==1200年前の遺跡みつかる。ながたの元気も発見。==
区画整理が、なんとか進みはじめた《御蔵菅原》。そのバス停の近くの建設の場所で、奈良から平安時代のものと思われる遺跡がみつかった。かわらや土器もみつかったという。まるや四角の柱のあなや、くっきりと復元された、みぞの跡なんかを見ていると、ここに、1200年前にもひとが住んでいたんだなーと、なんだか、なつかしい、ふっくらした感じにつつまれる。《みくら遺跡》とよぶことにしたらしい。
長田は古くから、人が住み、そして住みやすい土地柄だった。今の新湊川(苅藻川)のそばに、少なくとも、縄文時代より人が住んでいたことが、土器なんかでわかっている。やま側にもはま側にも古墳があったようである。
われわれにとっては、たいへんな震災であったが、そのおかげで、今まで気づかなかったことも、みつかったし、新しい動きが長田にうまれてきた。
助けあう気持ちが、さらに強くなってきたのも、うれしいことであるし、長田神社前商店街(Tel: 078−691−2914)がはじめた、和洋菓子の5軒のおみせの手作りお菓子セット《長田物語》も名物になってゆくことだろう。
さあー長田の皆さん、元気を続けましょう。
(和田 幹司)
やまのあたりで むらをつくり かわにそって 人がむらがり うみをわたって ひとが来た。 “かみさまもやってきた”と 苦しいだろう しんどいだろう |
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▲みくら遺跡 |
※『あきちゃんかんちゃん街に出る』一覧ページ、『ながたものがたり』一覧ページ、各々ご覧下さい。
震災の年(1995年)の2月11日、東京から船便でプレハブ3棟が神戸に到着。その前日、私の会社の本社駐車場にボランティア用にと場所の提供を申し出た。2月半ばに建ててそれ以来『すたあと長田』として今日に至っている。そのプレハブも共同化住宅の為、4月に入ったら撤去しなくてはならない。
このプレハブで住民の皆さんが集まって初会合した時には、入り切れない程の人々が集まって大いに熱気あふれる活発な話し合いが出来た。「従前地に仮設住宅を!」なんて叫んでいたし、「早くガレキ撤去を」と皆さんが署名集めに走られた。まちづくりもここから出発した様に思う。そして色んな人達と知り合い、その出会いが今日に至らしめている。そしてそれはまた、震災の生んだ現実との取っ組み合いの日々であるし、行われる行政の施策に対しての不信の日々でもある。
震災から最初の1年余りはまだプレハブを始めとする簡易住宅や本建築も建てられていたが、この1年は殆ど建てられていない。商売されている人もこの1年は人がいなくて非常に苦しかっただろう。折角借金して建てたのにそれを返さないうちに苦境に立たされ、しかも区画整理の仮換地で建て替えなければならない。それが《本格的》であればまた借金になる。丸裸で焼け出されたので金も物もないのは当たり前。
戦後の復興を正直・真面目にコツコツと働くことで支えてきた、今迄何も悪いことしてないお年寄りに対する被災地のこのありさま。殆ど補償すらないと云って過言でない現実。彼らの努力は一体何だったのだろう。公的援助くらい認めてもいいのにこれが成り立たない。本当は誰もがおかしいと思っているのに。
銀行・証券の官民一体となった損失隠しと云う人災の尻ぬぐいで「緊急避難的措置」といって公的資金の投入をやり、自然災害で痛めつけられた住民をそれで救えないと云うこのアンバランス、どう考えてもおかしい。それでいながら変わらない、変えられない。
住民よ、怒ろうではないか。
上の3つの催しの申し込み要領:
【申し込み方法】往復はがきに、希望の催しを書いて、住所、氏名、年齢、電話、 |
創刊から丸1年になる1996年3月、『ウィークリーニーズ』は転換期を迎えました。
当時の被災地は、震災によってコミュニティ(地域の人付き合い)の重要性が注目される一方で、地域を離れての仮住まいをされている方が多く、コミュニティの維持が難しく感じるようになってきました。
そうした状況の中で始まった【Vol.3】は、(仮設住宅に移り住んだことで このまち(長田)を離れて行った人とこのまちとをつなぐパイプ役になれたら……)そんな想いを込め「まちから仮設へ 仮設からまちへ」とサブタイトルを付けて発行してきました。
【Vol.1】【Vol.2】では長田区内に限った配達でしたが、【Vol.3】では、長田区内で新聞やさんの協力により続いている《新聞折り込み》のほか、広い範囲で仮設住宅への配布に力を入れてきました。すたあとスタッフによる配達だけでなく、仮設住宅の自治会や他のボランティア団体などの協力をいただき、神戸市内だけでなく姫路や大阪などにある仮設住宅の方々にもお届けできるようになりました。
内容は、仮設住宅での支援活動・まちづくり・医療の現場などでお仕事をされている方に執筆していただいたり、地域のお話を連載してきました。「毎回楽しみ」と言ってくださる方も居て、区外に仮住まいされている方からは「懐かしい地名が出てくるのが嬉しい」といった声も聞かせていただきました。
『ウィークリーニーズ』が、これまでにコミュニティやまちの復興にお役に立てたか判りませんが、次号Vol.3 No.50をもちまして休刊いたします。今度はボランティアではなく地域住民が作る、もっと地域に密着したミニコミ誌が誕生することを密かに願っております。
(W・N副編集長:吉田 のぶ)
編集部の人々(現在) |
▲小野幸一郎さん (編集長) |
▲吉田信昭さん (副編集長) |
▲横田ゆりさん (Info・印刷等) |
▲和田幹司さん (あきかん連載) |
▲加瀬久美さん (イラスト担当) |
みなさんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「ゆずります」「求めます」「集まってください」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひ連絡をください。 (電話・FAX・郵便で「すたあと長田」までご連絡ください)
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《すたあと長田 ウィークリーニーズ編集部より》
「すたあと長田」は、いかなる政治・宗教団体ともつながりを持たず、また、どのような営利団体とも特別なつながりは無く、ボランティアスタッフにより全くの自主管理で運営しています。みなさんのお役に立てればと、情報発信活動として「ウィークリーニーズ」を無料発行しております。