「Weekly Needs」1995.10.15号(Vol.2 No.6)

Vol.2 No.6 表紙

前号へVol.2目次次号へ


アジアの風がやってきた 〜菅原市場の秋祭り〜


 秋雨前線にさいなまれながらも、「長田発〜アジア秋祭り」が10月1日に菅原市場東側で催されました。ウィークリーニーズでもビラなどでお知らせしていたので、ご存じの方も多いかと思います。あいにくの悪天候でしたが、どこからともなく訪れて来てくれたたくさんのお客さんも、屋台に並ぶアジアの味を、ステージでのアジアのリズムを楽しんでいました。

雨天決行!?
 10月1日、日曜日。朝から雲行きが怪しく、どうも不安だったのだが、お昼前、やっぱり降ってきた。しかも、やがて土砂降りになった。お祭りの運営スタッフも事前に雨対策はしていたようだが、みんなずぶ濡れ。ステージにも急遽、テントの屋根がつけられる。こんな天気にも関わらず、お客さんがわんさと訪れて来てくれた。私はこの朝、いつものようにウィークリーニーズの配達に行っており、先々でお祭りのお誘いをしたところ、「今日、雨降るんちゃう?」。それでもお祭りは始まった。

アジアの味めぐり
 屋台といえば、雨は大敵。しかも、強い吹き降りだったため、テントの中の商品でも濡れたり、紙のポスターが吹き飛ばされたりしてしまう。それでも今回の祭りでずらっと並んだ屋台は、まさに「アジアの味あれこれ」の勢ぞろいといった感じだった。ベトナム・インド・中国・韓国・スリランカ・タイ.....ここには全て書き切れません。どこからも明るい呼び声が飛んでくる。傘を差していても足から湿ってきたこの日、あったかい食べ物が嬉しかったです.....。今回、屋台は「雑貨屋台」と銘打って、家具や食器、民芸品のお店なども色々あった。祭りならではの心地よい活気が感じられた。屋台の人もお客さんも、雨の中ほんとにありがとう。

童心にかえって
 「子ども広場」。中に畳を敷いたテントに集まった子ども達が、風車や風船の動物の作り方を教えてもらったり、手形を押したりしていた。ちびっ子達が夢中で遊んでいる姿って見ているとほっとする。普段あまり子ども達と接する機会のない私もつい一緒になって遊んでしまった。子ども広場に止まっていたミニSLは、スタッフの話では当初は「走る」はずだったらしい。しかし、「ナンバーの付いてない乗り物は道路を走れない」との理由で、ダメになってしまったとか。残念です。

歌声が夕空に響く
 音響器材を雨から守りながら、ステージでは個性溢れるアジアのリズムが。勇壮で細かい技の入った「神戸太鼓」、沖縄エイサー「がじまるの会」ではテントの屋根のかかった舞台は狭すぎるように見えた。そして、はるばる海の彼方から神戸を訪れてくれたタイの伝統音楽の演奏と舞踊「イサーン・ボン・ラーン」によるステージが始まった。澄んだ伝統楽器の音色が美しい。タイの風が会場に満ちていた。そしてステージはクライマックスを迎える。全ての出演者がセッションをする「フィナーレ」である。韓国の、沖縄の、タイの、そして日本のリズムがつながって、踊りの輪が出来た。お客さんもスタッフも踊りだした。
 ちょうどこの時、あんなにバシャバシャ降っていた雨が上がった。観客用のテントが取り払われると、空は茜色の夕焼けだった。みんなの顔もまた、輝いて見えた。
(いえ)


あきちゃん・かんちゃん「すたあと勉強室」No.6

−こうべの復興を勉強しよう−

あき
新長田の神戸デパートがいよいよ解体されるそうよ。
かん
腕塚町5丁目だね。あのあたりは「市街地再開発事業」の区域になっているんだ。
あき
JR新長田駅の南側だけど.....。区画整理事業とは少し違うの?
かん
土地の交換ではなくて、今回の再開発(第2種)は必要な土地の買収が行われるんだ。
あき
道路を広くしたり、駅前広場を整備したりするんでしょ。だけど、土地の買収となると大変よね。時間もかかるし。
かん
土地を借りていたり(借地権)、家や店舗を借りていたり(借家権)している人との調整も必要だしね。
あき
駅の南は、住宅や商店街がいっぱいあり、楽しいところだけど.....。下町の良さは残るのかしら。
かん
心配だね。神戸の副都心として、高層ビルも多く出来るだろうから.....。しかし、ゲタ履きの感じは残したいなぁー。
あき
町は住んでいる人がつくるものでしょ!!住民の方で提案していくことも大切ね。
かん
市の方も「地元と協議して進める」と言っているようだから、「まちづくり協議会」をつくり、難しい問題だけど、皆の意見を出し合わんといかんね。
あき
皆で集まって情報を交換しましょうよ。私たちも、もっと勉強!勉強!

参照:「長田まちづくり懇談会資料」


お相撲さんがやって来た!


 皆様もご存じの大相撲「高砂部屋」の力士達が、神戸市長田区「高齢者ケアセンターながた」を訪問されました。

 去る9月30日、力士達は、ちゃんこの炊き出しや地元の子ども達らと綱引きをして、被災者達を励ましました。お年寄りの誕生会には、小錦関、水戸泉関も参加して、一人ひとりと握手を交わした後に、熱い熱いエールが送られました。震災から8ヶ月過ぎてもまだまだ心の痛手は残っています。そんな中での訪問は、お年寄りだけでなく、それを支える職員の方、ボランティアの人、地元の人のこころに、明るい希望のひとときを与えたようです。力士達は、色紙交換や写真撮影へと引っ張りだこ。そこで、中学生に入門を勧める一幕も.....ちゃっかり仕事をこなす事も忘れません。
 長田に心して下さった力士達。今度は長田から声援というエールを送ります。
(よし)


イベント・インフォメーション


=KOBE国際映画祭=
 第8回の今年は、「〜人間〜この素晴らしき仲間たち」をテーマに10月27日(金)から11月5日(日)まで、日替わりで神戸の各地にて内外の名作映画の上映が行われます。(5回券あり)

問い合わせ先:
「神戸に映画文化を!」連絡協議会
078-331-8538

★10月28日(土)には「長田マダン」が有志出演。映画は「風の丘を越えて西便制」(韓国)を上映します。

時間:
午後6時半〜9時

場所:
朝日ホール 前売:1,000円、当日:1、200円


=兵庫県のまつり「ふれあいの祭典」=
 2日間にわたり、全県総合イベント「ふれあいフェスティバル」が行われます。農林漁業祭・手作りの店コーナー・防災必要品展示コーナー・昔の遊びの広場・子ども達の復興メッセージ展などなど催し物も色々あります。

場所:
県立明石公園

日時:
10月28日(土)・29日(日)
★28日(土)には午後1時からマーチング、ダンス、太鼓隊、音楽隊演奏など、午後3時半からは五木ひろしコンサートを予定しています。

◇この部分は「婦人兵庫」9月号から抜粋しました。



numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp