また、寒い冬がやってきました。年が明けると地震から3年ですね。皆さんいかがお過ごしですか。
震災で奈良に移った人の会『ふきのとう』は活動を続け、現在110世帯に会報を送り、毎月1回《つどい》として茶話会を開いています。この《つどい》は人気で、毎月25〜35名も集まり、ふるさとの話に花が咲くんですよ。いつも明るくワイワイ ガヤガヤ、ときには誰かの「海が見たいね」「いつ帰れるんやろ」の一言でしんみりしたり、皆にとってこの日ばかりは気をつかわずに地震の話が出来る日でもあります。《被災地を離れた人は余裕のある人》というイメージがあるかもしれませんが、仮設住宅に何度申し込んでも当たらず親せき等をたよってやむなく離れた人、帰りたい一心でもままならない人が、今でも数多くいるのです。
さて、『ふきのとう』にとって 今年もいろんな事がありました。ふるさとへ帰れた方からのたよりも届きます。長田区へも、今年2世帯がもどられました。
(おーい、遠藤さん、山田さん、お元気ですか?)
「マーケットに買い物に行っても〈久しぶりやね、元気?〉と声をかけてもらえてうれしい」
「やっと、夜に眠れるようになりました」等々、うれしそうな声。
奈良に残る者にとって、親しくなった人が先にふるさとに帰るのは、さみしい事でもあるのですが、やっぱり、うれしい。
一人一人が元気になってゆく事が一番です。
もうひとつ長田のご縁で、今年うれしい事がありました。6月の事ですが、長田区で『黒田征太郎が描く8日間ライブ』と題した イベントが開かれましたよね。その時、長田区の谷口さんご夫婦が黒田さんに頼んでくださり、『ふきのとう』のポスターが出来上がりました。イベント期間中、たくさんの黒田さんのポスターが長田区を彩ったと聞いています。このプレゼントは本当にうれしかった!!
(谷口さん、本当にありがとう!)
被災地内にいる人は、外に出ても帰りたい一心で過ごす人のいることを、そして被災地外にいる人は、まだまだ復興の進まないふるさとの状態を、お互いに忘れずにいたいものです。
暖冬とはいえ、これから寒さが厳しくなります。
皆さま、どうぞお身体を大切に、新しい年をお迎え下さいますよう。
(震災で奈良に移った人の会『ふきのとう』代表: 米川 広子)
もうすぐ震災から3年目です。実はこの3年目で、「震災特例」として緩和されていたり認められていた諸制度のいくつかが、「期限切れ」になります。
3年・5年という「期間」はひとつのメド・区切りとしてよく使われる訳ですが、それはあくまで「メド」であって、3年経ったから「ハイ無事解決」というわけではないでしょう。そこには「見直し」や「検討」があるべきなのですが……。
聞くところによると、神戸も東の地区では住宅の再建率は100パーセントを越えているらしいですが、長田を含めた西の方はまだ50パーセントに満たないそうです。それには様々な理由があげられるでしょうが、ともかく「住宅の再建」も「まちの再建」もまだまだこれからといえます。
この3年、多くの支援制度や補助制度が作られてきました。その中には残念ながら「あんまり役に立たなかったもの」もありました。また、「時期尚早」といえるものもありました。まだまだ多くの方々が困難な状況にある今、4年目から何が必要かを、行政をはじめとした関係各所の方々に今一度真剣に検討していただかなくてはならないでしょう。
得もすれば神戸の中でさえ「風化」しつつある「震災後の現実」。しかし、被災地の本当の意味での「復興」の正念場はこれからと言えるのではないでしょうか。
震災から2度目の寒い季節が訪れました。粘り強く(でも身体をこわさずに)、「声」をあげていきましょう。
(小野 幸一郎)
FMわぃわぃ 77・8MHz |
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※日刊の新聞10月28日によれば、ケミカルシューズの生産額は震災前の約半分。それでも、くつっ子まつりでは懸命にがんばる姿がみられた。
(和田 幹司)
▲「靴がいっぱい、人もいっぱいの 《くつっ子まつり》。 次回も楽しみだわ」(あき) |
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