「Weekly Needs」1997.6.26号(Vol.3 No.33)

「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。

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=かんちゃんの ながたものがたり (第6回)=


==枕木(まくらぎ)や赤れんがのこり、運河(うんが)がある町==

 しんさいのあと、たくさんのものがあたらしくなってゆく、わたしたちの町なんだけれど、木のやわらかさや水のながれを見つめる時間も、あわただしい毎日のなかで、たいせつにしたいものだ。

 ひょうご運河に行ってみよう。菅原市場から、JRの南、梅ヶ香町1丁目、増田製粉の正門のあたりを東におれると、赤れんがのへいのある道にでる。
 すこし歩けば、もう運河の支流だ。材木もぷかぷかういている。さんぽしている犬のあとをついてゆくとふみきりにでる。

 和田岬線がとおっている。まくらぎで出来たへいもある。なんとも、ふしぎな風景なのだ。もとにもどり、市バスの道を海のほうへ、さらに歩いてみる。
 左に寄り道して、川崎車両もおもしろいのだが、やめにして、たかまつ橋まで10分ほど歩くと、運河をひらいた八尾善四郎の像がたつ貯木場にでる。

 明治に、この運河が出来たおかげで、長田にいっぱい会社がきてくれたという。時間のかかる、わたしたちの今回の復興であるが、つぎの世代のひとたちに、なにが残せるのだろう。
 それは、ものではなく、残るのは、きっと、人の心だろう。

(和田 幹司)

空き地のへいになった枕木
 よこを 日に数本の
   通勤の列車が走ってゆく

 あぶらを十分すって
 あまみずも、ひのひかりも
 たくさん すってきた枕木

 枕木さんよ 地震のあとも
  すっきりと たっているんだね
 重さにはたえてきたもんね

▲梅ヶ香町1丁目辺りの
枕木でできた塀


長田区の福祉のまちづくり(2)

◆シルバー住宅・コレクテイブ住宅◆

[2](2)シルバー住宅・コレクテイブ住宅(前号の続き)

 仮設あるいは地域には虚弱な老人が多く、単なる公営住宅への入居では孤独死が心配される。一方、福祉施設は非常に不足している。こうした状況を考慮して、公営住宅の約2割にシルバーハウジングが採用されることとなった。神戸市で約2000戸が建設される。新規では長田区には4カ所、計139戸できる。


(→東尻池第2・西尻池・浜添・片山:下記の表を参照)

シルバー住宅とは、

@車椅子で生活できるバリヤーフリー仕様(段差のない作り)
A倒れても発見できる警報システム
B生活支援員による安否確認を行う
低所得向け高齢者住宅である。また調理困難な世帯は、1食450円の負担で配食サービスも受けられる。

<長田区・須磨区のシルバー住宅>
所在 名称完成時期戸数備考
須磨区既着工松風第31996. 744戸特養ホーム併設(後述)
 新規松風第41997. 746戸 
 新規白川台1997.1227戸一般住宅あり
長田区既整備長田北第21992.38戸特養ホーム併設
 新規東尻池第21997. 920戸D型デイ併設(後述)
 新規浜添(コレクティブ型)1998. 321戸一般住宅8戸あり
 新規片山(コレクティブ型)1997. 3 6戸 
 新規西尻池1998. 792戸一般住宅あり

 

 21世紀の超高齢化社会への対応としても歓迎されるが、被災地シルバー住宅は大きな課題をもっている。

@介護などのケアは付いていない
 別にヘルパーさんを頼む必要がある。また寝たきりになった場合、介護ができる家族がいないと、住宅を退去しなければならない。

Aソフト体制の見直しが必須
 入居希望者は「見守ってほしい」後期高齢者(75歳以上)が中心である。中でも虚弱老人は「閉じこもり」がちであり、そのままではねたきり・痴呆への道を急いでしまうことになる。被災地のシルバー住宅は一層「ふれあい」と「ケア」が求められるわけだが、現状の《ソフト》=《生活支援員による「見守り」システム》では、「閉じこもり」を防止できない。生活支援員と協力して地域でも支えていこう。


 コレクテイブ住宅は「(老若)複数世帯の協同居住」である。長田区には2カ所、計35戸できる(浜添29・片山6)。
 「真野(浜添)ふれあい住宅」は、高齢者21戸と一般8戸の老若世帯構成であり、より助け合いが期待できる。1階にある協同室は床暖房で快適だ。ここで雑談したりお茶を飲んだり、たまには気のあったもの同士で料理を作り楽しく食事もできる。一般の公営住宅と違い、通路は南側に広くとってあり、花壇やテーブルも置かれる。北側(裏側)はバルコニーで区切られず通路になっているが、2軒ごとに各住居を分けた通路とつながっており、まるで路地のようだ。玄関の引き戸を閉めて自分の部屋にこもっても、裏側の通路から「どないしたん。」と声をかけてくれる。下町長屋のごとく自然と、住民がふれあい助け合えるつくりになっている。

 人の孤立を防ぎ「ふれあい」と「自治」を育てていくのがコレクテイブ住宅であるが、21世紀は超高齢化だけでなく、シングル化(一人暮らし)が進む。公営の実験住宅ができる意義は大きいが、初めての試みである。地元のみんなで支えていこう。

(つづく)

(神戸協同病院院長:上田 耕蔵


インフォメーション


◆大雨に気をつけましょう◆
 夏は梅雨や台風で大雨の降ることが多くなります。土砂災害などにご注意ください。あらかじめ避難所の確認や非常持ち出し袋の用意をしてください。
 6月15日(日)発行の『広報こうべ臨時号』に避難所の一覧と危険な場所がわかる地図が載っています。

◆土曜法律相談◆
 無料で相談を受けます。相談したい人は予約してください。
【日時】7月12日(土)午前10時〜午後1時
【場所】長田文化会館
【問】 078−575−0550

◆新長田図書館 映画会◆
 『美少女戦士セーラームーン3』を上映します。先着30人まで。
【日時】7月12日(土)午後2時〜
【問】新長田図書館 078−691−1600

◆ケアライン119 利用者募集◆
 いざというときに、ボタンをおすだけで消防署に連絡がいく電話機があります。持病があって不安な人・ひとり暮らしの人は、近くの民生委員さんに相談してください。
【条件】家に電話があり、消防署から連絡があったとき、近所の人2人がかけつけて協力してもらえる人で、次の5つの中に入る人
@65歳以上のひとり暮らしの病弱な人
Aひとり暮らしの重度障害者
Bひとり暮らしで命に関わる発作が起こる病気を持っている人
C高齢者だけで暮らしていて、そのうち1人が@〜Bの条件にあてはまる人
D条件AとBに当てはまる人で、2人暮らしだが1人きりでいる時間が長い人
【申し込み】民生委員、児童委員をつうじて消防署へ
【しめ切り】7月15日(火)
【問】市役所 予防課:078−325−8510


みんなの伝言板


 みなさんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「ゆずります」「求めます」「集まってください」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひ連絡をください。
 (電話・FAX・郵便で「すたあと長田」までご連絡ください)

★ひまわり学級 ボランティア募集★
 毎週、土曜日の午前に行っている識字教室『ひまわり学級』で、字の読み書きを教えてくれるボランティアを募集しています。
 資格はいっさい必要ありません。
《教えること》は自分にとっても勉強になります。興味のある方、ぜひご連絡ください。

連絡先:ひまわりの会 事務局
電話 :078−512−3703(担当:藤井)


すたあと長田のサタデーエクスプレス


 毎週土よう日の午後、本紙スタッフらのお送りする地域密着型ラジオ番組「すたあと長田のサタデーエクスプレス」が、FMわぃわぃからオン・エアーされています。様々なゲストをスタジオに迎え、熱く烈しいトーク・バトルを展開しながら、電話中継・街頭収録・長田の最新情報などを、ハプニングを交えて90分間お送りしています。

 是非お聴き下さいますよう宜しくお願いいたします。尚、御意見・御感想等、心からお待ちしております。

(勝山 和哉)


この「ウィークリーニーズ」は以下の皆様の協力により配られています


◎新聞販売店様のご協力で長田区内に折り込み戸別配布
  ・読売新聞 丸山IC   ・読売新聞 新長田IC
  ・神戸新聞 五位の池専売 ・毎日新聞 丸山販売
  ・毎日新聞 尻池販売   ・読売新聞 御蔵IC

◎地元ボランティア団体・個人の協力により、
 各地区(市内広域・姫路・大阪など)の仮設住宅に配布
▽姫路「心のケア」ネットワーク:玉手・新白浜(姫路市)
▽鹿の子台ボランティア連絡会:鹿の子台第1〜8(北区)
▽有野台ボランティア:有野台第1〜3・五社・東有野台・有馬(北区)
▽神戸女子大学ボランティア活動本部:桜木町(須磨区)
▽北須磨ボランティア:西落合1〜2・名谷2(須磨区)
▽春風会:長田区内各仮設
▽兵庫商会:南落合第1〜3(須磨区)
▽阪神高齢者・障害者支援ネットワーク:西神第7(西区)
▽りんくうネット:大阪府りんくうタウン内仮設

◎すたあとスタッフによる配達(仮設住宅・店舗など)
長田区内各仮設および店舗等・東白川台(須磨区)・学園東町第5(西区)・
星和台南ほか(北区)

◎コープこうべ様のご協力で店頭に据え置き
▽コープミニ ポートアイランド店
▽コープミニ 鹿の子台店


今号の制作スタッフ


編集長:     小野 幸一郎
副編集長:    吉田 信昭
タイトル:    加瀬 久美
見出し・イラスト:家田慈子・加瀬久美・橋本吏賀
ワープロ入力:  横田ゆり・和田幹司

《すたあと長田 ウィークリーニーズ編集部より》
「すたあと長田」は、いかなる政治・宗教団体ともつながりを持たず、また、どのような営利団体とも特別なつながりは無く、ボランティアスタッフにより全くの自主管理で運営しています。みなさんのお役に立てればと、情報発信活動として「ウィークリーニーズ」を無料発行しております。



numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp