陰をもって鬼神を伏し 陽をもって悪星を破り 大極をなして降魔焼滅! 九天九地に無双の炎 定例青毛推進委員会!定例青毛推進委員会週末の夜になると近くの飲み屋からへったくそな歌声が聞こえてきて悲しい気分になる渉部が送る記念すべき第十回!
第十回

知恵熱出そうですぅ!

渉部:うふふふふ……。
虹野:ど、どうしたの、急に?
渉部:背中が煤けちまったよ……。
虹野:な、何のことかわからないけど、いつもどおりネタが無いってことね。
渉部:さすがに第十回ともなると渉部の貧相な大脳新皮質ではネタ切れにもなりますよ、そりゃ。
虹野:それじゃあ、今回はどうするの? 渉部君のことだからてっきり第十回記念でなにかやるんだと思ってた。
渉部:ここんとこ色々ゴタゴタしてたんで、なんも考えてないんですよ、困った事に。
虹野:わたしはそんなに困らないけどね。
渉部:あ、ひどい。でもマジでどうしよ。
虹野:難しいこと考えないで、初めの頃みたいに近況報告みたいなのをやればいいんじゃないのかな?
渉部:うーん。伝言板閉鎖するくらいで最近派手なことやってないからなあ。
秋穂:せんぱーい! 虹野せんぱーい!
虹野:み、みのりちゃん!?
秋穂:探しましたよー。せんぱい、最近クラブ終わったらすぐどこか行っちゃうんだもん。こんなところでなにやってるんですか?
虹野:そ、それは……。
渉部:やあ、みのりちゃん。サッカー部の調子はどう?
秋穂:別に普通です。
渉部:あ、そう……。
秋穂:そんなことより虹野先輩たまには一緒に帰りましょうよ。
虹野:え、でも……。
秋穂:ほらほら先輩早く行きましょうそれでね先輩昨日沢渡君から映画のビデオを借りたんですけどねこれがすっごく面白いんですよ『スナッチャー』っていうちょっと古い映画なんですけどね先輩知ってます?
虹野:あ、ちょっと、待って……。
秋穂:それで今日帰りに私の家に寄って一緒に見ましょうよぉほんとに面白いんですよ。
渉部:あのー、もしもし?。
秋穂:それじゃ、先輩、お先に失礼します。あと虹野先輩聞いてくださいよ田中先輩ったらひどいんですよー。
虹野:わ、渉部君、ごめんね!
ガチャ、バタン!
渉部
:行っちゃった……。むう、相変わらずな性格しとるのー、みのりちゃんは。


茶色ばっかりで見にくくてスマン

渉部:さて、どうしたもんじゃろ。今日はもう帰っちゃうかなあ。
ガチャン!
好雄
:おおっ! 友よ! 助けてくれ!
渉部:なんだ、好雄か。どうした? めずらしいな。
好雄:ゆゆゆ、優美に追われてるんだ!
渉部:また兄妹ゲンカか。今度はなにやったんだ?
好雄:説明は後! いいからとにかく俺をかくまってくれ! よし、この机の下に隠れてるから、優美が来たら上手くやり過ごせよ! いいな!
渉部:しょうがないなあ。
バーン!
優美
:あ、先輩! うちのお兄ちゃん来ませんでした?
渉部:好雄ならそこの机の下に……。
好雄:おい! ばかっ!
優美:お兄ちゃーん!
好雄:渉部、お前! あ、おい、優美! 待て! 話せばわかる! な、おい!
優美:問答無用! 優美、絶対許さないんだから! とにかくお兄ちゃんは優美と一緒に来るの! 先輩、ありがとうございました。ほら、お兄ちゃん行くよ!
好雄:渉部ぇぇぇぇぇぇ! 覚えてろよぉぉぉぉぉ! あ、いてっ、優美、オイ、ちょっと待てって!
ガチャ、バタン!
渉部
:うむ、いいことをしたな。


あと、そろそろ髪も切りたい

渉部:そういえばまだ髪の毛黒いままなんだよねえ、オレ。早く青くしたいなあ。まったく委員長の名が泣くぜ……。
伊集院:頭髪の脱色及び染色は校則違反だぞ、庶民!
渉部:あ、ジョアン・エリータス
伊集院:伊集院レイだっ!
渉部:冗談だよ。っていうかこのネタがわかるなんてけっこうオタクなのな、お前。
伊集院:し、失礼な! 人の上に立つ者は、どんなにくだらなくとも庶民の一般的な流行り事に関する知識を持っているものなのだよ。下々の考えを理解するためにな。それが帝王学というものなのだよ。ま、君には少々難しいだろうがな。
渉部:どこが帝王学だ、どこが。第一『みつめてナイト』は全然一般的じゃないだろ。流行ってもねえよ。
伊集院:と、とにかく! 我がきらめき高校において、髪の毛を染めたり脱色したりするのは完全な校則違反だ。もしそんな学校の品位を落とすような真似をした場合は即刻退学だ。覚えておきたまえ。
渉部:お前、金髪じゃねえか。まさか、理事長の孫だからいいってんじゃないだろうな。それに詩織や虹野さんはどうなるんだよ? 赤に青だぞ。
伊集院:教えてやろう! 僕や詩織君達は染めても脱色してもいない。生まれつきだからな。だからなんにも問題などない。しかし! 君は生まれつき黒髪だ。それを青くするのだから立派な校則違反と言うわけなのだよ。
渉部:じゃあ、お前も黒く染めろ。金髪なんて学校の品位が下がるぞ。
伊集院:君もつくづく無知で愚かだな。そんなことしてみろ。見事な校則違反だ。僕はまだ退学するつもりはないのだよ。とにかくまだ学校に残っていたいのなら馬鹿な真似はよすんだな。もちろん、君のような何の取り柄もない野蛮で下品で下衆で卑猥で野卑な生徒はいつでも退学にしてあげるがね。それでは失礼するよ。ハーハッハッハッハッハッハッ……。
渉部:あの高笑いが十分品位を落としてると思うのだが……。


最後の最後まで意味無しです

渉部:というよりきらめき高校ほどでたらめな高校もないだろ。でもみんな三つ折ソックスってのがいいよねえ。っていうか三つ折ソックス好き。流行らないかねえ。
ドン!
渉部
:ぐわっ!
謎の女:ごめーん、待ったぁ! あ、ごめんなさい、人違いでした……。
渉部:あ、そうですか。ってちょっと待てー! おいコラ! そこのコアラヘアー! ……行っちゃったよ。なんなんだ、まったく。っていうかどんな人違いだっつーの。しかも肩からぶつかってきたし。シャアザクか。
ドン!
渉部
:おわっ!
朝日奈:あ、ごめん。ああっ! 映画に遅れるぅ!
渉部:おいコラお前も! ここは通り道じゃないぞ! 第一、映画なら次の上映見ればいいだろうに。っていうか普通、映画の上映時間なんて覚えてないだろ。
片桐:ハーイ! こんにちは。
渉部:あ、片桐さん。
片桐:こんなところで何をしてるの?
渉部:なんかしてるように見える?
片桐:ハハハ。確かに何かしてるようには見えないわねえ。
渉部:片桐さんは何やってるの?
片桐:私は、そうね、なにか描く題材がないかなーって、思ったんだけどねえ。
渉部:オレ、暇だからモデルになってあげようか?
片桐:No think you。遠慮しとくわ。渉部君がモデルじゃインスピレーション沸かないもの。それに、彼女が迎えに来てるみたいだし。
渉部:彼女?
虹野:よかった。まだいてくれて……。
渉部:あ、虹野さん!
片桐:それじゃ二人とも、Good bye。さよなら。
渉部:あ、片桐さんバイバーイ!
虹野:うん、片桐さん、さようなら。
渉部:それじゃ、渉部も帰るかな。虹野さん、一緒に帰らない?
虹野:うん、いいよ。そのために戻ってきたんだし……。
渉部:え、なんか言った?
虹野:え、う、ううん、何も。さ、帰ろ。

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