ときメモ3の小説のレビュー



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ときめきメモリアル3 〜約束のあの場所で〜 (1)

(今田隆文(SATZ) 電撃文庫 560円(税別))

もう3の小説が出てるんですか。なんかずいぶん早いですね。まだまだ2の小説を出して欲しいところなんですけど。

で、著者は今田隆文先生ですか。2の花桜梨さんの小説がものすごく出来がよかったんで期待大でしたけど、今作も期待以上で、ものすごく出来がいいです。『ときメモ3』をプレイした人なら買っても損はないと思います。

ヒロインは牧原さんです(相沢さんがサブキャラです)。

で、主人公は、生徒会長ですか。ずいぶん意外なところにきましたね。牧原さんが野球部だから、野球部員にしがちなところだけど。

話の舞台は主人公達が3年になったところですか。まだ(1)なのに、ゲーム本編が出てから2ヶ月ぐらいなのに、自分がまだ2人しかクリアしてないのに(←さっさとクリアしろよ)、これまたずいぶんと急ですね。

で、今回も話の動かし方がものすごくいいです。前回は花桜梨さんの話だったから、ある程度自然に起伏がついたけど、今回の牧原さんという、割と普通っぽいキャラでも、驚くほどのクライマックスが存在してます。まさか、こんな持っていき方があったのかと唸らせる盛り上がりを見せます。あ、ゲーム本編の駄菓子屋のバーさんが逝ったの逝かないのっていう話とは別のオリジナルの流れになってます。っていうか、ゲーム本編より断然面白くなってます。

体育祭、お守り、もえぎのウォッチャー、秋水学園との練習試合、白鳥といった小道具をうまく使って話を持ってっているし、しかもそれぞれが伏線としてうまくまとまって収束して、パズルのピースのように素晴らしいストーリーに組みあがっていくところは、もう鳥肌ものです。

話の流れの方は、体育祭までは、牧原さんと主人公が割といい感じで進展していくんだけど(相沢さんを放っぽって)、牧原さんが主人公のことを意識しだしてから、ゆっこ旧バージョンだったころのコンプレックスを思い出したりして、割とギクシャクしだします。

さらに白鳥が牧原さんに告白しだして、思いっきりすれ違いだします。あ、白鳥が割りといい狂言回しっぷりなんだよなあ。主人公に、牧原さんに告白をOKされた(密かに勘違い)とかいって、思いっきりかき回してくれるし。でも、可哀想なヤツなんだよなあ。嫌がらせのように露骨に主人公と牧原さんの間に割って入ってくるかと思ったら、本気で牧原さんに一途みたいだし。っていうか、マネージャーの彼女を振り向かせようと野球に打ち込んでるんだけど(密かに全国級)、全然なびいてくれないし。告白をOKされたと勘違いして浮かれてるのも割とナチュラルな感じだし。

で、普通の恋愛物だったら、この辺の誤解が解けて、元の鞘に納まってめでたしめでたし、な感じなんだけど、白鳥クンがさらにやらかしてくれます。牧原さんにデートをドタキャンされたせいで、セガはダサいと言われた湯川専務みたいに自暴自棄になって暴力沙汰を起こします(いや、ホントはちょっと違うけど)。これが原因で、牧原さんを含めた回りの人間を不幸のどん底に叩き落してくれます。

なんかシャレにならないくらいに取り返しがつかないことになってますけど、牧原さんの秘めた思いが主人公を突き動かして、ギリギリのところで取り返しがつきます。でもって、主人公の熱意が回りを動かし、意表を突くとびっきりの方法で問題を無事解決して、めでたしめでたしになります(←説明はしょりすぎ)。

 

という事で、前作の花桜梨さんの話といい、今回の話といい、これだけ素晴らしいものが作れるのだから、今田先生の実力は本物だと思います。この人になら、安心してときメモの世界を任せられます。

っていうか、もう、いっそのこと、この人にときメモ本編を何とかしてもらいたいです。っていうか、この人にストーリーを書き直させて、XBOXあたりに『ときメモ3.5』とかを出してもらいたいです。

ところで、今田先生のサイン色紙を5名様にプレゼントってあるけど、欲しがる人っているんですかね?(←失礼)自分はなんか割と欲しいんですけど。

ときめきメモリアル3 〜約束のあの場所で〜 (2)

(今田隆文(SATZ) 電撃文庫 590円(税別))

ってもう2巻が出るんですか。2ヶ月ぐらいしか経ってないじゃん。なんかずいぶんペースが早いですね。

で、今度のヒロインは渡井さんです。で、和泉さんがサブキャラですか。ってこの2人、ゲーム中では赤の他人だったけど、父親の入院先の病院で知り合ったんですか。んー、結構ありな組み合わせかも。

話の舞台は卒業を間近に控えた2月ですか。まだ(2)なのに、ゲーム本編が出てから4ヶ月ぐらいなのに、自分がまだ4人しかクリアしてないのに(←さっさとクリアしろよ)、これまたずいぶんと急ですね。

あ、今回の話は、ゲーム本編に割りと従ってて、彼女の父親が入院していて、危篤状態になって不安になってるところを支えて、んで無事回復してめでたしめでたしって感じです。でも、バイト先や父親の病状についてとか、細かい描写がされていて、本編よりもいろいろとパワーアップしています。

あと、ゲーム本編には存在だけで出てこない、渡井さんの父親もでてくるけど、なんか面白いキャラになってます。何かと色で例えたりとか。あと、何かと渡井さんに抱きついてくる叔母の柚子さんとか。サブキャラも個性豊かです。

で、割と不幸な境遇にいる渡井さんだけど、こういった面々や、和泉さんや主人公の暖かさに包まれて、ひたむきに前向きに頑張っているところが存分に描写されていて、読んでいてこっちも元気付けられます。

あと、地の文章が渡井さんの口調になってるのもほのぼのとしてていいなあ。それと、ところどころに出てくる小さいころの思い出とかも、なんか読んでて泣けてきてすごくいいです。

それで、話の流れのほうだけど、まず主人公は、渡井さんのバイト先のファミレスの新人君で、割と困ったちゃんです。とりあえず、冷凍室で2時間ほど作業をさせて凍死寸前に追い込んだりとか、本店までの往復10キロを30分以内に戻ってこさせるなどの、修正を加えることにします。

が、そんな頑張る主人公を見て、渡井さんは根性萌えなので、なんか意識しだします。

で、主人公が失敗したところを励ましたり、渡井さんが着ぐるみのバイト中風邪を引いて倒れたところを看病したり、伝説の坂道でバレンタインチョコを渡したりとか、一緒に遊園地に言って観覧車に乗ったりとか、だんだんといい感じになります。

あ、そうそう、話の都合上、主人公のお兄さんが渡井さんの父親の担当医をやってます。で、何故か主人公はお兄さんのことを嫌っているみたいです。って悪徳医師だとか銭ゲバだとかそういうんじゃなくて、ものすごくやさしくていい先生なんですけど。っていうか、そういうところにコンプレックスを感じているみたいです。本人はやりたいことがなくてフリーター志望ってことだし。

で、主人公のお兄さん経由で、渡井さんの父親が手術をすれば助かるのに、なんか手術拒否をしているらしいってことが耳に入ってきます。自分が生きていても足手まといだから、さっさと逝って保険金とか遺して幸せにやっとくれってことらしいです。

あー、なんだかなあ、って考え方ですね。残された人が可哀想過ぎるじゃん。っていくらなんでも人の親としてどうかと思いますよ。本気で頭にきますよ。

とりあえず、渡井さんとしては、下手に説得しても意地になるだけだってわかってるので、何にも言わないで、自分を見てもらって負担になってないってことをわかってもらうことにします。

っていうか、丘の上公園に連れ出して、本人に昔の思い出話とかをベラベラとしゃべらせてるうちに、割とすんなりと、ずっと生きていたいと勝手に考えを改めだすんだけど。

でも、病人を歩き回らせるという、エロゲーとかでよくある病人とやっちゃう並みのプレイの無理がたたって、緊急手術ということになります。って本当は別の病院でやるはずだったうえに、執刀医が主人公のお兄さんという若造だという不安大大っぷりです。不安に押しつぶされそうになる渡井さんを、主人公がお兄さんの優秀さっぷりをとくとくと語って落ち着かせます。

でもって、お兄さんのゴッドハンドぶりがいかんなく発揮されて無事手術成功となります。主人公もお兄さんと仲直りできてめでたしめでたしです。それと、主人公も浪人して医大を目指すことになります。

で、最後は伝説の坂で告白してめでたしめでたしとなります。

 

ところで、クマの話って2月中旬のちゆメモ(または朝日新聞かもしれないけど)に出てた話じゃん。なんか書き下ろし小説とは思えないくらいすごくホットなネタですね。本編中2箇所で出てくるんですけど、なんかものすごく効果的にこのネタを使ってます。こういう小道具をうまく使って、話を動かすのがものすごく得意ですね、この作者の人。


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