Weekly Needs 号外(1996.8.4発行)

「祭りだワッショイ皆で遊ぼう!!」開催!

1996.7.21(日):「仮設星和台南住宅」夏祭り

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1.総括


 7月21日(日)に、北区にある仮設星和台南住宅の敷地内で夏祭りが催されました。「祭りだワッショイ皆で遊ぼう!」と題されたこのイベントの主催は、仮設星和台南住宅の自治会。それに、近所にある君影台住宅・星和台住宅・鳴子住宅・南鈴蘭台住宅の各仮設の住民の方々でした。
 青空のもとでの開催となり、会場には多くのお客さんが訪れ、 大山清さんの手品や兵庫商業高校の舞獅隊による中国獅子舞、輪田鼓会・輪楽鼓(わらっこ)、ソウルフラワー・モノノケサミットのチンドンコンサートなどが祭りを盛り上げ、花扇会の方々を中心にみんなで盆踊りを踊りました。
 それぞれの住宅と星和台地区で活動するボランティアなどのグループの方々が、素人ながら本格的な模擬店を出店しプロさながらの腕を振るって、訪れた方々を喜ばせていました。


 橋元ルリ子さん(兵庫県震災復興総合相談センター)の司会進行で行われたステージの催しは、フォークダンスで始まり、次に大山清さんが手品を披露。帽子の中から出てきた旗には「たすけあい がんばろや」と書かれていました。
 昼過ぎから、兵庫商業高校の『舞獅隊』が中国獅子舞を見せてくれました。「精鋭ぞろいで来ました」と言う皆さんは、ほとんど女子生徒。それでも、二体の獅子は雄壮に、男性役は男らしく、素晴らしい演技でした。獅子が口にくわえていた巻物を開くと「祝開催 星和台南仮設 夏まつり 兵商舞獅隊」の文字! 訪れた方々から大きな拍手が起こりました。

 続いては『輪田鼓会・輪楽鼓』の皆さんの演奏が始まり、和太鼓の響きは、星和台狭しと、高らかに鳴り響きました。
『ふってわいたトラベリングバンド』が唄うナツメロや『ソウルフラワー・モノノケサミット』の唄う明治・大正の流行歌に、多くの人が一緒に口を動かしていました。
 最後は、花扇会の皆さんを中心に盆踊りを踊りました。参加者の大きな輪ができ、華やかに祭りが幕を閉じました。

(すたあと長田スタッフ:吉田 信昭)


2.ガンバレ! ガンバロー! この交流を大切に

星和台ふれあいのまちづくり協議会

 実行委員会の皆さん、御苦労様でした。大成功でしたネ。
「仮設夏祭り」の話が出た時、しかも被災者の皆さんが「自分達の手で」企画をされていると聞き、これは是非とも私達の「協議会」でも応援しなくては、となりました。なにしろ初めての事で、ボランティアの皆さんの支援で成功することが出来てホントによかった。売店の売り上げも、最初の見込み違いで、お昼には用意した品物が品切れとなり、追加仕入れに3度も走る嬉しいてんてこ舞いでした。
 イベントも人気上々、大いに会場を盛り上げてくれました。出演交渉に当たってくれたボランティアの皆さんの努力の積み上げに舌を巻いています。「花扇会」の皆さんの「盆踊り」も絶対に欠かせないものでした。
 最後の「後片づけ」が又立派でした。誰彼となく手伝いあって、またたく間に見事にテントがたたまれ、ゴミが整理されていきました。
 「よかったね」「またやろうね」……いやいや、1日も早く仮設住宅を出て元の町に、元のような生活に戻れることが願いです。被災者のがんばりにも、周りの支援にも限界があります。今すぐに大々的な公的支援が求められています。この面でも皆で声を大きくしましょう。
 ホントにご苦労様でした。
 ちなみに、私達の屋台(パンとジュース)では、パンが150個とジュースが390本も売れました。ご協力下さった皆さん、有り難うございました。

(星和台ふれあいのまちづくり協議会委員長:繁内 康政)


3.一五の会


 大盛況!「祭りだワッショイ皆で遊ぼ!!」
 前日の雨風が信じられない位の青空と猛暑の中で挙行した「祭りだワッショイ!」。震災後、星和台近辺に移って来られた仮設住宅を訪問してきた1年数ヶ月…。少しずつエネルギーを感じる今日この頃、「自分達が主になって、何かを一緒にやろう!」。そして「被災をまぬがれた近隣の地域の人達も参加する事でお互いに交流を持てばいいな」の発想から、5仮設・3団体・4ボランティアで始めたお祭り。
11時からなのに、10時位から行列。たこやき・やきそば・かき氷・おでん・ビール…皆の顔が輝いて見える。クライマックスはボランティアでかけつけてくれた兵商の舞獅隊による中国の獅子舞。和太鼓、ミュージック手品、花扇会の皆さんと盆踊り。
 この日に至るまで、多くの方々に随分お世話になり助けていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。そして各仮設の方々の頑張り、素晴らしかった。
 どうかこれから先、厳しい現実に向かった時、一人じゃない事、応援している人々がたくさんいる事を忘れないでいて下さい。

(一五の会:冨田)


4.夏まつりに参加して

輪田鼓会

 夏まつりの会場は、多くの出店と人とで大変賑やかでした。私達輪楽鼓のメンバーも「頑張らなくては」と、気合いが入りました。
 太陽の暑さとアスファルトの熱さとで汗だくになりながらも、三演目叩かせていただき、まだまだ未熟ではありますが、喜んでいただけたことを、とても嬉しく思います。
 有り難うございました。

(輪田鼓会・和楽鼓:上山 俊子)


5.夏祭りに参加して

神戸友の会

 みなさん、おそうめんは召し上がっていただけましたか。「出来立てで冷たく、おいしいおそうめんを」と、一所懸命作らせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
 神戸友の会は、昨年9月と10月、星和台南仮設で行った「友愛セール」(衣類、日用品、手作りのお菓子・お惣菜等)がきっかけで、このような行事への参加をするようになりました。参加する度に皆さんが元気になられるように感じられ嬉しく思いましたが、特に今回の夏祭りは、楽しそうな笑顔がいっぱいで素晴らしい催しとなり、さらに嬉しい一日となりました。そして仮設住宅の方・ボランティアグループ・地域住民・行政機関が力を合わせることがとても大切な事だと、改めて思いました。
 私達と皆さんと力を合わせ、明日への希望づくりの為にできる限り協力させていただきたいと思っております。

(神戸友の会)


6.君影仮設


 7月21日、仮設の人達合同出店の催しで、君影仮設は「綿あめ」を売りました。皆初めてのことなので大変でしたけど、楽しい一日でした。
 「1本ちょうだい」「2本ちょうだい」と、可愛らしい子ども達が来てくれると嬉しくて、ついつい大きな大きな綿あめが出来上がり、お客様にも大変喜んで頂けました。
 綿あめを売るかたわら、よそのお店にも行って、その日は、関東煮・そば焼きで夕食を済ませた家庭が何軒かありました。
 また来年も仮設でお世話になり、この催しに参加することができましたら、今度は違うお店を出してみようと皆で話し合っております。お世話して下さった実行委員会の方々は大変だったと思いますが、仮設での生活の中で楽しい思い出になりました。有り難うございます。

(君影仮設)


7.仮設南鈴蘭台住宅


 焼け野原だった街も新しい家が建ち並び、にぎわいも復活! 昨年は、例年の祭りも中止されたが、今年は、復興まつりとして「神戸まつり」が再開され、私達仮設住民もこの土地の住民になって祭りに参加。今までの「神戸まつり」は見物のために参加したが、今回は楽しく見てもらう側で祭りに参加。
 仮設生活での最後の夏になるかもしれない(?)ので、辛かったことも忘れて、そして「生きていてよかった」と実感できるようなお祭りに、仮設での楽しい思い出になった。
 7月はじめからお祭りの準備にも参加して、知らない人の仲間入りしての盆踊りの練習…。待ちに待った「祭りだワッショイ皆で遊ぼ!!」本番。
 かんかん照りの強い太陽にもめげず予想した以上に大勢の人が集まり、仮設住民、そして地域の人達と一体になっての楽しい一日。今まで以上に交流の輪が広がり、仮設住民としての楽しい思い出の一日。そして「またどこかでお会いしましょう」と心に決めて会場をあとにした。

(仮設南鈴蘭台住宅:深見 経子)


8.夏祭りゲームコーナーより

鈴奈会

 拡がる青空、眩しい真夏の陽の中、星和台南仮設の夏祭りが始まった。子ども達は始まる前からやってきて準備を邪魔しながら、手伝ってくれた。
 オープンと同時に列が出来る程の繁盛ぶり。スーパーボールを追いかけながら水しぶきが飛んだ。輪投げにやんやの掛け声。サイコロに数の呪文を唱えながら投げる子。大人の参加もあった。子どもの様な笑顔でも、けっこう本気である。大人も子供も楽しめたゲームに私達も顔がほころんだ。

(鈴奈会)


9.仮設鳴子住宅


 私達の鳴子住宅では「たこ焼き屋」を出店することになったが、経験者が入るわけでもなく、最初は何から準備すればいいのかも解らなかった。しかしイベントを行う事に意義を感じ、祭りを成功させようとする目的のために行動していく。ボランティアの手も借り、二度のリハーサルをする。次第に、成功への道が開けてきた。
 いよいよ本番! 強い陽射しが照りつけ、鉄板の周りの温度は、急上昇。油の煙が目にしみる! しかし無我夢中で、焼くので精一杯である。「おいしかった」「プロ並み」と言ってもらえた時には、歓びで胸がいっぱいになった。
 とにかく暑かった。疲れた。しかし、心地よい充実感に満ちていた。そして「みんなでやった」という実感が残った。

(仮設鳴子住宅:町中 義和)


10.皆さん、呼んでくれてありがとう!

ソウルフラワー・モノノケサミット

 ソウルフラワーにとって、2度目の「仮設星和台南住宅」。1度目は昨年の11月で、余りの寒さに三線を弾く手がかじかむ程でした。
 そして今回。メンバー全員、浴衣で涼しげに演ろうと思ったら、アララ今度は暑すぎる…。頭がクラクラになりながらの「チンドン」でしたが、さすがは星和台の皆さん。そして、さすがはソウルフラワー。オジィ・オバァ達の楽しそうな顔・顔・顔に完全に乗せられ、最近演奏してなかった曲まで飛び出す始末。
 もっと演りたかったです。ということで、今度は夜に「盆踊りスタイル」でやりましょう。

P.S.:ソウルフラワー・モノノケサミット『アジールチンドン』絶賛(?)発売中!
そして、8月22日(木)長田区四番町の地蔵盆で演奏します。よろしく!

(ソウルフラワー・モノノケサミットまたの名をソウルフラワー・ユニオン:
 中川 敬〜チンドンパンク歌手〜)


「作り替えこそ、はやり歌の文化」中川 敬さん
(日経新聞1996.8.4より)


11.心のふれあいを求めて

星和台南夏祭り実行委員会

 7月21日、仮設星和台南にて「夏祭り」が盛大に行われました。
 阪神大震災で、心身共に痛手を負った人々の心に「生きていて良かった」という希望の光を、数多くの人々の応援で灯せたことを、嬉しく思います。
 神戸の街の復興を願いつつ、関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。

(星和台南夏祭り実行委員会委員長)


12.星和台南の仮設の人々へ

すたあと長田

 会場についた時は失礼ながら、盛況するのかどうか案じていた。しかし予想に反し、人はぞくぞくとやって来た。皆が日常生活のつらさを1ミリたりとも感じさせない。周りの空気は元気色に染まっていた。手伝いに来たのか遊びに行ったのか分からないほど楽しまさせていただいた。そしてあの場面にいることができた自分が嬉しかった。
 星和台の仮設住宅の人々へ……本当にありがとうございました。

(すたあと長田スタッフ:和田 朋子)


 

 コメントを下さった皆様と、制作に協力していただいた「一五の会」に感謝申し上げます。

すたあと長田
制作責任者:吉田 信昭
 写真撮影:家田 慈子

※この「ウィークリーニーズ 号外」は、星和台地区の仮設住宅などに配布されております。


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