「Weekly Needs」1996.5.23号(Vol.3 No.5)

「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。

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住まいは、どうなるか?


 先日、兵庫県が行った仮設住宅でのアンケートの結果を受けて、公営住宅や仮設についての見直しが計られています。今回はその中の主な動きについて取り上げてみました。

◎国からの家賃補助
 仮設住宅などから公営住宅に移る世帯に、向こう五年間を期限とする家賃補助を実施する案が具体的に検討されています。対象は年収三百万円未満の五万世帯、補助額は月三〜五万円となる見通しで今後はさらにどこまで家賃を軽減できるか検討されます。

◎分譲住宅を「賃貸」に転用
 兵庫県は公営住宅の戸数を大幅に増やすにあたり、住宅供給公社の物件で売れずに残っている分譲マンションを、被災者向けの県営住宅に転用して提供する検討を始めました。家賃は未定ですが基本的には一般の公営住宅に準ずる方針。前例のない方法の為、今後議論を呼びそうです。

◎仮設の入居期限延長
 二年間とされている仮設の入居期限が一年ごとに延長される法案が国会に提出されています。しかし、仮設の中には民有地の上に建っているところ(県内86ヶ所・4900戸)もあり、神戸市は夏までには住民に説明できるようにするとしています。

 元のまちに戻りたい方にとっては受け皿住宅の動向が気になるところですが、各地区における動きが分かり次第、本誌にてお伝えしたいと思います。

(小野 幸一郎)


『すたあと長田のサタデーエクスプレス』

〜コミュニティーFMラジオ放送局『FMわいわい』にて放送中〜

 ラジオの周波数を『77.8MHz』に合わせて下さい。毎週土曜日の午後2時〜3時、流れてくるのは、「すたあと長田」スタッフの不慣れなトークと笑い声。かくいう私は不定期アシスタントD・Jで、番組作りの面白さにすっかり夢中になっています。
 「まちを愛する為に、先ずそのまちを知って下さい。」といつかの放送でゲストの方からのメッセージを頂き、印象に残ってます。
 「あっ、こんな場所がある。あんな人もいる。」新しい発見をする度に好きになるこのまち。私にとっては、このラジオ放送もそのひとつ。それをたくさんの人に教えたい、伝えたい。
 会いたい人に手紙を書くのと同じように聴いてもらいたいです。

(橋本 吏賀)


インフォメーション


◆災害復興住宅入居者募集
特定優良賃貸住宅(新築・4団地82戸)と公社一般賃貸住宅(空家・4団地31戸)の入居者の募集
【申込期間】5月30日(木)〜6月14日(金)
【申込資格】
▽日本国籍を持つか外国人登録をしている世帯。
▽2人以上の世帯で原則として夫婦または、親子を主体とした家族。
▽入居する世帯全員の所得月額が、
  特優賃→19万円〜58万2千円
  公社一般賃貸住宅→11万5千円〜62万9500円
 の範囲内。
▽震災により居住していた住居が倒壊または焼失などで、居住できなくなった世帯(証明書類が必要)。または現在住宅に困っている人(公社一般賃貸住宅は、神戸市在住又は在勤)。

【申込方法】5月30日から各区役所・支所・出張所・ハローステーションKobeなどで配布される案内書についている入居申込書に、必要事項を記載して郵送。
【問】神戸市住宅供給公社 特優賃・公社賃貸募集係 TEL:078−332-1538
※詳しい申込条件や家賃など詳細は、5月15日発行の各区の広報もしくは申込案内書をご覧下さい。

◆人権相談所
地方法務局人権擁護課で。無料。秘密厳守。
休日と土曜日を除く毎日。午前9時〜午後5時。
▽「子どもの人権110番」
 TEL:078−393-0118、 FAX:078−392-0180
【問】神戸地方法務局人権擁護課 078−392-1821

◆5月31日は、固定資産税・都市計画税の納期限
「代替家屋の特例」などの震災特例があります。
【問】固定資産税課 078−322-5152

◆コニファー展(諏訪山公園)開催中
6月2日(日)まで
 コニファーとは、針葉樹の総称で、日本では松・ヒノキ・杉などが庭園樹として使われているほか、建築などにも使われています。
時代の樹と言えるコニファー約30種類を展示します。
入場無料、月曜定休
【営業時間】午前9時〜午後5時
【問】花と緑のまち推進センター 078−351-6756

◆サツキ展(須磨離宮公園)
サツキの鉢植えの展示を行います。
入園料は、大人300円、小・中学生150円、木曜定休
【期間】5月11日(土)〜6月9日(日)
【問】須磨離宮公園 078−732-6688


仮設だより

〜鹿の子台ボランティア連絡会(神戸市北区)〜

 3月17日(日)第一住宅ふれあいセンターで「兵庫区のつどい」を、3月31日(日)第二住宅ふれあいセンターで「長田区のつどい」を行いました。この「つどい」の催しは、その区に住んでいた方やその区について知りたい方に集まっていただき、その区のボランティアの方を通して住んでいた街が今どうなっているのか、これからどうなっていくのかという情報提供の場として、また、同じ区に住んでいた方同士で話ができる場として始めました。
 また、灘区、東灘区のつどいを次の通り行います。
・・・(中略)・・・
 それぞれの区に住んでおられた方、その区のことが気になる方、どうぞお越しください。昼食(無料)も用意しています。この「つどい」が少しでも皆さんのお役に立てればと願っています。
 また、「兵庫区のつどい」「長田区のつどい」に際しては第一住宅、第二住宅の自治会の皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。
 3月17日(日)「兵庫区のつどい」では兵庫区のボランティアの方に地図や現在の写真を持って来て頂きました。参加された皆さんは、それを熱心に見、説明を聞いておられました。参加された方の中には、家が全焼し、その土地が周りの土地も含めて公園と市営住宅になるという方がいました。その方は、なかなか兵庫区に行く時間がなく、現在の状況が聞けて良かったという感想をもらしておられました。
 また、ある人は、長田区で被災し、それ以前に兵庫区にも住んだことがあり、出来れば兵庫区に帰りたいと思っている方で、「帰りたいが市営住宅でも家賃が高くて困っている」と話されていました。住宅に対する悩みは多くの方が持っておられます。公営住宅に関しては、安いものをたくさん!作って欲しいものです。
・・・(中略)・・・
 このように、二つのつどいを行いましたが、今後のつどいも大いに活用して頂きたいと思います。
 あなたが住んでいた街の新しい情報が得られるかもしれません。話をするだけでは簡単に悩みは解決しませんが、心の疲れが取れるかもしれません。どうぞ奮ってご参加ください。

(鹿の子台ボランティア連絡会発行「バンビーネット第5号」より抜粋)


みんなの伝言板


 皆さんの「声」と「声」をつなぐコーナー。「譲ります」「求めます」「この人を捜しています」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったら、ぜひご連絡を下さい。
 (電話・FAX・郵便で「すたあと長田」まで)

☆国際交流in神戸
 全国の学校に勤務する外国人指導助手(ALT)たちと歌や手品、折り紙で遊びませんか。その他、少林寺拳法などの特技を披露。
【日時】5月25日(土)午後0時〜
【場所】兵庫区須佐野通の明親小学校
【問】 少林寺神戸中道道院 078−577-3933

☆神楽・夢・屋台村
 一寸一杯、お食事に是非いらして下さい。
大橋中46年度卒業生の皆さん、同級生が頑張っています。是非遊びに来て下さい。 (浜畑 義二)
【場所】長田区神楽町2-2-19
【営業時間】午前11時〜午後10時


あきちゃんかんちゃん、街へ出る 第6回


あき:
菅原市場の前のプラタナスも、震災でこげた跡が残ってるけど若葉がついてきたのよ。初夏よね。
かん:
だけど...仮住まい・仕事・通勤・役所通い・お金のこと・大工さん探し・まちづくりなど、うんざりするほどやる事が多いんだ。今の神戸や長田の人には...。
あき:
だからこそ、気分転換が大切だし、健康にも気をつけなくっちゃ。
かん:
『ストレス解消、豊かな人生』だ!!
元気を出して、一年ぶりに高取山に登ってみたんだ。登山口には崩れた鳥居もあるけど、一歩山道に入ると、平戸つつじが咲いて、茶屋も健在で、いいもんだ。
あき:
高取山へは、お弁当を持って出かけるのも楽しいわ。空気もおいしいし。
かん:
長田には、素晴らしい裏山があるんだから、家にひっこんでばかりいる人も、たまには『高取登山』に挑戦して下さいよ!!

※高取山へは、「板宿駅」・「神戸駅」より市バス11系統、「長田小学校前」あるいは「高取団地前」下車。山頂の高取神社まで、小一時間。中腹の白川教会までは、約30分の道のり。登山道は『六甲全山縦走路』の一部でもある。
(和田 幹司)


「高取山からの眺め」


この「ウィークリーニーズ」は以下の地域に配られています


◎長田区内
▽新聞販売店様のご協力で折り込み戸別配布
   ・読売新聞 丸山IC   ・読売新聞 長田IC
   ・神戸新聞 五位の池専売 ・毎日新聞 丸山販売
   ・毎日新聞 尻池販売
▽仮設住宅、店舗(個人協力・すたあとによる配達)

◎各地区の仮設住宅(各ボランティア団体の協力)
▽姫路(玉手・新白浜)
▽鹿の子台・星和台(北区)
▽西神第7・学園東町第5(西区)ほか

◎コープこうべ(ポートアイランド店・鹿の子台店)



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