長い冬(上・下) 岩波書店 (上:1955/09;下:1955/10) ローラ・インガルス・ワイルダー(著)、鈴木哲子(訳)、ガース・ウィリアムス(画)
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自然の厳しさに絶え切り抜ける知恵と希望をもつことの大切さ, 2007/1/21
雁が普段より高く飛び、動物たちが深い巣を作り、インディアンが吹雪の長い冬を予告してゆく。そして、開拓最前線に異常に厳しく長い冬が来る。最近の米大陸でも異常気象で冬に猛吹雪に襲われることがあるが、この本で見ると、アメリカの北中部の厳冬の吹雪はわれわれ日本人の想像を絶する。大自然の猛威は、人間の意志に係わらず襲い来る。
父さんの奏でるバイオリンは各巻で家族の楽しみを演出するのであるが、この巻では、汽車が来なくなり食糧も絶えようとする中でも希望を持ち続ける力の源になった。アルマンゾ・ワイルダーの決死の食糧確保行動もデ・スメットの人々を力づけた。それらも与って、ローラ達、開拓地の人々は、自然の厳しさに絶え、それを切り抜ける知恵と希望をもつことの大切さを学んだと思われる。