「Weekly Needs」1995.3.26号(Vol.1 No.3)

Vol.1 No.3 表紙

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長田からも応援団 育英、初戦を快勝

がんばれ長田!!がんばれ育英!!「ふだんのままで戦います」−選抜に臨む育英に聞く

 第67回選抜高校野球大会に臨む育英高校野球部を取材した。甲子園にのりこむ直前、名谷の育英高校第二球場でで最後の仕上げの練習をしていた。しかも、63人の部員が二チームに分かれ、紅白戦の真っ最中。この中からベンチに入るのは16人。それでも紅白戦はまるで対抗戦のように真剣である。
 「あの地震のあとだけに周りから注目されるでしょう?」
 「選手達には、あまり意識するな、いつもの通り、普段の練習通りの一生懸命なプレーをするように言っています。」
 これが、平松正宏監督の言葉だ。34歳、育英を卒業して13年目、日大を経て育英の監督に就任した生え抜きである。選手の力量はよく分かっている。今年の育英は攻撃型のチームだという。チーム打率三割六分九厘。甲子園の銀傘をゆるがす豪打の山を見たいものである。それが、長田の夢である。
 選手たちに聞いても、地震の影響はあったけれど、その後の練習で取り戻したという。長田の皆さん、期待して下さい。

[速報]育英高校は初戦の強豪・創価高校を倒して、二回戦に進みました。さぁ、甲子園に行こう!


もうすぐ春ですね


観音山から「はる」便り
 新しい季節が長田の街にも訪れています。避難所や壊れた家に引きこもりがちなんですが、散歩コースを開拓しようと思って観音山に出かけてみました。古い方の長田区役所を横に新湊川をあがる。橋の横の「ともえ豆腐店」の所を左に折れて数分で「神戸長田教会」のあたりに着く。「すずや薬局」のある通りを山側に登る。「長田幼稚園」や「池田老人いこいの家」などもある。少々の登りであるが、ブランコを楽しむ家族づれやキャッチボールをする父と子がいたり。サッカーボールに空気を入れてやったりしているおじいさんなど、観音山のてっぺんへあがる道はなだらかで、穏やかだ。(旧区役所より徒歩三十〜四十分)
 観音山公園では早朝のラジオ体操も再開している。毎朝六時半からだ。「観音山おはよう健康会」にも出かけてみよう。花見どころではないんですが、桜はまもなくです。観音山へは行ってみましたが、誰か「高取山の登り方」、ウィークリーニーズ編集部まで届けてもらえませんか。よろしく。
(幹)
眼にも御注意!!
 ウィークリーニーズなどで、粉じん・アスベストなどを防ぐため、マスクをおすすめしています。春になり風の強い日が増えています。眼も大切にしましょう。日曜日、自転車で街を走り、ガレキ撤去の横を通った後、しばらくして「涙ポロポロ目ヤニが出るわ、左目が充血し、腫れてくるわ」の状態になりました。早速、眼医者に行きました。ゴミが原因でした。ホコリやゴミで眼医者に行く人も増えているようです。風の強い日は、特に注意して下さい。左目に目薬をさしながら書きました。
(幹)

おばあちゃんはどこへいくのか

最終回

 一九九五年一月十七日をおばあちゃんは忘れない。生きてる間に、あんなことが起きるなんて。今でも少しでも揺れると、ドキッとする。でも、三月十四日も忘れられない日になった。市の職員があんなことをするなんて。あの時、おばあちゃん達が都市計画審議会の傍聴に行くのに立ちふさがっていた数十人の市の職員達の顔を、おばあちゃんは忘れない。
 この日、おばあちゃんは近所の人たちと三宮の市役所まで行った。市がおばあちゃん達の住んでいる街を対象にして打ち出した土地区画整理事業の決定をもう少し待ってもらうためだ。だって、計画をおばあちゃん達が知らされたのは、わずか二週間前のことなのだ。腰の痛いおばあちゃんは、行けなかったが、三宮で説明があるというので出かけていった近くのおばちゃんの話では、「あんなん、全然わからんわ」。おばちゃんの話では、計画図とか統括図とか、縦覧ファイルとかいっぱい見せられたけど、いったい自分の家がどこまでどう削られるのか分からない。ともかく、おばちゃんは「道路が広くなって車がドッと町に入って来るのはいやや」と言ったら、「じゃあ、意見書を出せ」という。そして、市の職員はこうつけ加えたという。「おばちゃん、そんなもん出しても無駄だよ」。


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長田を考える会・活動報告 −今、私たちはこんなことをしています−




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