『ロンバケ』って1回も聴いたことないんですよ。
青:HDレコーディングって、なんかもう、やってないヤツは駄目みたいな時代に
なってきたねえ(笑)。
中:鳥羽(修)さんはやってますよね。
青:HDレコーディングと、テープメディアを併用してますね。
中:DATですか?
青:ADAT(エーダット)。最近はあまり使う人いないみたいだけどね。
PRO−TOOLS使ってコンピュータベースで。
中:PRO−TOOLSといえば、『サン・レコ』にフリー版が付録で付いてましたよね。
あれとこの前の大滝(詠一)さんの特集は買ってしまいました(笑)。
強引に話を持っていくと(笑)大滝さんと言えば、以前「風待(ミーティング)」でも
カバーされてましたよね。
青:うん。でもそんなによく知らないから、適役じゃないなと思ってね(笑)
中:(笑)「学生の時によく聴いてた」って前回のインタビューでおっしゃってたじゃない
ですか。
青:あ、だから、はっぴいえんどのアルバムとか大瀧詠一の1枚目とか『ナイアガラムーン』
なんかをアナログで持ってたんだけど、『ロンバケ』って1回も聴いたことないん
ですよ。
中:え、そうなんですか?
青:勿論ヒット曲は知ってるよ。♪ターンタタラーン、タタラーン、タタラーン、タターン♪
ってやつとか。
中:ああ、「君は天然色」ですね。
青:あと「さらばシベリア鉄道」とか。
中:まあヒット曲だからわざわざ買って聴くまでもないか、と。
青:古いものを買い集めるのに忙しくて。全然そう
いうところに手が回らなかったですねえ。だから
もうごっそり抜けてるんだよね、80年代の日本の
ものが。70年代の井上陽水以降、ボコンって
日本が抜けてるから(笑)。
中:(笑)。因みに陽水さんだとどの辺りまで?
青:だから79年まで(笑)。『スニーカーダンサー』
ってアルバムがあるんですけど、そこまで。
中:じゃあ『平凡』『明星』なんかの
青:そこはもう、知らない。高中正義が参加してた
辺りまでかな。
中:『東京ワシントンクラブ』って何年でしたっけ?
青:あれは76年、かな?
中:80年代になると全然駄目、ですか?
青:駄目というか、そもそも聴いてないから知らないんですよ。
中:今になって遡る、ということも
青:それも無いっすねえ…最近テレビに出るようになって嬉しいな(笑)話してるのを
もっと聞きたいな、ってのはありますけど。彼の喋りが好きなんですよ。
この前BSの番組に出てましたよね。喋ってるの聞いてるだけで幸せになれる
んですよ(笑)。
中:そもそも陽水を聴くきっかけって、何だったんですか?
青:小学校の時に友達が凝ってたんですよ。6年生位で皆、フォークとか聴きだして。
『招待状のないショー』とかの頃かな。これがまた名盤なんですよ。
中:青山さんの話に陽水さんってよく出てくるんですが、カバーっていうとあまり無い
ですよね。
青:楽曲的には割と、何ていうのかな、日本の歌謡曲の延長の構成じゃないですか。
メロディとかコードとか。だから演奏するには難しいんですよ。「東京
ワシントンクラブ」は弾き語りでブルースみたいな感じで凄く演りやすくて。
中:青山さんがカバーされてからいろいろと探したんですけど、あれってCD化されて
青:ないんだよね(笑)。不思議だなぁ。でもあのアルバムも変なんだよなぁ。
ライブなんだけど2曲スタジオ録音が入ってて。そのライブもやけにロックで(笑)
ガンガンに行く感じの演奏してるから、あれ凄い好きだったなぁ。
「…自分についてはなかなか分析できませんよ」
中:最近はもの書きというか、文筆のお仕事が多いですよね。
青:文筆っていうほどのねえ(苦笑)
中:まあまあ(笑)。徳間のHPに日記を書かれていたりとか、あと「Groovin'」でしたっけ?
すみやのフリーペーパー。あれは1年間ですか?
青:そうです、連載で。もう終わりました。
中:日記を書くとか、こういう作業って本来お得意なんですか?
青:得意ではないけど、嫌いではないかも知れませんね。っていうか、習慣になった
ことは簡単にやめられないタチなのかも知れないけど。
中:日記や、あと評論もそうですが、自分の考えを公に書き記すということで、例えば
作詞なんかに影響は出ますか?例えば高野寛さんは、昔、書いてた「夢日記」から
詞のヒントを得ていたと聞いたことがありますが。
青:ほとんど影響ないような気がしますねえ。
あるとしても自分ではわからないというのが
正直なところで。…自分についてはなかなか
分析できませんよ。高野君の話はやってみたら
面白そうだけど、夢はほとんど憶えていないこと
が多いので(笑)
中:評論といえば「レココレ」のレコード評など
がありますが。
青:既にねえ、間違ったりしてますけど(苦笑)
中:(笑)青山さんって割と冷静に物事を分析されるというか、例の全曲解説もそう
ですけど。あと文章もお上手で。
青:いや、上手くは無いっすよ。
中:でもご自身の音楽に関して、ここまで冷静に書ける方ってそういないと思うんですよ。
普通はもう少し妙な感情が入るんじゃないかと。
青:あー。うん。
中:人にも因るとは思うんですけどね。でも自分が作った作品をある意味別物というか、
俯瞰で見られるというのは
青:どうなんすかね?
中:自分の全曲解説と、他人のレコ評だと、どちらが難しいですか?
青:あまり変わんないかも知れない。出来てしまえばみな同じというか(笑)。
でもやっぱり自分のものの方が気楽かな。あまり思い入れというのも無いんですよ。
勿論作ってる時は一生懸命だけど、出来てしまえば「さあ、次の曲作ろう!」って。
中:でも、例えば1枚目を作った時と今を比べると、やっぱり1枚目の時は思い入れが
強かったとかってありませんか?
青:1枚目作ってる時はまあ、初めてだから気合い入ってたし、今回は今回で7枚目だぞ
っていう気合いが入ってるし(笑)そういう意味において違いは全然無いんですよ。
中:グラファンの1枚目とソロの1枚目、メジャー1枚目っていう節目があるとすれば、
気持ちの盛り上がりっていうのは
青:作れる機会があるというだけで「やるぞ!」って気になるから。別にそれは
メジャーとかソロとかで違いは無いですね。まあそれぞれに気持ちの込め様は
違うけど、自分の曲を演るということにおいては同じだから。
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