「大人でも耐えづらい震災の体験は、子どもたちにはもっと大きな痛手になっています。」「子どもに安心感を与えるように努力しましょう。言葉だけではなく、抱きしめたりしてあげるのも良いことです。」
三月二十五日(土)、午前十時より集会所「なごみ」で、西神戸医療センター・精神科の植本雅治先生をお招きし、震災後の子どもの変化につき、お話を聞く機会があり、十五名の人が出席した。植本先生によれば、震災後二ヶ月以上がたち、大人も子どもも、カゼなどをひき体調を崩したり、色々と考え込んでしまう「落ち込みの時期」に今はあるとのこと。これは、大きな出来事のあとの「ごく普通の反応」でもある。
「一月十七日の直後は、我々も、まず呆然としていたり、ともかく人を助け出したり、人のお手伝いをしたり、懸命に目の前のことを片づけていきました。その後も、自分でもびっくりするほど、活気が出てきて、人に会うのもおっくうでなくなり、人に対する思いやりが出てきて、大活躍の時期がありました。」
「しかし、今は、そのエネルギーが落ち、冷静によく考えて、対処する必要性を感じだした時期なんです。落ち込みだし、喧嘩したり、言い合ったりすることも多くなります。」けれども「これも普通の反応です。」
「復興の目標やゴールが見え出すと直りますから。」「親が大変なので、子どもがおいてきぼりにされていませんか。」
「このような時期、子どもにどれだけ周りの人が安心感を与えてやれるかがポイントになります。」「話す時間をとって下さい。恐怖の体験を思い出して、パニックになっているようなら、災害時と今は違うということを子どもが理解できるよう話してあげて下さい。」
「一人ぼっちにさせないで、他の子どもとよく遊ばせて下さい。」手伝いながら、「お父さん、お母さんが、生活を立ち直らせてゆく姿を実感させてゆけば、子どもにとっても、いい人生経験となることでしょう。」と植本先生は締めくくられた。
(幹)
参考:神戸児童相談所 078-382-2525
(Webでは省略)
3月26日午後3時より、ピースボート本部1階で、御蔵通5・6・7丁目の第二回会合が行われた。会場は百二十人ほどの人で埋まった。スローガンである「焼け跡に仮設を」について住民達はみな真剣に考えている。今回の会合では、自治会の会長・副会長の辞任を受け住民達で新しい代表を立てることが話し合われた。またガレキ撤去のため区役所に提出する書類を住民それぞれが記入した。さらに、新聞等に発表された行政の対応についての意見が交わされ、区画整理の簡単な説明が行われるなど、約2時間にわたり住民の話し合いが行われた。住民が復興に向けて立ち上がっている。今後の活動を見守りたい。
3/25から長田区内の四校の中学生15人が「考える会」の活動に参加してくれています。今はビラ配りなどのPR活動や地元ならではの地の利をいかし、ウィークリーニーズの配達や防塵マスクの配布を行っています。12歳の女の子が300個あまりのマスクを持って避難所を走り回っているのです。そしてとても根気のいるビラ配りを頑張っている姿を見るにつけ、かえって私たちの方が励まされる思いです。とても頑張り屋さんで内気な中学生達はこれからの「考える会」の活動の中で、とても重要な位置を占めていくだろうと思われます。
考える会も4回目となった。新しい参加者も毎回3〜4人ずつ増えているし、学生や社会人の若い人たちの出席もあり、男性や女性、サラリーマンや主婦、商売をやっている人、そして若い人や年輩の人など、バランスがとれてきた。週一回の例会となった土曜日の午後4時(3月25日)考える会の集会所”なごみ”(約35畳)に50名程の人が集まった。
”考える会”なんて、堅苦しい名前ですので、”カンガール会”なんて呼んでいる人もいます。ともかく、ボランティアの人たちがやってくれていた活動を引き継ぐため、長田区に住む我々が話し合って考えてみよう、という単純な目的の集まりです。今回は同じ思いを持つ東灘区の人たちも、自分たちの参考にと出席。”ワンカラ通信”を出している神戸沖縄研究会の方々も、「長田のメンバーも多いことだ」と言って、たくさんのちらし寿司持参で参加して下さった。”ワンカラ”とは沖縄語で「我から」という意味とのこと。須磨や垂水に住むこの人達は、家族ぐるみでお寿司を用意して下さった。他の区の方々との交流も今後深まって行けば、”神戸ええとこ”の気持ちがまた戻ってくることでしょう。
区役所の一室を借りて活動している長田ボランティアルームには、ピースボートの人たちも参加しているが、これらの方々の努力で、4〜5月の避難所常駐のボランティア(60〜70人)が、何とか確保できたとのことです。ありがとう。
ウィークリーニーズは、”考える会”の機関誌という性格ももっています。印刷作業を手伝って下さる方が必要です。コピー機感覚で使える印刷機などで、技術は要りません。ぜひ助けて下さい!!さらに、出来上がった原稿を編集して週刊誌にまとめあげる制作担当も欲しいです。クリエィティブな人、夜に強い人、来て下さい!!
今回の震災では、世界の人々が神戸を、そして長田を心配してくれました。情報の交換にパソコンのネットワークが役に立ったという話を耳にします。”考える会”でも、大学生を中心にパソコンネットを利用し、情報を交換するチームも出来上がりつつあります。長田復活祭の企画をパソコンで流したら、早速京都の劇団より”関心あり”の反応が来ています。ガレキの中にも21世紀が見える感じです。
長田復活祭やマスクキャンペーンや具体的な活動も増えてきました。”考える会”で毎週話し合い、いいものは、別にチームを作って企画し、実行するというやり方です。”考える会”は、毎週土曜日4時から”なごみ”でやってます。出席できる週に出かけて来て下さい!
長田のあちこちで、解体作業が進んでいます。あの音は、街再生のための第一歩を示す音です。新しい長田をつくる音です。街を再生するのは、建物だけではありません。やはり、人々の再生が大切です。あの地震以降、元気がなくなった人々に元気を取り戻して頂くため、私たちはひとつの試みを考えました。それが、「長田復活祭」です。震災で多くのものを長田は失いました。その長田を再生するために、いちばん良い方法は何か。ポイントは長田の特性です。
長田には世界の28ヶ国の人々が住んでいます。こんな狭いところにこれだけの人々が住んでいるというのは、日本中を探しても滅多にありません。世界中の人々がいるということは、世界中の文化があるということです。それをひとところに集めたらどうだろう。世界の人々の文化、世界中の子供たちの遊び、色々な国々の民族衣裳、それを目の前で見ることができる祭、それが長田復活祭です。
もうひとつのポイントは、その祭を若者達の手で実現したいという点です。今、長田の街には若者の姿が少ない。若者の姿が街にあふれる長田をつくるためには、若者たちが楽しんで担える何かが必要です。それが、祭です。
もちろん長田を愛するのは、若者だけではありません。震災前、路地を歩けばあちこちで花や植木があり、人々はそれを愛でながら歩いていました。そういう街を作ってきた人々にも参加してもらいたいと思います。その人たちに支えられて、若者が実現する祭を長田に創りたいのです。だから、まず大切なのは、若者たちがスタッフとして参加することです。
では、どんな祭になるのでしょう。プランとしては、次のようなものがあります。
どうです、とっても面白そうでしょう。それをあなた自身の手でつくるのです。あなたが祭を仕切るのです。つまり、学園祭のノリで街の復活の祭をつくりだすのです。もちろん、ステージづくりだって、あなたの仕事です。
ぜひ、祭のスタッフに参加して下さい。それから、屋台・フリーマーケット・出演バンドの参加者も募集しています。
長田復活祭 日時:5月3日(水・祝)(予定)
会場:長田区内の公園予定
主催:長田復活祭実行委員会(実行委員長・吉岡順子)
連絡先:078-521-7170
長田区御蔵通5-5