「あんまし話合う人っていないよね。音楽やっててもいないもんなあ」

青:(中西さんは)元々やっぱり、XTCとかそういう感じから
  なんですか?
中:最初はそうですね。割とポップス系の、しかも少し屈折
  したようなやつから。でも一番根本はヒットチャート
  だったんですよ。「全米TOP40」とか。
マ:どれ位(の時期)から?「ベストヒットUSA」とか?
中:ああ、そうですね。小林克也。確かにMTVとリンクして
  ますね。で、いろいろ洋楽番組とか聴いてるうちに、
  ピーター・バラカンの番組に出会って。
青:あ、「ポッパーズ(MTV)」とか。


中:イギリスの情報が知りたくて、チャート番組かな?と思ってたらどんどん引きずり
  込まれましたね。
青:あれ(ポッパーズ)は、いい番組だったんだけどなぁ。ゲストも凄かったし。
中:あの人にはかなり影響受けましたね。自分の行くライブでもよく見るし(笑)
青:ああ、いるねえ(笑)
マ:ニック・ロウ(を観)に行ったら、前が外人のオッチャンやなあって思ったら、
  ピーター・バラカンで、めちゃめちゃ緊張しました(笑)
青:こないだ吉祥寺で、リトル・フィートのポール・バレルとフレッド・タケットが
  アコースティックで来たんですけど、そこにもいたなあ。
中:あの人からリトル・フィートを知ったんですよ。『ディキシー・チキン』もCD化
  されてない頃からよく紹介してて。ネヴィル・ブラザーズもそうですね。
青:「ポッパーズ」で1回、リトル・フィートのビデオやったこと、あったなあ。
  スゲェよかったなあ。
中:ドクター・ジョンとかも。
青:ああ。あとアル・グリーンも呼んだんだったかな。良かったなあ。
中:関西は(番組を)中継してなかったんですよね。だから当時は「こんな番組やってる
  らしい」って情報だけ聞いてて。
青:あ、そうなんだあ。

中:学生の頃は『マガジン』と『ロッキング・オン』を
  貪るように読んでて。
青:そうっすねえ。
中:で、周りに(音楽の)話の合う人は全然いなくて。
青:まあ、ね。あんまし話合う人っていないよね。音楽
  やっててもいないもんなあ。
中:そうですか?
青:いや、少ないよ、やっぱり。直枝さんと話が合うなって
  思ったんだけど、他にはあんましいないもんなあ。
  青木(孝明)君とかも全然趣味違うし。何せ、ポール・
  マッカートニー!!(かなり強調)だから(笑)

マ:結構王道ですよね。
青:ポール・マッカートニー命!だもんね。
中:ああ、その話は(笑)「家に行くと『ロック・ショー』を見せられる」という(笑)
一同:(爆笑)
青:繰り返し繰り返し見せられる(笑)それも"JET"のところだけを見せられる(笑)
中:でも、その割にフレットレス(・ベース)とか弾くんですよね(苦笑)
青:(笑)そうそう。ベース演る時はね、何かソウルっぽいような感じで、
  「俺は大丈夫だ」とか言ってんだけど(笑)。

「またそのうち変わることもあるかも知れないし」


中:(唐突に)青木さんがベース弾くようになってから
  "Vampire"を演る回数って減ってません?
青:ああ、そうそう。あれはね、横川さんならではの音楽
  だと思ってたから。
中:あの解釈はあの人にしか出来ない、というか。
  独特ですよね。Egg-manで演ってた頃って、初っ端に
  "Vampire"を演ってたじゃないですか。今でも覚えて
  ますけど、機械っぽいSEでメンバーが登場して、
青:ああ〜


中:それに石坪(信也)さんがドラムを重ねていくっていう。あれが凄いなあって。
  当時が最初に見はじめた頃だったんですけど、凄いバンドだなあって。
マ:桜井(芳樹)さんのエフェクト関係も凄かったですよね。
青:ねぇー、桜井さんも一緒に演りたいなって思うこともあるんだけど、全曲は、なかなか。
  編成的に、何かいろいろカブッちゃうんだよね。
中:適材適所というか。
青:玄さんは、スティール全曲は要らないんだけど、でも、欲しいし。
  必要無い時はギター弾いて貰った方が有難いし。
中:最近割と、ギターも弾かれてますよね。
青:僕は、桜井さんも好きなんだけど。
中:最初は、バンドに当り前にペダルスティールがいるっていうのが凄く新鮮だったんです
  けど。
青:最初はキーボードの代わりに使うっていう構成だったんですよ。
中:だからスティールの上に何か(キーボードが)あるのかと思ってたら、そうじゃないん
  ですよね。(スティールで)こんな音が出せるんだぁって。
青:レズリー・スピーカーとかかませて。
中:オルガンっぽい音とか出るんですよね。
青:まあ、使い方としてはその時としては斬新だったんだけど、でも、だんだん、落ち着く
  べき弾き方に落ち着いてきたというか。…まあでも、あんまり決まりきったメンバーで
  長く演ってもあれだな、またそのうち変わることもあるかも知れないし。
中:でも固定のメンバーで演ることの面白さってのもありますよね。
青:も、あるんだけどね。
中:今のメンバーでもう何年位ですか?
青:もう、3年?3年位かなあ。
中:3年も演れば、気心も知れてくるってとこですかね。まあ(玄さんとか)古い人は
  もっと長いこと演ってる訳ですけど
青:伊藤(隆博)君も一番新しいけど、まあ、だんだんいろいろ分かってきたし。
中:伊藤さんの役割って結構大きいですよね?
青:大きいですね。彼は何でも出来るから。
中:そうですよね。キーボード弾く傍らトロンボーンも吹くというのは(笑)
  他の楽器もいろいろ弾かれるんですか?
青:ギターも一応弾けるし、下手だけど(苦笑)まあ、それなりに。
  ドラムも叩こうと思えば叩けるみたいだし。
中:それは他のメンバーも同じ様な感じなんですか?
青:青木君もドラム叩くの(笑)結構好きだよね。
中:ああ、それは見ました(笑)
青:皆結構複数楽器は、演りますよ。玄さんもウクレレ弾いたりとか。結構その辺は。
中:皆さん器用ですよね。
青:うん、凄くテクニカルとかそういうんじゃないけどね。
中:それでもなかなか難しいですよ。何でも出来るというのは。
  伊藤さんが参加されてから、やっぱりそれなりの音に落ち着いてるというのが?

青:うん、落ち着く音になったというか。安心する音に
  なったというか。
中:普通、新しい人が入ると多少の違和感ってあるのに、
  凄く自然にすっと溶け込んでるように思います。
青:凄い、人に合わせんのが上手いね。どこ行ってもそれ
  らしい音に染まっているというか。ブリリアント・
  グリーンとか、そういうの演ってんだよね、彼は。
中:ああ、(ご自身の)ホームページに書かれてましたね。
青:そういう売れてる人のものに。
  あとカールスモーキー石井とか。

中:凄いですよね。玄さんもUAとか演ってるし。
青:ああ。
中:ペダル・スティール弾ける人ってなかなかいないですからね。
青:重宝がられますわね。専門で演られてるのって駒沢(裕城)さん位かなあ。
  尾崎(孝)さんもいるけど、あの、徳武(弘文)さんとかと演ってる。
中:でも(尾崎さんは)カントリーの人ですよね。
青:だから(頼むとなると)完全にカントリーの世界の人になっちゃうから
中:ロックのノウハウで弾ける人って、なかなかいないですからね。しかも(玄さんは)
  スティール・パンも弾けるし。
青:そうそうそう。演りたがりなんですよ、玄さんは(笑)。打ち込みとかも得意だし。
中:メンバーに恵まれてますよね。
青:うん、その辺はね。トウは立ってますがね(苦笑)、皆。
中:でも、それぞれ皆さんいろいろと経てきたものがあっての音ですよ。
  個人的にはああいう渋い音は好きなので。
青:別に渋い音を狙っている訳ではないんだけど(苦笑)あんまりあの、最近の若者の音楽に
  共鳴できなくて(苦笑)

元祖渋谷系、ビジュアル系を語る(笑)

青:いろいろ、あの、流行りものも聴いてみたりするんですが。
中:あ、聴かれるんですか?
青:あの何?「BEAT UK」とかそういう番組があるじゃないですか?
  カミさんがそういうの好きだからよく、見てるんですが。
中:今のイギリスってどうなんですかね?
青:キビしいの多くて。
中:極端に言うとギターバンドと子供向け、なんですかね。今の日本とあまり変わらない
  というか。
青:まあビジュアル系はいないけどね(苦笑)最近の、でもイギリスの若者とかもあんまし
  着るものとかこだわらない感じですね。ライブの写真とか見ても殆ど普段着とか。
中:Tシャツいっちょとか。
青:ホント不思議だよね、ビジュアル系ってのは。
  日本独特のジャンルだよね。歌詞が凄いよね、あんな
  凄い格好してんのに、何か純情可憐な
中:凄いピュアな(苦笑)恋愛の歌だったりとか。
青:可愛らしい歌詞だったりするんだよね。
中:最初は凄くデカダンな歌詞だったりするんですよね。
  それがだんだん
青:ラヴコメみたいになってきて(笑)
熊・マ:ラヴコメ(爆笑)
中:(笑)少女漫画っぽくなってきて。今どきのアイテムが
  盛り込まれてたりとか。

青:不思議だよね。
マ:(青山さんも)髪の毛立ててみたりします?
青:はあ?いやぁーでもどうなんだろうねえ。ちょっと前位まではいろんな人やってたよねえ、
  身近な人でも。
マ:大田ゆるず(譲)とか(苦笑)「ちょっと前」じゃない、もっと前だ。
青:ムーンライダーズとかだって化粧してた事あるんじゃないの?
マ:テレビカメラ入ったら、割と皆ドーラン塗ってたりとか。
中:ああ、それはありますよね。

[GO HOME] [←BACK] [NEXT→]