「Weekly Needs」1998.1.22号(Vol.3 No.47)

「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。

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=かんちゃんの ながたものがたり (第13回)=


==「長田でボランティアする。ええこっちゃ。」が合言葉。==

 《人生ゲーム関西版》が人気をよんでいる。就職や結婚や転居や人生の転機があったりする《すごろくゲーム》である。地域カードがあって、自分の住むところも決める。京阪神などで18地域で、神戸近辺は芦屋、灘、北野町、明石、そして、わが長田が選ばれている。カードには、『ケミカルシューズで有名な神戸の下町。牛すじ、ソバ、ご飯をいっしょに炒めた《すじそばめし》は絶品。震災にめげずガンバレ』と書いてくれている。そばめしが好物のものは、認められてうれしくなってくる。

 このゲームは途中ギャンブルもできるようになっており、ちいさな紙のおさつであるが、5億や10億があたったりする。血中に関西人の気質がこい地域は、このギャンブルが有利で、わが長田は濃度が最高の5度である。高い地域は、岸和田、河内、船場などであり、特色のある場所にしてくれている。

 有名になった長田とすなおに喜びたい。震災後4年目に入り、なおも、努力やまけん気のいるわが町ではあるが、全国のかたが、応援と好意の気持でみてくれている町なのある。このすごろくに『ガンバッテヤ神戸!長田でボランティアする。ええこっちゃ。』という欄もある。ボランティアもいっしょに生活する町でもある。

(和田 幹司)

あきちにも さらちにも
 ながたには わかものが
ぎょうさん 来てくれているよ

 プレハブをたて、花をうえる
やさしい目をした わかものよ
 きみたちがいて まちもある

 いまも ポツンとした
  あきちでも さらちでも
君がうえた こころの花がさく

▲ボランティア団体の
事務所が集まる御蔵通
5丁目のプレハブ群


4年目のまち これからのまち


 厳しい状況のなかで住宅再建を成された方、とりあえずプレハブやコンテナハウスの「仮設」を自力で建てて乗り切られた方、今もまだ「仮設住宅」などで避難生活をされている方、「元の地」には無理だったけれど長田には戻れた方、そして戻られなかった方……。
 長田区は震災前と比べると人口が約4万人減ったそうです。震災前が約12万人だとすると、実に三分の一の人たちが、長田を去った・去らざるをえなかったことになります。商店主の方々のため息が聞こえそうです。

 『復旧』とは、「もとどおりになる」こと。また、「もとの状態にする」こと。
 『復興』とは、「いったん衰えた物事が再び盛んになる」こと。また、「再び盛んにする」こと。辞書にはそう書いてあります。
 あの日から3年たった長田のまちは、果たして復旧の途にあるのでしょうか、それとも復興の途にあるのでしょうか?

 震災後の「まちづくり」とは、実は、そこに住居を建てるための条件整備であったといえます。そしてまた、一人でも多くの人がまちに戻れるための模索であったともいえます。そしてそれは非常に地道な活動です。
 更地が広がるまちの中で、それこそ昼夜を問わず、私心を抑え奔走した方々が、実はこの長田には大勢いらっしゃります。もちろんそのほとんどの方は自らも被災されておられるわけです。
 そんな方々の努力は、一体どれだけ報われたといえるでしょう?

 結局、人間あってのまちです。人間のいないまちなど滑稽です。
 震災前のまちにはおそらく色んな人たちが住んでいらっしゃったと思います。しかし、震災後のまちには限られた人しか戻れないのが実状です。そして残念なことに、時間の経過と共に戻る意欲を失った人たちがいるのも実状です。
 いま、長田のまちは「復旧」と「復興」の狭間の穴にはまりこんでいるのかもしれません。

 震災から4年目、まだまだ多くの重く厳しい課題を背負いながら、多くの方々がまちのために奔走されることでしょう。そしてそれらの方々の思いが、「これからのまち」を照らしていくのでしょう。
 「まちをつくる」とは、そこで生きていく人たちの、夢を広げることなんですね。

(小野 幸一郎)


インフォメーション


明石海峡大橋 市民ウォーク
 舞子側から大橋の真ん中までの往復約7kmのコースです。
 無料です。神戸市内在住の人にかぎります。
【日にち】3月24日(火)
【申し込み方法】往復はがきの『往信』に住所、氏名、年齢、電話番号を書き、
        『復信』にあて先を書いて、下の送り先へ送る。
        はがき1枚につき1人申し込めます。
        小学生以下の子は保護者といっしょに申し込んでください。
【送り先】〒650 神戸市中央区加納町6−5−1
 神戸市 震災復興本部 総括局 総合計画課
【しめ切り】1月30日(金)
【問】078−322−6100

◆ふれあい 長田区民 耐寒スタンプテーリング◆
 全部のスタンプをあつめて時間内にゴールすると完歩証と記念品がもらえます。
長田区役所を出発して、高取山にのぼり、また区役所へもどるコースです
(くわしくはスタンプ帳に書いてあります)。
ゴールにはぜんざいとお茶があります。
【日時】2月11日(水・祝)午前9時〜12時30分
【申し込み方法】1月30日(金)から区役所3階4番窓口で受けつけます。
        先着1000人まで。その場でスタンプ帳をわたされます。
【問】長田区 総務課 地域活動係: 078−579−2307

◆長田こころのケアセンター◆
 イライラしてませんか。さびしくないですか。
こころと体の問題について電話で相談をうけます。
【電話番号】078−579−2600
【相談時間】月〜金 午前9時〜12時 祝日は休み

 

※今回のW.N.47号は、1月22日発行を予定しておりましたが、大幅に遅れたことをお詫び申し上げます。(W.N.編集部)


ウィークリーニーズ 3年間の軌跡(その1)
『デイリーニーズ』

1995.1.25(水)〜3.9(木)
(準備号+第1〜39号=全40号)
その2へその3へ

 2tトラックに簡易印刷機を積み、長田区役所前の新湊川公園に到着したのは、震災からちょうど一週間目の1月24日でした。翌25日から約2ヶ月に渡りほとんど毎日発行し続けた《生活情報かわら版》、それがウィークリーニーズの前身にあたる『デイリーニーズ』です。

 

 連日洪水のごとく流されていた震災の報道。しかし、当の被災された方々には情報が行き渡っているのだろうか? 水も電気もガスも止まり、生活環境が破壊されている時にこそ、何がどこにあるのかを伝える《かわら版》が必要なのでは……そんな東京の印刷屋さんの発想と『ピースボート』の機動力が一つになって実現しました。
 最盛時には1万部以上発行し、『ピースボート神戸本部』では連日100名以上のボランティアが活動していました。

 ライフラインの復旧と共にピースボートも救援活動から撤退することになり、地元ボランティアが活動を引き継ぐ形で「すたあと」がたちあげられたのでした。そして「デイリー(日刊)」は「ウィークリー(週刊)」となるのです。

(元デイリーニーズ編集員:小野 幸一郎)

デイリーニーズ第3号 おもて面
デイリーニーズ第3号 うら面
▲1995年1月28日に配布された
「デイリーニーズ」第3号

 

ピースボート神戸本部の人々(1995年4月:神戸大・舟橋氏の報告)


みんなの伝言板


 みなさんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「ゆずります」「求めます」「集まってください」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひ連絡をください。
 (電話・FAX・郵便で「すたあと長田」までご連絡ください)

★「第12回 アジア料理を楽しむ会」のご案内★
 今回はネパール料理です。
 実演・実習のあと試食を行い、そのあとアジアの国についての勉強会を行います。
 アジアの味覚を一緒に体験し、まだ知らないアジアの味を見つけよう!

定員:20名(応募は1〜3名のグループで応募してください)
参加費:1700円
応募方法:ハガキかFAXで、参加者全員の住所・氏名・電話番号を書いて、
     下の「連絡先」に送ってください。
受付しめ切り:2月16日(月)
主催:神戸アジアタウン推進協議会
連絡先:聖公会 長田センター(担当:吉川)
 〒653神戸市長田区御蔵通 6丁目162
 TEL 078−576−8448
 FAX 078−576−8442


この「ウィークリーニーズ」は以下の皆様の協力により配られています


◎新聞販売店様のご協力で長田区内に折り込み戸別配布
  ・神戸新聞 板宿北専売 ・毎日新聞 丸山販売
  ・毎日新聞 長田南販売 ・読売新聞 新長田IC
  ・読売新聞 丸山IC  ・読売新聞 御蔵IC

◎地元ボランティア団体・個人の協力により、
 各地区(市内広域・姫路・大阪など)の仮設住宅に配布
▽姫路「心のケア」ネットワーク:玉手・新白浜(姫路市)
▽鹿の子台ボランティア連絡会:鹿の子台第1〜8(北区)
▽有野台ボランティア:有野台第1〜3・五社・東有野台・有馬(北区)
▽神戸女子大学ボランティア活動本部:桜木町(須磨区)
▽北須磨ボランティア:西落合1〜2・名谷2(須磨区)
▽春風会・ひまわりの会:長田区内各仮設
▽兵庫商会:南落合第1〜3(須磨区)
▽阪神高齢者・障害者支援ネットワーク:西神第7(西区)

◎すたあとスタッフによる配達(仮設住宅・店舗など)
長田区内各仮設および店舗等・東白川台(須磨区)・学園東町第5(西区)・
星和台南ほか(北区)

◎コープこうべ様のご協力で店頭に据え置き
▽コープミニ ポートアイランド店
▽コープミニ 鹿の子台店


今号の制作スタッフ


編集長:     小野 幸一郎
副編集長:    吉田 信昭
編集:      駒場 正明
タイトル:    吉田 信昭
見出し・イラスト:加瀬久美・家田慈子・橋本吏賀
ワープロ入力:  横田ゆり・和田幹司
印刷:      横田ゆり

《すたあと長田 ウィークリーニーズ編集部より》
「すたあと長田」は、いかなる政治・宗教団体ともつながりを持たず、また、どのような営利団体とも特別なつながりは無く、ボランティアスタッフにより全くの自主管理で運営しています。みなさんのお役に立てればと、情報発信活動として「ウィークリーニーズ」を無料発行しております。



numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp