コラム(2000年その2)
 
特集2000年ペナントレースを振り返って
うわぁ〜〜〜!!久しぶりのコラムとなってしまった。
ていうか、オープン戦の総括以来とは。それもリニューアルして2つ目。まぁ前半は忙しくってそれどころではなかったし、後半はコラムネタを掲示板に書いてしまっていたし。まぁおかげさまで掲示板に皆様が沢山書いていただきましたので嬉しい限りですが反面コラムにしようかなぁと悩んだのもありました。 
って本題に入りますが、とうとう2000年ペナントレースも終了してしまったので今シーズンの自分なりの総括を書きます。 

ベイスターズはスタートダッシュこそは良かったものの、あれよあれよと言う間に5割ラインを上下し、後半は最下位の危機までありながら結果的には球団史上初4年連続Aクラス3位で終わったのでした。Aクラスと言いながら、内容的にはイライラの積もる試合が多く帳尻が合ったという感じで、がっかりという言葉が正解なのでしょう。 

それでは順番に書いていきたいと思います。

 
大誤算先発投手陣(先発投手編)
昨年は主軸先発投手2人で31勝を上げ大活躍であった。そして今年更に小宮山が加入しまた野村がやっと復帰、三浦・福盛と加われば先発投手陣のコマは揃い、抑えの佐々木が移籍してしまっても、新外国人ベタンコートも加入しどちらかと言えば何とかなるかと思わせたが、ベタンコートが期待外れに終わり、その影響で福盛が抑えになり、阿波野を先発ローテーションに加えた。しかも隆・川村はオープン戦で今ひとつ調子が悪い。 
それでも、開幕し隆・川村・三浦が順調にスタートし、小宮山も健在ぶりをアピールした。それでも、阿波野は予想通りというか(^^;;先発で登板してもなかなか勝てない状況が続いた。そこにやっと芽を出しかけたのが矢野であった。 

しかしコレも、続かず4月後半からは主軸投手陣が総崩れをし、しかも期待の矢野まで肘の痛みを訴え登録抹消となり、三浦も肝機能障害と悪夢は続いた。 
そして前半戦隆は6試合連続で勝てない、三浦は51日間勝利を見放され、小宮山も勝ちが安定せず、野村に至っては話にならないとい厳しい状況が続き、ベタンコート自身も先発をした事がないと言いながら、先発で起用せざるおえない状況となった。その中に新戦力が登場した。07/20カープ18回戦で4年ぶりに一軍で投げた細見が涙のプロ入り初勝利を上げた。 

オールスター明けから状況が一変した。今まで勝てなかった三浦が8月に4勝上げ月間MVPに選出され、川村もまた細見も勝てるようになってきた。しかし小宮山・隆は安定せず。隆は好投するが突然崩れるのを繰り返し、最後は初っぱなから打たれ初めてしまい08/18捻挫をきっかけに登録抹消され今シーズン2度と1軍に戻れなかった。また抑えを主体にしていた福盛が、調子を崩し先発をする機会が増えた。そして中継ぎとして1軍登録した神田が終盤になって先発起用をし、安定したピッチングを披露した。 

と言うわけで、先発投手から簡単に1年間を振り返ったが、31勝を上げた2人がなんと今シーズン13勝しか出来ず、何とか結果を残したのは三浦(11勝6敗)だけであった。また小宮山については8勝12敗と今ひとつであった、特に初回に失点を食らうパターンが多く、ゲームを組み立てられなかったが、私的にはこんなものかなぁと思った。本来小宮山の勝利は上乗せとならなければ意味がなかったが、結果的には穴埋めにもならなかった。 

そして特に不調の原因になったのは、被ホームランの多さであった。チーム被ホームランは152本と2位のカープと6本差ではあったが、 
小宮山24本・川村23本・三浦22本と3選手が規定投球回数での被ホームランベスト3となり、規定投球回数に達しなかった隆19本・野村15本と先発投手だけで103本(中継ぎ登板分も含まれる)と、話にならなかった。

 
シーズン中に確立した勝ちパターン(中継ぎ・抑え編)
先発投手陣が大誤算の中、苦しんだのは中継ぎ抑えもそうであった。当初ベタンコートが佐々木の穴を埋める為に獲得されたが、オープン戦で戦力としてはまだ不十分と評価され期待を大きく裏切った。しかし福盛を先発から抑えにまわし、昨年から力を見せ始めた森中、そしてオープン戦で力を発揮したルーキー木塚を抑えとして、やりくりする手段を選んだ。 

また中継ぎとして、島田・河原・阿波野・矢野そしてルーキーの中野渡を起用した。しかし福盛の穴埋めとして阿波野は先発として起用したが期待に応えられず、中継ぎでもゲームを壊す羽目となり、先発争いから脱落した戸叶をシーレックスから呼び寄せた。そのためコンスタントに力を見せ始めた矢野を先発にまわしたが怪我で登録抹消。戸叶も結局結果を出せず横山を呼び戻す。また先発として結果を出せない野村を中継ぎに降格。などやりくりが厳しかった。また中野渡も結果を出しながらシーレックス行きと残念な場面もあった。更には横山・五十嵐も結果を残せなかった。 

その中で抑えはコンスタントに働いた。福盛を軸に、森中・木塚がフル稼働をした。木塚は一時期起用の疲れからか、思いっきりの良さがなくなり打たれる場面をみるようになった。しかし福盛が夏場から調子を崩し始めると、木塚の活躍が目立つようになった。それに加え安定した力を発揮した河原・森中をリレーし木塚は結局7勝18セーブと結果を残し、シーズン後半でようやく勝ちパターンを確立できた。

 
怪我が生んだ大打者(打者編)
さて打者編と総括は進みます。
いつものごとく今年もレギュラーメンバーでスタートした今シーズン開幕当初は、打線が大爆発でスタートした。しかし04/07ドラゴンズ1回戦でバンチにノーヒットノーランを食らってからおかしくなってきた。また4月に琢朗がコンパートメント症候群を煩い、進藤は5月に右足ふくらはぎを痛め更には6月に右足首、波留が同月左足大腿二頭筋の部分断裂で登録抹消。8月中根は左足痛、谷繁も同月疲労性蕁麻疹とけがに泣かされ続け。特に好調時で怪我をし、その後調子を戻せないと言う最悪なパターンは続き、また新外国人のメローニも守れない打てないと期待外れで前半戦で解雇という状況までとなった。 

また予想以上に打者陣の不振は続き、琢朗はコンパートメント症候群と戦いながらの出場となり、それが響き走攻守に精彩を欠き、また波留は怪我をするまでは絶好調であったが、怪我の影響で調子は戻らずひじょうに痛かった。また尚典も年間を通じて今までのような調子には戻れず、とうとう打率3割を切ってしまった。ローズは開幕時絶好調ではあったが、後の駒田の不振から逃げられる場面が増え、調子を崩したが最終的にはシーズン最多安打の記録を塗り替えた。それでもチャンスに確実に打てていたかというと、併殺打の多さは目立った。駒田はシーズン通して不振に泣き、チャンスで外された事から途中帰宅という問題まで起こした。佐伯についてはオープン戦当初は成長ぶりを期待されたが、足を骨折し隠しながらやっていた事もあり、精彩を欠き打線の繋がりを悉く切っていた。進藤は今年も怪我に泣き、その影響で若手にレギュラーを奪われた。谷繁も中盤好調さをアピールしたが、攻守に渡って期待を外した。その中で中根がレギューラを奪い、もう一歩のところで規定打席到達寸前まで出場し打率.325ホームラン11本は不振の打線の中で見事な働きであった。 

さて、この様に怪我人続出の中で、新戦力の台頭が目立った。特に金城は04/16ジャイアンツ2回戦で9回代打で初出場をし、見事槙原からプロ入り初打席初ホームランを放ち鮮烈なデビューを飾った。更には驚くべき事に一時期は打率4割をキープし最終的に規定打席に到達し更には首位打者と獲得し見事にチャンスを生かした。それに続き、怪我で苦労した多村がやっと1軍に復帰し最終的には打率.251ではあったが、見事波留からスタメンを奪った。更に義人も特に代打で活躍がめざましく後半ではスタメン起用も多くなった。更に相川も谷繁が不在時をチャンスに素晴らしい活躍をし、Aクラス確定への足がかりを作った。

 
今年はベイスターズ改革の年(全体総括)
とにかく今年は苦しかった。開幕当初は絶好調も長くは続かず、先程も書いたが04/07ドラゴンズ1回戦でバンチのノーヒットノーランから全てが崩れ始め、ジャイアンツに連敗ね、06/10札幌市営円山球場でのタイガース11回戦頃から、上位争いから脱落を確定させてしまった。特に打線の不振のサイクルが長く、好調は長続きせず不振は脱せないと言う展開から、連勝の後に連勝以上の連敗しかも、3連戦の初戦をことごとく落とし、ベイスターズペースにはならなかった。やっと8月に調子を取り戻したが既に手遅れという状態で、Aクラスを確保するのがやっとであった。 

では「何が悪い??」と聞かれると、私にとっては全てが悪いとしか言いようがない。確かに先発投手陣の悪さが一番の影響ではあったが、その元は好投をしながら打線の援護に恵まれず、そこから調子を崩したとも言えるからである。 
ただもっと狭まるなら、レギュラー陣すなわちV戦士の不振であろう。コレは昨年辺りから危機感を感じていたが、あまりにもスタメンが固定し過ぎて新戦力の台頭が難しかった。そのためレギュラー陣と控えとの差が開き、戦線離脱で急に戦力が落ちる可能性を持っていた。更にはフロントの戦力補強の失敗、特に獲得争いで負け十分な戦力補強が出来ていなかった。それが結果的に去年辺りから競争がなくなりレギュラー陣の怠慢さに繋がった。その結果が今年の前半に出た。 

またその裏には、権堂監督の頑固さからくる影響でもあり投打では悪くても使い続け、その結果が取り返しがつかなくなってきた。もっと展開に応じた決断は必要だったのではないかと疑問を感じてならなかった。更にはコーチ陣も対処に苦慮をし手を打つのが遅かった事も言える。これはあまりにもレギュラー陣の実績が弊害となった。また琢朗の不振せいもあったが、足が使えず残塁を量産し、チーム打率はダントツのトップでありながら得点は4位、盗塁は3位、犠打に至っては最下位であった。そのせいか野球盤的な走塁に感じ、ランナー1塁で2塁打を打っても、2・3塁という場面見かけ積極性を欠いていた。 

しかしレギュラー陣の怪我がチームの変革をもたらせるとは思わなかった。先程から書いているが、金城・木塚を始めとする新戦力の台頭が、不振のベイスターズを救った事は間違えなかった。また谷繁登録抹消により相川がスタメンでマスクをかぶったが、それがベイスターズのチーム状態の上昇に合致したし、その後谷繁復帰以降の勢いとの差をみれば明らかであった。正直そのまま相川を使って欲しかった。1999年からのファーム改革、そして今年シーレックス誕生でのファーム独立の効果であったのであろう。これがチームに危機感と競争力を与え、ファンにも期待を膨らませたのは言うまでもない。 
もちろん、今年活躍した新戦力も来年になれば、追う立場でもありながら今度は追われる立場でもある。

 
森監督起用はベイスターズ再生へ
来季から森監督が就任する事になった。その会見上でもV戦士の鍛え直しを宣言していたが、まさにそれが最優先である。ベイスターズは1998年の結果からも、力は絶対に他球団と比較しても劣らないと思っている。選手の意識改革、更には勝つ野球はビシビシとやって欲しい。またそれが出来る監督であると期待すると同時に、フロントも昨年の失態を繰り返さないように頑張って欲しい。それで勝てる野球すなわちファンが納得する野球ならば、もし今年と同じ順位でも応援のし甲斐もある。
 
今年のキーポイント
最後に今年のキーポイントを羅列してみました。 
試合日・対戦相手・球場
結果
内容
04/07ドラゴンズ 1回戦
[横浜スタジアム]
0−8 新外国人のバンチにノーヒットノーランを食らう。これがチーム低迷へのスタートとなった。
04/15ジャイアンツ1回戦
[東京ドーム]
3−4 川村が好投したが、打線はホームランのみがジャイアンツに苦戦の始まり。
04/16ジャイアンツ2回戦
[東京ドーム]
4−6 隆が先発、この試合で首位から転落した。この日金城が9回代
打で初出場でプロ入り初ホームランを槙原から打って鮮烈なデビューを飾った。
05/21タイガース 8回戦
[横浜スタジアム]
0−1 矢野・波留が負傷で途中降板。好調の2人が戦列離脱は低迷に拍車をかけた。
06/10タイガース 11回戦
[札幌市営円山球場]
6−7 ベタンコートが先発。この札幌での連敗が結局転落へ加速させ。
今シーズンへの絶望感が走り始めた。
06/16カープ   11回戦
[横浜スタジアム]
0−3 ベタンコートが先発。佐々岡に完封されて7連敗。
07/15タイガース 17回戦
[阪神甲子園球場]
8−9 川村火だるまで、またも4連敗。タイガースに14連勝のあと7連敗。この敗戦で前半戦5割の可能性は消えた。
07/20カープ   18回戦
[横浜スタジアム]
11−0 細見涙の初勝利。前半最終戦から後半に望みをつなげる5連勝のきっかけとなった。
08/01ジャイアンツ16回戦
[横浜スタジアム]
2−4 今シーズン完全に絶望となった7連敗へきっかけ。小宮山先発打線が沈黙。
08/06ドラゴンズ 17回戦
[横浜スタジアム]
3−4 川村が何とか好投をしたが打線が決められず、延長12回ベタンコートが勝ち越される。
08/17カープ   21回戦
[広島市民球場]
8−11 不振を極めていた斎藤(隆)が途中交代今シーズン最後の登板となった。
08/18タイガース 19回戦
[横浜スタジアム]
3−2 相川が谷繁に代わって途中出場、ここから相川の活躍が始まった。
09/06ドラゴンズ 22回戦
[ナゴヤドーム]
2−0 駒田が2000本安打をやっと達成した。
10/08スワローズ 26回戦
[明治神宮球場]
3−0 神田が先発で2勝目、また新しい戦力が加わった。
10/09スワローズ 27回戦
[横浜スタジアム]
7−1 この試合でAクラス確定をした。
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