「Weekly Needs」1997.9.25号(Vol.3 No.39)

「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。

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=かんちゃんの ながたものがたり (第9回)=


==おとなりの兵庫区にキャナルタウン広場ができたよ!==

 ことし(1997年)は、兵庫港ができてから、130年にあたるらしい。もっとも奈良時代に大輪田の泊(おおわだのとまり)という『みなと』がすでにあり、ここにそそいでいた川だから『みなと川』というそうだ。ここにそそぐ運河もある。

 おとなりの兵庫区から、長田をのぞいてみるのも、おもしろい。兵庫運河にかかる橋をわたり、川崎重工の兵庫工場で写真をとっていたら、4人づれの中学生が「おなじカメラやね、阪神電車の新しいのをとりにきたの?」と聞かれた。
 『55−06』という車両で、この工場でつくっている。東尻池の交差点の南東のあたりを車もすくない休日に歩いてみることをおすすめする。

 目じるしは富士通テンの工場なのであるが、そこを東にすすみ、はま側におれると貯木場があらわれる。都会でこんな景色がみられるの?というくらいで、きやり唄が聞こえてきそうである。

 浮かんでいる丸太のあいだから、ぴょんぴょんさかながはねる。そのさかなをねらう白いサギ。高取山もうつくしい。
 運河のあるJR兵庫駅のみなみは、だから『キャナルタウン広場』となづけられた。
あたらしい名所の誕生だ。

(和田 幹司)

やまがあり あめがふり
 かわがあり みなとにそそぐ

かわをつくり みずをながし
 ふねをうかべ 丸太もはこぶ

 ひろばができ みせができ
たくさんのひとが やってくる

 どんとこい たくさん 来い
運河のある この《ひろば》に

▲兵庫運河に架かる橋


電波にのせて


 ウィークリーニーズをご覧のみなさん、こんにちは。FMわいわいです。
 今日はみなさんにFMわいわいのことをお知らせしようと思っています。

 FMわいわいは長田区の海運町にあるコミュニティFMラジオ局で、JR鷹取駅から南東に歩いて5分くらいの所にあります。
 昨年1月17日の開局以来、長田区を中心に身近な地域情報と8言語による放送を皆さんにお届けしています。日本語、中国語、ポルトガル語(ブラジル人向け)、英語、ベトナム語、タガログ語、スペイン語(中南米人向け)韓国・朝鮮語の8つの言葉による番組をFMの77.8メガヘルツ(MHz)で放送しています。

 そして放送スタッフは全員がボランティア。このウィークリィーニーズを発行している「すたあと長田」のメンバーも毎週土曜日に「サタデーエクスプレス」という番組を担当しています。

 FMわいわいの番組は、長田の街と同じように多種多様です。定住外国人による外国語放送は、単にその国の人向けの放送だけでなく同時に外国人と日本人の相互異文化理解への橋渡しの意味があります。そのため日本語も番組の中で使われています。

 そして日本語放送もFMわいわいならではの番組です。FM放送局でなんと演歌が流れます。中学校、高校の放送部が制作する番組があります。沖縄、奄美の音楽と文化を紹介する番組もあります。病気、健康に関する事を直接、病院の先生に答えてもらうコーナーもあります。そしてもちろん邦楽、洋楽の最新ヒットチャートもオンエアー!

 こんなFMラジオ局が長田にあります。
 みなさん、ラジオをFMの77.8メガヘルツに合わして、FMわいわいを一度聞いてみて下さい。きっとわいわいを、そして長田を好きになります。

(FMわいわいプロデューサー:金 周司(きむ じゅさ)


インフォメーション


◆「災害復興(賃貸)住宅 一元化募集」のお知らせ◆
 神戸市、兵庫県、県・市住宅供給公社、住宅・都市整備公団が供給する「災害復興(賃貸)住宅」の入居者の募集を9月26日より受け付けます。
 4回目になる今回では、神戸市内には12,234戸(うち市営住宅が7,455戸)の供給がなされます(区別の戸数は後記参照)。
今回の募集のうち西・北区の一部の空き家住宅とシティハイツ(特別市営住宅)には被災していない世帯も申し込めますが、被災者を優先します。

【申込受付】
9月26日(金)〜10月28日(火)(消印有効、かつ10月31日必着)
【対象】
現在、住宅に困窮し、次の要件すべてにあてはまる世帯。
@日本国籍を有する、または外国人登録をしている。
A阪神・淡路大震災により、それまで自己の居住していた住宅が倒壊または焼失するなどして居住できなくなり、その事実が証明または確認できる、あるいは解体予定であることが証明できる(応急仮設住宅、公的賃貸住宅の一時入居者は、入居が証明できれば申し込めます)。
B震災により、自己の居住していた住宅が、全焼・全壊・半焼・半壊である(り災証明が必要)。
C2人以上の世帯は、その家族が夫婦(内縁関係にある場合、住民票と戸籍謄本での確認が必要)または親子からなる。

【申込案内書の配布場所】
区役所・支所・出張所(連絡所)、ハローステーションKobe、神戸市住宅局管理課(市役所1号館3階)、市・県住宅供給公社、住宅・都市整備公団、阪神・淡路大震災復興支援館、各仮設住宅内ふれあいセンター
などで9月26日から配布します。

※詳細は「広報こうべ特別号」又は「申し込みの手引き」をご覧ください。
※お問い合わせは、市営住宅については
 神戸市営災害復興住宅募集の係:078−322−1300
               (9:00〜17:00 土・日・祝は除く)

《区別の供給戸数(市・県営)》
東灘区347戸兵庫区847戸垂水区2177戸
灘区1630戸長田区586戸北区783戸
中央区2011戸須磨区1162戸西区1164戸
※シティハイツ(108戸)・特別賃貸県営(3戸)を除く


みんなの伝言板


 みなさんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「ゆずります」「求めます」「集まってください」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひ連絡をください。
 (電話・FAX・郵便で「すたあと長田」までご連絡ください)

★「お茶席」のご案内★
 虫の声に秋の訪れを感じる頃となりました。
 皆さまお元気でいらっしゃいますか……。
 この度、地域の皆さまにおくつろぎいただければと、お月見のお茶席をもうけさせていただくこととなりました。
 皆さま、お気軽に足をお運び下さい。

【日時】9月28日(日) 10時〜15時
【場所】御菅福祉センター(御蔵交番所西隣)
【主催】御菅のお月見 実行委員会


共生・共創センター

“もやい”


 さてさて、長田区はみくら通り5−5の「共生・共創センターもやい」なるお店。ボランティア達で立ち上げ、去る9月1日にめでたく開店となりましたが、道ゆく人々も「何屋さん?」と不思議そう。

 目印は黄色地にもやいと書かれた大きなのれん。店の入り口には車イス用のスロープが有り、店内には仮設の方々の手作り品や雑貨の販売。リサイクル衣類のコーナーにはお値打ち品が並んでいるし、毎週水曜日は、包丁とぎ(今なら200円)もやって来る。

 ドーンと真ん中にある畳スペースは12帖で、会合や茶話会、休憩所としても利用可。さをり織り(はた織り機)は誰でも体験出来て無料。月替わりで催し物も企画中。

 とにかく何でもお気軽に!

【お問い合わせ先】078−578−6921

(文・画:金田 真須美)


この「ウィークリーニーズ」は以下の皆様の協力により配られています


◎新聞販売店様のご協力で長田区内に折り込み戸別配布
  ・神戸新聞 板宿北専売 ・毎日新聞 丸山販売
  ・毎日新聞 尻池販売  ・読売新聞 新長田IC
  ・読売新聞 丸山IC  ・読売新聞 御蔵IC

◎地元ボランティア団体・個人の協力により、
 各地区(市内広域・姫路・大阪など)の仮設住宅に配布
▽姫路「心のケア」ネットワーク:玉手・新白浜(姫路市)
▽鹿の子台ボランティア連絡会:鹿の子台第1〜8(北区)
▽有野台ボランティア:有野台第1〜3・五社・東有野台・有馬(北区)
▽神戸女子大学ボランティア活動本部:桜木町(須磨区)
▽北須磨ボランティア:西落合1〜2・名谷2(須磨区)
▽春風会:長田区内各仮設
▽兵庫商会:南落合第1〜3(須磨区)
▽阪神高齢者・障害者支援ネットワーク:西神第7(西区)

◎すたあとスタッフによる配達(仮設住宅・店舗など)
長田区内各仮設および店舗等・東白川台(須磨区)・学園東町第5(西区)・
星和台南ほか(北区)

◎コープこうべ様のご協力で店頭に据え置き
▽コープミニ ポートアイランド店
▽コープミニ 鹿の子台店


今号の制作スタッフ


編集長:     小野 幸一郎
副編集長:    吉田 信昭
編集:      沖 かをり
タイトル:    澁江 美貴
見出し・イラスト:加瀬久美・家田慈子・瀬戸綾子・橋本吏賀
ワープロ入力:  和田 幹司

《すたあと長田 ウィークリーニーズ編集部より》
「すたあと長田」は、いかなる政治・宗教団体ともつながりを持たず、また、どのような営利団体とも特別なつながりは無く、ボランティアスタッフにより全くの自主管理で運営しています。みなさんのお役に立てればと、情報発信活動として「ウィークリーニーズ」を無料発行しております。



numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp