「Weekly Needs」1996.12.26号(Vol.3 No.20)
「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。
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コムスティ・システムの提案
被災地は今、人口が激減したままの状況が続いている。復興の基盤となるのは、離散している住民が、住んでいた<地>に戻り、かつての様にぬくもりのあるコミュニティが復元することだといえる。しかし、離散している人々は、様々な不安が渦巻いている。
そこで、地元に戻る仕組み「コムスティ・システム」を提案したい。
不安には、個人のこと、まちの将来のこと、まちでの暮らしのことがある。個人の不安の要因は、
- 個人、家族での状況変化(失業、同居、別居など)
- 権利関係
- 建設資金などの金銭
- 敷地規模などからくる法的建築制約
などが挙げられる。これらの様々な不安に対応するため、精神医、弁護士、税理士、金融関係者、建築士などの専門家の協力を得た相談会を開催し、建築模型展で、狭小宅地での住宅、極狭小宅地での協調、共同化等の提案をしてもらう。再生の可能性を住民自ら見いだすことによって、意欲の高揚を期したい。
次に、商売を再開した店舗と、迷っている地区内元商業者による(模擬店舗の形でもいい)店舗の一斉開催によって、再建の弾みになることを提案したい。
まちの将来への不安は、商売の投資効果の問題にも関与する。街がどうなるかわからない中では、決断しずらい。そこで、地区の将来をイメージしたい。
暮らしへの不安に対しては、元住民が集まることが必要である。地区に立ち寄り住んでいる人々とコミュニケーションを計ろうとするには、何かのきっかけ(用事)と語り合う場がないとそれもかなわない。住民相互間のネットッワークをつくり、実践することなどの必要がある。
これらの事柄を地元の人々、行政、専門家によって、総合的に仕掛け、その不安を一掃する目的が、コムスティ・システムといえる。
このような仕組を実践するためにも一度地元に立ち寄ろうではありませんか?
そして、皆で集い、参加する楽しさの回顧を感じようではありませんか?
(1996年12月21日 森崎輝行:建築家)
インフォメーション
- ◆兵庫県 生活復興資金 貸付◆
- 震災で被災した人で、以下の条件にあてはまる人に、生活資金(家財道具を買うお金、医療費、教育費など)を実質無利子で貸しつけます。返済期限は6年です。生活保護を受けている人は、区役所 福祉部でご相談ください。
【条件】
- 世帯主であるか、世帯の生計を主にささえている人
- 兵庫県内で被災して、全壊、半壊、全焼、半焼の「り災証明」を持っている人
- 前の年の総所得が690万円以下の人
- 申し込みの時に20歳以上の人
- ほかの資金の利用状況、収入(100万円以上)などから、返済ができると判断された人
※連帯保証人が必要です。
【申し込み書類の配布場所】
- 区役所、支所、出張所
- さくら銀行、みどり銀行、阪神銀行、但馬銀行
- 兵庫労働金庫、兵庫県信用農業協同組合連合会
【金額】10〜100万円
【問】兵庫県 生活復興推進課
【電話】078−362−4022
(土、日、祝日、12月28日〜1月5日は休み)
※くわしくは「広報こうべ特別号第46号」に掲載。
- ◆公共の温泉 新年の営業案内◆
- さむい季節は温泉が一番。みなさん初ぶろはいかがですか。
- 有馬温泉会館: 1月2日(木)から営業
(078−904−0256)
- しあわせの村温泉: 1月1日(水)から営業
(078−743−8000)
- ラジウム温泉太山寺:1月2日(木)から営業
(078−974−8101)
- ◆高取山 冬季毎日登山◆
- 毎日高取山に登って署名簿に名前を書いてください。
期間中27日以上の参加者は賞状、粗品がもらえます。
健康は足もとから!
【期間】1月6日(月)〜2月4日(日)まで
【署名場所】高取山(清水、中ノ、安井、月見茶屋)
【問】長田区 体育協会 総務課 地域活動課
【電話】078−579−2311
今年もお世話になりました
いつも『ウィークリーニーズ』を読んでいただいている、みなさまへ、発行元『すたあと長田』のスタッフから、メッセージです。
- 『あきかん』の取材のおかげで、だれよりも、わが町のエエトコがよくわかるようになった和田幹司でーす。来年も走ります。
- 本誌を読んで下さり、また支えて下さっている方々、どうかよいお年を。僕は、来年もいます。 小野幸一郎
- 版下を作っている吉田信昭(のぶ)です。来年は誤字などのミスを無くし、より読みやすい紙面を作れるように努力します。
- 読者のみなさん、この新聞ほんまに役に立ってますか? 読みやすいですか? 私はそれが心配です。 横田ゆり
- 年の瀬、あちこちで道路工事。結構つらいけど街のため、私らの為と信じてガマンガマン。早く元に戻してね、神戸の街。 金田真須美
- 今年もあとわずか。12月に入ったら早い早い。元気にお正月を迎えたいな。よいお年を−− 田村圭子
- 活動に加わって2ヶ月。ボーッとしてる間に過ぎてしまいました。来年は、もっと積極的に頑張ります。 沖かをり
- 活動を始めて間がないので、初体験の出来事が多くて、とまどってばかり。来年は少しでもテキパキと動けるようにがんばります。 澁江美貴
- 土曜日午後2時から3時まで、ラジオ番組「サタデーエクスプレス」をしています。来年もウィークリーニーズとラジオを聞いて(読んで)下さい。 筒井裕貴
- 寒い日も「サタデーエクスプレス」を聞いてがんばりましょう。アシスタントD・Jしてます。:-) 中川久美子
- 西区岩岡便り〜春は鮒釣り夏トマト、秋は芋ほりブドウ狩り、冬はキャベツでお好み焼。いつでも遊びに来てね。(^^)/~~ 沼田英俊
みんなの伝言板
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みなさんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「ゆずります」「求めます」「集まってください」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひ連絡をください。
(電話・FAX・郵便で「すたあと長田」までご連絡ください)
- 「三回忌御菅地区合同慰霊祭」のお知らせ
- きたる来年の1月15日(水)に、御蔵菅原地区で震災の犠牲になった120名の故人をなぐさめる三回忌の慰霊祭を、地域合同で行います。
地区外の故人も、ご遺族のお申し出があれば、当日ともに追悼させていただきます。
【日時】平成9年1月15日(水)午後2時より
【場所】御蔵小学校 体育館
【お問い合わせ】実行委員会 事務局
【電話】078−578−1100
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○すたあと長田の 『サタデーエクスプレス』○
長田のコミュニティ放送局(ミニFM) “FMわいわい”より放送中
毎週土曜日午後2時〜2時55分
周波数77.8MHz
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僕たちボランティア(素人)の作るラジオ番組ですが、毎回さまざまな
方面の方々にゲスト出演していただき、真剣に神戸のこれからを話し合い、
笑いあり涙あり、明るく楽しめる番組をお届けしていきます。
★ぜひ、聞いて下さい★
※数回分の「ゲストコーナー」を
文章化したものが有ります。
ご希望の方はすたあとまでご連絡下さい。
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- あき:
- 震さいのあとを、まだのこしながら、ことしも去ってゆくわね。工事はだんだんと増えてきたけれど……。
- かん:
- 大国公園の東となりの、海運町2・3丁目あたりでは、区画整理の事業がすすみだしたよ。いよいよだ。
- あき:
- みぞができ、電柱がたち、道路のかたちができてきて、その横に、あたらしい家がたってきたりすると、復こうをはだで感じることができるわ!!
- かん:
- 『鷹取地区』のあたりに、震さいで全焼したお庭に、一本、こげた木があったんだけど、今は『グラスアンカー』という、しゃれたコーヒー店になり、その木に、電球がかざられてるんだ。
- あき:
- たくましいわね。仮住まいをやむなくされて、2年目の年末を、仮設や県外でむかえる方、元気だしてくださいね!!
- かん:
- 日ようのきょうも、共同住宅をたてる、トントンという音が聞こえてくるんだ。まちに、勢いをつけるのは、まちの『僕たち』なんだから、ちからを合わせて、よし!!来年も!!ヤルゾー!!
※神戸市の待機所や旧避難所に、248人。兵庫県などの仮設住宅には、約3万9千世帯(11月1日現在)が生活している。日刊の新聞・12月17日号より−−
(和田 幹司)
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電球のかざりを付けた木 |
この「ウィークリーニーズ」は以下の皆様の協力により配られています
- ◎新聞販売店様のご協力で長田区内に折り込み戸別配布
- ・読売新聞 丸山IC ・読売新聞 新長田IC
・神戸新聞 五位の池専売 ・毎日新聞 丸山販売
・毎日新聞 尻池販売 ・読売新聞 御蔵IC
- ◎地元ボランティア団体・個人の協力により、
各地区(市内広域・姫路・大阪など)の仮設住宅に配布
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▽姫路「心のケア」ネットワーク:玉手・新白浜(姫路市)
▽鹿の子台ボランティア連絡会:鹿の子台第1〜8(北区)
▽有野台ボランティア:有野台第1〜3・五社・東有野台・有馬(北区)
▽神戸女子大学ボランティア活動本部:桜木町(須磨区)
▽北須磨ボランティア:西落合1〜2・名谷2(須磨区)
▽SVA神戸:長田区内各仮設
▽兵庫商会:南落合第1〜3(須磨区)
▽阪神高齢者・障害者支援ネットワーク:西神第7(西区)
▽りんくうネット:大阪府りんくうタウン内仮設
- ◎すたあとスタッフによる配達(仮設住宅・店舗など)
- 長田区内各仮設および店舗等・東白川台(須磨区)・学園東町第5(西区)・
星和台南ほか(北区)
- ◎コープこうべ様のご協力で店頭に据え置き
- ▽コープミニ ポートアイランド店
▽コープミニ 鹿の子台店
今号の制作スタッフ
- 編集長: 小野 幸一郎
- 副編集長: 吉田 信昭
- 版下: 吉田 信昭
- ワープロ入力: 横田 ゆり
- 印刷: 横田 ゆり
- タイトル: 加瀬 久美
- 見出し・イラスト:家田慈子・瀬戸綾子・橋本吏賀
- ※インターネット・ホームページ:
- ../start/
※「すたあと長田」は、「ウィークリーニーズ」の発行を中心として地域のコミュニティづくりのお手伝いを目的に、自主管理で運営するボランティア団体です。
「ウィークリーニーズ」に対するご意見やご希望、お気付きになられたことがありましたら、ぜひ、ご連絡下さい。投稿なども歓迎いたします。
(すたあと長田)
numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp