シルバー・レイクの岸辺で 福音館書店 (1973/07) ローラ・インガルス・ワイルダー(著)、恩地三保子(訳)、ガース・ウィリアムズ(画)
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フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が拡がる, 2007/1/21
荒くれた流浪人や保安官は登場しないけれど、アメリカの西部開拓らしい雰囲気が高まる。プラム・クリークから西へ移動し落ち着くデ・スメット(現サウス・ダコタ州東部の街)は、農業開拓の最前線というだけでなく鉄道敷設の最前線に近い。鉄道工事の現場を経験し、越冬する測量技師の家は即興ホテルにもなる。父さんは、払い下げ農地の場所を確保し開拓の足場を固める。春になると、開拓民のラッシュが始まる。開拓小屋ができる。その近くに赤ん坊のグレイスが見つけたスミレ咲く窪地は、スミレの香りが漂う素晴らしい場所、続巻でもしばしば登場することとなる。
大きな森、プラム・クリーク、シルバー・レイクはほぼ同緯度なので、気候、自然などはとても類似している。ローラは12歳。フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が急速に拡がってゆく。娘時代のローラの物語は、ここシルバー・レイクを舞台に次巻以降に続いてゆくこととなる。