「Weekly Needs」1997.5.29号(Vol.3 No.31)

「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。

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=かんちゃんの ながたものがたり (第5回)=


==長田港でうみをみつめる すると、気分もすっきりだ==

 うみをながめながら、育ったひとが多いだろう。神戸や長田の良さは、近くに、うみや、やまがあることだ。
 市バス101系統の終点『駒ケ林公園』でおりて、にしのほうへあるくと、漁船が20隻くらいとまっている長田港にたどりつく。

「しんさいのあと、なんか、むなしいてな。いえにおっても、まわりは“たべもんや”は あるんやけど、まちは、まだそれだけでなー。ひとりで住んでるさかい、こうやって自転車でみなとにきて、ふねや、ひとが出入りするんをみとんや」
……と房王寺町からやってきたKさん。

 若松町のSさん、東尻池町のHさんの3人が、いつものお仲間だ。うみをみつめ、しおのかおりをかいでると、きもちがおちついてくるという。
 つり糸をたれる人があり、ひなたぼっこにくる人があり、ネコもいて、犬もいる。むかしからの古いたたずまいを残している港だ。灯台のよこを はしるふねを ゆったりとみつめていられる所なのだ。

 “いかなごのくぎ煮”のシーズンはおわったけれど、長田港にみずあげされる、とれたてのさかなもある。長田は幸せな町だ。

(和田 幹司)

うみから うまれてきたんだぞ
 いちばん さいしょの
  われわれの せんぞさまは

にんげん に なってからも
 それからも にほんには
    うみの むこうから
 なんにんもの ひとたちが
やってきたんだよ。 だからー

うみのあるまち たいせつにね

▲長田港


いっしょにおべんきょしましょ


『ひまわりの会』は、SVA神戸事務所より今年の4月から独立した、まだできたばかりのボランティアグループです。

 主な活動としては、毎週1回土曜日 午前中に長田文化会館で行っている高齢者などが対象の読み書き学級を中心に、学習者・ボランティアをふくめた交流会や講演会、地域の人をふくめた食事会などを随時行っています。

 現在、読み書き学級の学習者は約50名。教え方としてはボランティアと学習者のマンツーマンもしくは小グループ学習という形をとっており、それぞれのグループ内での学習者とボランティアの話し合いにより教材、進め方などを決めています。

 学習者は長田区を中心に神戸市の東は灘区、西は西区西神から来ていただいています。さらに、もともと長田区に住んでおられた方で、現在 仮設住宅などにお住まいの方も多く来てくださっており、まちの復興が遅れている中で、元のまちでの大きなコミュニティの場になっているということを感じます。

 学習者は在日韓国・朝鮮の方も多く、さまざまな理由により日本に来て、仕事や子育てに追われて文字をしっかり習えなかった方が、文字を習える楽しみを感じています。また、作文などを書いたりボランティアとの語り合いの中で、震災や元々の自分の内にあった問題などに関しての思い、考えや証言を表現することによって、自分自身のふり返りや今後の力になっていただければと考えています。ボランティアにとっても、いろいろな問題を考えなおす機会となり、学習者との同じ視点での関わりの中で、一緒に学び合っています。

 今後も継続して活動していきますので、読み書きを習いたいと思っている方は、お気軽に連絡してください。また、重ねてボランティアも募集していますので、ぜひとも参加してください。これからもよろしくお願いします。

(ひまわりの会:藤井 隆英)

連絡先:〒653神戸市長田区御蔵通5−5「ひまわりの会 事務局」
電話: 078−512−3703


インフォメーション


◆住宅助成義援金◆
 @「持ち家助成」A「民間賃貸住宅入居助成」に加え、B「建て替え」C「新規購入」も助成の対象となっております。ただし@〜Cの項目で2つ以上の申請はできません。また震災当時の世帯で、1世帯につき1回限りですのでご注意ください。
【交付額】いずれも30万円
【申請 期間】1998年(平成10年)3月31日まで
【申請書の配布】区役所、支所、出張所などで配布
くわしくは、申請書に付いているお知らせチラシをご覧ください。

◆「ポイ捨て禁止条例」制定◆(6月1日〜)
 神戸市ではゴミのないきれいなまちをめざして「ポイ捨て禁止条例」を6月1日(日)から施行します。
 この条例では、道路・公園・海岸など公共の場所で、タバコの吸いがら・空きかん・紙くずなど散らかりやすいゴミをポイ捨てすること、たんやつばを吐くことを禁止します。
 そのほか、特定の区域の灰皿の置いてない場所で、携帯用の灰皿を持たずにタバコを吸うことを禁止します。
 ポイ捨てをすると2万円以下の罰金の場合もあります。

◆被災者のための法律相談窓口◆
【電話】078−341−9006
【日時】月曜日から金曜日の午前11時から午後3時
【場所】神戸弁護士会館(神戸市中央区橘通1丁目)
【内容】無料法律相談・法律扶助の申し込み(法に関する援助)・示談・仲裁など
【問】市民相談室:078−321−0033

◆第108回 兵庫区民寄席◆
【日時】6月13日(金)午後6時30分〜
【場所】兵庫公会堂(兵庫区役所の地下)
【出演者】笑福亭松之助、桂春駒ほか
【入場料】1000円 前売りは800円
【問】兵庫区役所:078−511−2111


みんなの伝言板


 みなさんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「ゆずります」「求めます」「集まってください」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひ連絡をください。
 (電話・FAX・郵便で「すたあと長田」までご連絡ください)

★マッサージで体をほぐしませんか★
みなさん、復興のためにがんばっていることと思います。
がんばり過ぎで“しんどい”と感じたら、マッサージで体も心もほぐしてください。

◎全身マッサージ
〈1時間20分〉4,000円
・営業時間 午前9時〜午後9時
・年中無休 ▼予約もできます
マッサージ『くるま堂』
本店営業所:078−651−8404
 神戸市長田区東尻池町5−12−13−301


第3回 フェスタin湊川


 5月というのに真夏を思わせるような陽射しの中、兵庫区は湊川公園で「障害者支援・フェスタin湊川」が5月18日(日)に開催されました。
 舞台で催される歌や踊りにステージ前は大はしゃぎ。
 食べ物屋台もカレー有り、たこ焼きやビール有りで、中には行列の出来る店も。
 そしてすごかったのが、150店もの“フリーマーケット”(私も出店してました)。押し入れに眠るお歳暮や中元の品を売る店もあれば、遠く和歌山から「備長炭」を売りに来た人も。
 古本、古着に石けんやタオル。食器に置きもの、なんと車のタイヤもありました。皆さん、3メートル×3メートルの地面に思いおもいの品物を広げ、販売されてましたが、見て回るお客さんも、品ものや人の多さに大変そうでした。

(金田 真須美)

★「第4回」の開催が決まりましたら、この「ウィークリーニーズ」でも「みんなの伝言板」のコーナーでお知らせしたいと思います。おたのしみに!


この「ウィークリーニーズ」は以下の皆様の協力により配られています


◎新聞販売店様のご協力で長田区内に折り込み戸別配布
  ・読売新聞 丸山IC   ・読売新聞 新長田IC
  ・神戸新聞 五位の池専売 ・毎日新聞 丸山販売
  ・毎日新聞 尻池販売   ・読売新聞 御蔵IC

◎地元ボランティア団体・個人の協力により、
 各地区(市内広域・姫路・大阪など)の仮設住宅に配布
▽姫路「心のケア」ネットワーク:玉手・新白浜(姫路市)
▽鹿の子台ボランティア連絡会:鹿の子台第1〜8(北区)
▽有野台ボランティア:有野台第1〜3・五社・東有野台・有馬(北区)
▽神戸女子大学ボランティア活動本部:桜木町(須磨区)
▽北須磨ボランティア:西落合1〜2・名谷2(須磨区)
▽春風会:長田区内各仮設
▽兵庫商会:南落合第1〜3(須磨区)
▽阪神高齢者・障害者支援ネットワーク:西神第7(西区)
▽りんくうネット:大阪府りんくうタウン内仮設

◎すたあとスタッフによる配達(仮設住宅・店舗など)
長田区内各仮設および店舗等・東白川台(須磨区)・学園東町第5(西区)・
星和台南ほか(北区)

◎コープこうべ様のご協力で店頭に据え置き
▽コープミニ ポートアイランド店
▽コープミニ 鹿の子台店


今号の制作スタッフ


編集長:     小野 幸一郎
副編集長:    吉田 信昭
タイトル:    加瀬 久美
見出し・イラスト:家田慈子・加瀬久美・金田真須美・橋本吏賀
ワープロ入力:  横田ゆり・和田幹司

《すたあと長田 ウィークリーニーズ編集部より》
「すたあと長田」は、いかなる政治・宗教団体ともつながりを持たず、また、どのような営利団体とも特別なつながりは無く、ボランティアスタッフにより全くの自主管理で運営しています。みなさんのお役に立てればと、情報発信活動として「ウィークリーニーズ」を無料発行しております。



numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp