「環境」tommyのつぶやき2000以前

「行動する環境NGO 不法伐採を阻止せよ」をNHKテレビで見ました。英国の環境NGO“eia(environmental investigation agency)”の女性調査員のフェイス・ドハティーさんがジャカルタの熱帯雨林、それも国立公園にある樹木を、ひそかに潜入して伐採する盗伐グループを調査し、環境破壊の原因となる盗伐をやめさせるため、命の危険を侵して盗伐現場や製材所に隠しカメラを持って証拠をつかみに出かけますが、現地人でないために怪しまれ激しい暴行を受けます。運良く連絡を受けた警官に救い出されますが、それで解放されるほど簡単ではありません。保護された警察署にも盗伐グループの手が伸び、生命の危険を感じます。

 カンボジアでは、盗伐も、政・官・企業が繋がっていて、不正を曝くことが困難なのです。何とか英国のeiaの本部と連絡を取り、国家間交渉によって何とか解放されますが、脱出には軍隊に守られ、チャーターした特別小型機で危うく逃れます。
 このような危険を侵してまでも、半年後またカンボジアに戻り、現地の環境NGO「テラパック」と協力して、世界銀行を見方に付けてカンボジアで熱帯雨林の不法伐採禁止を訴えます。

 また、現地NGOの地道な啓蒙活動も見逃せません。
『私達「テラパック」の力はまだまだ弱いものです。しかし、私達にはインドネシアの人々がついています。この力が結局、不法伐採をくいとめ自然を守ることになるのです』テラパックのリーダーのルイ・ルワンジェロさんが言います。部落の一軒一軒を回って啓蒙活動を続けています。不法伐採を止めさせて、環境破壊から熱帯雨林を守るのは容易なことではありません。材木が財源になるからには、材木を扱う企業から流れる金によって政治家も官僚も共に潤うので、その関係を断ち切る事が困難なのです。そのため世界の環境NGOとの協力が欠かせないのです。

 環境破壊も何のその、選挙民のため(票?)なら、不必要と思われる公共事業に、国債を発行してまでドンと金を注ぎ込むどこかの国と似ていませんか?
 熱帯雨林の開発や不法伐採による環境破壊は、単にカンボジアだけの問題ではありません。残念ながら、それらの木材の輸出先のほとんどは日本なのです。直接手は下しませんが、熱帯雨林の環境破壊の元凶は、私達日本人なのですよ! ( Dec. 23. 2000 )


 チェルノブイリ原発が、完全に閉鎖されましたね。4号炉の爆発事故の後も3号炉は動きつづけてきましたが、ついに安全性に確証がもてない為に閉鎖に至ったと聞きます。しかし、これで旧ソ連の原発問題は終わったわけではありません。ウクライナでは、これで電力不足を補う次の手立てが必要になるのです。また新しい“より安全性の高い(?)”原発の建設に向けて、各国の支援が行われるのでしょうか? 爆発事故の後遺症はまだ癒えていませんし、これからも続くでしょう。

 原子力の専門家であり、またそれ故に原発の危険性を指摘して、原発廃止を訴え、原子力利用反対の市民運動を実践してこられた、元原子力資料情報室代表の高木仁三郎さんが亡くなって、もう2ヶ月余になりますが、そのご意志に反して、日本政府はまだ新しく原発の建設を進めて行こうとしています。
 ヨーロッパでも、地球温暖化対策とエネルギー問題との兼ね合いで意見が分かれているようですが、人間がコントロールできない原子力の利用は決して安全ではありませんし、もしもの事態が発生したときには人類の存亡に関わりますので、廃止するよう今すぐ検討する必要があります。( Dec. 16. 2000 )


 日経新聞の環境経営度調査で、企業が環境負荷の低減と経営効率の向上を如何に両立しているかを評価した結果が公表されました。1位は、前年度と同じリコーが評価されました。2位には、前年度26位だった日本アイ・ビー・エムが躍進しました。コンピュータの配線材料の塩ビ電線を、いち早く、焼却しても無害な材質に変更しています。トヨタ自動車も21位から4位に躍進。続いてデンソーの89位から5位へ、6位のキリンビールは、前年は11位でした。各企業とも環境問題に対する取り組みは予想以上に積極的です。CO2の排出などで最も問題になる関西電力は、166位から、何と14位まで躍進しました。続く15位は、昨年91位の富士写真フイルムで、“写ルンです”の循環生産は有名ですが、更に工場での廃棄物ゼロ化をめざしています。

  1.リコー
  2.日本アイ・ビー・エム
  3.キャノン
  4.トヨタ自動車
  5.デンソー
  6.キリンビール
  7.ソニー
  8.富士ゼロックス
  9.日立製作所
  9.本田技研工業
  11.日産自動車
  11.富士通

いずれにしても、これからは環境問題を抜きにして企業は存続し得ないのです。企業だけではなく、私達市民も(もちろん貴方も!)、生活の中で環境問題を第一に考えなければなりません。( Dec. 8. 2000 )


 環境ネットワーク「地球村通信」の95号が届きました。会員数は9000人増加し52000人になりました。やっと環境NGOとして国連に登録できる10万人の半ばまできました。どうか貴方も、一人でも多く、友人、知人の方々にグリーン・コンシューマに参加して下さるよう勧誘をお願いします。ネットワーク「地球村」のホームページあるいは本部への問い合わせは、Tel.06−6311−0309(月〜金10時〜17時)です。よろしくお願いします。

 「具体的な行動や実践を!」が主題の本号では、次のことをお願いしています。

   1.まず自分から出来ることから始めましょう
     @ 買い物には必ず買い物バッグを持っていきましょう
     A ムダやぜいたく、環境を悪くすることを止めましょう。
        不必要な電気は消す。水を余分に使わない
        飽食を止め、酒、タバコは減らすか止める
        マイカーの使用を減らす。アイドリング・ストップ励行

   2.環境家計簿を始めましょう
     @ 電気代、ガス代、水道代、ガソリンや灯油代をつけて
       毎月減って行くように努力しましょう。
     A ゴミの量やリサイクル量もわかる様にしたいですね。

   3.周りの人への働きかけ、サークルを広げましょう。
     @ 環境問題についての報道などを話題にしましょう。
     A ビラを作ったり、ビラを配ったり出来ると良いですね

 私も少しは実践しています。お風呂は少なくても2回は水を替えず(入る前に頭や体をよく洗ってから入るようにすれば、お湯の汚れは少なくなります)、あとの水は洗濯や畑や庭木、草花などに散水しています。電気は居間以外はほとんど消しています。車は出来る限り使用せず、歩いたり公共機関を利用するようにして、前年度より約50%のガソリンの使用量になりました。もちろんアイドリング・ストップ励行です。その他出来る限り環境を考えて行動することを心掛けています。妻や子供たちとも、機会ある毎に環境問題を話合っています。一人一人の小さな努力が大切だと考えています。( Dec. 4. 2000 )


 オランダ、ハーグでの温暖化防止会議は、やはりまとまることなく決裂してしまいましたね。アメリカと日本の合意が得られなかったのが主な原因でしょうが、何のための会議だったのでしょうか? 日本は(アメリカも同じか?)産業界の思惑で、これ以上のエネルギー削減に応じられず、森林によるCO2の吸収と発展途上国での排出権取引で何とか決着をつけようとしたように思われますが、この問題は一国の思惑ではなく、地球規模でどう取り組むかの切実な問題でしょう。一刻一秒も猶予ならない問題に対して、何と、京都会議、議長国の日本が、足を引っ張っているようではどうしようもありませんねぇ!

 これで、帰国した川口環境庁長官が、もしこれを成果だと言ったらとんでもない話ではありませんか。会議を成功させられなかった、京都会議の議長国、日本の責任はどうするんですか? 産業界の思惑ばかりを覗っていて、環境庁長官の重責を果たせるんですかねぇ? それとも私の考えが間違っているんでしょうか? ( Nov. 28. 2000 )


 新聞によると、建設省は、都市部に新設する道路には歩道と自転車道の双方を併設するよう義務づける「道路構造令」の改正を行い、来年三月迄に閣議決定をするとあります。先日、都市のバリアフリー化で、当市の道路のお粗末さを非難したばかりですが、それが伝わったわけでもないでしょうが、車優先の考え方を改めることになってよかったですねぇ!

 狭い道は狭いなりに、一方通行にしたり、両側にある狭い歩道を片方に寄せて広く活用すれば、人に優しくなるんですよ。信号機の点灯方法も、双方向青にするよりも、一方向づつにすれば、右折車線も必要無いし(有れば尚更良いが)交差点はスクランブルにして、車は赤で全部止めてしまえば、横断者は安全にどちらへでも渡れて良くなるんですよ。お役所は良く考えもしないんですねぇ。私も車を運転しますが、車は一方通行で大回りをしようが、信号で1分や2分停止しようが、たいした時間が掛かるわけではなし、それが嫌なら、環境問題を考えれば、なるべく自家用車の運行を減らした方が、渋滞も減り、排ガスによる大気汚染もなくなり、交通公害が減って有り難いはずですよ!

 今日も、テレビで名古屋市南部の交通公害訴訟で、国と、関係する企業に対し、公害病認定患者に補償金を支払うよう決定されたと報道されていましたが、先に尼崎公害訴訟の例もあり、当然のことと思いますねぇ。
 今回の改正の中で、住宅地周辺では、自動車を減速させるためのハンプと呼ばれる突起部分を付けることを認め、「自動車より歩行者や自転車が主役」との位置づけを明確にすると言うことですし、また、環境面では、植樹帯設置のほか、透水性の舗装を導入することを認める(“推奨する”ではないの?)ことで、雨水を地下に貯え、道路からの排水が直接河川に流入して、洪水の原因となることを防止し(とは書いてありませんが)、都市の気温がヒートアイランド現象(舗装道路の畜熱作用)などで上昇するのを防止しようとしています。

 以前、私一人が舗装は熱くなると舗装に反対していましたが、ご近所は舗装するのが大好きな人が多くて、市会議員や県会議員に圧力を掛けてまでも、近くの通りを舗装にしてしまいましたので、今更と言う感じですが、少しは人中心の、自然を大切にした都市作りを考えるようになってきたと言うことは、大変喜ばしいことですね。( Nov. 27. 2000 )


 オランダのハーグで開催されている温暖化防止会議で、日米が主張している森林によるCO2 の吸収や途上国に対する援助による排出権取引などに対し、欧州や途上国などから非難が集中しています。途上国からは、現在の温暖化の原因は先進国によるものであって、途上国に責任はないというのです。もともとアメリカは自国の経済発展が優先であって、CO2の削減に消極的なことは京都会議でも明らかであったが、京都会議での議長国であり、世界有数の環境対策技術を有する日本が、何故アメリカに同調するのか(何時もアメリカの顔色を覗っているんだよね、日本は!)、このことが、アメリカを除く世界から非難される原因となっているようだ。
 とりわけ日本に対しては厳しい条件が示されていて、

   @ 森林吸収分には、0.5%しか認めない。
   A CO2の削減としての原発は認めない。
   B 罰則規定を設ける。

というものだそうだ。
 欧州などは、基本的に国内での対策を重視していて、特に環境税などの導入を進めていることはご存知の通りですが、日本に対しても、排出権取引での見かけ上の削減ではなく、国内での環境対策を求めている。

 それに対して、日本国内では(と言うより、政府の経済政策の遅れから、企業に遠慮をしてか?)極めて消極的で、先日もトラック業界は、首都高速を利用するトラックなどに対して、環境税を科す案についての石原都知事の諮問に対し、たかだか250円のことに、
“そうなれば、高速道路から一般道路に乗換えることによって、逆に環境を悪くするだけだ”と反発している。

これなどは、正に環境問題を真剣に受け止め、大気汚染(だけではないが…)を如何にして防止するか、企業の義務・責任意識のかけらも見られない発言だと思いませんか? 全国の都道府県で検討されている環境税構想も、やり方さえ良く考えれば環境も改善でき、その上、逼迫している地方自治体の財政も潤い一石二鳥であるのだが…。( Nov. 25. 2000 )


 日経新聞によると「21世紀は環境の世紀」とかで、省資源、省エネ循環型社会へと転換するため、全国各地の自治体やNGOの活動が活発になっている。
 温暖化防止京都会議の地元、京都市では、市民や産業界、行政など250の個人や団体が参加する「京(みやこ)のアジェンダ21」など、取り組みも積極的で、温暖化ガス排出削減も2010年までに10%の目標を掲げているそうだ。

 環境税などの導入についても、全国多くの市町村で検討されているし、自転車の利用促進により、自動車の排ガス削減を目指す町造りや、クリーンエネルギーとしての風力発電施設の建設など、三重県の久居(ひさい)市のように、99年には売電で約8千万円を稼ぎ、更に20基を建設すると言う。それが観光資源にもなっていると言う。

 我が南足柄市ではどうか? 以前、バリアフリー度の点検で道路をチェックした際、自転車で走れる歩道はほとんど無いばかりか、傘をさせば道路標識の支柱で前に進めない。そればかりではない。バスが通っているメイン道路に、人が安全に歩ける歩道の無いところがあるのだ! ましてや、車椅子では段差のある歩道では、どうにもならない。また新しく推進している区画整理事業の地区の道路でも、その点を指摘したが、道路は相変わらず車主体で、老人や障害者への配慮には興味が無いようだ!

 新都市計画法に都市のバリアフリー化が盛り込まれていると言うから、行政の建設担当者は、自分たちで雨の日に傘を差して自転車に乗って、実際に歩道を走れるか?、車椅子で歩いて見て不自由は無いか?、よく確かめて見るのが当然だと思うのだが…。実際に確かめもしないで、頭で考えていたって仕方あるまい。
 省エネや有害な排ガス防止、効果的なリサイクル(本当は大変難しいのだ!)、ゴミの削減など、環境問題解決型都市造りは、理想を描くことではなく、一つ一つ確実に実践することが肝心だ。その為には、多くの市民のチエを結集する必要がある。( Nov. 23. 2000 )


 NHKのクローズアップ現代「ゴミは減らせるか 〜レジ袋税とゴミ収集の有料化〜」を見ましたか?
 以前から問題になっているスーパーなどの買い物の際のレジ袋について、各市町村では独自に買い物袋を市民に配布して、レジ袋のゴミ減少を図っていますが、なかなか効果が上がってはいません。我が家も、私は妻に再三注意しますが、買い物袋が有りながら、つい忘れてレジ袋のご厄介になっています。これは環境に対する意識がまだまだ本物で無い証拠でしょうか。

 この番組では、レジ袋に課税することでゴミ減量を考える杉並区の取り組みが紹介されていますが、なかなか市民や商店などとの調整に問題を抱えています。それについては、法律によってレジ袋の有料化を実施し、60%のゴミの減量と12億円のゴミ処理費の削減に成功した、韓国の実態を紹介しています。
 更に、野田市のゴミ収集の有料化や、常陸太田市のゴミ袋の有料化では、最初は効果があっても次第にその効果が薄れて、逆にゴミの量が増加するなど難しい問題に直面しています。これは市民や商店などの環境に対する意識が充分でないところへ“ゴミ減量”を錦の御旗として実施に踏み切った結果ではないでしょうか?

 環境問題は、まず一人一人の意識改革が必要です。それには実際に発生しているゴミ処理に関する実態や、市町村自身が抱えている問題点等の情報を公開して市民に訴え、市民自身に考えてもらう必要があると思います。その上で有料化や課税や条例制定などの施策が行われなければなりません。市民の理解が得られなければ、この番組にあるように、なかなか効果があがらず、長続きしないのではないかと思います。
 また環境先進国であるスイスやデンマーク、ドイツなどの取り組みなどを参考にすることも良いのではありませんか? 番組は、そのことも示唆しています。しかし、何よりも、真剣に環境問題に取り組もうとする行政の姿勢が、最も重要なのではないでしょうか? ( Nov. 12. 2000 )


 環境ネットワーク「地球村通信」の94号が届きました。会員数は43000人になりました。今回は、初めてのデンマークへの海外遠征、ヨーロッパ環境会議の参加報告がありました。いよいよ「地球市民国連」構想へ向けての発進です。
 報告によりますと、今回のヨーロッパ環境会議は、NGOの参加が少なく、行政と企業が中心で、地球村が考えている環境破壊や汚染に対する危機感は低く、経済発展を目指しているもののようでした。そんな雰囲気の中で、「地球村」の提唱する環境への問題提起と、NGO国連「地球市民国連」構想を、如何に認知させるかでした。

 急遽、環境会議の時間の合間を利用して「地球村シンポジウム」を開催しました。これが期待以上の成功を収め、「地球村」の活動や理念(非対立、世界平和の実現)を、環境会議に参加したデンマーク、スロバキア、ロシア、イギリス、スエーデン、ドイツなどの環境省、科学者、NGO、大学教授、企業人、学生など、シンポジウムに参加してくれた30人(全体の1割)の人達が積極的に討論に参加し、地球村が提唱する「地球市民国連」構想に大賛成、拍手喝采となり、十数名の方たちが賛同者リストに署名してくれました。これによって「地球村」の理念が世界に広がって行くことが実感できました。

 もう「地球村」の願いは、小さな日本の1NGOの願いに留まらず、世界中の人々の大きな希望となりつつあります。特に、今後の協力関係を約束してくれたシュツッツガルトの環境研究所長で国会議員のワイツゼッカー博士やドイツのフライブルク(環境先進都市として知られている)の環境NGO(30万人)「BUND(ブント)」のシュルツさんなど、多くの収穫がありました。「地球村」のグリーン・コンシューマ10万人に向けて、一人でも多くの参加をお願い致します。ご賛同頂ける方は、ネットワーク「地球村」( TEL.大阪06-6311-0309 FAX 06-6311-0321 /E-mail: office@chikyumura.org)にご連絡下さい。貴方の年会費5000円が地球と人類の危機を救い、世界平和の実現を推進します。

 世界に食糧危機が迫っています。原因としては人工増加もありますが、生活の向上によって、肉食や加工食品へ移行し、穀物の消費が増大しているのです。また工業化や都市化による農地の減少や土地の酷使(大量の化学肥料や農薬の使用、機械化、連作など)によって収穫が減少してきているというのです。更に、日本では食糧自給率が先進国でも最低の27%になっているにもかかわらず、益々減反政策が進められ(輸入によって事実が隠されている)、その上、飽食生活は肥満体の生活習慣病と食品の大量廃棄を増長して、危機的状況になりつつあります。各国の食糧(穀物)自給率は

  オーストラリア………307%
  アメリカ………………242%
  フランス………………209%
  カナダ…………………182%
  イギリス………………114%
  ドイツ…………………113%
  インド…………………99%
  中国……………………99%
  北朝鮮…………………79%
  日本……………………27%

  (FAO食糧需給表ほか)だそうですよ。ビックリしたでしょう!

 何が正しいのか判断するのは貴方ですよ! ( Nov. 9. 2000 )


 第6回水の郷2000年サミット全国大会が、当南足柄市の文化会館で開催されました。“水の郷(みずのさと)”って何かって? それ、国土庁が次のような基準で全国107地区から選定したもの(水の郷百選)で、神奈川県では南足柄市と清川村が選ばれているのです。例えば、岩手の盛岡や岩泉町、群馬の前橋や甘楽町、千葉の小見川町、三重の長島町、埼玉の寄居町、大阪府の狭山市、愛知の旭町等があります。全国で115市町村ありますよ。

   @ 水環境の保全が適性に行われている。
   A 水にかかわる特色ある歴史や文化が地域の活性化に活かされている。
   B 水環境の維持等に住民の取り組みが活発である。
特別講演として、女優の和泉雅子さんの「笑ってよ北極点」がありました。和泉さんを間近で拝見するのは初めてですが、その若さに驚きました。(53才に成られたそうですよ!)そして、とても北極点までの踏破を果たしたとは思えない、にこやかな笑顔と語り口でした。

 その後、和泉さんもゲストとしてパネルディスカッションが行われました。
パネラーは和泉さんを含めて下記の5氏で、コーディネーターには、元NHKアナウンス室長の杉沢さんが務められました。

  和泉雅子氏  (女優・冒険家?)
  高野二郎氏  (東海大学副学長 理学博士)
  平野富雄氏  (元神奈川県温泉地学研究所長 理学博士)
  山口静雄氏  (清川村村長)
  鈴木 佑氏  (南足柄市長)
 水の大切さに付いては、和泉さんが一番良く知っています。何しろ人体の60%以上は水分ですから、食べ物はなくても水さえあれば40日間は生きていられるそうですから。
 高野さんによれば、水は大変不思議な物質で、なんでも良く溶かし込みますが、その性質に付いては、未だ良く分かっていないそうです。地球は“水の惑星”呼ばれている位ですから、生物にとって水と空気はなくてはならない重要なものです。それに良い水、地下水を作り出すためには、水が浸み込む土壌の浄化能力(微生物などの力)が欠かせません。

 一般には、水源の確保の為の森林の涵養をうたい文句にしていますが、確かにそれも必要でしょうが、本当に必要なことは、天然の蒸留水である雨水を地下に浸み込ませて、自然の浄化能力を利用して、豊富な地下水を得ることが大切なことなのです。それを忘れて森林の涵養とばかりに植林を行っても、必ずしも水源の確保にはならないのです。田んぼや畑を埋め立てて、住宅や舗装道路、果ては農業用水路や川までもコンクリートで固め、雨水を全て河川に流入させて排水路と化し、山間部には樹木の少ないゴルフ場やゴミの埋立地などを造ったのでは、肝心の地下水は益々涸れてしまいます。おまけに地下水を多量に使用する工場を誘致したのでは、何のための森林涵養でしょうか?

 おまけに、自動車中心の都市計画では、排気ガスによるNOx等による大気の酸性化によって樹木が酸性雨の影響に晒され、土壌の浄化能力も低下していき、結局自然の水の循環系が破壊されて、私達の命の源である地下水をも汚染され、枯渇の道をたどります。
 水を守ると言うことは、単に森林の涵養だけでは済まないことなのです。都市計画や大気汚染を防止する為の化石燃料の使用削減それらにつながる施策(例えば、電力の使用量の削減、ゴミの排出抑制、農薬の使用抑制、除草剤の使用禁止、自家用車の使用の抑制、プラスチックの使用の抑制など)いわゆる環境負荷を減らす施策があって初めて活きてくるのです。そのように先生方も述べられていましたよね?

 即ち、環境問題は総合的な施策なのです。“水の郷”に選ばれたからって浮かれていては成りません。また自然災害(地震、大雨による洪水、堤防決壊、土砂くずれ、山火事等)の防止も考慮に入れなければなりません。せっかくの2000年サミット全国大会でのパネル・ディスカッションでしたが、パネラーとコーデイネーターとの間のやり取りだけで、フロアからの質疑応答が省かれたのはとても残念でした! 群集は、いつまでも愚集ではありませんよ! IT、双方向の時代ですよ。“仏造って魂入れず”ってことにならないように頑張りましょう!( Oct. 20. 2000 )


 環境ネットワーク「地球村通信」の93号が届きました。会員数が42500人になりました。10万人になれば国連にNGOとして登録できるので、来年には達成できるでしょう。21世紀はNGOの時代です。それも環境NGOが活躍する時代が来ます。どうか貴方も家族共々「地球村」ネットワークのグリーン・コンシューマに登録して参加して下さい。一人でも多く参加して下さるようお願いします。行政を動かすのも、国連を動かして、世界を動かすのにも、これからは一人一人のNGOの協力が必要です。私達は圧力団体ではありません。真実を知り、知り得た真実を広く知らしめることです。そして、一人一人が出来ることを実行することです。

 7月の沖縄サミットで「NGO国連」を提案し、多くの賛同を得ました。
 8/31〜9/5に北九州で開かれた「アジア太平洋環境大臣会議」でもNGOシンポジウムや環境サミットに参加し、「地球村」独自のイベントを実施して、NGO国連をアピールしました。
 「地球村」ネットワークの活動に賛同されたネパールの前首相チャンドさんや農村開発NGOのアンジェーラさん、ラジェンドラさんも私達の仲間になりました。ネパールでグリーン・コンシューマへの参加を呼びかけてもらいます。
 参議院議員、世界自然保護連合(IUCN)、地球環境議員連盟(GLOBE)世界総裁の堂本暁子さんも「地球村」に入会されました。
 世界の多くの人達に「地球村」ネットワークの活動が認識され始めています。もっと多くの人達の参加を望んでいます。

 さきごろ、南極のオゾン層破壊が過去最悪で、オゾンホールが南極大陸の2倍にも広がっていることが分かりました。南極の近くの各国では、太陽光に晒されることの無いように、日陰に避難するよう警告を発しています。地球温暖化と共にフロンガスや二酸化炭素(Co2)の排出への危機感が高まっています。
 京都会議における議定書の効力が危ぶまれています。その中でEU諸国は、実質的な実行計画の進んでいない日本やアメリカを非難しています。フロンの回収、Co2など排気ガスの削減のために、自然エネルギーへの転換が急務です。化石燃料の使用削減がどうしても必要でしょう。私達も電力の消費を減らし、自家用車の使用を減らさなければなりません。(私も車の使用を極力減らして、歩くか、公共交通機関を使用するよう努力しています)

 私達市民一人一人の意識の改革が必要です。そのためには、一人一人がグリーン・コンシューマになって、環境の実態を、真実のデータを正しく認識することが重要です。( Oct. 15. 2000 )


 日経新聞によると、家畜のふん尿や生ゴミ(食べ残しの食品や食材の残りカス)等の有機廃棄物を液状の肥料にする装置を大谷塗料( Tel. 06-6241-6551 )が開発したそうです。生ゴミは、燃焼物のゴミと一緒に焼却すると燃焼温度を下げ、ダイオキシン発生の原因となりやすいため、各家庭でコンポストなどにいれて自然に腐らせて堆肥にして土に返すように指導されていますが、実際には畑や余分な土地を持たない市民にとっては厄介な存在です。また、たとえ堆肥にする場合でも、水分が多いと堆肥になりにくいし、小さなプラスチックやアルミ箔の小袋などが混じっていると厄介ものです。液状にしてしまえば、それらの異物は濾過して取り除けるので大変便利です。

 個人で設置できる装置ではありませんので、行政の指導によって第三セクターなどで処理して、農家あるいは家庭菜園などの肥料として販売すれば、生ゴミの処理と有機肥料で一石二鳥ではありませんか?

 第8回「“緑と水の森林基金”プロ・アマ チャリティー・ゴルフコンペ」が社団法人国土緑化推進機構と日本経済新聞社で開催されたそうです。
 この募金約1千万円が、同機構に寄付され、森林資源の整備や青少年への啓発活動に使用されるとありますが、ゴルフ場自身が山や森を切り開いて自然を破壊した上、ゴルフ場の芝生を維持・整備する為に多量の農薬や芝を緑化するため(青く見せるため)の染料を使用し、それが土壌を汚染し、流下して河川を汚染している実態をどう考えているのでしょうか?

 自然を守り、水資源の為の緑化を推進するとしたら、それらの汚染源となる除草剤や農薬、化学肥料、そして染料などの使用を直ちに止めることではないでしょうか? 更には、全国にあまたあるゴルフ場を整理して、植林を行い、森林に返すことが一番ではないでしょうか?
 多少の募金を寄付(?)したからといって、破壊された自然が回復するわけではなし、ゴルフ人間の僅かばかりの罪の償いだとは思いませんか? チャリティーという名にごまかされてはなりませんぞ! これからは、ゴルフ場利用者に環境対策税を負担してもらいましょうか?( Oct. 8. 2000 )


 はたまた、無策農政を上塗りする有機農作物に対する新表示基準と有機JASマークの制定。これによって真面目に取り組んできた無農薬・無化学肥料の生産農家が大きな被害を受ける。

 NHKのクローズアップ現代「有機の野菜・コメが消える 〜新表示の波紋〜 」を見ましたか? 新しく表示を義務付けされる“有機JASマーク”では、表示の条件として次のことが必須となり、これに違反しているものには罰則規定が設けられる。

   @ 2年以上無農薬・無化学肥料であること。
   A 周囲から農薬が入らないこと。
とある。@は良いとしても、Aについては、どう言うことなのかというと、
「自分の農地で農薬を使用していなくても、隣の農家が隣接する農地で農薬を使い、その農薬が自分の農地に入ってくる可能性がある場合には、その農地で生産された農作物には“有機JASマーク”を表示することは出来ない」のである。これを第3者の認証機関が認定する仕組みになっている。

 更に詳しく述べると、田んぼなどでヘリコプターによって農薬を空中散布した場合には、その区域内にある無農薬・無化学肥料の農地には、当然空中散布の農薬が流れて入ってくるわけであるから、無農薬栽培とは言えない。また、農業用水を共用している場合にも、当然農薬の含まれた水が入ってくる可能性が有るため、無農薬栽培とは言えない。

 それでは一体“有機JASマーク”なるものが表示できる農産物があるのであろうか?
 例えば、人里はなれた山奥の孤立した土地で、周囲に農薬も化学肥料も使われていない所の農地で、無農薬・無化学肥料栽培した農作物は、有難い“有機JASマーク”を表示することが出来るのである。
 なぜ、このような新表示マーク制度を作ったのか? この基準は私達消費者にとって有難い物なのか? 農林中金総研の蔦谷さんは、次のように言っています。

「この基準は、広大な農地で実施している欧米の基準をそのまま日本に当てはめたもので、日本のような入り組んだ農地でやることは難しいでしょう」

 それでは、この基準を満たせるのは有るのでしょうか? 有るのです! 手ぐすね引いて待っているのが、中国やアメリカ、ニュージーランドの有機・無農薬栽培を扱っている商社です。広い農地で、日本向けに作付けしているこれらの国の農産物がどっと押し寄せてくるのです。
 そうでなくても、減反、減反で農地の宅地化を推進し、国内の農産物よりも輸入(アメリカ?)の農産物を優遇(?)しているように思えるのは偏見でしょうか?

 このままでは、益々食糧の自給率は下がって行きます。農業国日本は昔話になってしまうのでしょうか? ところが、これに対して山口県をはじめ幾つかの県では、消費者に分かり易い、別の新しい基準によって表示して、安全な農作物を提供しようという活動が始まっているそうです。
 本来なら農水省が先に立って、安全で高付加価値の農作物を作る為の政策を検討すべきではないでしょうか?

 地方自治体も腕をこまねいているだけでは仕方がありません。安全な食糧を提供するための施策が必要です。道路や公園やコンクリートの建造物を造る事よりも、安全な農作物を生産できる方が重要なのは言うまでもありません。増収増益のために農薬や化学肥料を使う時代ではないのです。農薬や化学肥料の使用制限こそが、今必要なことでしょう。

 このままでは、日本の農業は衰退し、いまに100%輸入農作物に取って代わられるに違いありません。“アイドリング・ストップは交通渋滞と排気ガスを増大させる”等と言う警察庁に似て、有機・無農薬農法で努力している農家の足を引っ張ったり、見殺しにしてはなりませんぞ!。( Oct. 4. 2000 )


 東海村の原子力施設での事故からちょうど1年になりますが、原子力施設での事故の危険性について、原子力発電の廃止に関しては徹底的な討論が成されていません。最近になっても、8月21日に、関西電力の高浜原発で加熱器の細管が破裂して冷却水が漏れましたし、9月2日には、東北電力の女川原発で同様に冷却水漏れが発生しています。
 しかし、これらの事故の危険性の心配とは裏腹に、新しく原発を建設する計画が進められており、不思議なことには当該地の住民の多く(?)は積極的に建設を支援していると報道されています。

 その一方で世界では、ドイツが原子力政策の見直しによって原発全廃を決めていますし、ベルギーも2025年の原発全廃に向けて具体的な検討を始めたようです。このように世界では、危険性の高い原発を全廃する方向に動いているにもかかわらず、わが国では電力の需要と火力発電では実現できないCo2等の削減を理由に、原子力発電の必要性を強調しています。

 日経新聞の1999年のフランスのCEの資料によると、主要な国の電力の生産量に占める原子力発電の割合は、次の通りです。

   フランス    75%
   ベルギー    58%
   日 本     36%
   ドイツ     31%
   イギリス    28%
   アメリカ    20%
   ロシア     14%
 いつものことですが、日本の政策は外国の様子を見てから決める為、常に世界より遅れており、その上、日本の原発の安全性が世界のそれより優れていることを強調して、万が一の事故の発生による放射能汚染が、小地域規模で押えられない危険性があることを国民に隠しているのです。どんなに設備管理の安全性が高くても、自然災害なども考えると安全である保障は無いのです。

 電力の自由化によって、発電施設の分散化が進めば、従来の大手の発電所に頼ることなく、小規模な地域発電や企業規模の自家発電が推進されて、必ずしも原子力に頼る発電を必要としなくなるでしょうし、現在開発や実用化が進められている風力発電や、太陽光発電、東北電力で実験中の波力発電、東電の八丈島での地熱発電、佐賀大学で検討されている海洋温度差発電など、多くの可能性があります。また、小規模発電では、燃料電池やマイクロ・ガスタービンによる発電が実用段階を迎えており、将来は家庭用にも使用できる可能性もささやかれています。

 原子力については、チェルノブイリの原発事故以来、既にその危険性を世界中が認めており、事故、自然災害、老朽化などを考えると、安全性を保障できるものは何も無いといってよいのではないかと思います。それに、放射能汚染は当事国のみならず、世界規模に拡大する為、早急に廃止に向けての決断が下されることを望みます。( Sept. 30. 2000 )


 日経新聞によると、国際自然保護連合(IUCN)の発表した「レッドリスト2000年版」によれば、絶滅の危機にさらされている哺乳類や鳥類等、動植物合わせて1万1046種あるのだそうです。そのほとんどが開発に伴う生息地の破壊が最大の原因だそうですから、人間の勝手な行動が地球上の生物の命を縮めているのですよ。

 動植物だけでなく、人間も自然環境の破壊によって滅亡の危機にあるのですよ。今は、あまり危機感が無いようですが、既に30年以上も前に、レーチェル・カーソンが警告したように、化学物質による汚染が、着々と人類の破滅に近寄ってきているのです。環境問題は、今日、明日と言わず、今すぐに手を打たなければ間に合わないのです。貴方も何からでも良いですから、環境に優しい行動を始めて下さい! ( Sept. 29. 2000 )


 市の環境推進委員会の第二回目が開催されました。今回は、南足柄市の環境基本計画に沿って、市民及び事業者が実際に行動を起こすための行動計画について、市で作成しようとしている「南足柄市環境行動計画」の素案を審議することでした。

 市民や事業者(と言ってもISO14001の認証を取得している企業は別として)が平易に理解できるような形のパンフレットの作成を意図しているようです。文書の構成については特に問題無く出来ているように思えましたが、内容については、委員の間でも色々な問題点が指摘されました。主なものは次の通りです。

  @ 行動計画として、数値的な目標と達成期間について明示されていない。
  A 各家庭に配布されるが、学生、児童に対する教材としても活用できるようにした方が
    良いのではないか?
  B 事業者に配布されるものは、関係する市の条令、罰則規程を明記した方が良い。
  C 一般市民用のものでは、具体的な行動のための情報が得られるようになっていない。
    例えば、“粉石鹸を使えば良い”が、何処でどういう風に入手するのか分からない。
  D 多角的な視点からみた行動計画になっていない。
    例えば、牛乳パック等の容器のリサイクルについて考えてみると、洗浄して出すことに
    なっているが、洗浄することによって、水道水の使用が増え、更に洗浄水の排水による
    河川の汚染に繋がるので、燃焼ゴミとして取扱った方が良いのではないか?
    それを阻んでいる問題点とその問題点を解決する方法を考えることが重要だ。
    それには、大気汚染、水質汚濁(生活廃水)、ゴミ排出削減、省エネ、リサイクルなど
    多面的に評価して示す必要があるのではないか?

等の意見が出された。
 一般的に、行政のパンフレットは、政・省令を受けて作成する際、その中身を十分に咀嚼しないで一般市民に流しているように感じることが多い。その必要性や政・省令に出てくる専門用語を分かりやすく解説することも必要だ。これは、学校などでも同じであるが、当事者(子どもや主婦)の視点に立っていないからであろう。
教育とか啓蒙、条令の周知等においては、受ける側の視点がなければ、十分な理解が得られないのは当然であろう。単に“体裁の良い文書やパンフレットを作ること、あるいは配布することが目的”とならないように心掛けたいものだ。予算(市民の税金)を使う限り、その投資(費用)に見合う効果が無ければならないのは、私企業と同じであろう。( Sept. 24. 2000 )


 「植物が地球を救う 〜21世紀のエネルギー革命〜 」をテレビ朝日の“素敵な宇宙船 地球号”で放映されたのを見ました。菜の花の景色がクローズアップされます。これはドイツで実際に行われている“バイオディーゼル”という、菜種油とアルコール(メタノールやエタノール)などを混合した燃料でディーゼル・エンジンを動かすもので、硫黄分を含まないため軽油などと比べて環境に優しいと言うのです。

 これは、実際にドイツに旅行して見聞した滋賀県の環境生活協同組合の理事長である藤井さんが、帰国してから提案して、実際にテストプラントで“バイオディーゼル”を作って確かめ、今では町の公用車の燃料として使用されているとのことです。植物油なら、天ぷらの廃油を利用する事も出来るし、菜種の搾油カスは肥料となり菜種の栽培に還元できるし、菜種などの植物はCo2を吸収するので、現在、問題になっている地球温暖化の対策にもなると言う。実際に、軽油と比較すると、排出するCo2を約80%削減することができる。

 スエーデンのベクショー市では、1996年に“化石燃料ゼロ化”を宣言し、木の廃材(製材屑や間伐材など)を燃料にして発電して電力や熱(温水)を市民に供給しているそうである。
副市長のポー・フランクさんは、「重要なのは、地方分権の決定です。市が環境を良くするための決定権を持っていることが大切なのです」と言います。また木材から抽出したエタノールを燃料として供給もしているのです。
 岡山県真庭郡でも製材所の木屑を燃料として発電を実用化している所があり、採算性も十分見合うと言うことです。

 確かに、植物を利用したエネルギーは、自然のリサイクル・システムにマッチしており、風力や太陽光発電よりもトータルなエネルギー効率は優れているのではないだろうか? 既に、製鉄業界ではゴミを燃料として利用を始めており、RDF(ゴミの固形化燃料)技術を含めて、リサイクルやゼロエミッションと同時にエネルギーとして利用する技術開発が進んでいる。東京都の石原知事の言うように、環境革命は地方(地方自治体の意識改革)から始めなければならないのではなかろうか?( Sept. 18. 2000 )


 新聞によれば、大牟田川から環境基準の350倍ものダイオキシン類が検出されたとのことです。これは環境庁と関連自治体との調査によって明らかになったようで、先の藤沢市の引地川水系での汚染に次ぐものといいます。このように河川の多くがダイオキシンで汚染されていると言う事は、流れ込んだ海での汚染が広がっているに違いありません。
この場合の原因は大牟田川に隣接する化学工場の排水ではないかと疑われていますが、環境庁の指示によることなく、各地方自治体(むろん市町村こそ)が率先して河川や土壌の汚染調査を実施し、情報公開しなければならないでしょう。もう、“臭いものには蓋”の時代ではありません。市民の健康、更には生命にかかわる事なのです。

 又別に実施された環境庁の大気汚染調査においても、発癌性の指摘されているベンゼンについて、環境基準を上回っており、特に自動車の排気ガスの影響が大きい道路沿いでは、測定地点の半数以上が環境基準を上回っていたのです。
 また通産省・資源環境技術総合研究所での分析において、ポリ塩化ビフェニール(PCB)等の毒性の調査で、新たに塩素化ナフタレンと呼ばれる不純物が、神経を冒す毒性がある事が判明しました。
ダイオキシンやPCB、コプラナーPCB等は環境ホルモン(内分泌撹乱物質)として注目されており、これらの多くは、プラスチック成形品の製造過程で添加されているといいますから、今すぐにでも、プラスチック製品やプラスチック・フィルム(ポリラップや買い物のポリ袋)等の見直しが必要です。市民としては、それらを買わない、使用しないという行動に結び付けなければ、被害を防止できません。( Aug. 27. 2000 )


 環境庁は、都市化特有のヒートアイランド現象の総合的な対策について、全国に代表的な5都市(東京、名古屋、仙台など)をモデルにに選び、エアコン等の排熱の低減、ビル屋上の緑化、自然の冷気を導く“風の道”づくり、保水性、通水性のある舗装、建築物の壁面の反射率の改善、暗渠になっている川の覆いを取るなどを検討するそうである。

 お役所も、やっと都市の自然環境の保全について重い腰を揚げたと言う事か? 何度も言うようであるが、今までの都市化と言うと、この小さな南足柄市でさえ、コンクリートの建物と舗装道路を絵に描いたようなもので、利便性優先(本当に人に優しい、便利なものかどうか?)の公共事業費のムダ使いの権化のようなものであった。今までは、我々一市民が自然環境優先にした街作りを、河川の改修や区画整理事業で提案しても、全く無視されてきた。おまけに、便利になればそれで良いと言う市民も多く、味方をつくるのは難しかった。しかし、やっと環境庁もそのことに気付いたようだ。今まで日本で、なかなか市民運動は効果を上げられなかったのは、法律や条令で規制されない限り、良いことでも少数派では多数決で通らなかった事にある。

 我々市民も、自分の利害オンリーで何も考えなかった事が、最も大きな要因に違いない。ちょっと暑いといえばエアコン、ちょっと寒いといえばエアコン、家を造ると言ったら高断熱、完全冷暖房、それも床暖房付きのモルタルで囲った近代的?な住宅で、昔のような風通しの良い木造住宅は、耐震、耐火構造でないと認可されないらしく、とんと見かけなくなった。おまけに、農地の宅地化で風の通りも悪くなり、水田を渡る涼風もなくなったし、その上舗装道路に囲まれ、家の庭までコンクリートにするなど、ますます状況は悪くなるばかりだ。

 我が家も例外ではない。エアコンが2台もある。しかし、これは来客用であって、普段はほとんど団扇と扇風機しか使わないし、冬は、プロパンガスのファンヒータであるし、調理もなるべく熱を放出しない電磁調理器を使用する事にしている。むろん、庭はベランダと玄関ポーチ、車の出入口の土留めしかコンクリートにしていないし、雑木を沢山植えてあるので、手入れが悪くて体裁は悪いが、川と農業用水路が近くにあり、前は農業振興区域のため畑と田んぼが広がっているので、夏は、窓さえ開け放していれば、自然冷房で暑さもしのぎ易い。これで太陽光発電にすればエネルギー環境も優しくなる。

 ところがどっこい、通産省は、一般家庭の太陽光発電への補助金支給を2002年度で打ち切る方向だ。理由は、機器の普及で価格低下が進んだ事によって支援の必要がなくなった、との判断だそうだが、価格が下がれば、補助金の額が少なくて済むので、いっそう普及に拍車がかかり、電力消費の分散化によって原子力発電の必要性も見直す事が出来るのではないだろうか? 通産省は、本当にエネルギー問題を真剣に考えているのだろうか? それとも、電力会社との間で何かあるのではないか? と勘ぐられてもしょうがない。( Aug. 24. 2000 )


 環境NGO ネットワーク「地球村」の情報誌“地球村通信 91号”が届きました。先に、文化会館で催された高木善之さんの環境講演を聴き、私達も「地球村」のグリーンコンシューマに登録したことをお話ししましたが、その会員数が36,000人になり、日本で最大級の環境NGOとなりました。これが10万人になれば、国連に登録することが出来、国際NGOとして発言力、影響力が大きくなるのだそうです。だから、まず最初の目標は、ネットワーク「地球村」のグリーンコンシューマを10万人にすることです。

 どうか貴方も、ネットワーク「地球村」の趣旨にご賛同いただき、グリーンコンシューマになって下さい。ご家族も一緒に会員に登録をお願いします。そして友人や知人にも呼びかけてください。緊急を要する環境問題を、のんびりした政府や行政に任せることは出来ません。21世紀はNGOの時代になります。私達市民一人一人が意識を改革し、行動に移すことが必要になります。
 さきごろ開催された沖縄G8サミットに参加し、「地球村」としての要望書を提出し、“NGO国連”を提唱し、他のNGOや政府関係者、報道関係者からも強い関心を持たれたそうです。この上は、会員10万人を達成し、国連に登録して、私達の活動を地球規模の活動に広げることです。是非、ご賛同下さい。
ネットワーク「地球村」への E-mail は office@chikyumura.org/ ( Tel.大阪 06-6311-0309 ) です。貴方の参加をお待ちしています。( Aug. 19. 2000 )


 NHKのハイビジョン放送で「地球白書」(ワールドウォッチ研究所)“大量消費との決別”を見ました。金を採掘する為に行われているアマゾンの自然環境の破壊は、結局私達が、贅沢な装飾品として、あるいは電子回路の接点やIC,LSIなどで大量使用していることが原因となっているのです。世は正に“IT革命”だとかで、ますます金は必要とされるでしょう。利便性や物を所有することだけで幸せだと考える現代人の感覚が、地球環境を破壊していることが解ります。単に採掘だけで原生林が切り開かれて、生態系が侵されて行くのでは有りません。金の含有量が極めて少ない土砂の中の金を取出す為に、金と融合し易い水銀がその何十倍も使用され、それらの水銀がタバチョス河に垂れ流されているのです。

 見ていて鳥肌が立ってきました。消費アフロエンザ(熱病)で、大量消費のおろかさに気付かない限り、人間による地球の自然環境の破壊は止められません。今、環境問題を緊急課題として受け止めなければ、人類の将来は有りません。誰かがやってくれるだろうではありません! 私が今やれることは何か? を真剣に考えなければなりません。

 先日の新聞報道で、石原都知事の提唱するジーゼル車の排ガス対策に対して、環境庁,運輸省、通産省の三省の検討会が、排ガス除去装置の装着を義務付けることは、現在の除去装置の能力から考えて効果が低いので、排ガスの少ない新型車への買い替えを促すことが妥当との考え方を示したとある。では現有車(中古車を含めて)を新型車にそう簡単に買い替えられるのだろうか? 買い替えは強制は出来まい。この案は、多分自動車工業会の圧力があるものと思われるし、以前問題として取り上げた、“アイドリングストップは渋滞を増やし、かえって排ガスを増加させる”と言う警察庁のシミュレーションの結果報道にも似ている。環境対策は、今効果が少しでも認められるなら,すぐに実施すべき緊急性を持っているのだ。のんびりしたお役所仕事では、進んで行かないのだ。

 何と言おうが都は実施すると言う。その為に新しい三元触媒の開発に拍車がかかり、軽油の改質やエンジンの改良も進められるだろう。先ず行動に現すことが大事ではないだろうか? 各企業でのゼロエミッションに対する対応は、ホンダを初め、キャノン、コニカ、ブリジストンなど、計画を前倒しにして早々に達成するとある。神奈川県でも環境保全や消費の抑制に向けて“生活環境税制”の実施に着手するとある。遅れているのは国の中央省庁だけではないか? ( Aug. 7. 2000 )


 建設省と農水省が連携して、やっと「魚がすみやすい川づくり」に取り組むそうです。建設省が管轄する河川区域だけでなく、農業用水路なども含めた川の全域で魚道などを整備、本流・支流を行き来しやすい環境を作る「魚の生息環境回復計画」なのだそうです。
 従来、縦割り行政で、建設省と農水省は協同することはなかったわけで(市役所でも建設課、道路課、水道課などにまたがる問題はなかなか話しが通りにくいのです)少しは風通しを良くしようと努力しているのは歓迎すべきでしょうか?
 河川の整備は、何も魚だけでなく、私達住民のコミュニケーションの場として、あるいは子供達の自然の学習の場として大切なことだと思います。まだまだ表面的で本質的な自然回復まで考慮しているのかは大変疑問に思うところです。既に、農業用水路を含めて、河川の護岸はコンクリート化が進み、人と川はフェンスに遮られています。今進められている私達の町の区画整理事業でさえも、まさに水路を暗渠で埋設して道路用地とし、舗装した自動車用道路を優先する、決して人に優しいとは言えない都市計画になっています。

 川に魚が戻る為には、まず農薬や除草剤の禁止、工場廃水や生活廃水の流入防止が必要なのです。そしてコンクリートの護岸や工作物の除去が必要です。それだけでも自然はかなり戻ってくるように思います。
“♪♪春の小川は、さらさら行くよ〜♪♪”と小学生の歌声がひびくような、人に優しい自然の景観を取り戻して欲しいものです。( July. 25. 2000 )


 新聞報道によれば、建設省が調査した全国の一級河川109水系のうち、70水系で環境ホルモンによる汚染が検出されたそうです。一級河川と言えば、その多くの河川から飲料用の水道水の為の取水を行っており、環境ホルモンによる汚染は、直接私たちの健康に影響を及ぼします。又これらの河川の水は海に流れこみ、世界中に汚染を広げてしまいます。一級河川の汚染は、遡ればそこに流れこむ2級河川や工場廃水、あるいは農薬で汚染された農業用水、ゴルフ場の芝生の消毒剤や着色剤を含んだ雨水に問題があるのかもしれません。至急、それらの経路についても現状の実態調査が必要です。

 報道では、調査対象の主たる7物質のうち、プラスチック原料に用いられるビスフェノールAが注目されていますが、その他の環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)の検出量も明らかにして、今後の対策を至急決めてほしいものです。これらの汚染は目に見えない上、生物に摂取されてから体内に蓄積し、濃縮され、更には食物連鎖によって被害が拡散する恐れが強いので、たとえ検出時は微量でも、その存在を無視できません。既に1962年に、レーチェル・カーソンが「沈黙の春」で指摘した事実が、現実になって猶予できない状態になってきました。

 農薬の使用禁止とともに、プラスチック材料の使用についての制限と見直しも含めて、医療用の薬品についても改めて検討をしてほしいと思います。私達自身も、プラスチック・トレーやプラスチック・フィルム(ラップ)に包まれた日常の食品を含めて、環境ホルモンに対する正しい認識が必要です。農業の減反政策や、65%もの食品を輸入に頼っている現状についても、改めて認識する必要があります。大量生産、大量消費の為に家畜の飼料にも多くの抗生物質が使用され、見てくれを良くする為に、果物には不必要な、艶だし剤や色素・染料なども使用されていると聞きます。私たち消費者が賢くならない限り、現状は改善されません。
 どうか皆さん、グリーン・コンシューマに登録して、正しい情報を得て、正しい判断をしてください。( July. 24. 2000 )


 地球環境講演会を聴きに行きました。あなたも聴講され、良くご存知かも知れませんが、この講演会は、環境ISO14001の認証取得企業である南足柄市の富士写真フイルム、富士ゼロックス、富士機器工業、パナック工業、南開工業の5社共催によるもので、ネットワーク「地球村」代表の高木善之氏による“美しい地球を子どもたちに”という趣旨に沿って、世界の中の日本の環境問題の現状と私達市民の意識のレベルを、改めて認識させるものでした。
 講師の木さんは、20年前、大手の企業に勤めていたときに、外国での環境問題の取り組みを知り、工業先進国でありながら環境問題後進国の日本を憂いて、環境問題の真実の姿を日本中に知らせる決心をして企業を退職されました。収入の道を断たれてもなを、これをライフワークとして決断され、家族の理解を得て全国を遊説しておられます。私達凡人は、頭ではわかっていても、なかなか実行する勇気は持ち合わせません。彼は、きっと「神」が遣わされた内の1人に違いありません。

 この活動の理念が又素晴らしいものです。基本理念は、“非対立”で、個人として
   @ 責めない、抗議しない、争わない。
   A 事実を伝え、提案し、共に考え、気付くまで待つ。
   B 自分が変わり、周りが変わり、世界が変わる。

そのために、啓蒙啓発し、情報を発信し、学習する。そして、同志“グリーンコンシューマ”を増やしていくことなのです。私達夫婦も、早速“グリーンコンシューマ”に登録しました。年会費が5000円で、家族会員は1000円です。
 日本での環境意識の低さは、市民個人の関心の薄さに有りますが、一つには、政府や公共機関が真実を公表せず、ウソのデータで国民をだましているのです。又そのような政治家を選んでいる私達の責任でもあるのでしょう。市役所でさえ事実を隠蔽しているのだと明言されています。新聞などの報道では、かなり昔から真実に近いデータが報道されており、それに気がつかなかったのは、金儲けと物に執着している私達の関心の薄さです。この精神が、子どもの登校拒否や家庭内暴力、学校崩壊、青少年犯罪の元になっているのだと言います。全ては、私達一人一人の意識の改革が、今必要なのです。

 身近なゴミ問題を考えると、ゴミ削減の原則は4Rといわれ、
   1.REFUSE(やめる)
   2.REDUCE(減らす)
   3.REUSE(再利用)
   4.RECYCLE(再資源化)

 リサイクルは如何にも良いように受けとめられていますが、これは行政にとって都合の良い税金のムダ使いでしかありません。再資源化には、多くの人手とエネルギー消費が必要だからです。最も良い方法は、昔の生活に戻ることなのです。大量生産、大量消費である今の生活(子どもを託児所に預けて、金儲けにいそしむ共働きで)を維持しながら,環境負荷を減らせると思うのは、科学への盲信であり、企業を陰で支援している政治家の詭弁に、私達が踊らされているのです。賢い市民となるために、“グリーンコンシューマ”になって、もっと真実を知りましょう。( July. 1. 2000 )


 環境庁がディーゼル車の排気ガス(微粒物質いわゆる黒煙、すす)が発ガン性を有するものである。と認める評価結果報告を出すようである。かなり以前よりディーゼル車の排気ガスは環境を汚染すると共に、発ガン性などによる健康に影響を及ぼしていることの指摘がなされていた。それについては、川崎公害訴訟や大阪の西淀川公害訴訟などで、相次いで国との間で環境改善の実施を前提として和解が成立している。ただ、公害と住民の健康被害との因果関係が明らかでないとして、改善が先送りされてきたのはご存知の通りで、その結果で人が死なないと手を打たないのが官の行政であることは論を待たない。

 東京都の石原知事が、東京へのディーゼル車の乗り入れを禁止するなどと強硬な政策を打ち出したために、ディーゼル車の改善は一気に推進され、ディーゼルエンジンの改良と共に、排気ガスを浄化する触媒の開発も進み、日産ディーゼル工業などは、トラックやバスに新型のハイブリッド車を年内に商品化するという。このハイブリッド車は、エンジンの燃料にも圧縮天然ガス(CNG)を用いて、粒子状物質を排出しない、よりクリーンなものになる。地方自治体の強硬な(?)公害防止条例によらないと国(環境庁運輸省)が動かないと言うのも、何とも情けないことではないか。もっと“トップランナー方式”を有効に使って、ブレークスルーとなる技術開発を支援できないものか?
 「アイドリング・ストップは渋滞を増やし、かつ、CO2の排出量を増大させる」などと、まことしやかなデータで国民を煙に巻く警察庁に、もう一度データの信憑性を説明してもらいたいものだ。利害関係にある工業会の横車に真実を捻じ曲げているとしたら、とんでもないことだし、決して許されるものではない。

 ダイオキシンや環境ホルモン(内分泌撹乱物質)等の問題にしても、自動車の排ガスのCO2やNOxの削減にしても、このままでは、いつになったら有効な手が打たれるやら心もとない気がしている。今すぐ排出をゼロにしても、自然環境が元に戻るには長い歳月がかかる。私達の子ども達に残してやれるものは、自然環境しかない。( Jun. 28. 2000 )


 この4月より容器・包装リサイクル法の完全実施が行われることになりましたが、市場の体制が十分でない結果、ペットボトルや古紙などの在庫が膨張し、リサイクルそのものが破綻しそうだと言う。これは、政令によるリサイクル法が、各地方自治体の掛け声だけのリサイクルで、リサイクル品の行き先の末端状況の確認と再生品の消費の需給までも含めた、仕組み作りが出来ていない中で実施したためと思われる。

 例えば、古紙再生を考えると、再生品は紙の繊維の強度が低下するためバージンパルプを加える必要が生じたり、色素の漂白(脱色)等に予想以上のコストがかかり、結局バージン製品より高くなって、消費が阻害され流通しない。ペットボトルのリサイクルにしても、ペットボトルをフレーク(細かく破砕したもの)化するまでの工程で、キャップやネジ首を落したり、ラベルを剥がしたり、洗浄等の手間がバカにならない。フレークを融かして繊維にして再生衣料となるが、通常の繊維製品と比較して付加価値が上がるわけでもないので、消費者にメリットはない。同様に牛乳などの紙パックや食品のプラスチック・トレイにしても、リサイクルのために水で完全に洗浄する必要があり、水道水の消費や水質汚染の問題もあり、はたしてリサイクルすべきや? と言う疑問もあることを否めない。

 リサイクルの市場の流通と再生品の販売体制を確立しない限り、自治体の掛け声だけのリサイクルでは先行きが暗い。その上、市民自身がリサイクルの意味と仕組みを十分理解しない限り、うまくリサイクルの輪が完結しない。リサイクル製品の購入推進に「グリーン購入」システムがあるが、これなどもISO14001認証取得企業だけのものであってはならない。各地方自治体が率先して採用し、市民に対してPRすると共に、消費者のメリットを付加しなければ、リサイクルの破綻は当然と言える。地方自治体自身が、リサイクルを第三者やボランティアにおんぶすることなく、自ずからリサイクル事業に乗り出し、利益を上げて財政再建に少しでも貢献するよう努力すべき時期ではないか?( Jun. 25. 2000 )


 先にお話していた市の環境推進委員の公募に応募していましたが、応募者が無かったためか採用が決まり、任命式を兼ねた第1回の環境推進委員会が開催されました。市民公募の2名は何と、同じ部落の同じ地域福祉会員の人でした。応募の際に応募理由と考え方の中で、公募する人数を増やし、なるべく市の広い区域の中から選出して欲しい旨のべましたが、これでは何の意味もありませんね。その人も全く同じ考えでした。

 環境推進委員の役割は、公募時は明確ではなかったので、その役割に非常に期待していましたが、とりあえず2年の任期の内、最初は市の環境指標の検討です。市は環境基本計画(100ページ程もあるんですよ)に基づいて15年計画で南足柄市の生活環境を整備していこうとする考えのようです。しかし、考えても見て下さい。15年というスパンは、世の中がすっかり変わってしまっているではありませんか? 市長だって職員だって、環境推進委員会だって、そのまま存続しているとは考えられません。ひょつとして大きな災害で南足柄市でさえ存続しているとは限らないし、地球規模の環境悪化によって地球上の生活環境がどう変わるかもしれません。長期計画は必要なのかも知れませんが、事、環境問題に関しては急を要することで、今すぐやらなければならないことが沢山あるのではありませんか? そのために市民公募を実施したのではなかったのでしょうか? 何にしても2名とは少な過ぎましたよね。浅はかでした。 

 公募以外の市で委嘱した委員の人達の中には、南足柄市の未来の大きな夢(?)のような都市環境の整備に思いを馳せているように感じられる委員もいます。私の考えが甘かったのかもしれません。これでは国の大型公共事業の後押しと何ら変わりません。温暖化防止京都会議の議定書にあるように1990年に戻ることが重要なのです。そして、可能な限りもっと前に遡った時代の排出基準を選択しなければならないのかもしれません。

 ゼロエミッション(汚染物質の排出ゼロ)が最終目標なのです。私達の現代の便利過ぎる生活を捨てることになるかもしれません。利便性を犠牲にしないでゼロエミッションが可能だと思うのは、科学の盲信に他なりません。官僚やそれを取り巻く人達の考えでは遂行不可能なのかもしれません。やはりここからは市民運動中心で行動しなければ解決できないのかもしれませんね。与えられた環境推進委員会の場でどれだけ私の考えを理解してもらえるか、正念場です。どうか陰ながら応援して下さい。( Jun. 17. 2000 )


 香川県豊島での産業廃棄物大量投棄事件で、県と住民との間で争われてきたが、25年ぶりで国の公害等調整委員会の調停案受入により、やっと一件落着する。しかし、この問題が、何故25年もの間解決できなかったのか、県の環境行政に対する住民の不信は解消されたわけではないし、他の地方自治体にも大きな影響を与えることは確かであろう。県や市町村などの環境行政への対応や、情報公開はまだまだ十分では無いし、あまつさえ、住民が市町村の行政に口をはさんだり、まして訴訟を起こすなどと言うことは、大変勇気の要ることである。その点で、25年間も闘い続けてこられた豊島住民の皆さんには頭の下がる思いがする。

 本来、住民のために働かねばならない行政側が、産業廃棄物業者や廃棄物を排出する企業側に組して、行政を行うことは決して許されることではないし、その責任の所在を明らかにして、その責任を取らねばならないのは当然の事と思われるが、結局は行政側の責任追求や処断は行われずに、知事の謝罪等でお茶を濁されるのが落ちであり、本当の公害対策はここからがスタートであろう。
 これからの企業活動は環境対策をおいては語れないし、国や地方自治体も環境問題には決然たる姿勢で臨まなければならない。一旦汚染された環境を元に戻すには、長い年月を要するし、それによってもたらされた人への影響は、子や孫の代まで影響していくので、単に廃棄物処理だけの問題ではない。( May. 28. 2000 )


 テレビ朝日の「素敵な宇宙船地球号 “ゴミと戦う賢者の知恵 奇蹟を起こした三つの町”」を見ました。
 その1は、環境先進国ドイツのフライブルク市。ここでは、大気汚染防止のため乗用車の中心街への乗り入れ禁止を実施しており、その代わり、安い料金で公共機関の列車、バス、路面電車を乗り放題の、環境定期券(Regio Karte)を発行しています。

 メルデンガー小学校の校長のウルリヒ・シェーファーさんは、子供たちに環境問題を考えてもらうために、色々なことをやってきました。アルミ缶の回収、ゴミの分別など。しかし、いずれも長続きはしませんでした。これは、情報と理解とは異なることだと言うことに気付きました。実際に体験し、(環境汚染が)どんなものかを理解することこそが大切なのです。シェーファー先生は、ミミズを飼育することで、ミミズが有機物を分解してくれる様子を子供たちと観察し、ミミズが嫌うプラスチック屑や金属屑などを無くそうと語りかけます。このように目に見える成果が波及効果をもたらし、子供たちは、自分達の食べるお弁当やおやつに、ミミズの“CARLO”が嫌いな物を無くすようにお母さんたちに働きかけます。このようにして大人達も、子供たちに教わることで、町全体からゴミが無くなっていきます。今では、このメルディンゲン村は州で最もゴミの少ない自治体になったそうです。

 その2は、ブラジルの奇蹟の町クリチバです。ここでは、市の環境局長となった一人の日本人、中村ヒトシさんの活躍によってスラムが蘇ります。
“緑の交換”と呼んでいますが、住民達の持ち寄るゴミを食料と交換します。ゴミの中の資源ゴミ4Kgに対して、食料1Kgと交換するのです。またスラムの失業者に対して、資源ゴミを収集する仕事を与えています。こうする事により、次の、三つの効果が生まれたのです。

  (1) スラムの環境改善
  (2) 住民の生活支援
  (3) 余剰農作物の買取り

これは、24才の時に移民して苦労した中村さんだからこそ出来たことなのかも知れません。
しかし、中村さんはこうも言っています。「日本のお役所ならこうは行かないでしょう。上からのハンコが無ければ何も出来はしません。私達の町で起こっている問題について、どうやったら今すぐに解決できるかを考えて、それを勇気をもって、出来る中で解決していったのです」
そのあと中村さんは、パラナ州の環境省長官に抜擢され活躍されています。

 その3は、水俣病で一名をはせた水俣市のゴミの分別です。
これも一人の市の職員、元ゴミ対策課長の葦浦博行さんの取り組みによるものです。水俣市は、チッソの水俣病公害によって、町全体が荒廃すると共に、いたいいたい病患者とチッソの職員との間のいさかいによって、コミュニティが崩壊していました。チッソの職員の家族でもあった葦浦さんは、何としてもこの荒廃した町に活気を呼び戻し、コミュニティを蘇らせたかったと言います。それがゴミの分別と言う形で発展しました。

“リサイクル用の(ゴミ)資源は商品だ”と言います。買い手が望むような物を提供することが重要で、葦浦さんは、リサイクル業者や酒造メーカを訪ねて、実情を調べ協力を要請します。市民に対しても根気良く(200回もの)説明会を行い協力を求めます。分別は細かく、ビンだけでも9種類に分かれます。次のような区分でゴミを分別していて、正しく分別されているか地区の当番がチェックしています。ビンの蓋は外して別にし、ビンと缶は必ず洗って出さなければなりません。

  (1) 酒ビン      (13) 鍋釜類
  (2) ビールビン    (14) ペットボトル
  (3) 清涼飲料ビン   (15) プラスチック
  (4) 牛乳ビン類    (16) 新聞
  (5) 透明ビン     (17) ダンボール
  (6) 水色ビン     (18) 他紙類
  (7) 茶色ビン     (19) 布
  (8) 緑色ビン     (20) 電池
  (9) 黒色ビン     (21) 蛍光灯
  (10) 板ガラス     (22) 粗大ゴミ
  (11) スチール缶    (23) 埋立てゴミ
  (12) アルミ缶     (24) 燃やすゴミ
この分別によって、埋立てゴミ処分場の寿命2年だったものが、何と30年先にまで延びたそうです。また、これらの作業を通じて、人々の対話が進み、町に活気が戻り、コミュニティが蘇ったと言います。

 私達の町、南足柄市の取り組みはどうでしょうか? 住民である私達の環境に対する意識はどうでしょうか? 一人一人がもっと良く考えなければなりません。( May. 1. 2000 )


 レーチェル・カーソンの遺稿集「失われた森」(文献参照)を読み終えました。ご存知のようにレーチェル・カーソンと言えば、1963年に化学物質の環境汚染の恐ろしさを告発した「沈黙の春」(文献参照)でしか知られていませんが、この遺稿集で、とても偉大な海洋生物科学者であることがわかりました。56才で癌と心臓病のために亡くなるまで、地球の自然環境を守るため、環境汚染を阻止するために一生を捧げられました。

 カーソンの最後の講演となった1963年のサンフランシスコのカイザー財団病院グループ主催の年次シンポジュームでは、新しいテクノロジーの発展の陰に隠された環境汚染の問題や放射能廃棄物の海洋投棄による将来の危険性についても既に、強く警告しています。環境汚染は、発生する特定の地域だけの問題ではなく、大気の循環や河川から海に流入し、海流により(深海でも常に海流があって海底の堆積物も移動しているという)地球の隅々まで汚染は拡散し、海洋生物が汚染され、食物連鎖によって人類全体に汚染が広がっている。更に恐ろしいのは、循環する過程で汚染物質が濃縮されて行くことで、最初の汚染濃度が検知できないほど僅かであっても、次第に濃縮されて危険な濃度となり、更に母体の汚染によって、次世代の子孫にまで汚染の影響が続き、ついには地球上の生物の滅亡につながる可能性を無視できないことでしょう。既に多くの種が絶滅しつつあるのを私達も知っていますが、それを自然淘汰のせいだと私達が重大なこととは考えていないことでしょう。

 この著作や講演が1963年頃のことであり、レーチェル・カーソンは翌年の4月に亡くなりました。カーソンの「沈黙の春」による告発を正しいものとして取り上げたケネディ大統領は何者かに暗殺され、その後もケネディ一家の抹殺は継続しています。
 私達は、私達の子孫のためにも、地球上のあらゆる生物のためにも、これ以上、自然環境の汚染を広げてはなりません。この「失われた森」は、非常に判り易い構成でレーチェル・カーソンの主張や実証を理解することが出来ますので、一人でも多く読んで下さい。特に行政に関わる方々には、ぜひ読んで欲しいと願っています。私も、市の環境委員会の委員の一般募集に応募することを決めました。選任される確率はほとんどゼロかも知れませんが、自分の気持ちだけでも表したいと考えました。私は、化学には全く素人ですので、化学や環境問題に明るい方は、市の環境行政が企業優先で有名無実にならないよう活動して下さるようお願いします。( Apr. 19. 2000 )


 今日4月1日から、容器包装リサイクル法が完全施行となります。従来は、びん、缶、ペットボトル、紙パックでしたが、それに加えてプラスチック製容器・包装、段ボール、その他の紙製容器・包装の全てについて適用されます。また2001年4月からは、家電リサイクル法も施行され、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などが対象となります。原則的にその費用は消費者負担となります。しかし、これはゴミの発生抑制という意味で機能すると考えられますが、消費者から見れば当然製造事業者の責任ではないか? と言う意見が強いかも知れません。どちらにしてもリサイクルを前提にした機能設計が求められるでしょうし、利用者としても受益者負担の原則は曲げられないでしょうね。

従来の厚生省の考え方は、完全なリサイクルを実施するためには、消費者から市町村(地方自治体)が分別収集したものを製造者に引き渡して、それを製造者が再生するということでリサイクルの輪を完結しようとしていますが、当然、市町村の負担する費用は住民の税金から支出されるわけで、結局、私達の負担になることにかわりありません。案外、私達自身の財布から負担するお金が出ない限り、私達のリサイクルに対する責任や義務の意識は薄まってしまいます。製造事業者側にしても、コストを掛けてまでリサイクルに真剣に取り組む意志もさらさら無いのが現実ではないでしょうか。

 しかし、これからの環境問題として、そのような安易な考え方は許されないでしょうし、消費の実態やエネルギー消費と物流をも含めたリサイクルを考慮した製品設計が求められることになるでしょうし、事実、拡大生産者責任(Exposure Produce Responsebility )という考え方で、消費後の製品の管理も、生産・流通事業者の責任に含むものとして、リサイクルの費用などの環境コストを商品価格に組み込んでいく考え方になっていくでしょう。これは単に一事業者の問題ではなく、産業界全体でどう取り組むかの問題です。

 一方、利便性だけを追求し、地球の自然環境を省みなかった私達は、現在の生活を如何にして環境に優しい生活に変えるかを、真剣に考えなければなりません。お役所や規制する法律に頼ることなく、一人一人が良く考え、自らの消費生活そのものを見直して、環境負荷の少ない生活に改善していかなければなりません。
 全ての解決につながるわけではありませんが、昔から有るおばあちゃんの知恵を活用することも有効な場合があるでしょうし、味噌、醤油、酒などの小売りに見られたように、必要な時に、必要なだけ、容器を持参して購入する方法なども今一度見直されるべきだと思っています。( Apr. 1. 2000 )


 三重県の北川知事が表明した芦原原発計画の白紙撤回は、全国の電力会社の原発計画に大きな影響を及ぼしそうだ。東海村を初め多くの原子力関連施設での事故や事故に至らずとも事実隠蔽の虚偽報告などで、原子力の利用の危険性が明らかになってきた。世界でも、原子力の取り扱いについては、危険性を含めて大きな問題に成りつつある。スリーマイル島、チェリノブイリなどの事故の怖さは十分に知れ渡っている。

 エネルギー供給問題の中でも、電力については分散化発電やコ・ジェネレーション、更に太陽光発電、風力発電、波力・潮力発電、燃料電池なども含めて多くの技術的可能性が得られているから、今更危険性の高い原子力発電に拘ることも無いし、全面買電に頼らず自家発電という図式も、それほど不可能では無くなってきている。現に、私の勤める工場でも、現在は80%を自家発電により供給し、電力会社の事故や停電時の操業停止などの危険を回避している。

 これら原発や吉野川可動堰の建設愛知万博での海上(カイショ)の森開発などの問題は、単に環境破壊や環境汚染による住民の安全性の問題に留まらず、大型公共事業に対して、地方行政が選択権を行使すると言う決定権の問題も含め、地方分権の問題にも大きな影響を及ぼすものであろう。地方分権については、改めて、政治の問題として取り上げるつもりでいる。( Feb. 28. 2000 )


 今、ペットボトルのリサイクルによる過剰収集が問題になっています。せっかくリサイクルで集めたペットボトルも引き取り手が無く、山積みになっていると言うのです。

 しかし、これらは,今に始まったことではありません。新聞紙や雑誌などの回収についても問題になっていますし、先ごろ大きな問題となったフィリピンへ輸出されたゴミの中の医療廃棄物についてもそうです。お役所は、リサイクル、リサイクルと大きな声で宣伝していますが、実際には回収した新聞や雑誌の引取りには、私達の税金が業者に引き取り料として支払われているのが実情です。その内で、実際に再生して使用されるのは一部でしかありません。それならば、燃えるゴミとして燃料にして発電したり、その熱を利用して温泉でも造って、市民に利用してもらった方が良いのではないでしょうか? (Feb. 20. 2000 )


 吉野川可動堰建設に対する住民投票で建設反対の投票が90%を超えた。しかし、投票率が55%であることを考えると、まだまだ住民の関心は低いと言える。
 これに対して建設大臣は、住民投票の結果に関係なく建設計画を進めると発言している。改正河川法の第16条にも、河川の改修には“民意を反映する”と明記されているが、これについて建設省側は、住民との話し合いは十分に行ってきたと述べている。

 しかし、NHKの報道で見る限り、住民の「一千億円もの建設費をかける効果は期待されず、環境の悪化の懸念の方が大きく、税金のムダ使いと考えて、より少ない投資で効果の挙がる堤防の構築を要望する」意見を取りいれる気配はなく、あくまで現存の固定堰を壊して、下流に新しい堰を建設するのに住民を説得するための工作であって、この大型公共事業をどう遂行させるかにあるように見える。

 従来、公共事業が住民の要望を無視して、政治の思惑主体で実施されてきたように思われる。この点でも、国と地方自治体とで行政の完全な分権独立によるものに変えていくとともに、公共事業の進め方については、真に住民の意見を尊重し、自然環境を重視する新しい考え方が必要であろう。この点、三重県の北川知事の決断を見習うべきではなかろうか? ( Jan. 25. 2000 )


 「ヒマラヤ 氷河湖が決壊する」のNHKハイビジョン・ドキュメンタリーを見た。

 地球温暖化によってヒマラヤの氷河が溶け出し、毎年氷河の終端が後退していると言う。氷河の溶けた後に出来た最大の氷河湖“ツォロルパ”に溶け出して流れこむ水量が、湖より流れ出す水量より遥かに多くなり、下流の部落が洪水に伴う土石流の危険にさらされている。氷河湖の水位を減らさない限り、氷河湖の決壊は時間の問題となってきている。
 ネパールの科学者の専門家チームにより、氷河湖の水位を下げるための排水路の建設が始まるが、自然とのたたかいは容易ではなく、自然の力と人間の力の違いをまざまざと見せ付けられる。

 既に以前から、南極の氷河の崩落が増加し、海水の水位の上昇が心配されてきた。地球温暖化に向けて、京都での二酸化炭素排出削減の議定書の採択も行われて、各国の排出権についても大きな問題となっているが、わが国のCO2削減の推進も今一つはっきりしない。

 火力発電による電力の問題や自動車の排ガスの削減問題にしても、政府の施策は十分納得のいかないものである。確かに自動車のエンジンの改良やハイブリッド化による等の技術改革はされつつあるが、排出しないためには不要不急の車を運転させないようにすることこそ必要だし、火力発電に変わる燃料電池や風力、太陽電池等の検討も必要だが、先ずは電力使用量を削減することこそ緊急の課題ではなかろうか? テレビの深夜に及ぶ、いや明け方までの放送にしても、はたしてどうしても必要なものなのだろうか?

 警察庁自体が「アイドリング・ストップはかえって排ガスの増加につながる」などと言うデータを出して無能をさらけ出し、地球温暖化に対する危機感がうすいのも大きな問題であろう。温暖化の問題は、このドキュメンタリーが示すように、もう待った無しの事態に直面している。出来ることはすぐやらなければならない、緊急事態であることを認識しないと、取り返しのつかない地球規模の事態をまねくに違いない。( Jan. 20. 2000 )


 自自公の与党3党は、新春の通常国会で「自然エネルギー促進法案」を提出する予定とある。
主として二酸化炭素の削減が狙いであるが、電力を石油と危険の多い原子力に頼っているのを何とかしようと言う考えもあると思われる。Co2の削減では、自動車の動力エネルギーの非石油化も重要な問題だ。こちらの方は自動車工業会と言う大きな圧力団体があるため、総選挙を控えて、そう簡単にはいかないのだろう。またダイオキシン対策や環境ホルモン対策などのプラスチックや化学薬品も石油化学製品であるので、お忘れなく!

 電力については、太陽光発電や風力発電がかなり実績があるし、自動車用には小型化がネックとなる燃料電池による発電も据え置き型では試験的には成功している。家庭用の太陽光発電についても、既に助成金によってかなり普及してきており、電力の分散化供給は、天災地変などによる被害の影響を少なくする上でも有効と考えられる。

 エネルギー削減と言う点ではまだまだで、余分なエネルギーの使用、ムダなエネルギーの使用抑制などコ・ジエネレーション技術なども含めて検討すべき問題はまだまだある。自動車についても、不必要な運行を抑制することこそ必要で、便利だから使用するという考え方を改めなければならない。特に通勤に使用される自家用車は、道路の渋滞と公害をまねき、一方、地方の公共交通機関の衰退を助長する悪循環なので、各企業は自家用車通勤の抑制に努める義務があるのではないか? 乗らない、出さない、使わない、ゼロエミッションこそ最良の手段だと思う。( Jan. 9. 2000 )


 貝の生殖異常を引き起こす環境ホルモンとして注目されていた有機スズ系の船底塗料の使用禁止を条約で決める決議が、国際海事機関(IMO)の総会で採択されたようだ。

 私達には、船の喫水線までの船底の赤い塗料の色は、かっこいいものとしか映っていなかったが、この塗料は、船底に貝が付着し、船の速度が低下することを防ぐための毒性をもった塗料だったのだ。ベトナムの作戦に使われた枯葉剤で異常児の出産が多発し、環境ホルモンの問題が浮上したように、化学薬品の人体に対する危険性が益々大きな問題になってきている。
 水田に用いられる除草剤により、オタマジャクシやドジョウやメダカが姿を消し、その水が流れこむ川から魚の姿が消えました。夏の風物詩のホタルも飛ばなくなりました。それでも次ぎから次ぎへと新しい化学薬品が開発されています。

 果物や野菜も、例外無く農薬が多く使われていますし、加工食品には着色剤や防腐剤、保存料に化学薬品が用いられています。安全なものは何処にも無いようです。 ( Nov. 27. 1999 )


 問題になっていた愛知万博の海上(カイショ)の森の開発計画について、絶滅の恐れのあるオオタカの保護対策が明確になるまでは、着工を見合わせるようにとの環境庁の指導があったとある。

 しかし、愛知県は、あくまでこの開発事業による直接的な影響はないと主張しているようだ。公共事業には多くの建設業界が後押ししていて、官民の陰の癒着も推測され、おいそれとは行くまい。何しろ、金と欲の世界だ。市民だとて、オオタカの保護より、開発されて便利になる方が良いと思っているのではないの? 市民一人一人が環境の大切さに目を向け、本当に開発が必要なものかどうかを真剣に考えるようにならなければ、行政は変わらないだろう。後の後悔では遅い。( Oct. 17. 1999 )


 最近聞き慣れないラニャーニナ現象と言うことが報道で見ることがあります。よく聞くエルニーニョ現象というのは、海水面の温度が平年より上昇することで、異常気象の代表のように思っていましたが、ラニャーニャ現象と言うのも、逆に海水面の温度が下がりすぎて、やはり異常気象を引き起こすのだそうです。

 エルニーニョは「男の子」と言う意味ですが、ラニャーニャは、それに対して「女の子」と言う意味のスペイン語だそうです。どちらにしても、昔はめったに新聞ダネにならないほどの現象でしたが、最近は頻繁に発生して問題になっているようです。地球の温暖化にも一因が在るのではないかと言われていますが、それでなくても、最近の干ばつや長雨による作物の被害。局地豪雨による洪水や崖崩れあるいは地震災害の頻発は、人間社会の無節操な開発競争や利便性を優先した社会構造によるものではないかと考えます。

 科学の進歩は、人間の生活を豊かにするものですが、地球と言う限られた環境の中では、人間だけか特別なものではありませんし、環境の破壊は、結局人間の生活や生命を脅かすことになってしまいます。地球の資源の奪い合いは、人間の(人種の)エゴによるものであるし、飢餓に苦しむ人々を救うのは、飽食日本が愛の手を差し伸べることではないのでしょうか?
 一人一人が愛の心を目覚めさせなければ、やはり、明るい2000年を迎えられません。

 経済不況を大型の公共事業で回復しようとする政策は、結局、環境破壊をもたらすことではないでしょうか? 私たちの街でも、大型の都市開発の区画整理事業が進められていますが、結局は都市化と言う美名の下に、自然の小川を無くし、自動車のための舗装道路と信号機の在る交差点を増やし、形ばかりの都市公園をつくり、人の生活環境を、自然から遠ざける作業にしかほかなりません。利便性を支持する人が多数を占め、少数の意見は無視されるのです。

 今こそ、自然を大切にした生活空間を設計し、全ての生物が共生することの出来る、自然都市計画を考えるべきだと思います。私たち大人が未来の子供たちに残してやれることは、それしかありません。( Sept. 10. 1999 )


 敦賀原発の1次冷却水漏れの事故は、いよいよ原子力発電の危うさと原子力以外での分散発電の必要性を痛感させた。
 根本的には、電力消費の大幅な削減のためにはどうすれば良いかを、緊急かつ真剣に検討しなければならない時期に来ていると思う。何にでも電気を用いる近代的文化生活(?)と、安くて国際競争力のあるものを大量生産するという図式を何時までも大事にしている時代は終わらせなければならない。

 あまり稼働率の少ない、買ってもいつのまにか埃をかぶってお蔵入りとなるような世代交代の激しいパソコンを次から次へと生産する事なども考え直す時期だろう。ファッション化して、それほど必要でもない携帯電話やPHS、返本で溢れかえる無駄な雑誌類の発行競争、夜中まで白昼の如く明るい都市の無駄な照明、朝まできれ間のないテレビ放送。いずれを取ってみても不必要な電気エネルギーの浪費。それらが結局、原子力発電によって支えられている現実社会。

 そうかとおもうと、東京湾に40年間にわたって流入し、堆積している環境ホルモン物質が調査によって明らかになったと言う。浚渫をすれば逆に湾内に拡散して更に危険性が高くなると言う。
 陸上では、廃棄物の最終処分場から、地下へ漏れ出している有害物質により、地下水が汚染されていると言うし、“空にゃ今日もダイオキシン〜”だし、危機感の薄いわれわれ市民もよくないが、それまでの無策行政の責任はどうなっているのか? もう地球は破滅を待つばかりか? 何か打つ手はないのか? ( July. 15. 1999 )


 NHKテレビのクローズアップ現代「違反ゴミ処分場・なぜ使われ続けたのか」を見ましたか? 市町村におけるゴミ処理の難しさとゴミを出すわれわれ市民側の加害者意識の低さを、ここでもいやというほど見せ付けられました。

 産業廃棄物は別にしても、家庭から排出され、焼却処分された後の灰の埋め立て場所は、どこも満杯になってきている。その焼却灰には、ご存知のように人体に有害なダイオキシンが多量に含まれているわけである。それゆえ、最終処分場の用地確保は、予定地の住民の建設反対にあって行き詰まることになる。もし市民側に少しでも加害者意識があれば、ゴミ問題は、少なくとも今より前進するだろう。

 しかし、それだけではない。行政側にも環境対策に対する意識がかなり低いことがテレビを見ていても分かった。事はダイオキシンだけの問題ではないのです。有害物質の溶出は、焼却処理されない埋め立て地からも、河川や地下水の中に浸透してきて、もはや猶予ならない状況にあると思われます。

 それではどうするか? 環境庁や厚生省は、人体が一日に摂取するダイオキシンの量を○○ピコグラムに統一しようなどと騒いでいるが、それでは、その排出量の管理をどうするのか? それを超えたらどうするのか? 人が摂取したダイオキシンをどうやって検出して測定し、それを超えていたらどうすればよいのか? 何も具体的には示されていない。検出器や測定装置の校正はどうするんだろうと、他人事ながら(実は自分の身にふりかかってくるのであるが)心配になってくる。

 そこで提案したいのが、環境ISO14001認証の取得を各地方自治体(都道府県および市町村)に、期限を設けて義務づけることが良いのではないか? 既にいくつかの市町村でISO14001を取得して、環境革命に取り組んでいるところもあると聞いている。

要は、環境保全に対する管理をどうするかが一番のポイントである。こうすることによって行政自身も勉強するだろうし、市民自身も行政に協力しやすくなると考えるが、どうであろうか?
 予算が無いから、人がいないからって言い訳が出てくるのがおちかな? でも、健康と安全は金では買えないんだぞ! そんな事になら、税金(目的税で)をジャンジャン徴収したっていいよね? ( July. 12. 1999 )


 「アイドリング・ストップは、渋滞を増やし、かつCO2の排出量を増大させる。」という結果を、警察庁はコンピューターシミュレーションによって証明したとある。

 これは、アイドリング・ストップによる大気汚染防止に水を差すことになる。もともと不要なアイドリングを無くして、排ガスによる大気汚染を防止しようとするのが大きな狙いであって、CO2の排出量の削減は、化石燃料の使用量を削減することにある。あるいは自動車のエンジンの改良によって、燃料消費率を向上させたり、石油の成分中の硫黄分を減らしてNOxの生成を減少させることにあるのではないか?

 新聞の報道によれば、信号待ちや渋滞時にアイドリング・ストップを行うと発進遅れや急加速につながり安全性にも好ましくない(?)し、かえってアイドリング・ストップなしの場合の1.4倍のCO2の排出量増加になるという。アイドリング・ストップは96年に環境庁の提唱で、バスやトラックの大手運輸事業者が中心になって実施活動が広がってきている。

 私自身も実施しているが、警察庁のいう弊害は極めて少ないと思う。例えば、短い信号時間では当然アイドリング・ストップは行わないし、発進遅れについては、交差点の側方の信号が黄色に変わった時点でエンジンを始動するので、発進遅れは発生しない。
また、交差点でのアイドリング・ストップは、先頭車両より3〜5両後になった時に実施することにしているので、先頭車両が発進した後でエンジンを始動してもほとんど問題は無い。それに、交差点付近の住民の排気ガス公害を減らすためにも、交差点での渋滞時のアイドリング・ストップは必要だと考える。(警察庁のお偉いさん、シミュレーションなんかで遊んでないで、交差点の近くの家に住んでみて、実際に確かめてみたら?)

 もしも、交差点でのアイドリング・ストップが有効で、かつ発進遅れが問題だとしたら、対面の信号機に青信号に変わるまでの時間表示をするか、エンジン始動開始の表示灯を付加するだけで容易に解決することが出来る。(事実、新宿の交差点には、横断者の信号機に青に変わるまでの時間が判るように▼形の表示灯が3ケ順次点灯表示していくようになっている)また、信号が短時間で切り替わり(そんな場所では誰も行わないが)、アイドリング・ストップが悪影響になる交差点には、アイドリング・ストップ禁止等の表示をするなど、どうすればアイドリング・ストップを効果的に実施できるようにするかを考えるのが警察庁や公安委員会などの仕事ではないのか? 報道する側もよく考えて報道すべきだと思う。疑問に思ったら警察庁に質せば良いではないか?

 そんなことよりも、これから夏にかけて、スーパーの駐車場や道端に駐車して、クーラーを掛けっぱなしでいる車両のアイドリング・ストップをどうするか真剣に考えてもらいたいね! 真面目に排気ガスの削減に取り組んでいる人達の足を引っ張らないでもらいたい!!( Jun. 7. 1999 )


 川崎公害訴訟で、国と道路公団が沿道の環境改善を実施することで和解が成立することになった。先の西淀川公害訴訟の和解に続いて環境改善の要求を国に認めさせた意義は大きい。

 建設省は排ガスと健康被害との因果関係が証明されていないというが、因果関係を実証することは何時の場合でも容易ではない。それよりも現実に目を向けて交通による環境汚染を無くすことが重要なのではないでしょうか。
 これは、建設省や道路公団だけの問題として捉えるのではなく、自動車を利用している私達、市民自身および自動車工業界も含めて真剣に考え、更には自動車以外においても大気汚染などの環境汚染の防止に努めねばならない。なにはともあれ、17年もの間、苦労してこられた原告団の方々に敬意を表したい。( May. 14. 1999 )


 アメリカのクリントン大統領は、自動車の排ガス規制について窒素酸化物(NOx)の排出量を最大95%削減すると発表した。

 これはビッグ3の技術力が燃料電池の実用化で十分実証されたとして、トヨタのハイブリッド車プリウスや三菱自動車の直噴エンジンとか日産のルノーとの合併による攻勢の機先を制したのではないか? CO2の削減については、直噴エンジンやリーンバーンエンジンあるいはハイブリッド車による燃費の向上により、かなり改善されるが、NOxの削減については、燃料電池によるゼロエミッションに向けての電気自動車の開発技術の如何にかかわってくる。頼みますよ日の丸技術陣!

 厚生省は、4月26日に全国の都道府県に対し、排ガス中のダイキシン類の濃度が規制値を超えている産業廃棄物焼却施設について、その施設名と排出濃度を公表するよう通知したとある。
 また各市町村の一般焼却施設についても同様に、各都道府県が責任を持って情報開示するよう求めたとあるが、県と産廃業者あるいは市町村の行政管理者との間での改ざんや隠蔽が無いように望みたい。( May. 2. 1999 )


 東京都は、全国に先駆けて都内にある126ケ所全ての廃棄物焼却施設の排ガスに含まれるダイオキシン類の濃度を公表した。
 現在の規制値(厚生省が決めた排出基準は1立方メートル当たり75ナノグラム以下)を上回ったところは無かったと言うが(本当かなぁ?)、ダイオキシン摂取基準については、基本的にはWHOの考え方を踏襲するようで、許容量は1〜4ピコグラムになるのだろうか。また、新たにダイオキシンに似た毒性を持つコプラナーPCB(ポリ塩化ビフェニール)を含めることになることが決まった。ぜひ、全国、各道府県にある廃棄物焼却施設の排出するダイオキシン類の濃度の公表を早急に望みたい。( Apr. 17. 1999 )


 〜〜メダカのがっこうは、かわのなか〜だれがせいとか、せんせいか〜〜  小川や田んぼから、メダカやドジョウ、タニシなどを見かけなくなってから久しいですね。それもそのはず、メダカやドジョウが絶滅種に指定されると言うのです。この辺りも20年位前までは、裏の田んぼにドジョウもいましたし、夏にはホタルもたくさん飛んでいました。

 しかし、農地の区画整理が進み、水路が次々にコンクリートで固められ、ヘリコプターで農薬を散布するにつれて、メダカもドジョウもホタルも姿を消してしまいました。今では、地域福祉ボランティアがホタルの飼育をしています。しかし、一旦失われた自然は、なかなか元には戻りませんね。相変わらず、たんぼ道の除草にも除草剤が使われていますが、農協も行政も除草剤を制限していませんし、果樹園の消毒剤にも制限はありません。

 私は小さな家庭菜園を作っていますが、以前は化学肥料を使っていました。野菜は大きくなるのに、雑草が生えないのです。土も何だかサラサラで粘り気が少ないように感じるのです。ついに化学肥料の使用を止めて、有機肥料や落ち葉などの堆肥にかえました。そうしたら、生えてきました、雑草が! 自然とは正直なものです。有機肥料も成るべく多く使用しないよう心掛けていますが、肝心の野菜は大きく育ちません。でも、色が濃く、長持ちします。味も、心なしか良いように思えます。

 化学肥料の無かった時代は、お百姓さんは重労働で大変でしたが、楽して多収穫ができる現代は、やはり、その代償で自然を失ったのですね。メダカが絶滅種に指定されても、政治も行政もその原因を知りながら、何もしないんでしょうか?( Feb. 20. 1999 )


 NHKテレビの「地球と生命のために  環境運動の先駆者レイチェル・カーソン」を録画して、ゆっくり見ました。これは「沈黙の春」(文献参照)の著者レイチェル・カーソンの生涯をドキュメンタリーで綴っている貴重な番組です。

 番組の中では、「奪われし未来」の著者シーア・コルボーンさん等も登場して、レイチェル・カーソンさんの業績を通して現代の化学物質の危険性を検証しています。そればかりではありません。シーア・コルボーンさんは、こう述べています。「私は近々引越しをしますが、皆さんが古いものは捨てて新しいものに買い換えるチャンスだと言いますが、私は捨てるために買ったのではなく、何時までも使うために買ったので捨てるつもりはありません。今は子供達にブラスチックのオモチャを与えますが、子供達に与える必要があるのは教育です。」

 自然や環境の大切さついて、レイチェル・カーソンさんの養子のロジャー・クリスティさんは、こう言います。
「簡単なことです。子供達を森の中に連れてくればよいのです。私がレイチェルから教えてもらった大切なことは、「センス・オブ・ワンダー」、自然の神秘を感じ取るということです。それが子供達に伝える一番大切なことだと思います。」
「センス・オブ・ワンダー」。これは小さなロジャーと一緒に海辺や森を歩いた体験を書いたもので、レイチェルさんの遺作となりました。

 これだけではありません。「沈黙の春」は、アメリカの化学工業界から多くの批判を浴びました。しかし、この著作の内容についてケネディ大統領は調査を命じました。そして調査委員会がカーソンを支持したことによって、アメリカは環境問題として取り上げて問題の解決について進みはじめたのです。そして環境ホルモンの問題にしても、後にシーア・コルボーンの「奪われし未来」の著作に副大統領アル・ゴアが序を寄稿しています。

 日本では、こうはいきません。臭いものには蓋の考え方が政治家にも行政にもあります。化学工業会も当然責任を回避したり、他に転嫁したりして、真実を調査し公表することをかたくなに拒否するでしょう。現在話題(?)になっている埼玉県所沢市のダイオキシンの問題がよい例でしょう。私達が事実を知る努力をして、もっと賢くなり、良い政治家を選ばなければなりません。( Feb. 14. 1999 )


 再び、吉野川河口堰の建設問題であるが、住民の半数近くの署名に基づく計画の是非を問う住民投票条例案に対し、徳島市議会は反対多数で否決したとある。市の行政に住民の参加を拒否するという大きな問題であろう。

 この事件はこれだけでは済まないだろうと思うが、私達の町にしても、行政や市議会は私達市民の味方ではないと思い知らされることが少なくない。市会議員自体が、市の行政を考えるのではなく、特定の有権者(後援者たる部落)の利益に関与して行政を動かすことに精力を使っているのではないだろうか? これらの問題に付いては、政治の問題として別に論議するつもりでいる。( Feb. 9. 1999 )


 名古屋市の藤前干潟のごみ埋め立て処分場の建設問題は、自然環境保護団体の地道な活動と、国際的な干潟の環境保全を背景に、環境庁が難色を示したことから、埋め立て認可の権限を持つ運輸省(何で運輸省なの?)も環境庁にならって計画の見直しを示唆したとある。

 藤前干拓の埋め立てに対する環境アセスメントに57億円もつぎ込んでいると言うから、このアセスメントは何だったのか? アセスメントの結果の情報公開はされたのか? 今年6月には環境アセスメント法が施行されると言うから、掛け込みで大規模公共工事に持ちこみたかったのではないかとも推測できる。
 確かにごみ処理の問題が大きな問題ではあるが、ゴミを出さないための工夫にこそ、行政は頭と資金をつぎ込むべきではないかと考えるし、環境庁や運輸省も対岸の火事ではなく、自分達自身の問題として取り組むべき姿勢が必要なのではないだろうか?

 東京湾の干潟、三番瀬の埋め立てについても、当然公共工事の見直しが行われるだろうし、多くの反対を押し切って実施した諫早湾の締め切り工事による干拓の消滅で、人間以外の多くの生物を犠牲にしたことは、公共工事の自然環境破壊の見本として後世まで批判されるに違いない。
三重県北川知事のように公共工事を見直し、中止の決断が出来る政治家が今必要とされている。( Jan. 27. 1999 )


 環境庁の発表によれば、大気中のダイオキシン濃度が異常に高くなっていることが全国調査で判明したそうだ。
 もともと外国での規制値より我国の規制値は、はるかにゆるいにもかかわらず規制値より高濃度のダイオキシンが多くの市町村で観測されている。ほとんどがゴミ焼却炉からの発生と考えられるため、今後の対策が急務となった。それでも環境庁は「現在の濃度の大気を吸っても健康に影響は無い」といっているようなので、お役人の感覚を疑いたくなる。

 ダイオキシンの直接汚染の影響は目にみえないが、胎児への影響が一番心配されている。日本各地で焼却炉の建設反対の運動が盛んであるが、根本的には、廃棄物を出さない(ゼロエミッション)ためにはどうすればよいか知恵を出すことだ。
 プラスチックが無かった昔は、自然にあるものを循環して使うことで廃棄するものが少なかった。昔に帰ることは難しいかも知れないが、我々自身が「廃棄物を出さない。有害なプラスチックを確実に分別する。廃棄物を処理するための費用を自分達が負担する。」という決心をしなければならない段階にきたといえよう。

 ダイオキシンだけでなく、給食のポリカーボネート食器から溶出する環境ホルモン物質(ビスフェノールA)にしても、通常家庭で使用する陶器の食器であれば問題はないはずであるが、何故かその話しにはならないのが不思議だ。それに給食は戦後の食料難の時代の産物でもあるのだが、給食を止めるとなると何故か(理由はわかっていると思うが)主婦連の猛反対が上がる。今何が大事で、何が必要なのか判別がつかないのが現実の世界だろう。

 便利さにならされてきたことのツケが今きている。「良くはしたいが金は出したくない。不便になるのはごめんだ!」というエゴイズムが全てに現れている。極端なことを言うようだが、このままではいずれ地球には住めなくなるかも知れない。( Dec. 24. '98 )


 第6回「地球環境経済人サミット」が日経ホールで開かれました。
 資源循環型社会の実現に向けて企業のあり方が問題となったようですが、昔のと言うより昭和30年代以前の日本の社会では、そんなことは当たり前だと思っていたし、それぞれの企業も資源を大事に使うリサイクルシステムの商品供給をしていました。

 それが急激な経済成長につれて大量生産、大量消費の浪費社会を造り上げてきたのではないかと思います。更に追い討ちをかけたのが、大型の安売りスーパーの出現でしょう。我々市民もバカでしたよね。一円でも安いスーパーの特売で不必要なまでに大量買い込んで、幸せに思って廃棄物には気が付かなかったのです。企業の売れりゃ何でも、あるいは価値判断のつかない子どもや学生を狙っての商品の売り込み、乱売等も現在の環境破壊につながってきているのではないでしょうか?

 東京都の環境保全局長が「住民の環境に対する意識を如何に行動に導くかが課題だ」と言っているようですが、住民は既に環境問題にたいして厳しい目を持っており、各地区での活動も年々盛んになってきています。
 一番遅れているのが、企業と各自治体の環境対策、あるいは啓蒙ではないでしょうか? 行政は「リサイクルですよ!」と声だけ張り上げて何も施策が出来ていないのが現状でしょう。学校教育も環境に関する教育に力を入れているとも思えません。小学生はともかく、中学生、高校生などのコンビニでの飲み食いや食べた後の散らかし様は見るに耐えません。

 住民に環境に対する負担を強いる前に、企業や行政のやるべきことがまだまだあるのではないでしょうか。自分達の義務と責任を、税を負担している国民に転嫁してはいけません。( Nov. 9. '98 )


 国と阪神高速道路公団を相手に争っていた「西淀川公害訴訟」で、国と道路公団が道路公害に対する抜本的な対策に取り組むことを条件で和解が成立した。それに続いて、「川崎公害訴訟」においても国と首都高速道路公団の賠償責任が認められ、今後の道路(交通)行政に対して大きな課題を与えた。

 従来、建設省では道路を造ることに主眼が置かれ、住民の騒音、排ガス等による被害に対しては何の考慮もされてこなかった。即ち、建設省は道路を造ることが仕事であって、それによって生ずる大気汚染や騒音対策は、運輸省や通産省あるいは環境庁の自動車の排ガスや騒音・振動規制に委ねる形で運用されてきたに違いない。これこそ官による縦割り行政の最悪たるものであろう。国とか道路公団は、被害の当事者でないために何の痛みも感じなかったし、訴訟になっても公共工事という錦の御旗で今日まで数少ない弱者に対応してきた。

 今回の判決は公害訴訟において大きな成果をおさめた。公害に苦しみながら粘り強く戦ってこられた原告団に賛辞を送りたい。これからは住民を忘れた地域開発は有り得ないことをこれで示したことになる。しかし、これで公害が無くなるわけではない。われわれ市民自身が公害に対してより一層関心を持って行政を監視し続けることが必要だろう。( Sept. 3. '98 )


 徳島県吉野川の河口堰建設で、環境アセスメントの評価結果や住民の反対を押し切って、従来あった石積みの堰を可動式の堰に変える一千億円もの大型の公共投資を建設省は着工しようとしているらしい。
 丁度諌早湾の干拓事業に酷似しているとは思えないだろうか? 官僚とゼネコンあるいは族議員も絡んで、相も変わらず自然破壊と税金の無駄使いか? 
 国主体の大型公共事業は国会で十分審議し、地方自治体主体の小規模公共事業は、補助金の審査を厳しくして無駄な補助金は出さないことにしないと、いつまで経っても適正な公共事業は行われず、予算獲得目的のための公共事業がはびこるに違いない。
 長良川取水堰、諌早湾干拓、吉野川河口堰が3大悪公共事業とならないように願っている。( July. 17. '98 )


 環境庁が、自動車の型式認定に際して、排出する大気汚染物質量に応じた格付けができるよう技術指針を改訂した。
 これによって将来、低公害車への税制上の優遇措置を導入することが可能になる。しかし、お役所のやることは表面的には良い考えにみえても、自動車工業会なんぞの圧力などで何年もの猶予期間を設けたり、肝心の現有車や中古車に適用されなかったりして、実効性がうすまる場合が少なくない。これらは、単独省庁で考えることではなく、運輸省や国税庁などとも協同して検討して欲しいと思うがどうだろうか?( July. 4. '98 )


 やっと環境庁厚生省もみこしをあげましたね。環境ホルモンの影響についての実態調査を全国規模で開始することになり、環境汚染を引き起こす可能性のある化学物質を取り扱う企業は、厚生省と通産省に報告する義務が生じます。

 遅きに失する感は否めませんが、何はともあれ結構なことです。あとはお役所仕事ではなく速く、確実に手を打っていって欲しいと思います。疑わしきものは罰せずではなく、疑わしいものは、まず暫定的にでも使用を禁止して、影響がないと言う結果がはっきりしてから許可して欲しいものですね。エイズの轍を踏まないことを願っています。
 また、ダイオキシンによる環境汚染についても、京都での日本環境化学学会で、野焼きが発生源ではないかと大きな問題となっているようです。ダイオキシンの測定も数分で測定できる方法が九州大学で開発されたそうなので解明の光が見えてきました。さすが技術日本! ですね。( June. 5. '98 )


 NHKテレビのサイエンスアイ「環境ホルモン」を見た。すでに「奪われし未来  シーア・コルボーン他共著 長尾 力訳(参考文献参照)」を読んだ方はお分かりであろうが、人類が排出する化学物質が生殖とかかわるホルモンのように働いて、生物(人間も含めて)の生殖異常をもたらすことが判明し大きな社会問題になっている。本来なら厚生省や環境庁が騒ぎ出すはずであるが、混乱を恐れて知らんふりをしている。第二のエイズ問題といえようか。

 化学物質の環境汚染と生物に対する影響については、すでに30年以上前の1962年にレーチェル・カーソン著の「沈黙の春(SILENT SPRING)」(邦訳は当初1964年6月に新潮社より「生と死の妙薬」として刊行されていた)があり、諸外国では重大な問題として科学者が早くから研究に取り組んでいる。私自身は、外国の問題だとたかをくくって静観していたが、今回のTVドキュメンタリーから、日本での実態調査の結果が諸外国のそれと変わらないことを知って、「これは大変なことだ!」と改めて鳥肌の立つ思いがした。

 環境ホルモンとして影響のある化学物質の代表的なものは、PCB、DDT、ダイオキシン類である。これらの化学物質は水に溶けて川に流れ込み、海に流れ込んで世界中に広がり、さらに食物連鎖によって生物すべてに影響を広げつつあると言う。
むろん人にもすでに影響が現れはじめ、人類の未来に暗い影を落としはじめている。奇形、生殖異常、特に男性の生殖能力の低下が著しくなってきていることが判明している。今すぐに手を打ってもすでに排出された化学物質の影響は、子孫に長く影響を及ぼし、ひいては地球の未来に関わってくるだろう。今までどおり人類が無差別に化学物質を製造し、化学薬品に頼る生活を続ける限り人類、いや生物全体が滅びることになる。かけがえのない地球で、人間の利益のためだけに自然環境の破壊は決して許されるものではない。 ( Mar. 7.'98 )


 温暖化対策京都会議が、評判の悪い排出権取り引きを含みながらも、議定書を採択して終わった。これからが本番ではあるが、日本6%、米国7%、EU8%という。6,7,8は「登りインケツ」といって、「オイチョカブ」では最も悪い手札だ。やはり先行き不安か?

 0%を強硬に主張していた米国が、何で7%まで認めたのか? 0%は単なるジェスチャーだったのか? 一律15%を主張していたEUが、なぜ8%まで引き下げたのか? また、それに振り回されていた議長国、日本の6%は何なのか? それにしても、何%とは一体何なのか? 何を基準に測るのかよくわからない。
 素人考えでは、CO2を発生する化石燃料を一人当たりの消費量に換算し、現在の使用量に対する削減率で表した方が、よほど分かり易いような気がするが、どうなのだろうか?

 先に友人とデイベートしたのだが、日本のエネルギー消費の増加率を、90−95年度で見ると

   産業部門   4.9%
   運輸部門  16.5%
   民生部門  19.4%

となっていて、消費率の内訳が

   産業部門  40.3%
   民生部門  24.9%
   運輸部門  20.4%

となっており、運輸部門だけのCO2排出量をみると

   自家用車(貨物車含む) 67%
   営業用貨物車      16%
   内航海運         6%
   タクシー/バス      4%
   航空           3%
   鉄道           3%

だそうですから、自家用車の排ガスの問題と家庭でのエネルギー消費の増加が、一番問題になると思われます。国民一人一人の関心と削減の努力が、今後の温暖化対策にいかに重要かが分かります。エネルギー消費の規制も、この方向に向かうに違いありません。便利さをいかに我慢するかが勝負どころですね。( Dec. 11. '97 )


 今年のモーターショウは、環境に優しい自動車とかで、低公害車が注目を浴びていたようだが、これから販売する自動車は低公害を売りにするとしても、現用車や中古車の排ガス問題はどうしようとしているのか、さっぱり見えてこないし、こんなことで環境問題は大丈夫なのかと心配しているのは私だけだろうか? CO2の温暖化対策会議だって表面的な駆け引きだけだと思うのは、ひが目だろうか?

 削減目標とは、実施可能な目標ではなく、その目標に対して達成するための技術革新を各界で検討し、努力して達成することではないのだろうか?
 そのためには、我々一般人も今までの生活を続ける事ではなしに、それなりに我慢しなければならないことも出て来るに違いない。しかし、地球の環境を守るため、ひいては我々人類が生き残るためには仕方のないことだろうと考えるがどうなのだろうか? ( Nov. 12. '97 )


 神奈川県は、ダイオキシン対策として県内の公立学校の焼却施設の使用を禁止すると言う。これは全くばかげた発想と言うしかない。

 ダイオキシンがどういうメカニズムで発生するのかを明確に示して、塩素化合物を含む物(例えば、ビニール袋、ビニールシート、ビニール系のプラスチック等)の焼却を禁止するべきで、コントロールの可能な公立の施設である学校の焼却施設の使用を禁止する必要はない。

 それよりも危険なのは、電気工事、建設工事等でのビニル被覆電線の端材や使用済み廃却品(銅線を回収して売却する)、家屋の内装に使用されるビニールシートの壁材や硬質ビニール配管の端材の焼却等が当然のごとく工事現場で野焼きされていることだろう。いくら焼却施設の使用を禁止しても、これらの規制がされない限りダイオキシンの発生を抑制できない。

 お役人の考えることは、いつも表面的で、体面を繕うことだけに終わってしまっている。目的と手段を間違えないようにするべきで、問題がどこにあるかを十分議論すべきではないか。各市町村の焼却施設におけるダイオキシンが常時監視できるシステム作りも必要だろうし、家屋の火災が発生した時のダイオキシンの発生をどうやって防止するのかも、よく考えなくてはならない事だろう。

 また、本当に必要なことは、早急に県下の各企業内の焼却施設の現状や電気工事等の後始末の状況も査察して規制を実施しなければ、公立学校の焼却施設の使用を禁止して、紙くずの焼却を外部に依頼する手間と経費などは全くムダなことだと思うが、どうだろうか?( Oct. 25. '97 )


 地球温暖化防止条約京都会議に向けて、政府は温暖化ガスとしてCO2以外にも代替フロン類などを含め、計6種類を削減対象に決めて提案するようだ。

こうなれば冷蔵庫やエアコン(自動車用も含む)等、今まで回収・処理を義務付けていなかっただけに、それらのインフラの整備が急務ではないか? 特定フロンから代替フロンに代わるまでにも大変だったのに、すでに廃却されようとしている冷蔵庫やエアコンのフロンガスの回収や無害化処理が果たして順調にいくのだろうか? 早急にそれらの回収を義務付ける法律を定めないと後手に回る恐れがあろう。

 またダイオキシンの問題にしても、地球温暖化以上に人体への毒性の危険性が憂慮されており、焼却炉の問題だけでなく焼却の対象物の特定と分別回収の義務付け、塩素化合物系のプラスチック類の製造及び使用範囲の規制まで実施しないと、取り返しのつかない事態になるような気がする。
お役所仕事にまかせておくといつになることやら。またやったように見せかけて平気で虚偽の報告やらをする可能性があるから、しっかりと監査する体制も立てておかないと動燃の二の舞になりかねない。( Sept. 23. '97 )


 CO2削減交渉に関して、日本政府は、アメリカを意識して削減目標値を各国一律に設定するのでは無く、先進国の間で排出目標を設定し、目標に達しない国が余裕のある国から排出権を買い取るという「排出権取り引き制度」を提案するとある。

 しかし、すでに地球温暖化については、CO2の排出規制は急を要する問題となっていることは明らかであり、技術的な解決についてもそれ程難しい問題ではないはず。各国一律に目標値を掲げてCO2の削減に取り組み、達成できない国は、達成するための技術を買うというやり方の方が確実なような気がするが、いかがなものであろうか? ここにも目標値を達成できないと見る先進大国のエゴがあるのではないか? 先進技術大国としての日本の出方次第がこれを左右すると考える。エネルギー総量規制も含めて、よい意味での「欲しがりません勝つまでは」精神を堅持してほしい。( Aug. 4. '97)


 またもやタンカーの座礁による原油の流出事故が発生した。先のロシアタンカーによるもの2倍もの量(実際は少なかったようだ)が東京湾の中で流出している。
今回は航路のミスらしいが、何故そう簡単に油槽の破損につながるのか分からない。大海でタンカーが座礁すれば、大量の原油あるいは重油が流出し、大きな環境汚染が発生するのは自明なのに、タンカーの構造は破損に耐えるように出来ていないのだろうか?

 ずいぶん前の話になるが、リジッドな油槽では嵐などで遭難、破損し、油もれの危険があるので、大きなビニール袋のような油槽を造り、それを曳航する方式のタンカーを建造したらどうかと言う案があったが、もっと真剣にタンカーの安全構造まで論じる必要があるのではないだろうか? ( July. 4. '97 更新 )


 NHKのETV特集「21世紀の日本人へ(2) 福岡正信W大地の力にすべてを託すW」を見た。

 自然農法を実践し、濫伐、乱耕による砂漠化した土地を緑化する方法を提言して実際に成果を挙げておられる。土地にはやせた土地も肥沃した土地もない。すべては人間が自然に逆らって、食べるためではなく売って金儲けをするために植物を育てることで土地を荒廃させている意味のことを述べられていたが、ご自身が実践して証明されているために非常に説得力があり、感銘した。また便利さとは何かを改めて考えさせられた。

 私も3年ほど前から偶然、菜園になる土地を借用することができて、以前から自然農法に興味を持っていたために色々やってみているが、立派な野菜を作りたい心が先に立ってつい肥料を沢山使ってしまう。植物も、虫も、小鳥もすべてが共生するのが自然であることを改めて感じ、自然と人間の共生という意味をもう一度考え直す機会を得た。
 これを見れば、いま問題になっている諌早湾の農地造成のための干拓が如何にばかげた計画かが見えてくる。このテレビ番組は、ぜひ農林省や建設省、それに農家の人達にも見てほしいものである。( May. 20. '97 )


 4月22日はアースデー(地球の日)だそうである。私達全てが地球の環境を守るために、一斉に行動をする日とのことであるが、たまたま政府・与党の財政構造改革会議で、総合交通利用税や水源税などの増税論が注目されている。

 地球環境保全のために必要な受益者負担という点では、大いに賛成したい。所得税の減税は必要と思うが、環境保全に関しては、私達の意識が薄いのは否めない。水道の使用にしても、ごみ問題にしても「税金を払っているんだから」当然というような意識ではないだろうか。
 これからは、環境の保全のために受益者が負担をするという方向で必要な費用を税金として納めることで、私達自身の環境保全に対する意識を向上させていかなければならないと考える。他方、公共事業の見直し等で、不必要な都市開発による環境破壊などを抑制していかなければならないだろう。( Apr. 22. '97 )


 リサイクル法の施行で都市町村では混乱に陥っている。リサイクルそのものは歓迎すべきもの、いや資源回収という点では重要なことではあるが、厚生省にしても環境庁にしても回収のための現実にはとんと無関心で、「やらねばならぬ」のお役所的発想ではないかと疑いたくなる。

 私達の町にしても、市役所からの一枚の通達で「分別収集するから、このように出すこと」と書かれてある。
しかし実際に分別しようとするとさっぱり要領を得ないのである。ペットポトルといってもプラスチックトレーといってもいろんな種類があって、形だけでは見分けられないのだ。

 まずメーカに対して材料表示を義務付けることが先決ではないのか? そして、どのような材料別に分別収集するのかを明確にして、市町村は各自治会単位に説明会を行って周知徹底を図ることが必要ではないか。収集にかかる多大な費用には、私達の税金が使われるのだぞ!。
紙っぺら一枚で何でも済ませるお役所の体質にはとても付き合いきれない、と思うのは私だけだろうか?

 一方、故紙回収業者では、回収した故紙の処置に困っていると聞くが、全てのリサイクルについて、リサイクルのシステム作りやインフラの整備はどうなっているのだろうか? ( Apr. 22. '97 更新 )


 今世紀最大のヘール・ボップ彗星を観測した。(4/1〜6が最も良く、夜7時頃の西北の空の低い位置で肉眼でも見えるといわれたが、あいにく天気がわるかった。)
 東京都では、光害のため星の観測が出来なくなっている。そこで今回夜間の照明を消すことを提案し各方面に依頼したところ、パチンコ業界をはじめ首都道路公団等がベイブリッジの照明(何のために橋をライトアップしなければならないのかね)など2/3の照明について消灯したのだそうだ。

 結構、結構。田舎に住んでいる私でさえ、すでに光害で天体観測は難しくなってきている。夜間の無駄な照明もさる事ながら、深夜のテレビ放送なども電力の無駄使いじゃないのかなぁ。誰もが疑問に思わず、それが当たり前と思っていて自然に感謝しなくなってきているんだろうなぁ。もっと私達がエネルギー問題に関心を持つようにならなければ。( Apr. 18. '97 更新 )


 CO2の排出増加によるオゾンホールの拡大によって地表上に有害な宇宙線が降り注ぎ、皮膚ガンなどの発生を引き起こすとか、地球の温暖化によって極地の氷が融解して海面のレベルが上昇し、日本は沈没するのではないかなんて言われたこともあるよね。

 それだけでなく、年々自然環境の破壊が問題になって来ていることも確かですよね。山を削り、川をコンクリートで固め、田畑を埋め立てて工場やビルを建て、海さえも埋め立てて臨海工業地帯と化し、道路という道路はたんぼの道も山の上までもアスファルトやコンクリートで舗装してしまう。草木も生えず、水は地下へしみこまず、地下水は枯渇し、雨が降れば、山は崩れ、川は氾濫する。相も変わらず工事工事でゼネコンは笑いが止まらねえ!。

 またエアコンの普及によって年中快適。テレビは四六時中放映され、街中が不必要に夜中まで照明されている。電力のムダ使いは、結局火力発電により石油の浪費とCO2やNOxの排出増加になっているんじゃないの?。
自動車だって不必要なくらいに(貧乏な私だってもってるんだもの)増え、慢性的に渋滞が発生し、又これによりCO/CO2やNOxの排出に輪をかけることになる。誰もが「わかっちゃいるけどやめられねぇ!」。

 幸か不幸か私は先頃定年になって、健康のためとて自動車に乗らずつとめて歩くようになり、たまたま大気汚染の防止にいささか寄与することになったんですよ。しかし、歩いてみて道路がまず車優先に造られていて、歩いたり自転車に乗ったりする人に対して、いかに不便で危険が多い造りになっているかがわかった。信号機も横断する人の安全は考えていない。右折車に何度もはねられそうになった。スクランブル交差点にするべきだろうね。赤信号に切り替わっても、すっとんで走り抜ける車も多いからね。なぜ60秒位待てないのかね? どうせ次の信号でストップするかも知れないのに。

 自然を破壊すると、元に戻るまでには何億年もかかるわけでしょうし、人間はしょせん自然をコントロール出来るわけじゃないんだから、便利だからと安易に思わないで、みんなでほんとうに真剣に考えなきゃね!


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