「環境」tommyのつぶやき2003年


 日経新聞によりますと、家庭向け1kw級の燃料電池として、京セラが固体酸化物型燃料電池(SOFC)で発電効率が世界最高の54%のものを開発したとありました。

 我が家の太陽光発電は、京セラの2.92kwの太陽電池ですが、設備導入の際、できれば1kw程度の燃料電池発電を併用したいと希望していました。むろん、太陽光の無い時の補助電力として使用したいと考えていたからです。しかし、当時はまだ燃料電池が開発途中でしたので無理でしたが、やっと希望が湧いてきました。

 燃料電池は、ご存知のように水素を燃料として空気中の酸素と反応させて電気を取り出すのですが(水を電気分解して水素と酸素を取り出すのと逆の操作)、水素と酸素を反応させる電解質によって次の4つのタイプに分けられます。

  @ 固体高分子型(高分子膜を用いるもの)
  A 燐酸型(燐酸溶液を電解質として用いるもの)
  B 溶融炭酸塩型(炭酸カルシウムや炭酸リチウムなどを用いるもの)
  C 固体酸化物型(電解質にジルコニアなどを用いるもの)
一般家庭用向けの燃料電池としては、作動温度も100℃と低く取り扱いやすいため、固体高分子型が適していますが、京セラが開発したものは、最も作動温度の高い固体酸化物型(1000℃)のものを用いていますが、より低い温度(780℃)で作動するようにして、なおかつ、発電効率を従来のものより10ポイント程高い54%を達成できたようです。

 燃料の水素を供給する方法は色々ありますが、現在一般的にインフラが整備されていて水素を取り出すのに改質しやすい都市ガスやプロパンガスが考えられていますが、我が家はプロパンガスを使用していますので、風呂は夜間電力による給湯に換えましたが、台所はオール電化を見合わせてガスレンジを残しています。燃料電池発電では、ガスから改質して水素を取り出した後、やはりCO2 が排出されるようです。問題は、そのCO2の排出量と、発電に要するガスの消費量(発電コスト)ですが、詳しいことはまだ分っていません。

 燃料電池よりも風力発電という手もありますが、“風の向くまま、気の向くまま”となりますので、慎重に検討する必要があります。家庭用の風力発電装置として、「エコプロダクツ・ショウ2003」でも、1kwタイプのダリウス型風車という発電装置が出品されていましたし、先日の日経新聞にも、酉島製作所と九州大学と共同で開発した「風レンズ型風力発電機」は、平均風速が3m程度でも安定して電力が取り出せて、価格も1.5kwタイプで100万円ほどだそうですから、家庭用燃料電池とほぼ同じくらいなので検討の余地がありそうです。風車の方は、風さえあれば燃料は不要ですから経済的ですし、CO2も出ません。いずれにしても、2004〜2005年が勝負どころになりそうですね。( Dec. 23. 2003 )


 「エコプロダクツ・ショウ2003」に行ってきました。昨年に比べて何となく活気がありませんし、地球温暖化が深刻さを増しているのに、太陽光発電や燃料電池発電設備の説明に、突っ込んだ質問を向けてもピンとした回答が帰ってきません。初日のせいもあるのでしょうが、環境問題の重要性をもっとアピールする必要があるのではないでしょうか? 何処も普通の展示会の域を脱していません。ガッカリしました。

 日経新聞によれば、ミラノで開催中の地球温暖化防止会議で、温暖化防止条約事務局の発表では、先進国全体での2010年の温暖化ガス排出量の推定が、1990年のそれを10.2%上回り、議定書で定めた5.2%の削減には遠く及ばないようです。その中で、京都議定書の批准から離脱したアメリカの32.4%増(目標7%減)は別としても、日本は、削減目標6%に対して5.7%増になると言います。批准を渋っているロシアでさえ、目標0%に対して11.1%減で目標達成だと言うのにですよ。いったい、日本の対策はどうなっているのでしょう? それでも、共同議長を務めた小池環境相は「気候変動は現実になっている…もはや議論している場合ではなく、行動をとるべきだ」と威勢のいい発言をしているとか…。曖昧な発言でお茶を濁していた川口前環境大臣よりはましとは言うものの、実際の行動はどうなっているの?

 既に幾度となく議論されてきた通り、運輸関係のCO2 削減は、一般も含めて自動車の排ガスの削減に掛かっていますし、民生での電力消費の削減によるCO2 の削減は、太陽光発電や風力発電(一般家庭への導入は難しいか?)、燃料電池発電によるコ・ジェネレーションに期待しているわけですが、それらに対する啓蒙は無論のこと、補助制度や税制での優遇や設備機器開発へのトップランナー方式の推進・助成など、何れを取って見ても政府が真剣になっているとはとても思えません。道路公団民営化を標榜しながらも、小泉首相の思惑とは別に、高速道路の建設には、自民党(道路族?)議員が結託して必死に既得権益を死守しようとするのに、その膨大な費用を温暖化防止対策につぎこむことは考えてもいないようだし、それらに対するインセンティブも明確ではない。

 昨年の平均月度比、50%以上のCO2 削減を達成する見込みの我が家では、更に大幅なCO2 削減を目指して、発砲スチロール板による窓や勝手口の断熱を行い、暖房電力の削減を試行しているし(実際に昨年度のデータを3〜5℃上回っている)、来年度には、ガソリンを使用しない電気自動車への乗り換えを検討中で、更には夜間電力の有効利用として蓄電したものをDC−ACコンバータを用いて利用できないかを検討している。

 燃料電池自動車の補助電力の蓄電器として、トヨタはニッケル・水素電池、ホンダはナノゲート・キャパシタを採用し、ニッサンは最近、性能の優れたリチウム・イオン電池を開発して使用することが明らかになった。従来の蓄電池はその寿命が2〜3年と短いために、蓄電池の交換費用が問題となっていたが、ナノゲート・キャパシタはこの問題をクリアできそうなので、イニシャル・コストも含めて期待しているところである。また燃料電池自身が蓄電機能を持つので、効率と経済性に優れた燃料電池の実用化に最も期待している。

 いずれにしても、現在、環境問題として最も重要なのは“地球温暖化防止”に真剣に取組むことであることには異論がないであろう。実際に気温が年々上昇してきており、気候の異常変動と、極地や高山の氷河や永久凍土の融解によると考えられる海面の上昇は、年々深刻さを増している。
ところで、地球温暖化に対する貴方の取組みは? ( Dec. 14. 2003 )


 ナノゲート・キャパシタ(ECaSS)と言う高性能の蓄電池が、日本電子と岡村研究所によって開発されました。発電した電気を蓄電して使用できればとても便利ですし、それが容易に携帯してどこででも使用できるようになれば画期的なことです。既に蓄電器としては、古くから鉛蓄電器がありますが、大きくて重く、寿命も短くて、鉛電極や硫酸と言う公害を発生しやすい物が使われており、決して環境に優しくはありませんでした。

 その後開発された蓄電器は、良く知られた“ニカド(Ni-Cd)電池”や“ニッケル水素電池”、“リチウムイオン電池”などがありますが、いずれも繰り返し充電するうちに劣化して充電能力が落ちて、2〜3年後には使えなくなってしまいます。
ところが新しく開発された“ナノゲート・キャパシタ”は、電極に0.4ナノメートルの微細な穴を多数もつ炭素の粉を固めたもので、その穴の中に電荷を貯め込む性質を持つもので、極めて短時間に充電ができ、充放電に伴う劣化の心配もなく、電池の寿命も半永久的な上、重量も軽く、単位容積当たりの蓄電量も鉛蓄電池の2倍という。まだ開発途上であるため、更に性能の改善が期待できるので、夢の蓄電器として、既に応用されているハイブリッド自動車は無論のこと、電気自動車の電源や家庭用の電源としても注目されます。

 我が家の太陽光発電設備も、太陽のない夜間の電力供給には、今後、風力や、開発が進められている燃料電池などによる電力の供給に期待しているが、1kw程度の“ナノゲート・キャパシタ”が家庭用として安価に供給できるようになれば、夜間電力で充電したり、風力やエンジン発電機、燃料電池などで発電した電力を蓄電しておいて、雨天や夜間の必要なときに利用することができ、画期的なエネルギー革命になるだろう。
 また、その軽量性を活かして、電気自動車が開発されれば、一気に自動車の排気ガスによる地球温暖化の問題の解決にもなるし、同時に排ガスによる大気汚染の問題も解決できる期待が大きい。

 また別に日経新聞の報道によれば、シチズン電子が一般照明用に白色LED(発光ダイオード)ランプを開発し、一個2000円でサンプル出荷するという。LEDランプは、従来の白熱灯に比し、同じ電力で明るさが2倍で、発熱が極めて少なく、ランプ寿命も20倍と長く、省エネルギーとなる。今後、量産効果によって適当な価格になれば、一気に普及し、地球温暖化防止に寄与し、これもまた照明革命となるに違いない。
 あとは、電力消費の大きいテレビのディスプレイへの、極めて消費電力の少ない有機ELの応用や、電気ジャーポットや冷蔵庫、エアコンなどの断熱保温・保冷構造や熱交換効率の革新を期待したい。( Oct. 3. 2003 )


 「新世」9月号(倫理研究所刊)の連載“どうする日本H 環境のために今できること”で、水上宏氏が「誰かが始めなければ何も変わらない」と題して、私たちは、地球が健全であってはじめて幸福な生活を営むことができ、一個人の幸福や一企業の繁栄の前に、まず地球の安泰(地球環境の保全)を願う実践者にならなければならないと述べられています。

 現代は“自分さえ良ければいい”とか、“みんながやっているから”とかいう、エゴがまかり通っています。殊に、自分が直接影響を受けたり、被害を被らない時には無関心でいます。ところが、地球的規模で環境悪化を招くようなことは、他国の人達にも迷惑が掛かっているのです。特に日本人の食生活の浪費は、他国から輸入される多くの食材の浪費となって、それらを作り出すために使われる多量の水資源の浪費となっていることを知らなければなりません。世界では水不足が深刻な問題となっていますが、日本人は、水や空気はタダで手に入るものと思っています。昔は、水道の一滴も浪費してはならないと教えられたものですが、高度成長につれて、親も子も、何時の間にか自然の有難味を忘れ、浪費癖がついてしまっています。今こそ“消費は美徳”を捨てなければなりません。

 水資源について言えば、

  @ 感謝して使う
  A ムダを改めて、大切に使う
ことが必要です。地球環境のためには、水資源の節約以外にも、一人一人の着実な実践が必要です。
  @ ゴミを減らす
  A エネルギーを大切に使う
  B 緑を増やす
 既にご存知のように、私たちも、地球温暖化防止のために、ささやかではありますがエネルギーの節減に向けて実践活動に励んでおりますが、一人一人の努力の結果は小さくても、その一人一人の実践の結果が集まれば、非常に大きな力となります。
“誰かがやるだろう”ではなく、今すぐ“貴方が”その一歩を踏み出して下さい!!

 私が実践活動を通じて切実に感じていることの一つに、クリーン・エネルギーとしての太陽光発電が、太陽の陽射しの有る昼間は良いのですが、雨の日や、当然、夜の時間は発電が出来ません。せっかく設備を備えても、その効率は50%以下なのです。これを100%の効率で運転できればとても良いのです。私は、それを雲の上にある富士山のような高い山頂に設置して、発電した電力を送電すればより効率が良くなると考えていますが、それよりももっと効率の良い方法がありました。

 日経新聞によれば、経済産業省の主導するプロジェクトで、宇宙空間にソーラーパネルを置いて「宇宙太陽発電」基地を設置して、発電した電気をマイクロ波に変換して地上に送る「宇宙太陽発電システム」の研究開発をスタートするそうです。高度約3万6000Kmの静止軌道に3Km平方に広げたソーラー・パネルで発電するという壮大な計画ですが、宇宙では真空中ですから、太陽光を遮る物もありませんし、4,6時中発電できますので、効率は大気を経た地上とは比べものになりません。これが実用化できれば、万々歳ですねぇ!

 宇宙太陽光発電はともかく、何とか別な方法は無いものかと考えていましたら、ありました、有りました!! 今話題の燃料電池自動車ですが、自動車は1日中走り回っているわけではありませんから(中には、徹夜で稼いでいる労働基準法無視の営業車があるかもしれませんが…)稼動率が極めて低いわけで、せっかくクリーン・エネルギーを利用するなら、停止している時も発電して、その電力を供給しようではないかという試みも有るそうです。

 燃料電池自動車が一般にも実用化されたら、我が家も今の燃費の悪いスカイラインから買い換えて、ガソリン消費を無くしてCO2の排出をゼロにした上、運行していない時や夜にも発電して(排出した水で風呂を沸かして〜)、更に電力消費を節減しようっと!!(ところで、燃料電池自動車、いくらで買えるの?/バカ言うでないよ! 年金生活者が買えるわけないだろッ!! せいぜい一人乗りの“電池自動車”でガマンじゃ/そんなぁ!)( Sept. 21. 2002 )


 「地球村通信」9月号の環境情報によりますと、世界各地で記録的な異常気象が続発しているようです。スイスでは41.5℃の史上最高を記録し、フランスでも42.6℃で死者が5000人に上る可能性があるといいます。農作物は、旱魃により被害が深刻化していますが、日本では逆に天候不順で、トマトやスイカ、ナスなどが不作ですし、稲作も豊作には程遠いと言われていますねぇ。私の家庭菜園でもトマトやナスは全くダメでした。(例年あまり良くないのですが、今年は丸っきりダメでした)

 また、温暖化により、グリーンランドの氷床の溶解が急速に進んで、海面の上昇と共に、海の塩分濃度が変わり、気候変動の要因になるといいます。
その上、オゾン層の破壊が進み、人体に有害な紫外線が大量に地上に降り注ぐため、WTOの勧告もあってか、当市でもプールに屋根をつける対策や、私などは、天気の良い日には肌を露出しないよう、長袖、長ズボン、ツバ広帽子で畑仕事をしています。

 話しは変わりますが、家電リサイクル法施行以来、家電の不法投棄が昨年度に比し20%も増加しているようで、当市でも不法投棄のパトロールを強化しているのが実態ですが、 新聞報道によれば、環境省は不法投棄などの廃棄物リサイクル対策問題の解決推進のために、「環境Gメン」と呼ばれる地方調査官などの増員を決めて、10月度には26人増員し、来年度は更に45人増やす予定だという。
 この家電リサイクル法は、メーカーがリサイクルと廃棄の全体に責任を持つ「生産者責任」の原則が骨抜きになっているためで、ヨーロッパのように、メーカーに処理費用を負担させて企業責任を強化することが求められている。(それもそうでしょうが、“ルールを守る”という当たり前の常識が欠乏し、日本全体…政治家、警察官、公務員、企業経営者、一般市民、にまで蔓延しているのではないですか?)

 温暖化防止に対する二酸化炭素排出削減については、国土交通省がトラックなどの運輸業の大気汚染防止を促すために、一定の環境基準を満たした運輸会社の「グリーン経営」に対して“環境認証制度”を創設する。その成果に応じて認証企業に奨励金を支給するという。
 ご存知のように、運輸部門のCO2排出量は、全体の20%を占めるわけで、1990年からの10年間で23%も増えて、この排ガス削減は環境対策の柱となっています。環境家計簿に取組んでいる我が家でも、自家用車の運行により発生するCO2が、家庭で排出するCO2の大きな部分を占め、この削減が最も重要だと感じています。

 二酸化炭素排出削減の立役者である化石燃料の消費削減については、環境省が、原油取引などに課税する“環境税”の最終案を決めたとあります。この最終案は、原油など化石燃料が含む炭素量に応じて、輸入時か精製製品の出荷時に課税する仕組みだそうですが、これでは消費者の責任・受益者負担義務意識が薄まり、消費削減への期待が持てないような気がしますがねぇ。
 貴方は、この“環境税”について、どう考えますか? ガソリンが少々高くなっても、車は便利だからねッ、てことにならないようにしてね! ( Sept. 8. 2003 )


 新聞報道によりますと、環境省は低公害車普及のため、自治体向けの補助制度を2004年度から拡充する方針を決めたとあります。当南足柄市の環境保全推進委員会において、市の保有車を低公害車に換えて地球温暖化ストップと大気汚染防止について、市民へのPRを図ってはどうかと提案しましたが、予算がないからと渋っていますが、国の補助制度が利用できれば、地方自治体での低公害車の普及が促進され、一般への波及効果が大きいのではないでしょうか?

 ところが、お役所の補助制度と言うのは、形ばかりでなかなか浸透しない理由があります。私も温暖化ストップとエネルギー節減のため補助制度を利用して、今年初めに太陽光発電を取り付け、3月から使用開始しましたが、面倒な補助申請にふりまわされるばかりで、補助金の支給が未だに下りてきません。補助金を当てにして設備会社と契約したら、あとが大変ですよ。そして、補助金もおりない内に、毎月の発電量や売電量等のデータを提出するようにとのお達しです。
それなら補助金申請時にその旨、趣旨説明と必要書類を添付しとけば良いじゃないですか? その上「データを書き間違えたら、修正せずに新しい記入用紙をインターネットでNEF[(財)新エネルギー財団]のホームページからダウンロードできます」(?)とのことです。コンピュータでデータ処理するため正確に読取れないという理由だそうです。相手の都合を無視して、自分の都合だけで仕事をしているお役所仕事の典型です。じゃあ、インターネットを利用していない人はどうすりゃいいんですか? 4月以前から稼動しているのに、8月になって4月まで遡ってデータを作成しろと言われても、人によってはデータが記録されていない場合も考えられるではありませんか? そういう場合は適当にごまかせば良いと言うことでしょうか? もしそうだとしたら、お役所の統計はいい加減と言うことですかねぇ。

 幸い私は、毎日、環境家計簿によってデータを記録しているので心配はありませんが、それよりも、早く補助金を支給してください!! そのほうが肝心です! 補助金を楯にデータを出せと言うつもりなのでしょうが、これなども、補助金制度を、国ではなく市町村あるいは設備メーカに任せてしまえば、手続きも簡単で、もっとスムーズに普及するものを、“補助金をやるから有難く思え!”と言うお上の威光をひけらかすだけで、地球温暖化防止とエネルギー対策のために一般市民へ普及させるという目的と手段が入れ替わっています。道路公団や郵政事業の民営化の必要性がよくわかりますねぇ。しっかりガンバッてや、小泉さん! ( Aug. 11. 2003 )


 神奈川県環境科学センターで行われた「環境調査コース」三日間の講習会を終了しました。河川の水質調査のための水生生物の採取と生物の同定方法及び簡易分析法(パックテスト)によるCOD(化学的酸素要求量)の測定法。そして、大気汚染の測定では、大気中NO2(二酸化窒素)を測定し、そのデータを地図上に描き込んで環境マップを作成し、評価する方法を学びました。

 河川の汚染度を知るには色々な手法がありますが、実際に定点となる河川に生息する水生生物を採取して、その生物を同定することにより水質がどの程度きれいかを判断できます。水質の良好な沢に住む生物と、下水によって汚れている川に住める生物とは異なるからですが、実際にデータで実証するためには水生生物の種類を同定する必要があります。

 実際にやってみると、これがなかなか難しく、顕微鏡で細かく調べても、その種名を確定することができません。十分な訓練と経験が必要なことが分かりました。
 CODの測定にしても、パックテストによる簡易測定法では、発色した水の色と標準色票と比較して判定するわけですが、3班に分かれて夫々が判定した結果は、必ずしも一致しませんでした。公定法によって、採取した水を一定時間置いて水中のバクテリヤが消費した酸素の量を、試薬を滴定し測定しましたが、複雑な操作と計算の結果では、各班のデータがかなりバラツキ、一致しませんでした。これも訓練と経験が必要でしょう。

 大気中のNO2の測定では、試料には、各人が自分の住んでいる所の2箇所で、24時間晒した資料(試薬を染み込ませたろ紙)を持参して、その試料をザルツマン試薬に浸漬し、発色した試薬の透過率をエコアナライザで測定して直読するのであったが、この方法は簡単で測定の個人差は無かった。私の場合は、自宅の外と、150mほど離れたところの比較的交通量の激しい交叉点の大気を採取したが、0.016PPMと 0.020PPMとなって差は認められたが、いずれも規制値 0.04〜0.10PPMには達しなかった。受講者の一部には、規制値を上回るところも有って問題が指摘された。それらのデータを神奈川県地図上に記録し、既に記録されている各所のデータと比較し、大気汚染の分布を見ることができた。

 水質の調査や大気汚染の調査は、かなりの技術と訓練が要する上に、試薬などの費用がかなり必要なため、個人では無論のこと、ボランティア団体ではその負担が問題となるようで、実際に市民活動としては別の方法を考えなければいけないだろう。定性的なデータにより市民や行政へのアピールをしたり、小中学校の環境教育に役立てて、環境保全への啓蒙運動として実践することが良いのではないかと感じた。事実、そのような活動をされている例も紹介された。( July. 19. 2003 )


 日経新聞によれば、環境省は温暖化ガスの排出を抑えるために、原油輸入などに課税する“環境税”の原案を固めたとありますが、影響の大きい産業界(族議員か?)がこのまま黙っているでしょうか?

 “環境税”については、当然、税制改革の中で論議すべき問題ですが、地球温暖化防止のための施策としての原油への課税だとしたら、問題点と効果を十分に検討した上で、どの時点で課税するべきかを決定した方がよいように思います。私も、毎日の環境家計簿を記す中で、電気、ガス、水道などの使用量の削減を図っていますが、それらの削減が限界に近くなるにつれて、大きな問題になってきているのが自家用車のガソリンの消費なのです。

 一所懸命、二酸化炭素の削減を目指していても、近くのスーパーに無くて、遠くの郊外のスーパーに必要な買い物に出掛けたり、大きな荷物を運ぶために自家用車を使用すると、一回の使用で、電気、ガス、水道の使用量による二酸化炭素の排出量を軽く上回ってしまいます。しかし、そうかといって自家用車を使わないでは、目的が達せられないことも多いのです。今は、この問題解決に頭を悩ましているのです。

 以前、県の“自家用自動車への環境課税について”の公開討論会が開催されたときに出席し、自動車の取得時に課税される“環境税”について、その不当性についての意見を提示しましたが、その結果、自動車取得時の環境税の課税については見直しをすることになりましたが、その代案が、今回の原油への課税になるのではないでしょうか? しかし、原油への課税は、ガソリンの販売価格に跳ね返ってくることは確かですし、それではガソリンの使用と“環境税”との関係があいまいになって、消費者への“地球温暖化防止”の意味が希薄になり、課税の結果、反発のみが増大してきます。

 “地球温暖化防止”のための“二酸化炭素の削減”という命題は、如何にしたら化石燃料の削減につながるかを検討すべきで、必ずしも“環境税”によって抑制するだけがベストではないのです。産業界は産業界で、その命題に対してどう取組むかを提言するべきですし、自家用車による排出ガスの抑制については、公共交通機関の整備や電気自動車、燃料電池自動車等の実用化の促進に向けての施策の展開(お役人のスローペースではダメですが…)が必要なのではないでしょうか?

 ただ、水素を使用する燃料電池にしても、漏出した水素が上空のオゾン層を破壊して有害な紫外線を更に増大させると、カリフォルニア大学のユン教授などが警告していることもあり、それらを考慮して開発を進める必要もあり、やはり使用を止める(Refuse)ためにはどうすれば良いかを議論することが重要になってこよう。
ただし、エネルギー問題全体から見れば、太陽光、風力、海水温度差、潮汐力、地熱など多くの自然エネルギーの利用が考えられるので、問題は、それらの導入に対するインセンティブと施策の立案だけであろうか?( Jun. 29. 2003 )


 “永田農法”をご存じでしょうか? ほんとうの野菜はどうして作るのかを示したのが、永田照喜治さんの“永田農法”と言えるでしょう。実は、私も知りませんでしたが、「永田農法 おいしさの育て方」(小学館刊)を手にして、その考え方を初めて知りました。

 これは、とてつもない農法です。今までの常識を根底から覆すものです。まず有機農業を否定します。その理由の第一は、有機物が分解するときに発生するメタンガスにより、作物の根を傷めてしまうことです。そして有機肥料の大量使用は環境汚染を引き起こすと言います。だから使い方が難しいのです。それに比して化学肥料は、元々植物が必要とする窒素、燐酸、カリの三要素を効果的に与えることができるからです。ただし、従来のやり方のように、多収穫を目的で大量に使用したのではダメなのです。

 “永田農法”では薄めた液肥をごく少量与えるだけです。また、耕作地は乾燥した荒地が適しているのだそうです。肥沃な土地で、水や肥料を十分に与えられた作物は、不健康で栄養価も低く、味も良くないと言います。
むろん、農薬は使用しませんので虫がつきますが、虫がつくほどおいしいと言うことです。しかし、健康な植物は病虫害にも強いのです。今まで化学肥料は土地を荒らし、連作を出来なくするといわれていましたが、それは、肥料の使いすぎだったのでしょうか?

 これは正に目からウロコです! 出来は悪いが、よその畑のものより遥かにおいしいと自慢していた我が家の家庭菜園も、原点に戻って最初から出直しです。家庭菜園をやろうとしている貴方、環境にも優しい“永田農法”について、ぜひご一読下さい。( Jun. 13. 2003 )


 『地球村通信』の6月号が届きました。
「非対立」、高木さんの言葉(信条でもある)ですが、何度も述べておりますが、人と人との喧嘩や、国と国との喧嘩である戦争などは、対立が無ければ、ほとんどの場合避けることが可能です。ではどうすれば良いのでしょう?

 対立するのは「自分が正しい。相手が間違っている」と思うからで、自分は正しくないかも知れない、間違っているかも知れない、と思えば対立は起こりにくくなります。
“世の中にこれが絶対に正しいと言うことはありません。あるとしたら、それは神の名において『愛』によって判断されることだけ”というのが、私のホームぺージの「宗教」のコンテンツの中で度々登場してきます。この世の中での判断基準は、それぞれが自分の都合の良いように決めたルールでしかありません。それは多数決で決められたかも知れません。その場合は、少数の意見は無視されているのです。

 木さんは「もし貴方が人として成長したい、もっと学びたいと言う気持ちがあれば、自分とは異なる意見に耳を傾けるだろうし、自分の非に気づいた場合は、『学ばせてもらって有難う!』とお互いに言えるでしょう。こんな優しい気持ちで、自分の中の対立を見直してみませんか?」と述べられています。世の中の誰もがこんな気持ちになれば、どこにも争いは無くなるでしょう。平和で幸せな世界が築かれるに違いありません。

 地球環境問題だってそうです。温暖化の問題でも、森林破壊の問題でもみんな同じです。自分たちが都合の良いようにしか考えていないから起こるのです。私たちの贅沢な暮らしを支えるために、地球の森林が減少し、環境破壊が起こり、環境汚染が広がっていくのです。その中でも日本は最悪の森林破壊国なのです。日本で使われる材木の80%以上を調達するために、東南アジアの国々の森林から木材を伐採して、環境を破壊し、砂漠化させているのです。私たち日本の消費者の利便性や贅沢、使い捨てや大量消費の生活が、世界の森林の破壊につながっているのです。今こそ私たちの生活を見直しましょう。

 ・紙コップ、紙皿、紙ナプキン、ペーパータオルを使うことを止めましょう。
  (安易にティッシュペーパを布巾代わりやハンカチ代わりに使わないようにしよう)

 ・古新聞は、チラシと分けて束ねてリサイクルに出しましょう。
  (行政の言うことを鵜呑みにしない。リサイクルの方法が異なります)

 ・買い物する場合は、過剰包装を断り、廃棄物が少しでも少なくなるよう考えましょう。

 ・不要なダイレクト・メールは受け取りを拒否しましょう。
  (DMは未開封のまま「森林保護のため受け取りを拒否します」とメモを貼りポストに投函すると、差出人に戻るそうです)

 ・本や雑誌は、出来る限り友達同士でまわし読みや、図書館・古本屋を利用しましょう。
  (本屋で立ち読みで済ますのはお勧めできません。ハイッ!!)

 ・高くても、再生品やリサイクル品を見つけて買いましょう。
  (エコ・マークが目印です)

 これらを実行するのは容易ではありませんよ。一生懸命努力して実践し、習慣化しましょう! 先ず「自分が出来ることをやる」のがネットワーク『地球村』の信条です。是非、ご賛同下さい。
お陰で私たち(妻とケンカしながら削減しています)も、燃えるゴミの出す量が大変少なくなりました。更に、リサイクルに出す量も、もっと減らしたいと考えています。究極的には“排出物ゼロ”が目標です。( Jun. 2. 2003 )


 昨年11月に県の環境科学センターの講習会において、地球温暖化対策の環境家計簿への実習を始めてから6ヵ月を経過し、電力やガソリン(車)使用の削減から、更にクリーン・エネルギの導入と夜間電力でのエコキュート給湯設備によるプロパンガスの削減に取組んできた結果、6ヵ月間での成果が明らかになりましたので公表します。太陽光発電とエコキュートによる削減の効果は3月以降となりますので、本格的に対策の効果が判明するのは、後半6ヵ月以降となります。

  6ヵ月間の平均を前年度の月平均と比較します。

    CO2排出量(Kg)
            前年度月平均   今年前半6ヵ月平均    削減率
     電力     124.8       122.7
     太陽光発電    0.0       −29.3
     ガス     134.5        91.9
     水道      11.5         8.7
     ガソリン    81.0        56.2      ――――――――――――――――――――――――――――――――――       計     351.8       250.1    28.9%

    支払費用(円)             前年度月平均   今年前半6ヵ月平均    削減率
     電力     10,445      8,032
          太陽光発電       0     −2,467
     ガス      8,499      5,889
     水道      2,105      2,370 ※前年後半より公共下水道に加入
     ガソリン    3,948      2,070     ――――――――――――――――――――――――――――――――――       計     24,996円    15,893円   36.4%                                           (−9,103円)

となりました。月平均で約29%のCO2排出量削減となり、支払費用では、月に約36%、9,000円余の節約を果たしました。太陽光発電とエコキュートの効果は、まだ1/3ですから、更に後半6ヵ月継続すれば、ほぼ実証できるでしょう。( May. 15. 2003 )


 先に述べた通り、京都議定書以来、地球温暖化対策に取り組んで長くなりましたが、電力削減も頭打ちで決定的な対策が必要となり、ついにクリーン・エネルギー導入とプロパンガスの使用削減のために、夜間電力によるエコキュート給湯器を導入しましたが、その結果がまとまりましたので参考に供したいと思います。但し、何度も言うようですが、これらの設備のイニシャル・コストの減価償却分は考慮に入れておりませんので、念の為。
前年同月度との比較を示します。
  電力およびガス使用量      H14年3月度   H15年3月度    削減率
       電力使用量      401kwh    330kwh     17.7%        太陽光発電売電分     0     −195kwh    66.3%        ガス使用量      23.8m3    12.0m3    49.6%   CO2発生量           H14年3月度    H15年3月度   削減率
       電力        132.3kg   108.9kg    17.7%        太陽光発電売電分    0      −64.4kg    66.3%        プロパンガス    160.7kg    81.0kg    49.6%       ――――――――――――――――――――――――――――――――――        合計        293.0kg   125.6kg    57.1%   支払費用(円)         H14年3月度    H15年3月度    削減率
       消費電力      9,618円    5,264円   45.3%        売電分による        0円   −5,415円  101.6%        プロパンガス    9,146円    5,658円   38.1%       ――――――――――――――――――――――――――――――――――        合計       18,764円    5,507円   70.6%
という結果となり、使用電力より太陽光発電量が上回った上、エコキュートによるプロバンガスの削減が功を奏して、全体で 57.1% ものCO2排出削減を達成し、支払費用では、何と 70.6% もの費用節減を達成しました。目出度し! メデタし!! 万々歳!!!

太陽光発電が順調だからと言って、電力のムダ遣いは怠ってはいませんよ! ( Apr. 18. 2003 訂正 )


 NHKの金曜フォーラム“始めよう! 暮らしの省エネ・ダイエット”を見ました。我が家も省エネ(二酸化炭素排出削減)に苦労していますので、何か参考になることはないかと思って、録画しておいてゆっくり見ました。特に、作家でパソコン通の山根一真さんがパネラーの一員でしたので、期待して見ました。

 しかし、多彩なパネラーのわりには、期待したほどの結果は得られませんでした。その理由は、当たり前なことですが、実際に自分自身で実践してみた結果でのデータのない定性的な議論に終始していることでした。その中で、実際に小学校で実施された元校長の宮田さんから、学校で生徒達が省エネ・ナビを使った実践活動のお話がありましたが、学校と言う特殊な環境での話であって、教育的効果はさりながら、一般家庭での取り組み方には問題が多いように感じました。では、何が問題なのかを提起してみましょう。

 先ず第1には、省エネにはお金がかかることなのです。一般的には、省エネによりお金が安くなって、それで節約できたお金でお食事会をしたとか、旅行に行ったとか、楽しい話が出てきますが、実際には、省エネを実施するためには、それなりの必要経費がかかるのです。だから、すぐにはそれらの費用を上回るほどの効果を得られないのが普通です。シンポジウムでは省エネ・ナビの使用を提案していましたが、省エネ・ナビは高価なものですし、家庭電力一括測定してみてもすぐに壁に突き当たります。私は、エコワットという3000円の簡単な装置を購入して、電気製品を個々に測定して対策を講じています。

 また、季節変動、日間変動が大きいため(気温の上下、外出、来客やお祭り、正月、お盆などで変動します)長期間を平均化して比較する必要があります。それゆえ、1日、1日の結果を検討して、増減した原因を調べ、対策を講じていったほうが良いと思います。(単なるデータ上での増減の比較では意味はありません)
私の実践結果を述べて参考に供したいと思います。実施項目別に見てみましょう。

  @ 照明の電力を下げる。→ 60W電球を40W/20W電球に換える。
        (40W/20W電球を買う。60W電球は使い道が無く不要になる)
  A 白熱電灯を蛍光灯に換える。  (高価な蛍光灯を購入する。白熱電灯は使い道が無ければ不要になる)
  B 待機電力をカットする。  (スイッチつきコンセントを個別に購入する。電源プラグの抜き差しは危険)
  C 風呂のお湯を2日間使用する。  (残り湯を使用するためのポンプ等を購入する)
  D 自動車(ガソリン)の使用を減らして、(2km以内は)自転車を使用する。  (自転車を修理して再利用。これはCO2削減効果は最も大きい)
  E シャンデリヤは電力を消費するため使用を止めて、蛍光灯(22W)のフロアスタンドを購入した。     (多少暗いことはガマンする)
  F 玄関、廊下、外灯などを人感知式に変えた。     (器具、工事費を要した)
などの対策によって従来削減してきた(−4.3%)を更に10%以上削減した。

 しかし、これだけでは限界に達したので、既に述べたように、太陽光発電と夜間電力を利用するエコキュート給湯器を設置して、更なる削減に挑戦している。(データがまとまり次第いずれ詳細を報告しましょう)これによれば、消費電力の70%以上を自給できるようだし、風呂の給湯でのガスの節減ができるため、大幅なCO2の削減と同時に使用料金の節減ができる。但し、設備投資の減価償却は無視せざるを得ないだろう。

 いずれにしても、シンポジウムで示されたように、京都議定書に定められた1990年を基準として6%の削減は、2010年までには推定14%以上の削減が必要と考えられるため、安易に省エネ取り組んでみても、すぐに限界に達するので、十分な調査と厳しい実践の覚悟が必要であることを理解してほしいし、シンポジウムでも定量的なデータと施策を示してもらいたかった。また目的は、料金の節約ではなく(夜間電力料金は安くても、CO2排出量は基本的には変わらない)、あくまで省エネ=CO2排出削減(地球温暖化防止)であることを忘れないように!( Mar. 23. 2003 )


 やっと我が家の太陽光発電が稼動を開始しました。設置してから丸1ヵ月、東電の工事待ちで宝の持ち腐れでしたが、快晴に恵まれた昨日、ソーラー日和に開通(?)しました。東電との売電契約(系統接続)も締結して、夜間電力でのエコキュート給湯設備も本格稼動になります。本日の発電量8KWhは全て売電しました。〆て、200円(たったの?)也!

 今日は雨で太陽光発電はダメ(やっぱり本命は燃料電池か?)ですが、年間平均発電量を、20Kwhの70%で見積もると、14Kwh×365=5110Kwh、その1/2を売電して、67580円。節電分を7Kwh×365=2555Kwh、23円/Kwhとして、58765円と考えれば、約250万円の設備償却は、約19.8年となりますが、はたして如何なりますやら…。毎日、天気が気になることでしょうね。( Mar. 1. 2003 )


 日経新聞によれば、環境省が検討をはじめている化石燃料に対する環境税について、経団連の奥田会長は、国際競争力の低下を招く恐れありとして反対を表明しているのに対し、経済同友会の小林陽太郎代表幹事は、当該税収を環境技術への投資に回すことを条件に一定の理解を示したとあります。

 環境税の設置に関しては、従来より意見が分かれており、その目的と効果についての評価に十分な討議が必要ですが、単に産業の活性化を化石燃料の消費に置き換えて考える目先の利益だけでなく、将来を見据えた環境技術の向上や新エネルギー問題に対するブレークスルーを期待して、環境技術における国際競争力の向上や、国際的なイニシャチブを目標にして、技術革新を促すための起爆剤と考えたほうが良いのではないでしょうか?

 既に電力については、太陽光発電、風力や潮力・海洋温度差発電、燃料電池等さまざまな技術や重油に代わる天然ガスによる発電が積極的に導入されつつありますし、化石燃料に代わるバイオマス(生物資源)によるメタンガスやエタノール/メタノール、バイオジーゼル(メチルエステル)など一部のものは試験的に導入され実用化を目指しています。これらの技術や、更に革新的なエネルギー技術の開発のために環境税を役立てれば、意味があるのではないでしょうか?

 以前にも述べましたが、過去2度にもわたる石油パニックの度に、それを克服する省エネルギーの技術で対応してきた日本は、背水の陣でこそ、その実力が発揮されるのではないかと考えています。また、エネルギー危機のハードルが、環境税の導入によって乗り越えられるものであってほしいと願っています。( Feb. 20. 2003 )


 2/13付の日経新聞によれば、燃料電池に必要な水素の発生源として、微生物を使って糖の水溶液を餌にして大量の水素を発生させる技術を、地球環境産業技術研究機構とシャープが開発したそうである。これによって燃料電池による発電のシステムが全く変わってくる可能性がある。

 この装置の構成は、微生物の培養器と燃料電池になっており、微生物の飼料となる糖の水溶液は生ゴミなどを溶解・精製して作られるので、生ゴミを有効利用するために地球温暖化や廃棄物対策になるという。また従来の水素を燃料とする燃料電池に比べ、燃料の供給や保管に特別な設備は必要が無いため容易に普及できると思われる。燃料の水溶液は、常温で、かつ取り扱いに危険性も無いため、スーパーやコンビニでも手軽に入手できるようになるかもしれない。(生ゴミを直接放り込んで微生物が水素を発生してくれれば、もっと便利だよねぇ/生ゴミで自動車を走らせるってか? まるで“Back to the Future”だなあ!/そうなれば、生ゴミの争奪戦だッ!! /しかし、残飯が出なくなったらどうする? 停電と交通麻痺で大混乱だッ!!!)

 現在の見通しでは、2リットルのペットボトル程の培養器で、家庭の1日の電力を賄えるらしいので、そうなれば一挙に燃料電池発電が普及するに違いない。5〜6年以内に技術を確立し、2010年以降に普及させるのが目標と言うが、案外早く実現するかもしれない。今後の実証試験に期待したい。( Feb. 14. 2003 )


 県環境科学センター主催の“循環社会コース”実践講座の3日間を終了しました。このコースは廃棄物・プラスチックなどのリサイクルについて勉強する講座です。常々、市が行っているリサイクルについて疑問を感じる点もあって参加しました。

 第1日目は、廃棄物・リサイクルの現状とプラスチックの分別とリサイクルについての講義が主体です。一部実習もありましたが、これは良くご存知の、熱した銅線でプラスチックフィルムを燃やして、炎色反応で塩化ビニールを見分ける方法です。塩素化合物を含むプラスチックを燃やすことでダイオキシンが発生して問題になったものです。透明な食品のラップフィルムや包装用のフィルムに多く使われて居ましたが、現在はそれに代わり、非塩素系のポリエチレンやポリメチルペンテン等が使用されていて問題は無くなりました。それに、焼却の際に800℃に熱することによりダイオキシンが分解されることが分かって、焼却炉の温度管理を徹底することによって安全性が高まりました。(問題が解決したわけではありません)

 2日目は、ゴミ処理場の施設見学で、私は一度これを見学して確かめたかったのです。午前中は、川崎市にある財団法人かながわ廃棄物処理事業団の施設「かながわクリーンセンター」の見学です。ここではリサイクル可能な産業廃棄物を有料で処理しています。
巨大な建物で、外見からはゴミ処理施設とは見えないきれいな建物ですが、この建設には132億円が投じられているそうです。ゴミ処理には多額の費用が必要で、更に処理してもらうためには、また別途処理費用を支払わなければなりません。例えば、木屑、紙屑はKg当たり15円(南足柄市では30円だそうですが)、廃プラスチック類は30円となっています。しかし、処理した後の灰や不燃物は、ここではそのまま処理できないため別のところへ搬出して埋め立て処理等が必要で、埋め立て処理場が年々不足してくるので大変です。産業廃棄物の削減こそ大きな問題でしょう。

 午後は、横須賀市のリサイクル・ゴミ処理施設である「横須賀市リサイクルプラザ“Aicle”」の見学です。ここは市が市民のために建設したリサイクルのための処理施設で、90億円(1/2は国からの補助)を投じて建設されました。概観は外国のお城のようにデザインされた綺麗な建物です。
ここではリサイクルまでは行わず、選別して(市民から回収したものは、異物を多く含んでいるため、最終的には作業員が手選別を実施しているのです。分別を徹底することが如何に難しいかを実感しました! そして、選別している作業員さん達の健康問題が心配になりました)綺麗になったものを圧縮して梱包します。これを夫々リサイクル加工する工場へ売却・出荷するのです。

 杉並清掃工場でのゴミの圧縮による化学物質の排出により、化学物質過敏症による被害が大きな問題となりましたが、ここでは、そのことにはあまり関心がもたれておらず、被害の届も無いと言うことでしたが、参加者の多くから問題が指摘されました。問題が発生してからでは遅いので、早期に対策が必要ではないでしょうか?

 これらの施設を見学して、私達自身がもっとゴミ問題に敏感になって、ゴミの削減(ゼロ・エミッションに向けて)に努力すると同時に、リサイクルのために正しい分別を実施しなければいけないと痛感しました。
その反面、リサイクルを良しとしていること自体が問題であって、費用のかかるリサイクルよりも、使用するのを止める(Refuse)、使用を減らす(Reduce)、再利用する(Reuse)がもっと大切ではないかと思います。それには、私達がもっと環境問題に関心をもって話し合い、活動を広げる必要があると思いました。

 最終日は生ゴミ問題についての市民活動の事例発表で、大磯町の生ゴミを減らす活動を発表されましたが、あまり細かいデータが示されなかったため問題点の討論には至りませんでした。行政が主体の「町つくり環境問題研究会」活動であるため(ゴミを無くすのが目的なのに、往々にして『環境問題研究会』活動という看板が目的になってたりして…)多少自主性に欠けるのかも知れません。
もう一人の発表者は、生ゴミの堆肥化を学校教育に取り組むボランティアの実践報告でしたが、堆肥化による問題点が明確にされておらず、堆肥化によって資源化というリサイクルの視点でしかありませんでした。
生ゴミの堆肥化については、私も長年実施して検討してきましたが、堆肥を作る難しさよりも、出来た堆肥をどう使うかが問題で、生ゴミに含まれる塩分の除去と同時に、毎日排出される生ゴミで出来た堆肥をどう処理するかが問題で、畑を持っている人達(幸い私は家庭菜園として畑を借りていますが)では問題なくても、コンクリートの建物(高層アパートやマンションなど)に住んでいて、土との係わり合いの少ない人達では、土を使う堆肥を作るのは大変だし、堆肥を作っても利用することが出来ない(プランターで利用できると強調していましたが…)ので、廃棄場所の問題が残ります。

 私の実践からは、コンポストによる堆肥化(と言うよりミミズにより土にかえす…これは時間がかかります)と電気生ゴミ処理機(電気を消費するためCO2の排出は増えます)による乾燥肥料化(肥料としては大変取り扱いが楽です)で、例え過剰に出来て使い切れなくても、乾燥させた生ゴミ肥料は、可燃物ゴミとして処理しても焼却炉の負担も少なくて済みます。
しかし、何よりも生ゴミになる残さを少なくすることが肝心でしょう。大量消費・大量廃棄の生活習慣を見直す必要があります。スーパーの2割引に殺到するようではいけません。必要なときに必要なだけ購入することが大切です。
また参加者の中には、特殊なディスポーザーで細かく粉砕し、バイオで処理して無害化し、下水に流すよう薦めている人達もいました。横須賀市の“Aicle”では、生ゴミ発電を研究中でしたが、いずれにしても堆肥化だけが問題解決ではないことを知ってもらいたいですね。

 最後の循環型社会づくりに向けてのワークショップは、メンバー間の問題意識にかなりの差があって、2〜3時間位の討論ではまとめるのが大変でした。そのくらいゴミ問題は大変な問題なのですね。これからもゼロ・エミッションに向けてたゆまず努力し、実践活動を続けましょう!

 それにしても、リサイクルは金と手間がかかりますねぇ! 貴方もよく考えてくださいね。( Feb. 10. 2003 )


 「地球村通信」2月号(12号)が届きました。

いまアメリカのイラク攻撃の危険性がささやかれていて、世界平和の先行きに不安を感じていますが、皮肉にもタイムズの世論調査
「世界の平和に脅威を与えている国はどこか」で、

   アメリカ   80%
   イラン    11%
   北朝鮮    9%
「なぜアメリカはイラクを攻撃するのか」では、
   イラクの石油がほしい  86%
   イラクの体制を変える   7%
   世界平和のため      5%
   イラクの武装解除     2%
だったそうです。何度も述べていますが、争いでは何も解決しません。まして、核保有国で大量破壊兵器を自ら持つ大国のアメリカやイギリスがなんと言おうと、正当化されるものではないでしょう。わたし達に出来ることは、世界平和のために“不戦”の意思表示をすることしかありません。『地球村』では、県や市区町村の議会に「平和(不戦)の意見書」や「平和都市宣言」を採択してもらうことに取り組んでいます。私たち一人一人の小さな力が集まれば、大きな力となって日本政府や世界を動かすことが出来ます。

 前回、簡単にお知らせしましたが、『地球村』が国連広報部(DPI)に登録されました。
国連の認証するNGOには、次ぎの2つがあります。

   @ 国連に代表を送り、委員会に出席して意見を述べることのできる「ECOSOC諮問資格」
   A 国連広報部(DPI)から情報をもらったり、情報を発信することのできる「DPI登録」
『地球村』は、先に「ECOSOC諮問資格」、それも「特別資格」の認証を受けておりますので、今回「DPI登録」を認められたことにより国連と双方向につながり、多くの国際NGOともつながって、国際活動の可能性がより広がりました。

 今年の3月には、日本が議長国として京都市で“世界水フォーラム閣僚級国際会議”が開催されることになっています。私たちは、水や空気は容易に手に入ると思っていて、水や空気を汚染し、ムダに浪費してはいないでしょうか? 世界の水資源は大変な危機に陥っています。水の惑星「地球」は、その98%が海水で、淡水はたったの2%、それもそのほとんどは北極や南極の氷山などで、私たち生物が利用できる水はほんのわずかでしかありません。何しろこのわずかな水も安心して飲める水はそのまた僅かでしかありませんし、世界では多くの人々が水不足や不衛生な水のために多くの子ども達を亡くしています。

 これらの水不足や水の汚染の元凶は、日本など先進国の大量生産・大量消費によります。石油などのエネルギー不足もまた同じです。地球温暖化や大気汚染も同じです。今一度、私たちの生活態度を見直して、自然の回復のために、もっともっと“エコライフ”を心がけようではありませんか? ( Feb. 3. 2003 )


 今月度の電気使用量の検針結果がきました。環境家計簿を年単位で比較しようと、月度のデーターをグラフ化しているので、今月の結果を心待ちにしていたところです。しかし、この検針結果がどうと言うことではないのです。一緒に配布されてきた東電の“お願い”なのです。既にご存知でしょうが、原子力発電所の故障隠滅、データー改ざんが発覚して、今や、原子力の安全性はかすんできました。停止せざるを得ない状況にあります。

 「原子力の不祥事につきましては…、…深くお詫び申しあげます。」と言う前置きから、17基の原子炉のうち12基を停止して点検するので、首都圏の電力需要をまかなうのが厳しくなってきたので、節電にご協力願いたい。と言うことです。ちなみに、首都圏の電力の40%を原子力発電に依存しており、平成13年度の実績構成比は、

   火力   49%
   原子力  44%
   水力    7%
だそうですから、大変な電力危機に陥っているわけです。一刻の猶予もありません! 電力の分散化やクリーンエネルギーの導入が先決問題です!

 と言うわけだからではありませんが、昨日やっと我が家の屋根に太陽光発電パネルが設置できました。同時に夜間電力を利用するエコキュート給湯設備も設置を完了しましたが、太陽光発電装置などは、東電の系統接続工事が完了しないと使用できません。そんなに電力不足で困るなら、さっそく我が家の太陽光発電を稼動できるようにしてよねッ! ところが、これが1ヵ月近くかかるだろうとメーカーが言うのです。これって、お役所仕事なの?“仏造って、魂入れず”って言うのはこのことか? ( Jan. 29. 2003 )


 燃料電池は、まだまだ開発途上で家庭用の電源にはほど遠いと言いましたが、それが聞こえたのか日経新聞に、新日本石油がプロパンガスから水素を取り出して発電する家庭用燃料電池を開発し、この1月末から実用試験を始め、2005年には発売するとあります。現在試作されているもののほとんどは、都市ガスを主体にしたもので、プロパンガスを用いるものは新日石が初めてではなかろうか? 地方都市では都市ガスではなく、まだまだプロパンが多いのではないかと考えるので、プロパンを用いた燃料電池が実用化されれば朗報となろう。

 しかし、燃料電池が良いとはいっても、設備の価格やプロパンガスの消費量(燃費とでも言おうか?)によるランニングコストも問題になるので、その辺りを明らかにして貰いたいものだ。当然、太陽光発電の発電不能な曇天、雨天や夜間に電力を補う役割になると考えられるので、発電量は1kw前後で十分と思われる。
それとは別に、発電後に水素と酸素が結合してできた水を電気分解して、再び水素を燃料電池で循環利用するようにした充電可能な燃料電池が、北海道大学の市川教授のグループが開発したそうで、これが実用化されれば、太陽電池や風力発電機で発電した余剰電力で水素を燃料電池に蓄えておき、夜間にその電力を照明や冷・暖房に効率良く使用できるという。

 今年発効予定の京都議定書に向けて、四月に施行の改正省エネ法では、大型ビルに工場並みの省エネ計画を義務付けるそうで、一挙にわが国の省エネ・地球温暖化防止対策も進められてくる。これが市場の経済活性化につながれば言うことないのだが…。何はともあれ、環境・新エネルギー技術が2003年の中心になることは間違いないだろう。我が家も、それに向けて発進しつつある。
貴方も、地球温暖化防止に向けて、当面、環境家計簿から発進してみませんか? ( Jan. 10. 2003 )


 経済産業省は来年度から、車両停車時にエンジンを自動停止するアイドリング・ストップ車の購入に対して、5万円程度の補助金を出して省エネと環境対策につながる車種の普及を促すとあります。

 以前、警察庁は、アイドリング・ストップの実効性についてシミュレーションにより、“アイドリング・ストップは渋滞を増やし、排ガスによる大気汚染を増加させる”等と言う結果を報道したのをご存知でしょうか? 今回の経済産業省の施策とは正反対のことを報道して国民を惑わした責任をどう考えているのだろうか? 何事に対しても責任をとらないのは官僚の特質かもしれないが、真剣になって地球温暖化防止に取り組んでいる人達に対して申し訳無いのではないか?

 現在、環境家計簿によって我が家のCO2の排出量を計算し、如何にしてそれを削減できるか検討しているが、結局は、電力消費を減らすことと、ガス(プロパン・ガス)の使用量を削減すること、そして自家用車の使用を減らして、ガソリンの消費を抑えることに行きついている。当たり前のことを、当たり前に実行することしかない。

 しかし、当たり前のことを、当たり前にやっていては、結局確実に削減は出来ないことが判った。システムを変えない限り確実な削減が保証できないのだ。“こまめに消灯する”、“不便だがガマンをする”、“煮炊きを工夫して減らす”、“風呂は三日に1回にする”では解決にならないのである。

 それゆえ我が家は、電力は“太陽光発電”に、給湯(風呂の湯沸しも含む)での消費割合が多いガスは“夜間電力による給湯システム(エコキュート)”に置き換えることに決めた。夜間の余剰電力を利用するわけで、電力を利用することに変わりは無いが、ヒートポンプによる熱交換は直接電熱変換ではないため効率が高い。イニシャル・コスト約250万円の減価償却(償却期間20年)は、環境問題の解決のためには仕方が無いと諦めたのである。

 クリーン・エネルギーとして効率の良い“燃料電池”は、家庭用としては未だ開発途上であるし、“風力発電”は、小型風力発電機メーカのゼファーが、微風でも発電できる出力450Wのものを20万円弱で発売すると、今日の日経新聞で報道されたが、家庭用として適当かどうかは未知数だ。“太陽光発電”や“夜間電力による給湯システム(エコキュート)”への助成制度については、とりあえず平成14年度で終了する。

 あとは、自家用車を、燃料電池自動車が安くなれば、それに変えるしかないが、それは実現が難しいかも…。それまでは出来る限りバスや電車、近いところは、せいぜい自転車を活用しよう!( Jan. 3. 2003 )


[2002年の「tommyのつぶやき」を見る]

[2001年の「tommyのつぶやき」を見る]

[2000年以前の「tommyのつぶやき」を見る]


[「環境について」のトップページへ戻る]