「Weekly Needs」1995.11.26号(Vol.2 No.9)

Vol.2 No.9 表紙

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すくすく育ってほしいね!! 〜長田神社の七五三〜


 長田神社にしては、さみしい七五三の人出だった。参殿に書かれた「皆さん元気を出して復興にむけ頑張りましょう」というスローガンにある通り、子供の成長を願っても、震災のせいで神社におまいりできなかった、今年の七五三かもしれない。
 着物を着たり、よそ行きの服を着て、家族でおまいりする姿が、それでも長田神社にはあった。お参りできた人も、できなかった人も、すくすくと子供が育つのを願う気持ちに変わりはない。
 新しい年を迎えたら、元旦は神社で気分を新たにし、1月21日(日)は、ボランティアによるお祭り「つづらおりの宴」を楽しみ、2月の鬼追いで福を待とう。
(幹)


仮設星和台住宅バザー報告!! 〜人と人とのつながりを〜


 ウィークリーニーズNo.7(10/29)でお知らせしました北区の仮設星和台南住宅でのバザーは、11月11日(土)に無事終了しました。時折冷たい雨がぱらついて、品物をビニールで覆ったりしながらも大盛況でした。品物を譲って下さった皆さん、本当にありがとうございました。当日の様子をお伝えします。

みんな来てくれるかなあ
仮設星和台南住宅は、北区のしあわせの村のちょうど向かい側にあり、全戸数は240弱ほど。かなり細長い敷地に建てられているのだが、バザーは一番奥の広場(ただの空き地か?)で行われた。目立たないところだけに、ちょっと不安だった。でも、冬もすぐそこ、寒い北区での生活に役に立つようコートなどの冬物衣類、毛布、鍋、食器、雑貨、はたまた白菜、かぶなどの野菜まで並んで、ちょっとした市場みたいになった。

値切られました
トラックから降ろした段ボール箱を開け、地面にひいたブルーシートの上に並べていく。まだ準備中のうちから来てくれるお客さんも。最初はおとなしく値札に忠実に売っていたけれど、お客さんに「ちょっと高いんちゃう?」と言われてしまい弱気になってしまう。つい、「200円なら買ってくれます?」。すっかりお客さんのペースである。

大騒ぎ!じゃんけん大会だっ
トラックの荷台にはかばん、鍋、セーター、老眼鏡など様々な賞品が取りそろえられた。ボランティアとじゃんけんして勝った人にあげてしまうというものだ。子供ばかりでなく、みんなが参加して盛り上がった。何度も参加してくれるおばあちゃんもいた。勝った人に向けられる歓声と拍手。見ず知らずの人とも楽しさを分かち合えるひとときだった。
 この星和台南住宅にはまだ自治会はない。近所にどんな人が住んでいるのか知らないと言う方もいる。人と人のつながりは、きっと小さなきっかけから生まれる。少しずつでも、こうしたきっかけ作りの力になっていきたいと思う。
(いえ)


あきちゃん・かんちゃん「すたあと勉強室」No.9

−こうべの復興を勉強しよう−

あき
三万七千人もの希望者があったのね。第1回目の災害復興賃貸住宅の募集は六千百八戸だったけど。
かん
震災では二十三〜四万世帯の人が家を半分以上やられたからね。みんな自分の家がほしいんだ。
あき
抽選に当たらなくっても、がっかりしないようにしましょ。
かん
来年5月にも、第2回目の募集があるようだし.....。
あき
待機所や避難所の千三百人以上もの人のことを忘れてはいけないわ。
かん
ところでね、この前、区画整理のある鷹取東地区の人とお話ししたんだ.....。
あき
愉快でバイタリティあふれる、いかにも長田の人という感じだったでしょ。
かん
そうなんだ。「反対する人の気持ちもくみながら、とことん話し合うことが大切だ」と話されていた。
あき
町内の勉強会を何度も繰り返されたのね。
かん
区画整理地域でない人も、ぜひいろんな勉強会に参加したり、相談所に出かけてもらいたいね。
あき
ハーバーランドにある、相談コーナーは資料もあって、便利だわ。
かん
戸建て住宅相談やマンション復興相談は休日もOkだ。平日だと住宅金融公庫の相談もできる。無料だから、僕も行ってるよ。
(幹)

<神戸市中央総合住宅相談所>
神戸市中央区東川崎町1-1-3
神戸クリスタルタワー5階
078-360-2536
毎日 10:00〜17:00

<神戸市西総合住宅相談所>
神戸市長田区浪松町3-2-5
県西神戸財務事務所敷地内
078-731-6962
月〜土 10:00〜17:00(祝日除く)


イベント・インフォメーション



東京に届け!長田の姿 東京都庁・「さっき見てきた神戸・長田展」


 11月17日まで、東京都庁内の北口臨時ホールにて「さっきみてきた神戸・長田展」が開かれ、連日、約500名が訪れた。

 展示されていた作品はそれぞれ、プロカメラマンとは違い、被災地で力強く生きている人間の目の高さの視点で写されたものばかりで、おじいさん、おばあさんの明るい笑顔、子ども達の何げないしぐさ、人々の日常の生活、ガレキに埋もれた街並み……どれをとっても生で、真の長田の町であり、たくさんの大きな苦しみを乗り越えてきた上での力強い光のようなものが感じられる、すばらしいものばかりだった。
 もうじき1年目を迎える神戸の町。今後この町がどのように動いてゆくのか、先の見えない長い道を、手探りをしながら、共に少しづつ前へ進んでゆけるよう願ってならない。
(東京都 大島永子)


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