今回のアルバムは結構車に合うかも知れないですね。
中:青山さん的には、その時々でトレンドのようなものってないですか?
青:う〜ん、最近音楽って移動中しか聴かないんですよ。電車乗ってる時とか。
家で音楽ってあんまり聴かなくなってきましたね。家ならFENとか夜中にかけっ放しに
したりとか。…夜中のああいうのって昔のヒット曲とかいっぱいかかるじゃないすか。
"Born to be wild"とかレイナード・スキナードの"Sweet home Alabama"とか。ああ、
昔の曲はいいなぁって。…あ、今回のアルバムは結構車に合うかも知れないですね。
中:お!ドライビング・ミュージックですか!!
青:そうそうそうそう。特に今回1曲車で聴いてハマッた曲があって「そうかこれか!」
って。夜のドライブのお供に(笑)
中:青山さんが考える「理想のドライビング・
ミュージック」って何ですか?
青:うーん、そもそも運転免許、持ってないから
ねえ…。やっぱりステッペン・ウルフとか
CCRとかボブ・シーガー(笑)とか、車中FENで
かかると異様に盛り上がりますよ。20年近く前、
友達の車で江ノ島に行ったとき、夜中にサム・
クックかけながら走ってたら異様にはまった
ことがあったなあ。
中:車に乗ることで、作る音楽も変わってくる?
青:作り方よりも聴き方が変わってきますよね。直枝さんとかも音楽は車で聴くっていう
もんね。最近車で聴く音楽に関しては気にするところではあるんですが。
鳥羽スタジオに通う時に大体誰かの車に乗せて貰う訳だけど。
中:そういう場で自分の音楽を聴くと?
青:帰りに今日録ったものを聴くと…何かね。
小:捻りのある音楽はドライブ向けじゃないかも知れません。じっと聴いて面白いような
「あ、ここのベースが凝ってる」とかそういうのは、車じゃあまり分からないし。
青:ああー。やっぱりそういうのは車向きではない?
小:ですね。
白:かき消されないで入ってくる音ってことですかね。
中:"It's only Rock'n Roll"って感じですかね(笑)
青:そういうのは自分でも思うところではありますね。(ディープ・パープルの)
"Highway Star"とか聴くと気持ち良いもんねえ。
中:音への拘りっていうのは、実のところあまり関係なくなってしまうんですかねえ?
青:拘っただけ聴いた時の効果にも差が出てくると思うんだけどね。
中:では、青山さんが曲を作る上で一番拘っていることって何ですか?
青:…でもまあ、「こだわる」ってのはあまりいい意味の言葉ではないと思うんですよ。
曲を作ったりレコーディングしている時っていうのは、「こうしよう」みたいなことより、
その曲が必要としているアレンジに自然になるものなんじゃないかなあ、と感じる
ことが多くなってきましたね。
中:その場の感覚を尊重する、というか
青:自分のアイディアであれ他人のアイディアであれ、良いと思えばなんでもやる
用意はありますね。
中:では、ここだけは譲れないっていうのはありますか?
青:自分で「良くない」と思うことはやらないって程度かなあ。その内容は様々なんで、
説明のしようがないけど。
「Fなんかねぇ、押さえられなくてもいいんですよ(笑)」
(サインを描いてもらう)
小:(左でサインするのを見て)ギターは右ですよね?
青:ああ、書くのだけ左なんですよ。食べるのも右。
中:それって珍しくないですか?普通書くの左なら他も左になりそうなものですけど。
青:かなあ?
白:親に直されたりは?
青:それもないなあ。ギターは人が構えてるの見たら
こうやって右で構えてたから。あと売ってる
ギターも右利き用が多いじゃないですか。最初に
買ってもらったギターも右用だったし。
小:左利きの人はこっち(押さえる方の指)が細かく
動くから、右用ギターを左利きの人が使うと
細かいフレーズが弾けるって聞いたことがあります。
青:ほぉー。ギター、弾かれるんですか?
小:Fで断念しました。最初の関門ですね。
中:私もそれで諦めたクチです。
4/27インストアでのひとコマ
青:Fなんかねぇ、押さえられなくてもいいんですよ(笑)
中:ええっ?(笑)
青:全部の弦を押さえようとするから、難しくなっちゃうんですよ。
下の3本位押さえてれば、何となく雰囲気は出るもんですよ(笑)。
中:そういうものなんですか?
青:そのうち押さえられるようになる(笑)それで「楽しいな」と思っていれば。
別に全部押さえなくても弾く方法は他にもあるし。
白:初心者用の本って、あまり他の方法は載せてないじゃないですか。
中:こうやって押さえたいっていう憧れもありますよね。何だか、ピッチャーが変化球を
投げる為に指の股に切れ込み入れる、みたいな話ですけど(笑)
青:こういうのも慣れですからねえ。ギターは絶対誰でも出来るからね。
中:楽器ってどのくらい持っていらっしゃるんですか?
青:そんなでもないですよ。ギターっていうか、サオものは(笑)
ベースとかエレキ、アコギ入れたら10本はないですよ。
中:それって多いんでしょうか、少ないんでしょうか
青:少ない方なんじゃないのかなあ
立:因みに鳥羽さんは?
青:鳥羽君は、最近少なくなったよ。彼は絞り込んでるから(笑)
白:あの人は出入りが激しいんですよ。
青:しょっちゅう買い換えてるからなあ。
中:集めてキープしするのっていろんな意味で難しいですからね。
青:お金があればやってみたいけど(笑)楽器も持ってるだけじゃあ可哀想だしねえ。
弾いてあげないと。
中:ライブ観てて思うのは、ステージの袖にあと2,3本
位あればチューニングとかスムーズにいくんじゃない
かなあと。
青:ああ、ううん。でも運ぶのがねえ(笑)
中:青山さんってチューニング頻繁に変えられるじゃない
ですか。
青:生ギターの時は。でもそんなに大変じゃないですよ。
中:でもチューニングの流れで選曲って決まったりしま
せんか?
青:ああ、それは。アコースティックだと同じような曲が
繋がるという局面はありますね。
昨年の鈴木博文インストアより
あ、でもね、新作は変則チューニングはないんですね。
中:それってやっぱり、珍しいことなんですか?
青:珍しい?珍しいかなあ(笑)…でも3rd以来かも知れない。
中:『one or six』以来ですか。
青:…昔はアコギって無頓着だったんだけど、最近凝るようになりましたね。
中:それは音に拘る、ということですか?
青:いや、見た目とか(笑)あの微妙な差異がね。いいんですよ。だって、音の違いなんて
聴いてる人には分からないからね(笑)
中:でも、弾く人によって微妙に聴こえ方が違うというのは、何となくあると思います。
青:そうそうそう。それはあります。
[NEXT→]
[←BACK]
[HOME]