「Weekly Needs」1996.4.11号(Vol.3 No.2)

「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。

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「鹿の子台仮設」で開かれた

長田の集い


 3月31日(日)に鹿の子台第二仮設のふれあい喫茶(ふれあいセンター)で、鹿の子台ボランティア連絡会主催の「長田の集い」が催され、「長田で活動するボランティア」としてSVAスタッフとともにすたあとスタッフ(小野・筒井・吉田)が招かれました。

みんなの想い
 当日は約30人以上の方が、用意された「豆ごはん」と「けんちん汁」を食べながら、お話をされました。「長田はどうなってる?」「いつ住めるようになるんやろ」「住むところもそうやけど働くところがなきゃ」「家賃が高かったら戻れるはずはないし、ここで終わっても仕方ないか」
 皆さんの口から漏れる言葉は長田の町からきた僕らにとっては重く、切ない。僕らにはせめて「頑張っている人もいるんです」ぐらいのことしか言えない。それでもいらした皆さん方は気軽に明るく話しかけて下さりました。

 「集い」の最中、昨年6月僕(吉田)が引越の手伝いをした方と、9ヶ月ぶりに再会をしました。「お久しぶりです」と声をかけると、おじいさんも僕のことを覚えていて下さり、元気そうな彼の姿に会えて僕はまぶたに熱いものを感じました。

 なお鹿の子台仮設の各ふれあいセンターには「ウィークリーニーズ」を置かせて頂くことになります。

※仮設北神戸第一〜第八住宅と仮設千代ヶ丘住宅を「鹿の子台仮設」と表現しました。

(吉田のぶ・小野幸一郎)


FMわぃわぃ 77.8MHz すたあと長田のサタデーエクスプレス

特集 ”アジール”


 この特集は3月30日の放送をもって無事(?)終了しましたが、放送を聞かなかった人達にも知っといて欲しいと心から願っております。ご存知の方も多いでしょうが、神戸市は全ての避難所を3月末で”解消”すると発表。「エッ!また何か新聞に書いてるで!」いつもそう。役所の中の上の方で決まったことを、私達は新聞やニュース番組で知るだけ。その度に、ドキドキしたり悩んだりの右往左往。それから私は街へ取材に飛び出した。私達、民の願いはワガママか?下から上に物言い付けるには、どないすれば良いの?そんなこんなで3月末。出た!今度は”暫く避難所は解消しない”どっちやねん!
 お願いです。役所様、私達市民を早く大船に乗せてシッカリ舵を取って下さい。

(金田 真須美)


Information 〜インフォメーション〜


住宅助成義援金の対象拡大
 持ち家修繕助成、民間賃貸住宅入居助成に加え、▽建て替え▽新規購入も対象となります。なお、どれか一つの申請に限り、また、一世帯につき一回限りですのでご注意下さい。
【交付額】いずれも30万円
【申請期間】1998年(平成10年)3月31日まで
【申請書】区役所、支所、出張所などで配布。
 詳しくは、4月1日発行の広報こうべ、申請書等をご覧下さい。

建設計画案の縦覧、意見書の提出
 御蔵通2丁目地区・地区計画の決定案の縦覧
【期間】4月22日(月)まで
【場所】市役所内都市計画局計画課
※意見書は期間中に同課に提出して下さい。
【問】都市計画局計画課 TEL 078-322-5478

第7回長田マダン
 農楽、サムルノリ、朝鮮相撲等、屋台の出店。
【日時】4月21日(日)、午前11時〜午後4時
【場所】蓮池小学校運動場 ※雨天時、体育館
【主催】長田マダン実行委員会
【問】同委員会 TEL 078-642-0290

いちご狩り開園(北区)
▽有野町二郎(JA有野 TEL 078-981-5281)
▽道場町日下部(JA北道場 TEL 078-986-2159)
▽大沢町善入(JA北大沢 TEL 078-954-0311)
【期間】4月10日(水)〜6月中旬
【問】各JA、またはNTTハローダイヤル神戸(TEL 078-371-8600)


時代〜時を越え
昔の長田と出会う


 「ほう、懐かしいなあ」小学生位の男の子二人を連れた父親がふと立ち止まりウインドウの中を食い入るように眺めている。何だろうと思い、私も足を止めた。そこには何やら古めかしい白黒のパネル写真が並んでいて、大正や昭和の頃の長田のまちの風景が写し出されている。
 ここは殺風景な地下道。高速長田駅と地下鉄長田駅とをつなぐ連絡通路だ。その壁面に設けられたサルビアギャラリーには、約1ヶ月程のサイクルで、児童画や文化教室の作品、防災を呼びかけるポスターが展示されている。そして、今は「昔の長田」と題された数点の写真を見ることができる。
 懐古。それにしても、まちの変化はめざましい。まちは大きな生命体だ。今、まちはまた、その姿を変えていこうとしている。震災により、必要に迫られクローズアップされた”まちづくり”。まだ見ぬものへの不安という潜在意識が懐古という形で表れているのだろうか。いつになくその日は、そんな風に足を止めてゆく人が多かった。
 「ほら、こないだ連れてったろう。六間道の辺り。覚えてへんか?」お父さんの話はまだ続く。息子たちは首をかしげながら聞いている。
 何かの用事で長田へ出てくることがあれば、ご覧になってみては如何だろう。「昔の長田」展は4月いっぱいまで見ることができる。

(橋本 吏賀)

《お問い合わせ》長田区役所まちづくり推進課(TEL 078-579-2311)


花まつり


 4月8日はお釈迦様の誕生日。なんでも遠い昔から、その日をお祝いする集いが行われてきたそうです(僕は知らなかった...)。
 それはともかく、長田区御菅地区において6日(土)に「花まつり」が行われました。震災後、炊き出しなどでこの地に訪れた僧侶の方々の働きかけで、人のいなくなった御菅に沢山の子ども達を集めて賑やかな祭りを行うべく催されました。当日は多くの方々が歌に人形劇に楽しまれ、子ども達の風船片手に屋台のタコ焼き等をほおばる姿が、見受けられました。
 北区・姫路の仮設からは送迎バスが出てお祭りを満喫。「機会があれば(長田に)足を向けたい」とおっしゃってた皆さん、また「まち」で逢いましょう。

(小野 幸一郎)


あきちゃんかんちゃん、街へ出る 第3回


かん:
御菅地区の”花まつり”と”震災犠牲者の法要”のあと、同じく大火災のあった鷹取地区に出かけてみたんだ。どちらも区画整理が難航している地域だ。
あき:
鷹取商店街の門柱だけが残り、大きな更地が目立つでしょ。ボランティアがたくさん駆けつけてくれた鷹取教会も、少しひっそりとした感じだし、満福寺の被害も大きいし...。
かん:
早稲田や長野大などの人たちが花壇を作ってくれている大国公園から東の方を見ると、震災後もう15ヶ月というのに、まだこんなに更地ばかりで、どうなっているんだろうという気持ちになってしまう。
あき:
更地をゆっくり歩いてみると、植木鉢の破片やフロ場のタイルが土にめり込んでいて、ここに住んでいた人は”いつこの土地に帰れるの”と、大声で叫びたくなるわ。
かん:
ぼくの友人も「国や市などに”早くやってくれ”と書いてよ」と訴えていたよ。いろんな復興事業のスピードアップを!!ぜひお願いしたいものだ。

※大国公園、鷹取教会、満福寺などへは「JR鷹取駅」より東へ、または市バス81・82系統「本庄町」下車、北へ。鷹取教会には”FMわぃわぃ”のスタジオもある。

(和田 幹司)


「鷹取商店街のアーケード」


みんなの伝言ひろば


 この欄は読者の皆さんの「声」と「声」をつなぐコーナーです。「譲ります」「求めます」「この人を捜しています」「こんな事が出来ます」などなど、多くの人に呼びかけたいことがあったらぜひこのコーナーを活用して下さい!
(電話・FAX・郵便で受け付けます!)

★新・中古衣料たくさんあります。
(紳士・婦人・子供用)十円から千円迄。連絡の上、見に来て下さい。仮設には持って行くことも出来ます。
TEL 030-429-5588 金田


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とっても愉快な連中があなたを待ってます。
お気軽にお電話下さいませ!!

TEL 078-521-7170


この「ウィークリーニーズ」は以下の地域に配られています


◎長田区内
・新聞販売店様のご協力で、区内5販売店で折り込み戸別配布
・仮設住宅、店舗(個人協力・すたあとによる配達)

◎各地区の仮設住宅(各ボランティア団体の協力)
・姫路(玉手ほか)、鹿の子台、星和台ほか



numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp