(今田隆文(SATZ) 電撃文庫 560円(税別))
光がヒロインの話です。
主人公は、割とこんちたびなしな理由で陸上部をやめちゃってた、岩瀬健ってヤツです。
で、部活をやめちゃってから、光ともすれ違い気味だったけど、修学旅行がきっかけで、だんだんとよりが戻ってきて、そして光の必死の説得でまた陸上を再開するという話です。
で、内容のほうですけど、光の揺れ動く心と一途な想いが描けていて、いいんじゃないでしょうか。って、読んだのが結構前だから、細かいことはちょっと忘れちゃったけど(気が向いたら細かく書くかも)。
あと、陸上についての描写がなんか細かくて専門的だけど、著者の人って経験者なんですかね?
(今田隆文(SATZ) 電撃文庫 560円(税別))
こんどは花桜梨さんがヒロインの話ですけど、なんか恐ろしく出来がいいです。魂を撃ち抜かれます。ゲームのノベライズとして完璧な出来栄えだと思います(ゲームのノベライズというのを抜きにして普通の恋愛小説としてみてもかなりの部類に入ると思うけど)。とりあえず花桜梨さんファンは絶対に買ってください。買わなきゃハドソンです。
花桜梨さんの性格や過去といった本編の設定はもちろんのこと、デートすっぽかしとか、水族館とかのイベントもちゃんと押さえているし。あと、花桜梨さんの飛び道具の一つである文化祭の喫茶店でのメイド服のコスプレもバッチリでてくるし。
で、今度の主人公の鳥越俊太は単純というか、熱血少年です。まあ、花桜梨さんの相手にはおあつらえ向きかな。
それで、話の方だけど、本編の花桜梨さんの設定からしてそうなんだけど、ストーリーが二転三転していき、読んでいてどんどん引き込まれていきます。特にクライマックスの、腐れビッチが、部費を盗んだ過去のことを俊太にチクったと花桜梨さんに告白するところから、花桜梨さんが佐倉さんの引越し先に向かうところまでの話の流れの盛り上がりは超最高です。感動の大洪水が直撃って感じです。変身できないメタモンを見てるかのようにハラハラしている佐倉さんに対して、花桜梨さんが放った言葉が、もう、死ぬほど泣かせてくれます。
あと、佐倉さんのいい人っぷりも見事に発揮されています。本編の時には特に語られていなかったけど、花桜梨さんにとって大事な人だったんだろうなあ。電話での様子がおかしかった花桜梨さんのところへ、引っ越し先から3時間以上もかけて駆けつけてくれるところなんか、思わず泣けてきます。
あ、文脈の都合上、腐れビッチとか言っちゃったけど、オリジナルキャラの月村小夜ちゃんもけっこういい感じなんですよね。幼馴染み属性+委員長属性を持っていて、教室で主人公と夫婦ゲンカをするような仲で、割と最強な感じです。でもまあ、相手が悪かったんだと思うけど。
ってな感じで、ゲーム本編の方で、ときメモ1の時の場合は、ドラマシリーズの方が本編を補完していたけど、2の方は、サブストーリーの方は本編の延長線上って感じでちょっと残念だったけど、この小説がばっちり補完してくれています。
あと、今回も、バレーについての描写が専門的だったり、他にも熱帯魚やコーヒーなんかについても詳しかったりで、ちゃんといろいろと資料を調べて書いているんですかね?
それと、花桜梨さんの数少ない資料として、マキシシングルの「Blooming Stories 2」を何回も聴いていたそうですけど、確かにあのCDの曲ってどれも花桜梨さんらしくていいですよね。自分も、寝る前とかにタイマーにして、聴きながら眠りについたりします。3曲目の「春のフリル」の明るくて華やかな感じが3年目の花桜梨さんって感じでものすごくいいです。
ということで、花桜梨さんの揺れ動く心と、主人公の一途さによって、心を開いて、再び人を信じられるようになった内面の変化が見事に描写できていると思います。花桜梨さんへの愛が成せる、ものすごくいい仕事だと思います。
すらむどらごんは今田隆文先生を応援しています。
なんか、どうでもいいけど、あらためて読み返してみると、小説の巻末のメタルユーキさんのコメント並に支離滅裂だな、この文章。