「環境」tommyのつぶやき2002年

 県と、かながわ地球環境保全推進会議、ストップ温暖化ネットワーク主催の「ストップ温暖化のつどい」へ行ってきました。平成14年度のかながわ地球環境賞の表彰式で南足柄市自治会長連絡協議会が表彰を受けるので、どんなことかな?と冷やかし半分と、NEDOの新エネルギー・産業技術総合開発機構 導入促進部長の上林氏の記念講演、それにパネルディスカッションが行われるので興味があって、横浜まで出かけていきました。

 各表彰者から活動内容の説明がありましたが、直接温暖化防止に貢献し、データとして見られるものは少なくてガッカリしました。そこには県としての行政の指導する姿勢というものが見えてきません。地球温暖化防止は、緊急課題だということが伝わってきていませんし、制度として定着させるための施策も明確ではありません。政府と同じく各企業や民間のNGO、それに一般家庭の環境家計簿で省エネルギーを進めてくださいという待ちの姿勢なのでしょうか? 責任を追及されない官僚体質がそのままです。市民がいくら一生懸命、省エネルギーだと言ってこまめに消灯したり、寒さをガマンして暖房を節約したところで、根本的対策にはならないのです。環境家計簿は、一つの手法であって温暖化防止の対策ではあり得ないのです。判っていませんよねぇ!

 それに比べると、上林氏の講演はなかなか良い指摘がなされていました。氏も組織の中ではかなりの異端者ではないかという気がしました。立派な「新エネルギーガイドブック」を頂いてきましたが、立派なガイドブックを作ってみても、それを活用してくれる人が居るのですかねぇ? と首を傾げていました。おっしゃる通り、何しろお役所は、立派なPR誌やパンフレットを作るのが得意ですから、それを作るのが目的になってしまっているんですよ! 本当は、温暖化を防止することが目的で、PRは一つの間接的な手段でしかないのです。判っていますかねぇ?

 クリーン・エネルギーを潤沢に供給できる制度を作ってください!
 リサイクルやリユースが当たり前になる制度を作ってください!
 過剰包装を止めるような制度にして下さい!
 太陽光発電装置を設置したら費用の半額を助成して下さい!
 省エネに努めたら、その分税金を還付する制度にして下さい!
 自家用車より公共交通機関の方が便利な街造りをして下さい!
 テレビ見るのを一時間減らすより、4,6時中放送するテレビの放映時間の短縮をして下さい! 本気になって考えていますかねぇ?

 それに比べると民間は頑張っていますよねぇ。日経新聞によれば、第六回「環境経営度調査」で、産業界の2010年度を目標とするCO2の削減計画では、1990年度比12.5%減で、政府が求めている7%を上回ると言いますから、心強い限りです。この技術によって世界の環境対策技術のトップランナーになって、更に経済も上向いてくれればバン万歳ですが…。
一番心配していた中古車トラックの排ガス対策も、オリックスやNKK、日本工営など六社が新会社を作り、中古トラックを引き取り、排ガス浄化装置(DPF)の装着やエンジンの交換を行って、環境負荷の低い車に改造して販売するそうです。

製造業の環境経営度の総合ランキングは、

  1.日本IBM
  2.キャノン
  3.NEC
  4.リコー
  5.松下電器産業
  6.ソニー
  7.九州松下電器
  8.デンソー
  9.ホンダ
  10. 富士写真フイルム
となっています。トヨタ自動車は惜しくも11位でした。頑張って下さい。

 また、24時間営業などで気になっていたコンビニエンス・ストア5社が、省エネ機器を開発し、店舗のCO2排出量を平均30%削減するといいますから、民間企業の努力は確実に期待できそうです。

 それに対して、環境省と文部科学省は小中学校の教師や子供達に対して、環境学習の指導者養成のための研修会を2003年に開催するとか。小中学校への環境教育へのお手伝いは、多くのNGOや民間ボランティアが既にやっています。お上のやることは、いつもワンテンポずれていますよね。本当なら、京都議定書の決まった1997年の翌年(平成10年)にはスタートさせるべきではなかったのでしょうかねぇ?( Dec. 16. 2002 )


 「エコ・プロダクツ2002」に行ってきました。現在、環境家計簿をつけて地球温暖化防止のためCO2の削減に挑戦していますので、最も問題となるクリーン・エネルギーを中心に調べてきました。

 クリーン・エネルギーといえば、風力、太陽電池、燃料電池となりますが、さすがに風力発電の家庭用は決め手はありません。必要な電力を得るためには非常に大きなプロペラが必要になりますので、庭先に設置するというわけにはいきません。しかし、これを可能にしようとシロッコ・ファンの羽根を縦型にしたような形のサボニウス風車発電装置を出品していたところがありました。現状では300Wの出力がせいぜいで、実用にはまだまだ解決すべき課題が多いようですが、決して不可能ではありません。実は、私もこの方式の腹案を持っているのですが、構造に付いては○秘です。

 太陽光発電は家庭用としては最も一般的で、既に多くの家庭で設置されていますし、国の補助金も有って普及し始めていますが、その助成金も今年限りで打切りになる(どうして?/高速道路や整備新幹線を造ることを継続させるためには助成金を少しでも減らしたいというのが、自民党の道路族、公共工事族の思惑なんでしょう!)ので温暖化防止が絵に描いた餅になる心配があります。

 太陽電池の問題点はその電力変換効率の低さです。現在その効率は12〜14%位で、最も高効率のセルを開発しているサンヨーでも18.5%です。安価な多結晶シリコン太陽電池では理論的にも最大効率が24%位だそうですから、家庭用に必要な3kwを得るにはかなり大きなパネルを屋根に設置しなければなりません。
しかし、安心してください。単結晶シリコンやアモルファス(非結晶)シリコンあるいはシリコンとは別の半導体で太陽電池が安価で実用化できれば(ブレークスルーがあれば)、もっと高効率のものが出来る可能性があるそうです。実際にサンヨーでは試作品ですが変換効率21%のセルが展示されていました。また各セルを組み合わせたモジュールでも1〜2%効率は下がります。その上、太陽電池は直流のため、家庭用の交流に変換する必要があり、そのためのパワー・コンディショナーでの変換効率が95%位ですから、実際には更に出力は下がります。その点を考えると風力発電は、直接発電機を回転させて電力を取り出せるので、変換効率は高いと言えます。

 また、トヨタ(会場に出品されていた燃料電池自動車には黒山の人だかりでした!)とホンダで話題の燃料電池を家庭用に作る方法もあります。数社から家庭用として出品されていたのは、発電能力が1KWのもので価格が100万円位のものがほとんどでした。これは、現在の技術ではこれ以上の出力にすると形が大きくなることと、価格が高いためでしょう。あくまで太陽光発電の補助的(太陽光が利用できない夜間等に発電する)に使うためでしょう。更に燃料電池の場合は、排熱を給湯に利用できるコ・ジェネレーションが特徴です。現在は、燃料である水素や天然ガスを供給するインフラが整っていないので普及には時間が必要でしょう。しかし、もっと小型で安価になれば有望です。

 その他には、電力会社が薦める、太陽光発電と組み合わせて夜間電力を利用する給湯システムのエコキュートです。これは、ヒートポンプという温度差を利用して大気から熱を吸収して温水をつくる方式(現在の家庭用エアコンの暖房も同じ方式で、電熱ヒータではありません)で、余っている夜間電力でコンプレッサを回して冷媒のCO2を圧縮、膨張させて温水を作ります。そのため、昼間は太陽光で発電して、余剰電力を電力会社に売り、夜間は料金の安い夜間電力を利用してお湯を作るというものです。

 このエコキュートの契約を結べば、夜間はむろん昼間の買電の電力料金は安くなりますし、太陽光の余剰の電力も高く売電できるというシステムで、かつエコロジカルだというわけです。エコキュートには、普及促進のための導入補助金制度があって、平成15年2月10日が申請期限となっています。既に導入した人の話を聞きましたが、太陽光発電でわずかですが儲けているということです。昼間の買電がほとんどないし、オール電化で朝早く起きて夜間電力(8時まで)で掃除、洗濯、調理など全てを済ませるからと言っていました。(朝寝坊には出来ませんねぇ! エコ・ライフには、それなりの努力が必要なのです!)

 その他には、オゾン層を破壊しないイソブタンを冷媒とした“ノン・フロン冷蔵庫”です。最初は松下電器だけでしたが、このショウでは、ほとんどのメーカがノン・フロン冷蔵庫を出品していました。これから買い替えるなら文句無しにこれです。イソブタンは漏れても無害だそうです。冷凍能力も従来のフロンと変わりないそうです。実用化が遅れたのは、イソブタンが可燃性で取り扱いにくかったためだそうです。

 他にも農薬を使わない木性エキス(サンプルを入手しました)を使う栽培とか、木材を使わないで木粉やトウモロコシやワラその他の植物の繊維を生分解性プラスチック(サンプルを入手)で固めた材料で作った家具類など、色々ご報告したいことはありますが、別の機会に紹介しましょう。( Dec. 8. 2002 )


 日経新聞によりますと、BMWが、先に燃料電池車の発売を決めたトヨタやホンダに対抗して水素自動車の走行実験を開始するそうです。この水素自動車というのは、液化水素を従来のエンジンで直接燃やして動力とするもので、排出ガスの代わりに水が出ます。最高時速が215Kmで、航続距離が300Km以上といいますから、実用性は問題無いでしょう。水素が切れたら、ガソリンでも走行できるようですから万全です。既に試作車では、17万Km以上の走行テストを終えているので自信満々と言うことでしょうか?

 いよいよ、自動車は水素の時代が到来するのでしょうか? 次は、電気エネルギーですが、こちらは太陽電池と風力発電が注目されていますが、水素による燃料電池や水素タービンや水素エンジンによる発電も期待が込められます。水素スタンドのインフラ整備が急務ですねぇ。

 “エコプロダクツ2002”フェアが、12月5日〜7日まで東京ビッグサイトで開催されます。環境とエネルギーに興味のある方は、ぜひお出かけ下さい。http://eco-pro.comにアクセスして事前登録すると、ステキなプレゼントが当たるそうですよ!

 話しは変わりますが、受講していた温暖化防止の講習会も、3日間のスケジュールを無事消化しました。2日目は、太陽光発電パネルやソーラー・クッカー(調理器)などの見学と太陽電池を使った充電器の製作講座で、3日目は受講者の体験発表と今後の取組みに対するワークショップでした。

 せっかくの受講の機会を有効に利用しようと、温暖化への取組みについての発表を引き受けましたが、いざデータを準備する段階で困りました。今年の10月度の水道、ガス、電気などの領収書が残っていたのですが、それと比較するための前年度の水道の領収書が見当たりません。引越しの時に何処かへ紛れてしまったのかもしれません。仕方が無いので市役所の水道課へ電話してデータが残っていないか尋ねてみました。不審そうな市役所の担当者も、環境家計簿のデータとして必要だと聞いて調べてくれました。データが揃ったので、後はCO2に換算して昨年のデータより削減されていれば面目が保てます。

 計算の結果4.3%減となってホッとしました。あとはどのような資料を作るかですが、県の環境科学センターの担当者の話では、手書きでもワープロでもかまわないが、マイクロソフトのパワーポイント(プレゼンテーション用ツール)が良いような口ぶりです。確か、昔買ったMS・OFFICEのWordやExcelと一緒にあったような気がしましたので調べて見ましたらマニュアルも見つかりました。使ったことはありませんが、勉強のチャンスに恵まれたのだと思って挑戦してみることにしました。ところがマニュアルを読んでみても要領を得ません。やはり老人のボケがきているんでしょうか?

 悪戦苦闘したあげく、もう一息というところまできました。ちょうど末っ子がやってきたので、これ幸いと助けを呼びました。ところが彼も詳しくは分かりません。しかし、そこは若さですねぇ! 後一歩です。ここまでくれば経験豊富な親父の面子があります。彼が帰った後、一気に攻めます。ついに、やりました! 完成です!! ヤレ、やれ、疲れたぁ!!

 お陰で無事発表を済ませました。しかし、他の発表の方々も、なかなか良い発表でした。ひと夫々に見方が変わっていて大変参考になりました。やっぱり多くの人と出会うことは大切ですねぇ! 良い勉強になりました。今後の展開は、私達のグループでは環境家計簿を引き続き半年間つづけてCO2削減に挑戦することにしました。しかし、本当に比較するなら、1年を一つの単位にしないと、季節変動を平準化できないのですが…。もう一つ、一番興味の有るクリーン・エネルギー、太陽電池の調査をすることになりました。まだ半年は楽しみが続きます。また後ほど結果をお楽しみに!( Dec. 1. 2002 )


 県の環境科学センターへ地球温暖化防止活動実務者講習会に行ってきました。
初日は、エネルギーと地球温暖化についてのお話しと、NPOの佐藤女史によるヨハネスブルグサミットに参加された会場の様子と感想をお聞きしました。ちょっと期待外れのところもありますが、まあ導入部ですから仕方ありません。

 そのあと、環境家計簿の実践に対する説明がありましたが、これは何もしないでの一週間とCO2削減を考えての次の一週間を記録して削減の効果を計るものですが、現在、南足柄市で9月から11月までの3ケ月間、各家庭に呼びかけて実施を呼びかけているものと同じです。我が家も既に記録中ですが、この講習会の期間中の2週間は、私自身が毎日記録を取ってCO2削減に挑戦してみようと思います。結果をお楽しみに!

 政府は、京都議定書の目標のうち2%を家庭での削減をもくろんでいますが、考えても分かるように家庭での削減対策では多寡が知れています。家庭での電化が進むほど電力の使用は増えて行きますし、今や一人1台となっている自家用車の普及は、車の大型化に伴って益々ガソリンの消費が増えることになりましょう。

 講師は“現在の生活レベルを下げないでCO2を削減するんですよ”と言いますが、とんでもないことです。既に1990から大幅に増加曲線を辿っているんですから、6%をはるかに上回る率の削減が必要になっており、生活レベルを下げない限り実現困難なはずです。いくら省エネタイプの電化製品やハイブリット自動車に買い換えたとて、沢山使用していては削減できるはずはありません。先ずは、使用を止めること(Refuse)次に、使用を減らすこと(Reduce)そして、再利用(Reuse)、再資源化(Recycle)の4Rが原則なのです。それで達成できないところは、技術革新に期待するしかないでしょうね。( Nov. 13. 2002 )


 Chikyumura News Vol.18が届きました。

 ネットワーク『地球村』は、既に国連のNGOとして承認されていますが、国内でも念願のNPO法人に認定されました。これで、国内はもとより、国際的なNGOとして認められたことになります。反面、大きな責任と義務が生じることとなり、ますます襟を正して環境問題と世界平和に向けて、正しい情報の発信と活動に全力を注がなければなりません。活動内容に付きましては、ネットワーク『地球村』のホームページに是非アクセスしてご確認下さい。その上、改めてご賛同を頂き、貴方を含め一人でも多くのグリー・コンシューマとしてご参加下さるようお願い申し上げます。

 遺伝子組替え作物の問題は、既にトウモロコシでご存じと思いますが、今度は,私達の主食であるイネに対して、除草剤の耐性を検討するために、愛知県農業総合試験場がモンサント社と共同で研究を進めているそうです。除草剤の耐性とは全く本末転倒で、農薬や除草剤の禁止をすべきなのに、環境ホルモン等、人体に有害で子孫まで悪影響を残すとして問題となっている農薬や除草剤に対して、それらの使用を前提としての耐性を持つイネの遺伝子組換え研究は、決して許せるものではありません。未だ研究段階だからといっても、当然周囲の環境に影響を及ぼす危険が生じるでしょう。私達は、全ての遺伝子組替え作物の情報公開を求めるとともに、人や環境に悪影響が予測される遺伝子組換えの研究に“NO!”という意思表示をしなければなりません。今回は、全国のNGOが共同で“遺伝子組替えのイネの研究・開発中止を求める”署名のキャンペーンを実施しています。

 「食べるな、危険!」(日本子孫基金 著  講談社 10/8刊)をご存知でしょうか? 日常私達がスーパーなどで購入している肉、野菜、果物や魚介類、加工食品などに、いかに危険な薬品が混入され、農薬や消毒薬品が不必要なまでに使用されているかを,如実に知ることが出来る告発の書です。ある程度想像はしていることですが、実際に示されると言う言葉もありません。私達は人類破滅に向かって粛々と進んでいるのではないかと、背筋が寒くなってきます。まだ、助かる道はあります。安全な食品を提供しようと頑張っていて下さる生産者の人達が多くいらっしゃることです。多少値段は高くなるかもしれませんが、生命と安全には代えられないのではないでしょうか?

 今、私達に必要なことは、正しい情報を得ることと、理不尽な遺伝子操作や農薬や薬品の使用に“NO!”の意思表示をして、危険な食品の購入を拒否することでしょう。品物が売れなければ、それらの危険な食品は自然に市場から消滅するに違いありません。一に私達の行動が左右する問題なのです。今こそ勇気有る行動と決断が望まれているのです。( Nov. 6. 2002 )


 明日(10/30)から11/3まで、第36回モーターショーが幕張メッセで開催されます。むろん、今年のメインは、温暖化防止で環境に優しい車が焦点となります。

 日本では既にトヨタが開発したハイブリッド車が先行しておりますが、東京の交通公害訴訟に示されるように、Co2の排出だけではなく、大気汚染の元凶となるジーゼル排ガスに含まれるPM(黒鉛…粒子状物質)やNOx(窒素酸化物)の低減が重要な課題となっています。化石燃料を使用する限り、これらの環境汚染物質を無くすことは出来ません。

 新たに開発を進めている水素ガスを燃料とする燃料電池で電気モータを駆動する方式では、排出するものは水素と空気中の酸素と反応した結果の水だけとなって、極めてクリーンなものとなります。しかし、そう簡単ではありません。燃料となる水素をどうして取り出して供給するかが問題となります。改質ガソリンから抽出するか、メタノールから取り出すか、あるいは別に水素を作り出してボンベに充填して搭載するか、水素吸蔵合金に吸収させたものを搭載するかがありますが、現在最も有望視されているのが水素ボンベを搭載する方式です。ただ、水素の充填設備を備えたガソリンスタンドを隈なく配置する必要があり、現在のガソリンスタンドをそのまま利用できるガソリンから抽出する構造のものが優位であることは確かです。

 ジーゼルエンジンの場合は、最も問題視されるPM(粒子状物質)に対してはDPFと呼ばれる排ガス浄化装置や酸化触媒を用いて減少させますが、既にトラックやバスの一部に装着され始めています。東京都では、排ガス装置を取りつけていないトラックなどは運行が禁止されることになっています。また、NOxなどの低減は、硫黄分の少ない軽油の供給によりますが、コストアップが問題になるようです。更には、燃焼効率を良くして排ガスを減少させるエンジンの改良や燃料に天然ガス(CNG)や液化石油ガス(LPG)等を使用する方法もあります。これらも排出ガスをクリーンなものにする効果があります。

 しかしながら、今後の展開を考えると、温暖化防止のためには化石燃料を主とした火力発電と運輸関係のバス、トラック、自動車等の排ガスが主となりますから、電気エネルギー問題から見て燃料電池技術が最も期待できるものではないかと考えます。いずれにしても温暖化防止には、省エネルギーや自動車の運行を減らすことが重要です。その点でも日本アイ・ビー・エムが先んじて、リコーと組んで製品の共同配送によって運送の効率化と同時に環境負荷も大幅に削減できるとしていることは、大変重要なことです。

 遅まきながら環境省は、温暖化防止対策として環境税の導入効果を確かめるため、Co2排出量に応じて化石燃料に課税したり、削減に応じて助成金を交付するという。こんな悠長なことを考えていて、京都議定書に定められた6%削減は大丈夫なんですかねぇ?

 ゴビ砂漠の緑化に今も情熱を傾けておられる遠山正瑛さんのおっしゃるように“やればできる。やらなきゃ出来ない。…机の上で考えて議論していてもダメ”とのことなので、私もいささか傍観するだけでは始まらないと考えて、市の環境保全推進協議会の委員公募に続いて(今期もまた末席を汚していますが…)、今度は、県の“環境実践者支援講座「地球温暖化防止コース」”に申し込んで、来月の9日から3日間受講することにしました。さて、どうなることやら?( Oct. 29. 2002 )


 NHKの「プロジェクトX 運命のゴビ砂漠(人生を変えた300万本のポプラ)」を見ました。大学を退官した遠山正瑛さんの砂漠の緑化というとてつもないプロジェクトの物語です。

 遠山さんは、鳥取砂丘での緑化の経験から、中国のゴビ砂漠の一部であるクブチ砂漠の緑化をやってみようと思い立ちます。そんな途方も無いことが出来るのかという問いかけに
“やればできる。やらなきゃできない。苦しんでもやらなきゃいけないという目標がある。物事は、やってみなきゃあ分からん。やらずにおいて机の上で考えて議論してみてもダメ。”と事も無げに言う。“目標の無い人間は闇”とも言う。

 77歳の遠山さんが、5000人の植林ボランティアを募集してクブチ砂漠へ向かう。その中に、43歳の造園会社社長の塩田修二さんがいる。植木職人から身を起こして、造園会社をつくり、業務を拡大し働きつづけて身体を悪くし、気分転換のつもりでボランティアに加わったのだと言う。しかし、実際に砂漠に来てみて、これは途方も無い企てだとひるんでしまう。何しろ草も木も無いこんな所に、ポプラを5年間で50000本植えるのだと言う。しかし、もう後へは引けない。やるしかない! 半端な気持ちではやれない。社長の仕事を部下に任せて、この困難な仕事に自分の全てを掛けよう。

 しかし、そうは言っても簡単ではない。5000人のボランティアでは、1年で8000本しか植えられない。現地の中国人を募集して、月に30万本植える目標に挑戦する。しかし、雇った中国人は給金目当てで早く植えるために充分深く掘らない。これでは、ポプラは育たない。現地人と酒を酌み交わしながら、腹を割って話し合う塩田さん。しかし、砂漠に洪水が発生し3万本のポプラが流されてしまう。また、原因不明の立ち枯れが発生する。次から次へと問題が立ちはだかる。

 メンバーの中に、ソフトウエア技術者で仕事が上手く行かず、窓際に追いやられて目標を失い植林ボランティアになった、東城憲治さんがいる。10万本の立ち枯れのポプラの枝の剪定を一人で任されて途方にくれるが、逃げ出すことは出来ない。やるしかない。
“ポプラは好き好んで植わったのではない。ポプラが、与えられた環境の中で、自分の持てる(力で)生き方をしよう。”としている。“ポプラを育てようとして、ポプラに育てられたような気がする。”と謙虚にその心を話す。自然との闘いの中で、(人が)自然に生かされていると言うことなのだろうか? 砂漠から帰ってくるたびに元気になっていると、奥さんは笑う。そこには、かつての窓際族の翳はない。

 2001年、ついに目標の300万本の植林を達成した。この植林のお陰で砂漠が緑の大地として蘇り、鳥が飛び交い、花が咲き、蝶が舞う。農耕も可能となって現地人に喜びが沸く。やれば出来るのだと、96歳になる遠山さんは笑う。まだまだ(生きている限り)砂漠の植林は続けるのだと言う。

 人のために生きることによって、自分が生かされていることを知る。自分の選択が、自分の人生を変え、周りの人をも幸せに導くのだろうか?( Oct. 23. 2002 )


 東京電力の原発柏崎3号機での炉心隔壁(シュラウド)のヒビ発見に端を発したトラブル隠蔽・データ改ざん事件は、更に他の原子炉にも疑いが及んで原子炉を停止して立ち入り検査を余儀なくされ、上層部の辞任にまで発展した。

 社長が辞任したからといって、事件の責任を取ったことにはならない。今までにも原発での事故は少なくなかったし、データ改ざんによる事故の隠蔽も示唆されていた。問題は事故そのものではなく、原子力の安全性であり、事故の原因解明こそが重要ではなかったか? 地球温暖化防止に向けて、火力発電から原子力発電に移行したい電力会社にとって、今回の原発の事故発生は、今後の原発の推進に大きな妨げとなるに違いない。ここに今回の事件発生の原因があるように思う。

 地球温暖化防止のために二酸化炭素排出を減少するためには、化石燃料を多量に使用する火力発電に代えて、二酸化炭素を排出しない原子力発電を推進したいわけであるが、ここに目的と手段のはき違えがある。原子力発電を推進するためには、第一に原子力の安全性を確保することが目的であって、問題が発生したときに、原因を明らかにして確実な対策をとることが必要な手段なのである。そのためには正確なデータと的確な再発防止が求められる。

 ところが今回の場合、原子力の安全性を示すために、発生した不具合を隠し、データを改ざんして事故の隠滅を図ろうとしたことである。安全を確保することを怠って、安全に見せかけたわけであるので、これは正に目的と手段を履き違えており、まかり間違えば重大な人身事故や環境汚染につながる危険性があるので、その点で犯罪に等しい行為といえる。それゆえトップの辞任によって責任を免れるものではなく、犯罪行為として告発を免れないだろう。

 しかし、今回の事件で皮肉にも原子力発電設備の不安全性を証明したことになり、ヨハネスブルグ・サミットで再生可能エネルギの導入に一律の目標を定めることに難色を示した我が国の姿勢に反省を促すことになろう。( Sept. 4. 2002 )


 いよいよ今月末には、地球温暖化防止を軸とした地球サミット(持続可能な開発に関する世界首脳会議)、ヨハネスブルグ・サミットが開催されますが、既に地球温暖化の影響で、南太平洋のサンゴ礁の小島ツバル国が水没の危機にさらされている、と報道されています。日経新聞によれば、ツバルでは、地球温暖化防止の京都議定書から離脱しようとするアメリカやオーストラリアを国際司法裁判所に提訴するといいます。

 何もツバルだけの問題ではありません。既に、地球温暖化の問題は、気候の著しい変動による旱魃、砂漠化、大洪水等による作物への影響、海水温度の上昇などによる漁獲変動など、多くの問題が浮上しています。
それだけに、1997年の地球温暖化防止京都会議で定めた議定書の批准を遅らせてきた日本にも大きな責任があります。

 「世界」(岩波書店発行)7月号には、特集「地球温暖化 私たちに何ができるか」が掲載されています。「地球白書」でご存知の、ワールドウォッチ研究所の所長を長年勤められてきたレスター・ブラウンさんとの対談“「エコ経済」へ向けて今こそ行動を”がありますが、その中で、エネルギー問題について多くの提言がなされています。
先ず、単にエネルギーの消費量の問題だけでなく、如何に環境に優しいクリーンな自然エネルギーに置きかえるかと言うことと、エネルギーの分散化、ローカル化であるといいます。経済の発展のためには、今以上のエネルギーの消費が必要だとして、京都議定書に反対するアメリカは、エネルギーの集中化、グローバル化により莫大な財を得る特定の組織の思惑が優先するからではないでしょうか? そのためには、もっともらしく原子力発電の増設をも打ち出して、如何にも二酸化炭素排出削減を強調するでしょう。

 今や、経済優先の思想は成り立たないのが現状ではないでしょうか? そのためには、国策として、エネルギー政策と温暖化防止のための目標と手段を、経済界や国民に明確に示さなければなりません。我が国でも、既に、1990年比で議定書で定められた目標を遥かにオーバーしています。京都会議からもう5年近く経過しているにもかかわらず、経済界に遠慮して(?)何の効果的な手も打たなかった結果と管理を疎かにしてきた結果ではないでしょうか?( 管理の常識…Plan,Do,Check,Action/あなた、学あるねぇ!)各企業の自主的なエネルギー施策による温暖化ガス削減と、国民の自主的な省エネや温暖化ガス削減の努力(NGOを主体にした)にゲタをあづけているんではないかと思います。

 「Chikyumura News Vol.13」が届きました。ヨハネスブルグ・サミット特集です。
ご存知かもしれませんが、ネットワーク『地球村』の会員は、現在122,500人で、NGOとして国連に登録されていますが、今回のヨハネスブルグ・サミットに122名のツアーで参加し、国際的な活動を開始します。おそらく世界のNGOでは最大ではないかと思われます。残念ながら一緒に参加できませんが、きっと私の思いも伝えてもらえるでしょう。陰ながら支援しています。
サミットでは“地球市民国連”を提案します。既に、バリ島で行われたサミットの事前会合のサイドイベントで講演・アピールし、多くの賛同者を得ています。 ネットワーク『地球村』の活動を支援していただける方は、下記へ活動募金にご協力下さい。

 活動支援募金送り先  郵便振替口座番号:00960−8−15822

            加入者:ネットワーク『地球村』募金係

                  (恐れ入りますが、振替料金はご負担下さい)

 国連からは、既に国際NGOとして認められていますが、国内でもNPO(Non Profit Organization 非営利団体…ボランティア団体)法人の資格を取る準備中ですが、財政的な運営資金は容易ではありませんので、なにとぞご支援下さい。( Aug. 18. 2002 )


 「Chikyumura News Vol.11」が届きました。

 来る8月末から開催されるヨハネスブルグ・サミットに向けて「ヨハネスブルグ・サミット in じゃぱん」にエントリーして“地球温暖化をストップしよう!”というイベントに参加することを呼びかけています。

 いつも言うようですが、ネットワーク『地球村』の基本的精神は「自分のやれることを先ずやって、そのネットワークを広げて行く」ことです。誰でもやれることをみんながやることで、地球の自然環境の破壊を世界中の人達のネットワークで改善・解決していくのです。

 既に、新聞やテレビ報道で十分ご存知でしょうが、温暖化防止京都会議の議定書の批准に向けて、日本政府もそれを決定したとありますが、その内情は決して楽観できるものではありません。逆に世界では「米国べったりの日本」として非難を浴びているのが実情です。二酸化炭素排出大国としての日本は、積極的にCO2の削減に努力しなければなりません。それに対する目標となる数値の決定とその実効的な手段を明らかにして努力しない限り、議定書の批准は“絵に描いた餅”となってしまいます。

 ご存知のように、二酸化炭素排出の大きなものには、電力(主として化石燃料による火力発電)と自動車の排出ガスだと言われています。省エネ・省電力の必要性は無論ですが、ヨーロッパでは自然エネルギーの利用を発電のために積極的に推進しています。それに比し、日本では火力発電に代えて、原子力発電を増設しようとして、世界の趨勢とは異なる行き方を進めているようですが、原子力は決して安全とは言えません。
私達市民も省電力に協力し、自然エネルギー利用を推進しなければなりません。

 自動車の排ガス削減については、排ガスの少ない車を選ぶことも必要ですが、何よりもガソリンなどの燃料消費を削減する事(早く言えば車に乗らないこと)が肝要です。近くや買い物などは自転車などを極力使用すること(健康のためにも、交差点での渋滞解消のためにも)でしょう。そのための施策として、車検あるいは1年毎の点検に際し排出ガスをチェックし、排出ガスのランクによる累進課税化も必要ではないでしょうか? いくら“超−低排ガス”車をPRしようが、“高−排ガス”の中古車を何時までも黙認していたら、一向に効果は上がりません。

 ところで、自動車工業界における排ガス改善の努力はすばらしく、中でもトヨタはトップランナーらしく、今年末に燃料電池車の発売をすると発表しました。技術のニッサン(?)はどうしているんでしょうか? 売ることばかり考えているんではないでしょうね? ハイブリッド車でもトヨタに水をあけられ、燃料電池車でも先を越されたら、いっそのこと人力自動車で完全無公害車にしますか?

 人力自動車と言えば、「JAF Mate」に載っていましたが、京都のNPO(環境共生都市推進協会)が導入したドイツのベロタクシー社の自転車タクシーは、後部座席に2人分のシートがあって、21段変速で25Km/時で走れるそうですから、なかなかのものですね。これに“パス”のようなモーター補助自転車を使えば更に快適でしょう。

 自転車ではありませんが、11月に発売するタカラの電気自動車「Q−CAR」などは最高時速50Kmで家庭用電源で八時間充電すれば、時速30Kmで80Kmの走行が可能と言いますが、100万円以上もしますから玩具とは言えません。無論普通自動車免許が必要ですよ。

 大同メタル工業の発売したミニ燃料電池自動車は、アメリカのDCHテクノロジー社と共同開発した小型軽量の燃料電池を用い、子ども一人(25Kg)が乗って4時間走ることが出来て、値段も30万円位であり、更に60Kgの耐荷重のものも開発中と言いますから、ひょっとしたら“瓢箪から駒”ではないが、玩具から実用車が出てくるのではないかと期待しています。( Jul. 10. 2002 )


 ネットワーク『地球村』から、とても嬉しい素晴らしいお知らせが届きました。それは、国連から5月1日付で、ネットワーク『地球村』に諮問資格が与えられ、“国連の認証する国際NGO”として活躍することが出来ることになりました。

 通知によりますと、
「2002年4月に行われた国連・経済社会理事会通常協議会において 貴団体 Network Earth Village に対して特別諮問資格を与えることを決定、通知いたします。貴団体は国連本部およびジュネーブ/ウィーン支部に、正式な国連代表を任命することができます。貴団体は 常時、出席・参加することによって、特別諮問団体としての規定等を遂行することになります。国連・ECOSOC特別諮問資格NGOと表記する。」というものです。

 むろん、これは高木善之代表の“自然環境保護と世界平和の実現”への熱意が評価されたことと、ネットワーク『地球村』の役員の皆さんの努力によるものですが、それを支えている私達、12万人余のグリーン・コンシューマの支援へのご褒美でもあります。更に多くの人が、ネットワーク『地球村』の会員となってこの活動を援助して、自然環境の保護と世界平和を実現させたいものですね。

 もしも、貴方が未だ“ネットワーク『地球村』のグリーン・コンシューマ”をお考え中なら、是非この機会にネットワーク『地球村』の活動の趣旨をご理解いただいて、会員に登録して支援下さるようお願いいたします。( May. 14. 2002 )


 “太陽電池のコスト半減”、発電費用も通常の電気料金に近づくらしいと日経新聞の「テクノロジー」欄にありました。

 先にお話したように、私も現在新築中の家の屋根に“太陽電池パネル”を設置して、自然エネルギーを有効活用しようと考えていますが、コストの点でなかなか簡単にはいきません。イニシャルコストだけでなくメンテナンスコストも考慮しなければなりません。その上、発電効率が大きく影響します。天気の良い日ばかりではありません。家の屋根の向きにも問題があります。その点では、今は未だ開発中ですが、家庭用の風力発電や燃料電池も候補に挙げられます。

 とは言っても、普及している太陽光発電で、コストが下がれば願っても無いことですね。報道では、シャープが新たに開発した有機色素を使用した太陽電池では、出力3kW(通常、家庭での年間平均使用電力)で、従来の設置費用約200万円が、半分の100万円位になり、発電費用も1kW当たり70円から、35円程度(通常の電気料金は約25円)となるそうです。試作電池の発電効率は、未だ7.5%ですが、更に改良されれば、従来のシリコン型太陽電池の12〜15%に並ぶ効率に達成できるらしいので、早く実用化してほしいですね。

 地球温暖化防止の二酸化炭素排出削減に向けて、自動車と自家発電の技術開発と普及にガンバってほしいものですね。政府も強力な後押しを頼みますよ! ( Apr. 23. 2002 )


 ホンダの燃料電池車「FCX−V4」が都内で走行テストを公開したとあります。

 いよいよ世界に先駆けて無公害車の市販に向けて、熱い戦いが始まろうとしています。クリーンな自動車として先陣を切ったのは、トヨタのガソリンエンジンと電気モーター駆動を組み合わせたハイブリッド車「プリウス」でしたが、引き続いてニッサンが、更にガソリンエンジンの改良によって、プリウスを上回る低排ガスと低燃費の車「ブルーバード・シルフィー」を世に問いました。しかし、いずれも無公害車の切り札とはならず、残るは「燃料電池車」か「水素エンジン車」(もちろん、太陽電池車って言う手もありますが…)ではないかと期待されていましたが、ついにホンダが「燃料電池車」を本命として、一番乗りを果たしたことになります。

 話は変りますが、大阪ガスが固体高分子型燃料電池(PEFC)を、家庭用の発電装置としての長期運用試験を始めるとあります。

 現段階では500W級と1kW級ですが、将来は家庭での必要電力を賄える3〜5kWの発電量を目指すものではないでしょうか? 私も新築中の家に太陽電池発電パネルを導入しようと考えていましたが、太陽電池発電パネルでは、太陽の受光角度の最適化や、設置するための屋根の面積に左右されるため、効率よく発電することはなかなか難しいものです。それに、将来は小型燃料電池による発電装置が開発されれば、太陽電池発電パネルよりも自由度が高く、効率も良いと考えられるので、その機会を待つことにしました。

 さっそく、期待する小型燃料電池による発電装置の実用化に向けて、その試験が始まると言う新聞報道に接して、益々その期待が高まりました。まだまだ多くの問題点をクリアーしなければならないでしょうが、燃料電池の技術開発が成功すれば、「燃料電池車」と共に、地球温暖化防止対策の切り札になるかもしれませんね。( Apr. 6. 2002 )


 日経新聞によりますと、イギリスの政府機関の5年間の調査で、イギリスの主要河川に生息するコイ科の魚のオスの約50%で、メスの生殖器ができる、いわゆるメス化現象が確認されたとあります。

 生物のメス化現象については、1996年に出版された「奪われたし未来(OUR STOLEN FUTURE)」において、シーア・コルボーン博士が他の2人との共著で化学物質による汚染で野生生物の多くに生殖異常が発生し、それもオスの多くがメス化し、それらの物質を環境ホルモン(内分泌かく乱物質)として、警告を発していた。

 これらの発端は、既に、遡ること1963年に、レーチェル・カーソンがその著作「沈黙の春」において、殺虫剤による環境汚染について警告されていた。その後、DDT等の殺虫剤やベトナム戦争で用いられた枯葉剤等と同様に、有機塩素系プラスチックの燃焼によるダイオキシンの発生やプラスチックの製造に使用されるビスフェノールA等が環境ホルモンとして生物に影響を及ぼすことがわかってきた。

 環境ホルモン(内分泌かく乱物質)として影響を及ぼす物質全てを特定することはきわめて困難ですが、極めて微量でも、溶出した化学物質が河川から海洋に流下し、食物連鎖により濃縮され、地球上の全ての生物に影響を与えるものであり、今回のイギリスの調査結果は、その影響をつぶさに証明したものと言える。もう躊躇している余裕はない。すぐさまこれらの情報を公開して、至急必要な措置を講じなければ、人類の未来はないだろう。( Mar. 18. 2002 )


 日経新聞によりますと、与党三党は干潟や湿原の修復、河川等の自然環境を昔の姿に戻す自然再生事業を促進する法案を今国会に提出する方針を固めたとあります。

 これだけを見ると、政府与党がいかにも自然環境を重視して政治を進めていくように思えるが、翻って考えると、今まで如何に自然破壊を進める政策を実行してきたかということが明らかになったと言うことではないか? この環境再生に関する法案は、景気回復の対策が進まず、財政難から公共事業の縮小を余儀なくされている現状(痛みを伴う?)を打開するには、国民が納得するような公共事業予算の使用を決めるしかないため、あえて“環境改善”とか“自然再生”あるいは“公共福祉”という(バラ色の)言葉を使わざるを得ないのであろう。

 裏を返せば、予算さえ取ってしまえば後はどう使われようが、われわれ国民の関知できないところとなってしまうため、公共事業関係の族議員の活躍の場となるのであろう。
環境保全、自然再生そのものは望ましいことなのであるが、それでは、その環境破壊してきた責任はどこにあるのかを明らかにする義務が政府にあるのではなかろうか? 当然、現在問題になっている多くの公共事業自体を見直して、その内容を透明にして国民に公開して、明確な方針を示す必要があろう。

 今回問題になっている鈴木宗男議員の外務省疑惑にも見られるように、どちらが正しいことを言っているかということを解明することだけではなく、族議員による政治の私物化の実態を究明し、その責任を追及すると共に、正しい政治が行われるようなシステム的な歯止めをかけることであろうと考える。“自然再生の法案”が、ともすると、鳴りを潜めている公共事業族議員の復活に寄与することになるのであれば、本末転倒の法案と言わざるを得ないのではなかろうか?( Mar. 5. 2002 )


 Chikyumura News Vol.7 が届きました。これは“ネットワーク『地球村』”からの不定期通信ですが、これによりますと、新聞等でご存じかも知れませんが、今年の8月26日から9月4日まで、南アフリカのヨハネスブルグで国連環境開発会議(地球サミット)が開催されます。

 この地球サミットは10年毎に開催され、第1回は、スエーデンのストックホルムの「国連人間環境会議」で、酸性雨等の公害問題が取り上げられたようです。前回は、1992年にリオデジャネイロで開催されました。しかし、日本に対する期待が高まる中で、日本の元首(宮沢総理)が参加せず、アメリカが重要問題にサインしなかったことで、期待を大きく裏切りました。

 その後、温暖化防止の京都会議の様子などはご存知のとおりですが、今度のヨハネスブルグ・サミットは、温暖化防止だけにとどまらず、貧困対策なども含めた多くの問題に対して、世界規模の取組みへの重要な会議となります。むろん、“ネットワーク『地球村』”もこの会議に参加するだけでなく、日本全国で、サミットに関連した多くのプロジェクトを立ち上げる予定になっています。

 川口大臣に代わって新しく就任した大木環境相も、このサミットに対し、地球温暖化防止対策の重要性を認識して、積極的に対応したい旨の発言がありました。京都議定書の立役者であるはずの日本が、二酸化炭素削減に消極的で、世界中からの期待を裏切っている現状を打開する起爆剤になると良いのですが…。
 私たち国民一人一人が、このサミットに関心をもって、会議を成功させたいものですね。( Feb. 12. 2002 )


 「現代農業」2月号増刊(農山漁村文化協会発行)の“自然とともに平和を 「文明の衝突」から「文明の共生へ」”には、世界平和と自然との共生について、次の三つの柱で編集されています。
 1.戦争で平和はつくれるか
 2.自然とともに平和をつくる
 3.食と農 足元からの持続と循環
今回のテロに対するアメリカのアフガン報復攻撃は、テロ撲滅に名を借りたブッシュ政権の武力誇示とアメリカ経済の立て直しではなかろうかとの疑念は否めない。しかし、それによって世界から忘れ去られていたアフガンの問題を浮かび上がらせ、度々の紛争による国土の荒廃と、久しく干ばつに苦しむアフガンの人達の生活支援・援助の必要性を明らかにしたと言う点では、幸いしたのではなかろうか?

 命の大切さは何にも優り、命を奪う“戦争”は、最も忌むべき行為であることは論ずるまでも無い。戦争は人の命を奪うだけでなく、自然をも破壊して全ての生命をも破壊し、人の心に“憎しみ”だけを植え付ける。戦争の正当性は、強い者・勝者だけの論理である。この点において、日本もアメリカに加担して強い者の側に立っていることを忘れてはならない。破壊しておきながら、アフガン救済・支援などと大きな顔が出来るわけが無いのである。金(物資)で解決できることではないのである。

 戦争を無くし、自然を育み、あらゆる生命のための循環型農業の再生こそが、貧困を救い、平和な社会をつくる唯一の道ではないだろうか? 人の生命を維持する自然を守って、便利、浪費、使い捨て文化である工業化優先社会から決別する時が来たのである。
既に、多くの人達がそのために活動していることをこの冊子からよく知って、自分自身の意識改革を始めなければならない。

 循環型社会による自然環境保全を求めて、二酸化炭素排出削減で京都議定書批准を目指した中で、アメリカと共に日本がこれを妨害し、世界中の非難を浴びていることは良く知られているが、日本政府はそれを国民に正しく伝えていないし、二酸化炭素排出量の高い日本は、これ以上の削減は無理だと主張しているのである。
田中外相更迭の問題でクローズアップされたNGO排斥の事実は、日本の政治の闇の問題をはからずも公に曝したと言えよう。世界で環境問題や難民支援・援助で活躍する日本の多くのNGOの人達の活動の様子を、もっとマスコミは大きく取り上げて、国民に知らしめる必要があるのではないか? ( Feb. 7. 2002 )


 「地球村通信」の2月号が届きました。巻頭言は『地球村』とは? です。ご存知の通り『地球村』とは、“ネットワーク『地球村』”のことですが、『地球村』というのは、世界中みんなの幸せを実現しようとする自分の生き方なのです。

 私たちは周りのすべてにつながっています。私達が生きるための“水”、“空気”、“食べ物”全ては自然から与えられています。私たちは全ての自然につながっていて、全ては自分につながっています。だから、宇宙は自分であり、自分は宇宙そのものなのです。この感覚が本当にわかれば、意識が変わり、生き方が変わります。
だから、人を憎んだり、恨んだりする対立も消えます。全ては自分だから。

 ネットワーク『地球村』は、自分だけの幸せのためではなく、みんなの幸せのために生きたいのです。環境破壊、飢餓、貧困、戦争などのない社会の実現に向けて活動します。そのために、

 @ まず、事実を知ること。
 A 自分が出来ることから始めること。
 B 事実をみんなに知らせること。
を活動の基本としています。貴方も、まず事実を知って、自分の出来ることから始めてください。一人一人の意識が変われば、世界は変わります。

 ネットワーク『地球村』も、今までは任意団体として活動してきましたが、今後より一層大きく、国際的な活動をするためにNPO(非営利団体)法人化をすすめています。しかし、この間、国会でも問題になったように、外務省がアフガン救済等の国際会合にNGOを締め出すようなことがあれば、非常に問題です。一国会議員と外務官僚の問題ではありません。世界の中での日本国の信用問題となります。アフガンでは、日本が第二次大戦後、50年もの間戦争に参加せず、平和を守ってきたことに敬意を表わし、日本の援助や技術指導を望んでいるといいます。私たちは、その期待に答えなければなりません。既に多くの先輩のNGOの方々がアフガン支援に活動されていると聞きました。

 ネットワーク『地球村』からも、1/14〜21の間、2名の代表がアフガン難民支援に向い、その結果報告がありました。
アフガニスタン国境近くの“コタキ・難民キャンプ”に砂糖6トンと、お茶の葉1.5トンを3000家族に届けました。ものすごいテントの数に二人とも唖然としたそうです。しかし、もっと緊急に支援が必要な人達は、アフガニスタン国内の難民で、今も雑草を食べて飢えを凌いでいるそうです。しかし、そこは安全が確保されていないために、国連機関等も近づけないそうです。

 難民の子供達に「あなたの夢は何ですか?」と尋ねたら、「エンジニアになって壊れてしまった僕の国を作り直して、平和な国を作りたい」のだそうです。彼らの話に涙が止まらなかったそうです。私たちが“希望”を伝えたかったのに、逆に彼らから“希望”を貰いました。

“平和な社会を作る”、この「希望」をみんなも忘れないでほしい…この「希望」を「勇気」に変えて動いてほしい…できることを実践してほしい…。こんな思いをみんなに伝えたい、そう思って帰ってきました、と難民支援から帰られた代表の2人が語られました。

 アフガンの状況については「現代農業」2月増刊“自然とともに平和をつくる”(農山漁村文化協会発行)で、アフガニスタンで井戸掘りの支援を続けておられる「ペシャワール会」の現地代表、中村哲医師が詳しく述べられています。中村さんも、この活動を通して「私たちは助けたのではなく、助けられてきたなあ」と思うそうです。「人間にとって大切なことは何か」ということを教わるのではないでしょうか?

 平和な日本にいては、相手にとって何が必要なのかを肌で感じることは出来ません。現地に行って活動して初めて理解できるのではないでしょうか? しかし、私たち全てが現地で活動できるわけではありません。実情を正しく知ることによって、私たちにも出来る何かを見つけることができるでしょう。まず、正しい情報を得ることが重要です。そして、自分に出来ることをやろうではありませんか? そして、周りの人達にも正しい情報を伝えていきましょう! ( Feb. 6. 2002 )


 松下電器が、ハンダかすからハンダを再生するのに、溶解したハンダかすにゴマを振りかけて1分間かき回すと、約90%のハンダを再生することができるリサイクル装置を作ったそうです。それ本当?と眉に唾をつけるようですが、ゴマかしているわけではなく、ゴマの油と炭水化物が酸化物などを吸着するのだそうです。それこそ、“開けーゴマッ!”のアリババの呪文みたいですねぇ。

 ハンダと言えば、電気配線やブリキの鎔接には欠かせませんが、錫(スズ)と鉛(ナマリ)の合金で、一般的に強度を必要とするものには、錫40%、鉛60%の比率のものを用い、導電性を重視する電気回路用には、錫70%、鉛30%と錫の比率の高いものを使います。ところが、環境問題がうるさく言われるようになってきた現在では、鉛は有害物質として敬遠されてきています。
そのため、鉛を使わない錫、銀、銅の合金の“無鉛ハンダ”を使用するように検討されています。3〜5%に銀を使用するため高価なのが難点ですが、ヨーロッパでは、2006年に鉛フリー化を実施するそうです。

 鉛は、私達には身近な金属で、釣りをする人には鉛の重りは欠かせませんし、テレビのブラウン管には、電子線がガラス面に当ってX線が放射するので、人体への影響を軽減するため鉛入りガラスが用いられています。医療器のレントゲン装置でもX線が部屋の外に漏れないように、レントゲン室の壁には鉛の遮蔽板が埋め込まれています。それだけではありませんよ。新幹線などの低周波騒音は、コンクリートの防音壁をも透過してしまうので、身体に悪影響を及ぼす低周波の音(振動)を遮蔽するためにも、密度の大きい鉛が防音壁に組み込まれるのです。今時の若者が、自動車に低音を発生するウーファーを積んで、ドンドン低音を鳴らしていますが、近所迷惑だけでなく、自分の身体にも良くないのですよ。

 密度の大きい鉛(11.34)は、金の密度(19.3)に近く(ちなみに、銀10.5、銅8.93、鉄7.86)、安価で、かつ金に似て柔らかく、加工性が良いために、金に混ぜて贋金に使われたことは、時代劇の好きな人にはお馴染みでしょう。曲げるのが容易なために、昔は水道管にも多く使用されていましたが、鉛害があるため、今は使用できなくなりました。
このように便利な鉛ですが、使えなくなった鉛はどうするのでしょうね?(不景気だから、また贋金に使うんだよ!/な〜るほど!)( Jan. 16. 2002 )


[2001年の「tommyのつぶやき」を見る]

[2000年以前の「tommyのつぶやき」を見る]


[「環境について」のトップページへ戻る]