「Weekly Needs」1997.7.24号(Vol.3 No.35)
「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。
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=たたかいが終わったあとは、みんななかよく ノーサイド=
しんさいのとき、ひなん所になっていた旧区役所のあたりは、高取山がみどりいっぱいで、たいそう美しく見えるところである。村野工業の高校のグラウンドからは、「ファイト」という野球部員のわかわかしい、げんきな声もきこえてくる。新湊川とグラウンドとの間に、たくさんの碑がたっているのだが、気づく人は少ない。
850年ほどのむかし、ながたも源平合戦のいくさの場となり、平家と源氏がはげしくたたかった所であった。
駒ヶ林、野田町、明泉寺町など、たくさんの史跡が長田にはある。村工のよこの《平知章(たいらのともあきら)の碑》などもそのひとつである。
一の谷の合戦でまけて、長田のほうにやってきた父の知盛(とものり)を助けようとして、ともあきらは明泉寺のあたりで戦死したという。平家の武将と相討ちした源氏の武将の碑も、ともにおかれている。
あとになって、ながたの人たちは、ともに戦ったもののために《源平勇士の碑》として、平家と源氏をひとつの所にあつめて、まつったのである。
ラグビーというスポーツも、敵・味方わかれて、たたかった後は『ノーサイド』。握手でおたがいをたたえあう。おなじ気持ちが長田にはありそうだ。
(和田 幹司)
たたかって たたかって
たたかって いるんだよ
がんばって がんばって
がんばって いるんだよ
あの大きかった地震のあとは
“ノーサイド”と早く言ってよ
戦いの終わり まだなのかい
“ノーサイド”と早く言ってよ
ファイトは燃やしているけれど
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▲新湊川の横にたっている 《源平勇士の碑》 |
◆福祉施設(つづき)◆
<長田区の後期実施計画当てはめ>
| 長田区2000年 新GP当てはめ | 長田区 |
1997年度予算 | →新GP比 | 2001年目標 |
ホームヘルプ | 141人 | | | |
デイサービス | 14.1カ所 | 7カ所 | 50% | 10.4カ所 |
ショートステイ | 50人 | 40人 | 81% | 77人 |
在宅支援センター | 8.3カ所 | 2カ所 | 24% | 2.9カ所 |
特養ホーム | 240人 | 100人 | 42% | 317人 |
老健施設 | 231人 | 0人 | 0% | 198人 |
ケアハウス | 83人 | 0人 | 0% | 36人 |
デイサービスは地域福祉サービスの基本である。患者さんを自宅に閉じこめずに、積極的に地域・住民とふれあい、交流していくことが生きがいとなる。これはまた「まちづくり」に繋がっていく。長田区は1997年度予算では7カ所となる。これとデイケア(医療側が行うデイサービス)を加えると11カ所となっている。さらに今後できる特養ホーム2カ所分が加わると、数の上では新GP達成となる。今後は地域的配置バランスを踏まえた小規模デイサービスの建設が求められるだろう。
庄山町デイサービスセンターは「福祉法人駒どり」が担当する。1992年より、地域の医療生協組合員・ボランティアにより宅老所「駒どり」が始まったが、震災を契機に事業化が計画された。神戸医療生協から土地建物の寄付を受けて法人化を申請し、1997年秋より板宿庄山町にデイサービスを開始する運びとなったものである。
今後、二葉町・番町などでは、行政からの特養ホーム向けの土地提供の入札に参加して、住民立の特養ホームの建設を目指している。
<長田区のデイサービス・デイケア>
デイサービス | A型 | B型 | C型 | D型 | E型 | 備考 | 開設時期 |
重介護 | 現行 | 軽介護 | 小規模 | 痴呆毎日 | |
市立長田在宅福祉センター (さるびあ) | | 15人 | | | 10人 | | 1987. 7 |
市立西部高齢者介護支援センター | | 15人 | | | | 特養併設 | 1993. 6 |
市立若松デイサービスセンター | | | | 10人 | | | 1995. 4 |
市立片山デイサービスセンター | | | | 10人 | | | 1997. 5 |
庄山町デイサービスセンター | | 20人 | | | | | 1997.10 |
市立真野デイサービスセンター | | | | 10人 | | | 1997.? |
鹿松デイサービスセンター | | 20人 | | | | 特養併設 | 1999.? |
<小計> | | 70人 | | 30人 | 10人 | 計110人 | |
デイケア | |
適寿病院 | 20人 | |
兵庫病院 | 20人 |
番町診療所 | 20人 |
神戸協同病院 | 20人 |
<小計> | 計80人 |
合計 190人 |
(神戸協同病院院長:上田 耕蔵)
用語脚注:
- 市民福祉総合計画
- 新GPにある達成目標をふまえた神戸市の福祉行政に関する後期実施計画(1997〜2000年度分)のこと。1997年3月発表。
- 新ゴールドプラン(新GP)
- 高齢者保健福祉推進十か年戦略の見直しのこと(1994年12月、大蔵・厚生・自治各省の合意)
- ホームヘルプ(サービス)
- ひとり暮らしやねたきりの高齢者がいる家庭を、派遣申請に基づいてホームヘルパーが訪問し、家事、介護、相談など日常生活の援助を行うこと。
- デイサービス(〜老人デイサービスセンター)
- 在宅の虚弱高齢者や寝たきり高齢者を対象とし、通所により、デイサービスセンターにおいて各種サービスを提供すること。リフトバス等を用いて送迎を行うところや、訪問事業を行うところもある。サービス内容は食事・入浴・日常動作訓練・健康チェック・レクリエーション・生活指導・家族介護者教室など。サービス内容により、以下の5つのタイプがある。
- A型:(重介護型)
- 基本事業(生活指導、日常生活動作訓練、養護、家族介護者教室、健康チェック、送迎)、通所事業(入浴サービス、給食サービス)、訪問事業(入浴サービス、給食サービス)の全部を実施する施設。
- B型:(基本型)
- 基本事業、通所事業の全てを実施し、訪問事業の各サービスについては選択して実施する施設。
- C型:(軽介護型)
- 基本事業6項目中、「送迎」を必須とし、他の5項目中3項目を選択して実施するとともに、通所事業及び訪問事業の5つのサービス中2項目を選択して実施する施設。
- D型:(小規模型)
- 基本事業については、生活指導(レクレーションを含む)、養護、健康チェックを、通所事業については給食サービスを実施するとともに、入浴サービスについては選択して実施する施設。
- E型:(痴呆老人向け毎日通所型)
- 事業の実施はD型と同じ。ただし、対象者を痴呆老人とするもの。
- ショートステイ
- 老人短期入所、またはそのための施設を指す。寝たきりや痴呆・虚弱な高齢者が一時的に家庭介護が困難になった時、一定期間を限度(1・2週間位)に福祉施設(特養ホーム等)などで生活すること。さらに長期にわたる入所(ミドルステイ)を行うところもある。
- 在宅(介護)支援センター
- 介護を行っている家族が、身近なところで気軽に専門家に相談でき、市町村の窓口に行かなくとも必要な保健福祉サービスが受けられるように調整するための、保健・医療・福祉にまたがる在宅サービスの窓口。ホームヘルパーの派遣や、ショートステイ、デイサービス、訪問入浴サービスなど、各種の在宅福祉サービスを提供している機関や、訪問看護、訪問リハビリといった保険医療機関(訪問看護ステーションを含め)などと連絡を取り、実施するサービスの組み合わせなどの調整を行う。
- 特養ホーム(=特別養護老人ホーム)
- 原則として、65歳以上で身体上または精神上に著しい障害があるために、常時介護を必要とするが、家庭ではこれを受けることが困難な老人を入所させ、日常生活上の必要な介護を行う施設。
(養護老人ホームの中でも、常時介護が必要な方を対象とするもの。)
- 養護老人ホーム
- 65歳以上で、身体上、精神上または環境上の理由と経済的な理由から、家庭で養護を受けることが困難な老人を入所させ、健全な日常生活の確保を図ろうとする施設。
- 老健施設(=老人保健施設)
- 疾病、負傷などにより、寝たきりの状態にある老人、またはこれに準じる状態にある老人に対し、看護、医学的管理のもとにおける介護及び機能訓練その他の必要な医療を行うとともに、その日常生活上の世話を行う施設。
- ケアハウス
- 60歳以上で、自炊できない程度の身体機能の低下が認められ、または独立して生活するには不安があり、家庭による援助を受けることが困難な者が利用できる施設。
インフォメーション
- ◆元気アップ 長田たなばたまつり◆
- 【日時】8月1日(金)〜3日(日)※雨天中止
【場所】長田区役所前 区民広場
- ・1日 午前10時〜午後3時 『たんざくかざりつけ』
- 中学生以下の子どもたち、たんざくを持って来て下さい。
- ・3日 午後3時〜 『メーンステージ』
- ブラスバンド、腹話術、落書きハウス、マジック、子ども会屋台、白バイコーナーほか
【問】長田区 総務課 地域活動係:078−579−2311
- ◆精霊送り◆
- 例年どおり、お盆の精霊送りをします。お花、お供えをもってきてください。ただし、ビール、酒などは処理がしにくいのでご遠慮ください。小雨決行です。
【日時】8月15日(金)午後4時〜8時
【場所】長田区役所前 区民広場
【問】環境局 業務課:078−322−5291
- ◆神出 観光 スイカ狩り園◆
- 夏といえばスイカです。このたび「スイカ狩り園」がオープンしました。品種は、冷蔵庫にも入れやすい「紅小玉(べにこだま)」です。
【開園時期】8月中旬まで
【料金】大人=800円、4才〜小学6年=600円
みやげ1個つき(2個以上は別料金)
【問】神戸市西農協 神出支所:078−965−1055
- ◆須磨・平磯海づり公園◆
- 夏といえば海です。海づり公園では以下のようなサービスをおこなっています。
- とくとく つり一日フリー券 7月22日(火)〜31日(木)
- 貸しざお無料サービス 8月1日(金)〜8日(金)
いずれも日曜日にはありません。
- お楽しみ水あそびコーナー 7月19日〜8月31日(日)
【問】神戸市 海浜管理協会:078−735−2907
みんなの伝言板
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みなさんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「ゆずります」「求めます」「集まってください」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひ連絡をください。
(電話・FAX・郵便で「すたあと長田」までご連絡ください)
- ★高橋竹仙による津軽三味線★
- とき:8月5日(火)よる7時〜
ばしょ:御蔵 集会所(日生ビル西側)
- ★みくら盆踊り大会★
- とき:8月6日(水)よる6時〜
ばしょ:日生ビルの南側 空き地(昨年と同じ)
昨年に引き続き、河内音頭が来てくれます。なんと各流派が勢ぞろい!
特に元・御蔵地区住民の皆さま、ふるってご参加ください!!(後日あらためて連絡します)
主催:みくら5・6・7わが街の会
お問い合せ:まち・コミュニケーション:078−578−1100
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初めて見た“神戸まつり パレード”
7/20(日)第27回
ワッショイ! ワッショイ!!
“だんじり”にサンバのリズム
(画:勝山 和哉)
この「ウィークリーニーズ」は以下の皆様の協力により配られています
- ◎新聞販売店様のご協力で長田区内に折り込み戸別配布
- ・読売新聞 丸山IC ・読売新聞 新長田IC
・神戸新聞 五位の池専売 ・毎日新聞 丸山販売
・毎日新聞 尻池販売 ・読売新聞 御蔵IC
- ◎地元ボランティア団体・個人の協力により、
各地区(市内広域・姫路・大阪など)の仮設住宅に配布
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▽姫路「心のケア」ネットワーク:玉手・新白浜(姫路市)
▽鹿の子台ボランティア連絡会:鹿の子台第1〜8(北区)
▽有野台ボランティア:有野台第1〜3・五社・東有野台・有馬(北区)
▽神戸女子大学ボランティア活動本部:桜木町(須磨区)
▽北須磨ボランティア:西落合1〜2・名谷2(須磨区)
▽春風会:長田区内各仮設
▽兵庫商会:南落合第1〜3(須磨区)
▽阪神高齢者・障害者支援ネットワーク:西神第7(西区)
- ◎すたあとスタッフによる配達(仮設住宅・店舗など)
- 長田区内各仮設および店舗等・東白川台(須磨区)・学園東町第5(西区)・
星和台南ほか(北区)
- ◎コープこうべ様のご協力で店頭に据え置き
- ▽コープミニ ポートアイランド店
▽コープミニ 鹿の子台店
今号の制作スタッフ
- 編集長: 小野 幸一郎
- 副編集長: 吉田 信昭
- タイトル: 加瀬 久美
- 見出し・イラスト:家田慈子・加瀬久美・橋本吏賀
- ワープロ入力: 横田ゆり・和田幹司
《すたあと長田 ウィークリーニーズ編集部より》
「すたあと長田」は、いかなる政治・宗教団体ともつながりを持たず、また、どのような営利団体とも特別なつながりは無く、ボランティアスタッフにより全くの自主管理で運営しています。みなさんのお役に立てればと、情報発信活動として「ウィークリーニーズ」を無料発行しております。
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