1.大きな森の小さな家 ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 恩地三保子(訳) レビューへ
2.大草原の小さな家 ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 恩地三保子(訳) レビューへ
3.プラム・クリークの土手で ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 恩地三保子(訳) レビューへ
4.シルバー・レイクの岸辺で ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 恩地三保子(訳) レビューへ
5.長い冬(上・下) ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 鈴木哲子(訳) レビューへ
6.大草原の小さな町 ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 鈴木哲子(訳) レビューへ
7.この楽しき日々 ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 鈴木哲子(訳) レビューへ
8.はじめの四年間 ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 鈴木哲子(訳) レビューへ
9.わが家への道−ローラの旅日記 ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 谷口由美子(訳) レビューへ
10.農場の少年 ローラ・インガルス・ワイルダー(著) 恩地三保子(訳) レビューへ
2007年の正月は、はからずも喪に服することになり、休日にはもっぱらこれらの本を読んで過ごした。といっても、結局は、最後の2,3冊は、正月休みには読み切らず、2月のなかばまでかかったのだが、通読することが出来た。 教育の荒廃が言われるが、これらの本を読むと、それがウソのようである。自然と家族が、何にも代え難い学校であり教師であり、隣近所は、反面教師も含めいろいろなことを教えてくれる。教育の原点が、そのあたりにあるのかも知れない。そして、学校という垣根の中に、あるいは、塾や習い事を含め、人工的な教育環境に閉じこめられたような現代の多くの子どもたちがかわいそうになってしまう。 アメリカという社会も、100年少し前には、こんな風に、自然や自然資源におんぶした社会だったのである。それが100年ほどで、世界に君臨する大経済帝国になり、偉そうな顔をしている(もっとも、ベトナム戦争以後、落ち目という見方もあるが)。アメリカに限らず、人間は、自然に依存し、自然に教えられ、互いに助けあって生きてゆくことが基本なのである。先進国といわれる国、それを目指す国も、そのことをもう一度胸に刻み、人と金(かね)が最も仲が良いのではなく、人と環境がそれぞれ仲良く暮らす社会を大事にすることを考えてみたほうが良い。 今、わが国も都会では、ローラの物語のような世界は全くといって良いほど姿を消し、子どもたちを、夏休みなどに大自然やゆったりとした環境に触れさせたいと思ってもなかなか難しい。アメリカではどうなんだろう、デ・スメットほかのローラ達が過ごした地で、ローラの世界の良い面が維持されているのだろうか。都会化が進んでいるのだろうか、過疎で大変なことはないだろうか、人々は、スローライフを楽しんでいるだろうか、この目で見てみたいと思う。 |