「Weekly Needs」1996.3.27号(Vol.3 No.1)

「まち」から「仮設」へ。「仮設」から「まち」へ。
このウィークリーニーズは新聞販売店様のご厚意で皆様にお届けしています。

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「あきらめない」御蔵5・6丁目のまちづくり 1.


 「区画整理事業」−−被災地のあちこちでこの名が聞かれだしてから一年。「まちづくり」の代名詞のように思いがちなこの事業が、実は被災地の実情とかなりそぐわないということをご存知の方も多いと思います。
 その「区画整理地区」の一つ、長田区御蔵通り5・6丁目もまた、矛盾と困難の中「まちづくり」の話し合いを続けています。

◆公園・道路そして住宅
 「初めに道路ありき、公園ありきでは……」
 プランナーから提示されてきた街の「絵」は、道路と公園の位置だけがはっきり示され、住宅部分はあいまいに色分けされただけ。「一刻も早く住めるところを!」という住民の強い気持ちと大きく違っています。同地区の「まちづくり協議会(以下まち協)」では、住民が戻れる低賃金の公営住宅の早期建設を求めてますが、行政は「事業が決まらないと…」の一点張りで、何ら確約をしないままです。

◆住民が考え、住めるまちに
 「まち協」では、独自にある専門家にまちの建物のプランを依頼し、先日「6丁目北」のプランが提案されました。その案は何と「道路」が一本もなく、空地や路地を活かした「下町・御蔵」らしい「まち」になりえる画期的な提案でした。 理不尽な減歩にも抵抗しうるこの案に、説明を受けた誰もが魅かれたのではないでしょうか。まだまだ困難はいくつもあるでしょうが、「あきらめない」気持ちを胸に、御蔵5・6丁目は、今改めて「自分たちのまちづくり」に向けて出発しようとしています。

(小野 幸一郎)


FMわぃわぃ すたあと長田のサタデーエクスプレス

アジール〜避難所解消問題

FM77.8MHz 毎週土曜日午後2時から リクエスト・ご意見などはすたあと長田まで

 すたあと長田は、今年1月17日に開局した放送局、「FMわぃわぃ」で、「すたあと長田のサタデーエクスプレス」を放送しています。今年2月21日、神戸市は被災者が今なお生活する待機所や旧避難所、公園のテント村などを3月末を目標に解消し、あわせて仮設住宅のあっせんを原則的に終了する、と発表しました。私たちはこのことを「アジール`避難所解消問題」として、これまで三回にわたって、そこに住む人々の声などを放送してきました。
 最終回になる次回の放送は、3月30日(土)午後2時から。ぜひお聞き下さい。また、皆さまからのご意見・ご感想もお待ちしております。よろしくお願いします。

(勝山 和哉)


ボランティアスタッフ大募集!


 「すたあと長田」は、ウィークリーニーズの発行と、FMわぃわぃのラジオ番組「サタデーエクスプレス」の放送などを通じて、長田の復興の一助になればと活動している団体で、スタッフはすべてボランティアです。
 ウィークリーニーズはかつて長田区に住み、今は遠く離れた仮設に住む人と、長田のまちをつなぐことを目的に、約八千部発行しています。
 しかし最近は人手不足などから、活動が困難になっています。そこで「すたあと長田」では、一緒にウィークリーニーズやサタデーエクスプレスの製作を手伝って下さる方を募集します。
 年齢、職業、性別などは一切不問。空いている時間にできることをやって下さるだけで結構です。文章を書くのが好きな人。絵を描きたい人。とりあえず何かしたい人。ぜひ「すたあと長田」までご連絡下さい!


仮設住宅にウィークリーニーズを!


 ウィークリーニーズは、発行一周年を機に、紙面をモデルチェンジしました。
 「まちから仮設へ。仮設からまちへ」をテーマに、かつて長田区に居住し、今は遠く離れた仮設住宅での生活を余儀なくされている人たちと、長田のまちをつなぐ情報誌を、私たちは目指しています。そのため、長田区外にあり、同区出身者が多く住む仮設住宅へ、ウィークリーニーズをお届けすることとなりました。
 そうは言うものの、全ての仮設住宅に一軒づつ配達するには人手が足りません。掲示板に貼るとか、ふれあいセンターにまとめて置いてもらうことになります。いずれにせよ自治会の協力が欠かせません。各自治会に働きかける僕の「営業活動」が始まりました。
 とりあえず配達の対象となったのは、姫路の玉手仮設や、北区の星和台南など三つの仮設。これからその経緯や道中感じたことを報告します。

 最初に僕が訪れたのは、星和台南仮設住宅。過去にバザーを催したり、ウィークリーニーズに関するアンケートに協力してもらったりと、以前より交流があったためです。3月19日、星和台南に初めて配達しました。一軒一軒、郵便受けにウィークリーニーズを入れていく。「みんな読んでくれるのか?」相手の顔が見えないだけに不安になる。新しい配達先は特にそうだ。配達が終わって、すたあと長田の事務所に帰ると、電話が鳴った。長田から移り住んだ人だという。「ウィークリーニーズありがとう。嬉しかった」。僕の口元が思わずほころびた。

(吉田 信昭)


1995.11.11(土)星和台南仮設住宅でのバザー
(桜亭・すたあと長田・SVA開催)


Information 〜インフォメーション〜


◆「ベトナム展」開催
ベトナムの新しい輸出品とその素顔を紹介
【場所】神戸貿易促進センター(ポートライナー「市民広場駅」西)
【期間】3月28日〜4月7日午前10時〜午後5時まで
(財)神戸国際交流協会
 TEL 370−0030

◆第2回御菅地区花まつり開催
屋台の出店、コンサート等多数のイベントを予定。来場者には花と風船をプレゼント!
【場所】菅原市場・商店街、御蔵5・6集会所近辺
【日時】4月6日午前10時〜午後5時同実行委員会
 TEL 578−1100

◆神戸で暮らす外国人のための生活相談
ホットライン「外国人救援ネット」英語、スペイン語、タガログ語、タイ語、ペルシャ語、ポルトガル語、中国語でビザや仕事、住宅、法律などの相談に応じます。
毎週水曜14時〜20時、毎週土曜11時〜17時
 TEL 232−1290
韓国・朝鮮語は731−6926
FOREIGNERS' ASSISTANCE NETWORK
Every Wendnesday 14:00-20:00
Every Saturday 11:00-17:00
Phone:232−1290
Korean:731−6926

Please call us if you have a problem about visa,housing,law.English,Spanish,Tagalog,Thai,Farsi,Portuguese and Chinese areavailable.We guarantee your privacy.


あきちゃんかんちゃん、街へ出る 第2回


かん:
はだ寒い日が続くけど、「神戸の壁」のある新長田方面を歩いてみたんだ。自分の眼と耳で確かめることが大切だし、焼け残った壁の前で色んな事を考えたよ。
あき:
歩いてみると、近所の人の会話が聞けたり、お店で元気を出している人の声が飛んできたりで、「長田っていい町だから、早く戻ってきてね」という気持になってくるでしょ。
かん:
でも、「震災なんか、もう忘れてしまいたい」という人もいるし、神戸市の小川助役の死も大層悲しい出来事なんだけど、人はすぐ忘れてしまいそうだ。
あき:
「神戸の壁」に田村昌次さんの詩が貼ってあったでしょう。「…神戸の壁さん、あなたにお願いがあります。この悲劇を風化せず、広く世界に伝える使者になって下さい…」。「震災」を忘れてはいけないわ。
かん:
「神戸の壁」を永久保存しようという動きもある。「かべ」はぜひ残してもらいたいものだ。皆さんもぜひ行って下さいよ。
※「神戸の壁」へは、JR新長田駅下車、ジョイプラザ方面に出て、建設中の新駅舎の方へ。東へ徒歩5分、若松町3丁目にあります)

(和田 幹司)


現在保存運動が進められている「神戸の壁」
「永久保存か?神戸新聞3/26にも載りました」(いえちゃん談)



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