「Weekly Needs」1996.8.22号(Vol.3 No.11)

「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。

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開催! みすが夏まつり


「夏祭り」によせて

 去る、8月10・11・13日は、わが町御蔵5・6丁目の「夏祭り」で連日盛大なうちに終結しました。これもひとえに兵庫商会・田中社長をはじめ、各ボランティア・まちづくり協議会の面々の一方ならぬ御協力とご尽力のたまものであったと思われます。
 会場には仙台などから、七夕まつりの飾り物が贈られ「神戸に仙台の七夕を飾る会」の7名の方が飾りつけに駆けつけて下さり、本場さながらの七夕飾りは、それはそれは見応えがある優美な光景でありました。

 この「夏まつり」は、震災でやむなく地元を離れ仮設や民間の借家でお住まいの方、そして当地区で住まわれている方へ励ましのエールを贈るとともに、もっと地元への関心をもっていただくために開催されました。この3日間は大勢の参加者で賑わいましたが、特に13日の河内音頭での盆踊りは最高潮で、400〜500人もの人出があり、老若男女を問わず、河内音頭の軽快なリズム、ドーンと太鼓に乗せられて、踊るワ、踊るワ歌の文句じゃないけれど、身も心も浮き浮きと「エンヤコラサーのドッコイセー」と「ストレス解消、もう最高!!」…。

 「夏まつり」で明け暮れたお盆休みでありましたが、終わって現実に戻って、気が付けば「笛吹けども踊らず」で地元(御蔵5・6)の方々の参加が少なかったように思います。当日の案内は封書でお送りし、一部の方たちへは、一人でも多く参加してほしいとの思いで電話で勧誘もしました。にも拘らず出足が悪かった。その原因は色々考えられますが、最大の要因は「区画整理に夢がない」と云うことに尽きるでしょう。一抹の不安と淋しさがよぎり、区画整理・町づくりに一石を投じられた思いが致します。
 なにはともあれ、ご参加、ご協力下さった皆々様、楽しい夏まつり、ありがとうございました。

(「御蔵通5・6丁目」まちづくり協議会副会長:竹内 千恵子)


インフォメーション


◆生活支援金(義援金)の交付申請開始
 交付の対象となるのは、震災当時の世帯構成を基準として、当時住んでいた家が震災により、全焼・半焼・全壊・半壊の被害を受け、世帯の中で最も収入の多い人の平成7年分の総所得額が690万円以下の世帯です。
 詳しくは、8月20日(火)発行の「広報こうべ特別号」に載っています。
【交付額】1世帯につき10万円
【申請書の配布】各区役所、支所、出張所など
【申請方法】9月2日(月)〜11月29日(金)に必要書類を郵送
【問】TEL:078−271−5554

◆生活福祉資金(転宅費)特例貸付
 震災により仮設住宅などの仮住まいに住まわれていて、恒久住宅へ引っ越す世帯のうち、引っ越しに必要な費用の調達が難しいと認められる低所得世帯、高齢者世帯、身体障害者・精神薄弱者世帯には、兵庫県社会福祉協議会が50万円を限度として転宅費の貸付を行います。
 世帯員全員の総所得の合計が1人の世帯では180万円以下、2人の世帯では270万円以下…といった条件があります。
 詳しくは、8月20日(火)発行の「広報こうべ特別号」に載っています。
【申込書の配布】各区福祉部、北区福祉部北神分室、北須磨支所福祉課
【申請期間】8月29日(木)〜1999年(平成11年)3月31日(予定)
【問】神戸市社会福祉協議会 生活福祉資金・転宅費係
  TEL:078−241−0037


屋根がとんだ!? 仮設住宅・台風にご注意!!


 8月14日に日本列島を襲った台風12号。強風に襲われた西神の仮設住宅では、屋根が飛んだという話も聞きました。そこで御蔵通5丁目で被災され、現在はご家族で西神仮設に住まわれている木村文廣さんに、その時の模様をお聞きしました。

 「ともかく天井がパタパタと上下したのがびっくりした。(備えつけの)ワイヤーで固定をしたが、あれは結局、柱しか支えることができない。屋外の小物や、洗濯機、物干し竿などもとんだり転がったりした。ともかく、えもすれば仮設の建物もそのものが浮いているような感覚だった。」

 対策としてはどのようなことが考えられますか?

 「洗濯機の水槽には水を張るよう声をかけた。自転車のカバーもはずしておいた方がいい。外につっている”すだれ”等も気をつけておかないといけない。屋外のフラワーポットなどの小物や物置も、ロープで縛るか中に入れとかないととびますよ。それから、戸や窓をきちんと閉めておかないと強い風で屋根が飛ぶ危険性が出てきます。なるべく窓ガラスにビニールテープで補強をしておきたいですね。」

 夏も後半に入り、台風シーズンもこれからです。ぜひ皆さんで声をかけあって気をつけましょう。
もし、仮設の建物が壊れた場合は
★住宅供給公社 応急仮設住宅管理部 TEL:078−332−0252

(協力:西神第15仮設 木村 文廣、 まとめ:小野 幸一郎)


みんなの伝言板


 皆さんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「譲ります」「求めます」「この人を捜しています」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひご連絡を下さい。
 (電話・FAX・郵便で「すたあと長田」まで)

★「地蔵盆」へのお誘い
 お地蔵さんが残っている町では、有志による「地蔵盆」を行います。
震災前に比べれば、その数は激減しておりますが、懐かしい顔と会える機会にもなりますので、ぜひ、お子さん・お孫さんと共にお出かけ下さい。

★ソウルフラワー地蔵盆ライブ
 8月22日(木)、長田区四番町の地蔵盆で大正・昭和初期の流行歌などを演奏します。
ぜひ、聴きに来て下さい。
チンドンパンク歌手〜ソウルフラワー・モノノケサミット

★べんり屋
 引っ越し・ペンキ塗り・大そうじなど何でもします。部屋のもよう替えなどで人出が欲しいときも、ぜひご利用下さい。格安の料金でお引き受けします。
・大ちゃんのべんり屋「ビッグ・フット」:078−512−2035


あきちゃんかんちゃん、街へ出る 第12回


かん:
”O−157”や台風12号などで、落ち着かないお盆だったね。東北で震度5の地震。そして、寅さんも……(黙とう)。
あき:
震災後2度目の夏だけど、ハイキングしたり須磨の海に出かけたりする気分に、まだなれないわ。
かん:
震災の後、続けている定点観測の写真を撮るため、須磨・長田・兵庫区を自転車で走ってみたんだ。ガレキも少なくなったし新築も見かけるけれど、共同住宅となるとまだまだだね。
あき:
仮設にまだ4万世帯。長田区の人口もこのところ、毎月減っているわ。復興住宅が早くたくさん欲しいわ!!
かん:
だけど嬉しいことはね、御蔵5丁目で行われた「みすが夏まつり」でね、各地からの七夕飾りがあり、助け合い助けられていることに気付かされたことだよ。
あき:
各地からの、また地元の、ボランティアの人の気持ちにも触れ、いいお祭りだったわ。
※長田の人口は今、9万2千人(3万6千世帯)。震災直後の平成7年4月には、12万3千人(5万1千世帯)が登録されていたが、昨年10月の国勢調査で10万人を割った。震災前に比べると、人口で4分の1、世帯数で3分の1の人が長田を離れたことになる。
<出所・区役所広報>

(和田 幹司)

『1995.1.18 の大正筋』 『1996.8.15 の大正筋』

※定点観測:同じ場所で日を追って観測すること。
 その場所の変化が分かる。上は長田区・大正筋での定点観測

 

○すたあと長田の『サタデーエクスプレス』○

ミニFMラジオ局“FMわいわい”より放送中
 毎週土曜日午後2時〜2時55分
 周波数77.8MHz

 


この「ウィークリーニーズ」は以下の皆様の協力により配られています


◎新聞販売店様のご協力で長田区内に折り込み戸別配布
  ・読売新聞 丸山IC   ・読売新聞 新長田IC
  ・神戸新聞 五位の池専売 ・毎日新聞 丸山販売
  ・毎日新聞 尻池販売   ・読売新聞 御蔵IC

◎地元ボランティア団体・個人の協力により各地区の仮設住宅に配布
▽姫路「心のケア」ネットワーク:玉手・新白浜(姫路市)
▽鹿の子台ボランティア連絡会:鹿の子台第1〜8(北区)
▽有野台ボランティア:有野台第1〜3・五社・東有野台・有馬(北区)
▽神戸女子大学ボランティア活動本部:桜木町(須磨区)
▽SVA神戸:長田区内各仮設
▽兵庫商会:南落合第1〜3(須磨区)
▽阪神高齢者・障害者支援ネットワーク:西神第7(西区)
▽りんくうネット:大阪府内仮設

◎すたあとスタッフによる配達(仮設住宅・店舗など)
長田区内各仮設および店舗等・東白川台(須磨区)・学園東町第5(西区)・星和台南ほか(北区)

◎コープこうべ様のご協力で店頭に据え置き
▽コープミニ ポートアイランド店
▽コープミニ 鹿の子台店


今号の制作スタッフ


編集長:     小野 幸一郎
副編集長:    吉田 信昭
版下:      吉田 信昭
タイトル:    加瀬 久美
見出し・イラスト:家田 慈子・加瀬 久美・瀬戸 綾子・橋本 吏賀
写真撮影:    金原 雅彦・和田 幹司
ワープロ入力:  林  隆史(SVA神戸)
※インターネット・ホームページ:
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numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp