になっちゃうんですかね？
青：でも本人のヒットがある訳じゃあないからね。ジョン・
サイモンって言ってもピンとくる人、いないんじゃないの。
中：ヴァン・ダイク・パークスとビーチ・ボーイズ、みたいに
分かりやすい組み合わせがあればまた違うんでしょうけど。
青：ヴァン・ダイク・パークスだって全然知名度ないと思うよぉ。
中：今度来るんですよね。ヴァン・ダイク・パークス。
青：スイート・ベイジル、だっけ？ブライアン・ウィルソンが
あんな大きいところで演るのに、ヴァン・ダイクはああいう
ところでちょっと営業っぽいライブ演るってのは...。本人
結構、あんまりお客さんとか入ってなかったら怒るらしいん
だよ。だから、そういうライブにならないように皆行こうぜ
って長門（芳郎）さんが言ってたけど（笑）。言ってあげないと、駄目だよ！って。
中：でも、そういうところで見れるのって結構レアだと思いますけどねえ。