わが家への道−ローラの旅日記 岩波少年文庫、岩波書店 (1983/06)  ローラ・インガルス・ワイルダー(著)、谷口由美子(訳)

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ローラ、アルマンゾ、ローズたちの新しい旅だち,
2007/2/4

「わたしたちは、必要なだけ金がたまったら、『大きな赤いリンゴの土地』へ行くつもりだった。」そして、百ドル紙幣を文具箱にしっかり隠してその地を目指した。1894年の夏のことであった。この本は、その旅、デ・スメットからミズーリ州マンスフィールドまで、650マイル(約1000km)、45日間にわたる日記である。ローラの家族の粘り強く優しいところがうかがわれる記述が続く。前後にローズの解説がつく。

幾組もの移住者たちとすれ違っては情報交換しながら進む土地々々は、石ころばかりの地だったり、クリークが美しい谷間だったり多様なのだが、到着したマンスフィールドは、どこにも増して美しいオウザーク丘陵の一角だった。街外れのキャンプに一旦落ち着き農場の土地を求めようとしたとき、百ドル紙幣が紛失しているのに気がつき驚く。しかししばらく経って、文房具入れのフェルトの陰にそれが見つかり、農場を買うことができた。そして、開墾が始まり新たな家を建てる計画も動き出した。

巻末に訳者の谷口さんが、晩年のローラが子どもたち読者に贈った言葉を記しています:「・・・いつだって、正直で誠実でいることが、いちばんいいのです。自分にできることは精一杯やって、小さな喜びにも幸せを感じ、失敗してもくじけないでください。あなたを幸せにしてくれるのは、あなたの持っている”もの”ではなく、愛情と、思いやりと、おたがいに助けあうことと、そして、何よりも”いいひと”でいることなのです」と。


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