最近お薦めのCDを聴かせて下さい

青:CD、聴くんですか?
中:あ、はい。
青:いろいろ持ってきたんですけど。
中:最近あまり買っておられない、という話だったんですが。

青:いや、だからね、千円位のをねえ、いろいろ探して買う
  のが好きになっちゃったんですよ。千円以上のは
  買わない、最近。中古とか。
中:ああ、以前言われてた「古本屋のCDコーナー」ですか?
青:そうそうそうそう。
中:でも、そういう所で自分のお眼鏡に叶うモノって出会え
  ますか?
青:意外に何かねえ、見本盤であったりして。800円位で
  新譜とか売ってたり。これだったら買ってもいいなって
  思うと買っちゃいますね。

中:確かにそれなら。冒険出来るってのはありますよね。高いと失敗した時のショック
  大きいし。でも、しばらくしてから急にクるのもありますよねえ?
青:ああ、それはあるねぇ。売っちゃってから後悔したのあるなぁ…。
中:例えば?
青:何だっけなぁ…。いや、あの、何か売れるモノないかなあって。金が無くなってきて、
  いろいろね。家のアナログを。

マ:最終兵器はミスチルがまだ残ってるじゃないですか。
青:ミスチルは、テープだよ。カセット。
中:サンプルですか?
青:というか、サンプルじゃなくてライヴ会場で売ってた奴。
中・マ:そういうのが高いんですって!!
青:カミさんが取材したとかで、貰ったんですよ。資料用に
  貰ったりしたのかも知れない。
  …何かビッグになった人って沢山いるよね。
中:身体を通り過ぎていって(笑)
青:いやいやいや。ミスチルは別に知り合いじゃないけど(笑)

中:でも、あの人達もラ・ママで演ってたんですよね、確か。
青:友達のエンジニアの人が結婚した時にラ・ママでパーティーやった時にミスチルと
  イエモンが(笑)
マ:対バンだったと。
中:スゲェ。
青:あとGF'sと(笑)何だかよく分かんない。
マ:大田(譲)さんと西村(哲也)さんと二人であのとき「イエローモンキーズやぁ」って(爆笑)
  「『ズ』は付かない付かない」って棚谷(祐一)さんに(笑)

(しばらく脱線昔話、続く)

熊:で、今日は最近買ったCDとか持ってきていらっしゃるんですよね?。
青:え?あ、持ってきたんですけどねえ。最近買ったといっても何か、あんまり目新らしい
  ものはないですよ。皆お持ちではないかと。
マ:でも、ごっそりと。
青:ここに10牧程(苦笑)まあ、でもご存じではないかと。

中:これって『WHAT'S IN? ES』で紹介されてたヤツ
  ですか?
青:そうそうそうそう。エディ・ヒントンなんすけど。
  コテコテですけど。
  (音が鳴る。熱いシャウトと渋いギター)
  あっ、きたっ(笑)すいません。何かあれですよ、
  この人死んじゃったんですけど、'95年位に。遺作に
  上からダビングして、まあ…ポップなとかそういうん
  じゃないですけど。
中:自分の知らないうちに上から音かぶせられるってのは、
  どういう気分なんですかね?

EDDIE HINTON/hard luck guy

マ:誰がかぶせたんですか?
青:あの〜、マッスルショールズっていう、アラバマのスタジオがあってですね、そこの
  ミュージシャンが重ねてるんですけど。
マ:これを録り終わった位に亡くなってるんですか?
青:そういうことだと思うんだけど、途中だったのかも知れないね。デモだけあがってたとか。
中:ジョン・レノン状態というか(笑)
青:でも、何かあんまりそういう風に聞こえなくて。
  (曲変える)ま、どれもこういった(笑)くっさいソウルですけど。

青山さんと「音響派」の関わりや、いかに?

中:最近割と音楽雑誌のレビューとか(依頼が)きますよね。XTCとか。
青:ああ、何かXTCの専門家だと思われてるみたいで(苦笑)
一同:(笑)
青:XTCって、どっか他でも書いたなぁ。
中:『WHAT'S IN? ES』じゃなくて、ですか?
青:いや、『DIG』でXTCの特集やった時に、3枚位その、アルバムレビューを。
熊:売れてますねえ、XTC。
青:ねえ。
マ:あれ、今までで一番売れてるんじゃないですか?
青:(CD止めて)まあ、こういうくっさいのを聴いたりとか。
中:最近はジム・オルークを聴いてるとか、そういう話をよく訊いてたので、そういうのが
  メインなのかと。
青:ああ「音響派」?でも、あれ凄く気に入ってますよ、サム・プレコップ。
  ここにありますけど。
中:ああ、実は私も持ってきたんですよ(笑)多分持ってこられるかとは思ったんですが。
青:これ(サム)とこれ(アイソトープ217°)を聴いたり。

    
  sam prekop/sam prekop   isotope217°/THE UNSTABLE MOLECULE

  これ(アイソトープ)は、何か硬派なかっちょいいジャズって感じで。
中:音響系とか音響派とかって紹介されてるものって、まあレーベルによってカラーはあると
  思うんですけど、方やアメリカンロックのデフォルメだったりとか割とオーソドックスな
  ジャズだったりとか、だから、何をもって音響系とするのか分からないですよね。
青:アイソトープだと、何?ハードディスクレコーディングみたいなとか、手法の話が
  いろいろねえ。かといって、それで音響系っていうのも何かねえ(苦笑)
中:ライブだと皆生(演奏)だったりしますしね。
マ:宣伝文句として付けちゃってるとか。
青:でも、日本で言ってるだけでしょ?
中:荻原さんが付けたんですかね?(笑)
青:いやー、結構音響系を広めてる張本人らしいしねぇ。

「何か最近、ライブ盤が多いんですよ、聴くの」

中:次は?
青:これは聴いてませんか?エミルー・ハリスは。
中:ああ、まだ買ってないです。前の"WRECKING BALL"は
  持ってるんですけど。
青:ああ、それのライブバージョンって感じで。
  (ジャケ写見ながら)メンバー、バック3人だけど、
  何つうですか?見ためはほら、ソリッドな4ピースの
  パンクバンドっつう感じで(笑)
中:(笑)そうですね。
青:パンクじゃないけど、何かいい感じなんすよぉ。
  声がいいんだよなあ。

 EMMYLOU HARRIS/SPYBOY

青:(曲をかける)これは"WRECKING BALL"に入ってた曲ですよね。
中:プロデューサーは(前作と)違うんですか?
青:プロデュースは別に(ダニエル・)ラノアが入ってるとかじゃないけど。
中:ラノアも、アルバムによってコロッと作風が変わりますよね。
青:あ〜。
中:ウイリー・ネルソンとかエミルー・ハリスはもう、ラノア色濃厚なのにBLUE NOTEで
  やったドラマーのアルバム、誰だっけな?それはもう普通にジャズの音なんですよね。
  それ考えると、チャド・ブレイクとかも、ジミー・スコットでしたっけ?あのアルバムも
  別に、
青:普通のジャズでしたよね。
中:(ドラマーを思い出す)ああ、ブライアン・ブレイドでした。最近、ジョニ・ミッチェル
  とか(ボブ・)ディランのところで叩いてる。
青:ああ、こないだ(ディランの)ライブのビデオを買って観たんですよ。良かったなぁ。
  最近の、円形劇場みたいなところで演ってたんだけど。
中:でも、ああいう人達でもBLUE NOTEで(プロデュース)やれるというのは、多分
  カサンドラ・ウィルソンとかの影響かなって思ったんですけど。オーソドックスな
  ジャズボーカルだけど、バックは結構曲者が揃ってたりとか。
青:(CD聴きながら)結構バックも歌えるし、アカペラやってたり。
熊:全員ボーカルが取れるみたいですね。
中:GF'sみたいじゃないですか!!

青:いやいやいや(苦笑)ま、4人だけでこれくらいの演奏
  できるのはイイナァと。何か最近、ライブ盤が多いん
  ですよ、聴くの。
中:それが一番、その人の実力が分かるというか。
青:うん、何かやっぱりミュージシャンが、こう、演ってる感じが。
中:(演奏の)ディテールとか聴いちゃいますよね。
青:レコーディング技術より、こうプレイを聴くのが。まあ、
  そんな、下心は(苦笑)。到底近付くのは無理なんだから。
中:でも、ロス・ロボスからは結構(笑)
青:ああ、すいません(笑)もう好きで好きで(笑)
  好き過ぎちゃって。

中:ラテン・プレイボーイズ、出ましたよね。
青:え?まだ聴いてないすか?
中:あっちは買ったんですけど、(デヴィッド・)イダルゴのハウンドッグは。
青:それも持ってきましたけど。
中:あ、やっぱり(笑)大分カブッてるわ(苦笑)
熊・マ:(爆笑)

「ポップロック。何かあまりその手に食指が動かなくて」

青:これが、ホンッとに強力で。ベター・デイズは。
  聴いてませんか?
中:いえ、聴いてないです。
青:ナンバーワンなんすけどねえ、最近の(笑)死ぬかと
  思いましたよ、聴いた時に。これも初っ端から凄い
  アルバムで、音がもう。
マ:何年なんでしょう。
青:これは'73年かな?

(ポール・バターフィールドのブルースハープが鳴り響く)


PAUL BUTTERFIELD'S BETTER DAYS
/LIVE AT WINTERLAND BALLROOM

中:ここ来る前に、道玄坂のBYGに行って打ち合わせしてたんですよ。
  そこに居るような雰囲気ですね(笑)
青:もうそんなのばっかり(笑)ま、こんな感じで。本当にPOPSとか無いんで。
  何かあの〜、何だっけ?福岡のVirginメガストアの人で昔からGF'sが好きだった人が
  いるんですけど、インストアとかで行くと「これがいんですよ!」っていろいろ薦め
  られるんですよ。割とPOPなヤツが多くって。そういう、割とビートルズっぽいヤツが
  多くて。
中:オアシス系とか(今だに)多いですよねえ。
青:というか、何だっけ?こないだ、ファウンテン・オブ・ウエインとかいうのを薦められて。
  あの〜何だっけ?モノ忘れが(笑)トム・ハンクスがビートルズみたいなバンド育てる
  映画…ありましたよね?
中:ああ〜、何でしたっけね?
青:それの音楽をやってたバンド?薦められたんですけどね、あまりピンとこなかったなあ。
  で、あとで音楽誌とか見たら絶賛してたから。
中:ビートルズっぽいんですか?

青:割とビートルズっぽいロックというか、ポップロック。
  何かあまりその手に食指が動かなくて。
中:逆にそういうの好きな人だと思われてるんでしょうね。
青:思われてるんでしょうね。(CD聴きながら)この、
  くっさい音楽が一番好きなんですけど(苦笑)本当は。
  でも、そういう風に思われていないっていう。POPな
  音楽を研究しつくしてる人というか、ね。
熊:でも、ライブ見てると全然そういう雰囲気無いじゃない
  ですか。
青:そうだよねえ。

マ:そういうイメージは、どこから来てるんですかね?
中:GF'sってそんなに露骨にXTCとかの影響は…確かに「流れ星老人」もあるけど。
青:っていうか、あのぉ、バンドのメンバー間の接点がそこしかなかったから(笑)
マ:共通言語。
中:誰が一番好きだったんですか?3人の中で。
青:いや、みんなXTCそこそこ好きだったけど、詳しい訳じゃないし。
  「あ、XTCだったら知ってるわ」みたいな。本当にそれ以上に接点がなかったんですよ。
中:トッド・ラングレンなんかは?
青:トッド・ラングレンなんかも向こうは全然知らなかったから。
マ:そうなんだ。
中:XTCとトッド・ラングレンって付き物だと思ってましたけど(笑)
青:でも、あの、一緒に演った時は「あれ?」って思いましたけどね。ビックリした覚えが。
  まさか一緒に演る訳はないと思った取り合わせだったから。

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