「青山流」作曲術に迫る?

中:個人的に感じたのは、昨年のメトロトロンワークス、クアトロですけど、あそこでの
  青山さんの弾き語りが、多分クアトロのPAも良かったんでしょうけど、凄くグッと
  きたんですよね。
青:そうですか。演ってる方はよく分かんないけど。サウンドシステムの状況とかもあるん
  だろうね。
中:私の中では、その演奏と先日のリチャード・トンプソン   がダブったんですよ。 青:あれは…凄すぎたなあ。凄いいい音してたもんなあ。 中:全編アコギで、曲によってはエフェクターかけてて。 青:足元見ようと思ったんだけどなあ。何使ってんだろって。   でも多分そんなに大したもの使ってる訳じゃないと思うん   だけどね。 小:毎日触ってるのが上達への秘訣だ!みたいなのってあるじゃ   ないですか。 中:青山さんも、家にいる時はずっとギターを? 青:弾いてたりするかも知れないなあ。弾かない日もあるけど、   タマにというか少ないですね。自分の部屋に入ると弾いてます。   パソコンやりながらギター…ってのが多いですかね(笑) 白:何だか忙しそうですね。
青:っていうか、左手だけでベロベロン♪って弾けたりするじゃない。で、曲を何か弾くって   訳でもなく、楽しいから適当に何か弾きながら(掲示板等を見て)「ああ、こんなこと   言ってる」って(笑) 中:そんな中から名曲が生まれる? 青:いやいやいや(苦笑)そんなもんでもないですよ。僕の場合はもう「今日は曲作りの日」   って割り切って。そんな…曲ってそう簡単には湧いてこないっすよ(苦笑)。 中:急に閃いて、外から留守電に吹き込む、みたいな人もいるじゃないですか。 青:外歩いてて急に閃くってのも昔あったんだけどなあ。何か、きっちり切り替えるのが   自分には向いてるみたいですね。…サラリーマンだった頃は、時間も無いし電車の中で   考えたり、仕事やりながら(笑)考えたりしましたけどね、最近は完全に「今日作る!」   ってのが無いと。 中:でも、そういう意識の切り替えだけで、曲って作れるものなんですか? 青:うん。最低1曲は出来ますね。歌詞は出来ないけど(苦笑) 中:曲だけが先にどんどん出来て、後から歌詞ってよく付けられますよね。 青:う〜ん…大変ですよ(笑)かなり大変ですよ。 中:でも曲が出来る段階で、歌詞の原型というか 青:適当な、鼻歌のようなものはありますよ。でも、歌詞もねえ、そろそろバンド時代も   入れたら100曲近くあるんだから、およそねえ、ネタも無くなりますよ(笑) 中:でも、昔に比べれば歌詞に意味を持たせるようになったって、前にもおっしゃって   ましたけど、 青:何かこう…イメージを温存するというか(笑)あまりいろいろ詰め込まないで。   昔は極彩色というか1曲にドーンとブチ込む方だったけど(笑)今は1曲に込める   イメージは少なめに、いろんな曲に分散させるという感じですね。 中:その方が聴き手の思いに委ねる部分が多くなりますしね。でも、そうおっしゃる割には、   最近の事象とか結構明確なトピックが盛り込まれることも少なくないですよね。   「難破船のセイラー」もそうですけど。あと、『HomeFever』の「Cruel Highway」とかも   そうだと思うんですが。 青:ああ、最近そうなってきたんですよ。こういう生活してるとテレビ観る機会が多いんで、   テレビに影響されることがどうしても多くなるし(笑)。作ってる時期のそういう   トピックに影響されちゃってるんだよね。

最後に、ニューアルバム『Bugcity』について

中:アルバムの話が出たところで(笑)タイトルの『Bugcity』って何か特定のテーマは
  あるんですか?
青:「バグ」っていうタイトルを使っているアルバムが幾つかあったんですよ。ドン・
  バイロンっていうクラリネット奏者の作品とか。
中:ビル・フリーゼルと一緒に演ってる人ですね。
青:「バグ・ミュージック」とかいうのがあって。あと、ハイ・ラマズも『スノー・バグ』
  ってのがあったでしょ。何か「バグ」がね、自分の中でキてたんですよ(笑)
中:マイルス・デイヴィスにもありましたよね。
青:「バグズ・グルーヴ」。虫とかって関係あるのかな?どっちかっていうとそのイメージ
  だったんだけど。「バグズ・ライフ」っていう映画もあったよね。iMacにも虫が走り回る
  ソフトがついてたけど(笑)
 Don Byron "bug music"  Miles Davis "BAGS GROOVE"
中:ライブのMCで「一語で『Bugcity』だ」とおっしゃってましたけど、そもそもは   「バグ」と「シティー」で別々に考えていらっしゃったんですか? 青:ブルースの"Bright Lights Big City"って曲があって。ジミー・リードの。   その「ビッグ」が「バグ」になってる感じがいいなあと。 中:『EQ』『Ah』、まあ『SO FAR,SO CLOSE』もそうですけど、特定の意味を連想   させないタイトルが多かったのが、今回は、割と明確な感じというか、「バグ」と   「シティー」という凄くシンプルな単語の組み合わせだったので驚いたんですが。 青:そういうタイトルの曲があるというのと、あと、アルバムジャケットのラフを   見てイメージしたところもあるかな。 中:タイトルをつける前にラフは出来てたんですか? 青:「こんな感じでどうです?」というのは、録音中から。3,4曲は聴いてもらってた   かな?でもその中に「Bugcity」という曲は無かったし、そのラフ通りの絵が出来て   くるかも分からないし(笑) 中:では、その『Bugcity』の聴きどころといいますと? 青:…とくにこう聴いて欲しいというようなことはないですが、ラフさをかなり残し   つつも、細かい部分で有機的に作用するアレンジを工夫してるので、耐用   年数の長いアルバムが出来たと自負してます。あと今回はかなりドライブのお供   としても良いですね(笑)。 中:そろそろ締めということで(笑)、最後にこのHPをご覧の皆さんにメッセージを   いただけますか? 青:アルバムとシングル、皆さん買って下さい。ついでに人にもすすめて下さい(笑)。   6月のレコ発では当然どどっと新曲をやります。便秘が一気に解消されるような   ライブになるでしょう(笑) 中:本日はどうも有難うございました。
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