【青山陽一 新作発売記念ライブ】 新宿パワーステーション

 待望の新作『Ah』発売に合わせての久々のワンマンライブは、
 メトロトロンワークス以来のBM'sを従えてのものでした。
 今回から若干メンバーが変わっていましたね。

<メンバ>昨年のワンマンから、横川・桜井両氏を抜いた編成
 青山陽一(G,Vo)
 田村玄一(Pedal Steel,G,Cho)
 石坪"BOSSI"信也(Dr)
 川口義之(Perc,Sax,Cho)
 伊藤隆博(Tronborne,Key,Cho)
 青木孝明(Bass)

 個人的にはBOSSI・横川(タダヒコ:b)のリズム隊のウネりが凄く
 好きだったのですが、青木さんのプレイも(横川さんほど裂烈は
 しませんけど(笑))なかなか味がありますね。また桜井・青山の
 ツインギターもBM'sの魅力だった訳ですが、今回は田村さんがEGを
 弾くことでそれを克服(笑)しています。メトロワークスの時の
 「Vampire」で見せたノイジーなペダルスティール裁きも(桜井氏の
 ノイズギターの代用。南国のベン・ハーパー!?(笑))今まで以上に
 見られることでしょう。

 7時ちょい過ぎに客電が落ち、何のBGMもなくダラダラとメンバ登場。
 軽くチューニングした後、演奏が始まります。

<演奏曲目>記載なきものは、新作から
 1.Home Fever【Home Fever】ブルースアレンジ
 2.SPIDER(from outa space)
 3.怪しげな恋
 4.COUNTRY ROAD
 5.DOGGY RICKY

 いきなり、サビにくるまで解らない(笑)ほどドロッドロのブルース
 にアレンジされた1.でスタート。でもこれが今回のライブ、もっと
 いえば新作のカラーを如実に表わしていることに、帰って『Ah』を
 聴いてから気付く訳です(^^;

 続けて演奏された新作からの楽曲は、全く始めて聴くものも多いので
 客の反応も今イチのように見えました。いつも思うことだけど、椅子と
 テーブル出すのって一度止めてみません?(笑)

 5月のワラジライブでも披露された5.のメロディの美しさには、惚れ
 ぼれしますね。ワラジ〜の時はローラ・ニーロのカバーとメドレーで
 演奏されていましたが、あれはこの曲の持つモータウン的な味わいが
 裏付けられる貴重な瞬間でした。アルバムでもこれが一番好きです。

 =================================== with わらじ
 6.ローズマリー【アルバム未発表】
 7.長靴を履いた男のブルース
         【鈴木;Wan-Gan ROCK TOWN】

 ここでメトロ社主(笑)の鈴木博文さんとダリエさん登場。3人で共作
 した曲を披露しました(博文さんはハモニカ、ダリエさんはピアニカを
 持参)。因みに今回の為に新曲を作ろうとしたらしいですが、駄目だった
 (間に合わなかった?)そうです。作品が溜まれば出す予定もあるとか。

 しかし、お二人にしきりに「今後のご予定は?」と訊いていた青山さん。
 その真意や如何に?(苦笑)

 ===================================
 8.内密にね 

 =================================== with 五島良子
 9.ベッド【五島:The Musical Chimes】
 10.Prickly Pears【同上】
 11.Setting out the Bright Journey to
    Another Wishful Star Today【同上】

 アコギ弾き語りでの8.の後、今回の目玉である五島さんが登場します。
 青山さんは彼女の近作2枚で作詞/アレンジを手がけているのですが、
 彼女のライブ自体最近は見る機会がないようなので、ファンには貴重な
 瞬間だったのではないでしょうか。かくいう私も最近の2枚は凄く好き
 です。サウンドプロダクションもさることながら、以前にはないくらい
 「自分が」出ているというか。趣向は違えど青山さんと合い通じるものを
 感じるのです。まず本人(作り手)が楽しんでいるからこそ、我々(聴き
 手)も楽しめるんですよね。

 で、青山さん。メジャーな人を前に(笑)緊張するのか、いきなり9.の
 途中でギターをトチッてしまい、五島さんに突っ込まれてました。その
 前後にもMC下手を指摘されたり(苦笑)してましたっけ。しかし、彼の
 緊張も解るような気がするのは、彼女の存在感の強烈さもあります。
 昔の吉田美奈子を更に爆発させたような(笑)髪形からして強烈ですが、
 唄いだすとその存在感は更に増していきます。このまま円熟していけば
 美奈子さんに近づくのは見た目だけでないでしょう。

 ===================================
 12.The Moon Struck one【The Band:Cahoots('71)】
 13.BLOODY APPLE SONG
 14.紅茶ブルーズ
(メンバ紹介)
 15.Million Miles Long Hair【One or Six】
 16.ON THE BORDER
 17.KING OF DIVING【One or Six】
 18.傑作でない時

 ザ・バンドのカバー12.を挟んで新作の要であるブルース色濃い2曲へ。
 前々からブルースの影響は見受けられたけど、ここではそれが確信に
 なっているというか、ギターの音色一つとっても自信に満ち溢れている
 んですよね。何よりも凄く楽しそう(顔見てると辛そうだが(笑))に
 演ってるし。こういう瞬間を見れるというのは、我々にとっても非常に
 幸福だと思います。ホント。
 
 お馴染み15.に続いては、新作、いや全アルバム中屈指(笑)のラウドな
 ナンバー16.。私は、以前ニール・ヤングのカバーを演った時の事を思い
 出していました。

 =================================== E.C.(1)
 19.チョコレイトで飛ぶ
 20.地底へGO【Home Fever】

 いきなり主観マル出しになってしまいますが(苦笑)いいなぁ20.。
 私はこの曲凄く好きなんですよ。ライブだとあの美しいエンディングが
 長く演奏されるし、それに絡む川口さんのサックスも、何だか'80年代
 ポップスのエッセンスが感じられて(演奏者にそういう意識があるか
 どうかは別ですが)、凄く懐かしい感じすらするのです。

 =================================== E.C.(2)
 21.ROUGH MIXのテーマ【GF's:BBB】参加者全員

 最後は出演者全員で「沢山人が集まった時に演る曲」(青山氏談:笑)
 の21.でエンディングです。ここでは新作のエンジニアでもあるカー
 ネーションの鳥羽修氏も参加。味のあるギターを聴かせてくれました。

 しかし、こんな楽しいライブが年に1、2回しか見れないのは、少し
 寂しいですよねえ。新作も無事発表されたことですし、今後はもっと
 BM'sで活動して欲しいなあと思います。