11/13 ザ・フー

今回渡英の大きな目的が実はこれ。生ザ・フー初体験。実は長年の大ファン
なんです。ご存知のようにこれまでも彼らの再編っていうのは何度もあったわけ
ですが、どうもピートの弱気なところが出ちゃったりして(他にギタリストが
いたり)今いち食指が動かなかったのでした。しかし今回のラインナップは
ピート・タウンシェンド、ロジャー・ダルトリー、ジョン・エントウィッスルの
おなじみの3人に加えて、ドラムズにリンゴの息子、ザック・スターキー、キー
ボードにかつてフリーなどで活躍し、70年代のフーのライブもサポートしていた
ジョン"ラビット"バンドリックの5人のみ。ということはギターはピート1人!
ドラムがキース・ムーンだったら全盛期と同じライヴのメンツなわけでこれは
期待できそうと思ったわけです。しかも事前にインターネットであまりにあっ
さりとチケットが買えちゃって便利な世の中だなあ。

9日のグレン・ティルブルックでも来たキャナリー・ウォーフ駅から、何やら
あの「ゆりかもめ」みたいなドッグランズ・レイルウェイに乗り換え、3つめの
駅で降りるとそこは巨大なロンドン・アリーナ。ちょっと宿で仮眠し過ぎて
出遅れ、前座のジョー・ストラマーは既に終わった後。クラッシュには思い入れ
ないのでまあいいや、という感じでグッズなどお買い物。Tシャツ、プログラム、
そして通販でしか手に入らないピート名義の超豪華「ライフハウス・クロニクル
ズ」の6枚組CDセットが40ポンド!これは買わねばならないでしょうと即購入
(このセットについてはレコードコレクターズ2000年4月号を参照されたし)。
なんてノンビリしていると突然大歓声とともに「アイ・キャント・エクス
プレイン」のイントロが!やべ。慌てて席を探すも暗くて発見が難航。ステー
ジを見れば銀色のクラプトン・ストラトを抱えたピートが腕を回転させてる。
これを見た瞬間頭のなかで何かがプッツンしました(笑)。「サブスティ
チュート」「エニウェイ・エニハウ・エニウェア」と進行したところでようやく
席発見。同じ列のお客さんがみんな早く入れ!とばかり立ち上がってくれる。
ありがとう! 最初の興奮がおさまったところで冷静に見てもかなり気合の入っ
たパフォーマンス。キースと比較されて厳しいだろうけど、ザックはツーバスを
操り大健闘。つい負けるなーと応援してしまう私は親父か(笑)。ロジャーは
シャウトがちょっと苦しそうだし、振り回すマイクを取りそこなったり(泣)
するものの、見た目一番若い(しかし彼はヴォーカリストなのにMCしないなあ)。
ジョンの例の異常なベース・プレイもいささかの衰えもなし。いきなりピートに
MCを振られたジョンが嬉し恥ずかしな感じで喋った後、ロジャーとユニゾンで
歌い始めるエントウィッスル・クラシック「マイ・ワイフ」!これがライヴで
聴けるなんて感激っす。間髪入れずに「ババ・オライリー」。うーたまらん。
失禁もの。中盤のピートの歌にまた涙腺が・・。会場全部が大合唱というのも
凄い。中盤ピート1人での新曲アコギ弾き語りもシャープでしびれます。ほんと
に彼のギターめちゃめちゃ冴えてました。今回のライブ、CDセットの発売も
あったせいか『フーズ・ネクスト』を含む『ライフハウス』関連の曲を沢山
やりました。「ビハインド・ブルー・アイズ」はもちろん「バーゲン」が特に
嬉しかったな。新装『フーズ・ネクスト』CDのボーナストラックで今回の
ピートのCDセットにもソロ・バージョンで入っていた「アイ・ドント・ノウ・
マイセルフ」とか同時期シングルのみで出た「リレイ」とか、ケニー・ジョー
ンズ時代のヒット、「ユー・ベター・ユー・ベット」とか比較的地味な曲も
やっていたのは興味深いところ。『四重人格』の「リアル・ミー」「5:15」
といったドラマチックなのも良かったなー。逆に『トミー』関連は「ピン
ボールの魔術師」のみで「シー・ミー・フィール・ミー」さえやらな
かったのは以外といえば以外でしたが。ラストの「無情の世界」での
これでもかという盛り上がりで本編終了。しかし、かなり年齢層の高いお客
さんがほんとに子供みたいに大騒ぎ。むかしモッズだったおっちゃんとかが
いるわけでしょうねえ。

アンコールには「キッズ・ア・オールライト」やちょっとマニアックな「ウォ
ーター」などをやった後またもスタジアム中大合唱「マイ・ジェネレーション」
の長ーいプログレなヴァージョンで幕。こんな充実のライヴやれるんなら
いい加減来日しなきゃいかんでしょうよ。頼むよ。

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