ジェイムズ・P・ホーガン James Patrick Hogan 1941.6.27-


星を継ぐもの

1980.5.23 創元推理文庫 池央耿訳


月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行われた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。殆ど現代人と同じ生物であるにも関わらず、五万年以上も前に死んでいたのだ。

謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。やがて木星の衛星ガニメデで地球の物ではない宇宙船の残骸が発見されたが……。ハードSFの新星ジェイムズ・P・ホーガンの話題の出世作。


ガニメデの優しい巨人

1981.7.31 創元推理文庫 池央耿訳 ISBN4-488-66302-8 C0197


木星最大の衛星ガニメデで発見された二千五百万年前の宇宙船。その正体を突き止めるべく総力を挙げて調査中の木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。隊員たちが緊張して見守るうち、ほんの八キロメートル先まで近づいたそれは、小型の飛行体を繰り出して探査隊の宇宙船とドッキング。

やがて中から姿を現したのは、二千五百万年前に出発し、相対論的時差のため現代のガニメデに戻ってきたガニメアン達だった。前作「星を継ぐもの」の続編として数々の謎が明快に解明される!


創世記機械

1981.10.30 創元推理文庫 山高昭訳 ISBN4-488-66304-4 C0197


若き天才科学者クリフォードは、政府機関で統一場理論の研究を進めるうち、画期的な成果を上げた。物質、電磁気力、そして重力の本質を見事に解き明かしたのだ。この理論を応用すれば、宇宙のエネルギーを自在に操り、利用することが出来る。使い方によれば究極の兵器ともなり得るのだ。

そこに目を付けた軍部は、ともすると反抗的なクリフォードを辞職に追いやり、独自に研究を始めた。彼は私的研究機関に移り、細々と自分の研究を続けていたのだが……。ハードSF界の旗頭ホーガンの面目躍如たる大作長編。


未来の二つの顔

1983.4.1 創元推理文庫 山高昭訳 ISBN4-488-66305-2 C0197


レイモンド・ダイアー博士はニューヨーク州立大学で人工知能の研究をしていたが、月面の工事現場で起きた重大な事件のために、その研究の中断を申し渡された。コンピューターが誤った判断を下したため、五人の人間が危うく殺される所だったのだ。

人工知能研究の重要性を信ずるダイアーは、コンピューター管理システムの安全性を確かめるべく、宇宙空間に植民地として建設された巨大宇宙ステーションにおける壮大な規模のシミュレーションを提案した……ハードSFの第一人者ホーガンが卓越した科学知識を傾けて描くコンピューターSF!


未来からのホットライン

1983.4.29 創元推理文庫 小隅黎訳 ISBN4-488-66306-0 C0197


アメリカ西海岸で技術コンサルタント事務所を開いているマードック・ロスは、スコットランドの古城に住む引退したノーベル賞物理学者の祖父に招聘され、友人のリーとともにイギリスに向かった。祖父が政府の助けもなく独力でタイム・マシンを完成させたというのである。

半信半疑のまま地下研究室へ降りたロスの前には、DEC社の大型コンピューターを始め、数知れぬ電子機器がもつれ合った電線でつなぎ合わされていた……。SF作家たるもの一度はタイム・マシン・テーマに手を染めなければならない、と語るJ・ホーガンのお手並みやいかに!?


巨人たちの星

1983.5.27 創元推理文庫 池央耿訳 ISBN4-488-66303-6 C0197


冥王星の彼方から <巨人たちの星> のガニメアンの通信が再び届き始めた。地球を知っているガニメアンとは接触していないにも関わらず、相手は地球人の言葉のみならず、データ伝送コードを知り尽くしている。と言うことは、この地球という惑星そのものが、どこかから監視されているに違いない……それも、もうかなり以前から……!!

五万年前月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァから離れたガニメアンたちの謎など、絡まったすべての謎の糸玉が、見事に解きほぐされる。ホーガン入魂の三部作、ここに堂々完結。


断絶への航海

1984.11.30 ハヤカワ文庫SF 小隅黎訳 ISBN4-15-010586-3 C0197


地球の半分を壊滅させた第三次世界大戦の傷もようやく癒えた2040年、アルファ・ケンタウリから通信が入った──対戦直前に出発した移民船 <クァン・イン> が植民に適した惑星を発見、豊富な資源を利用して理想郷の建設を開始したというのだ。この朗報を受けて <メイフラワー二世> 号が建造され、新天地を求める人々を乗せて惑星ケイロンを目指して旅立った。

だが、20年の長旅の果てに一行を待ち受けていたのは、地球とはあまりにも異質な、想像を絶する奇妙なケイロン人社会だった! 現代ハードSFの旗手ホーガンが該博な科学知識をベースに描いた壮大なスペース・ドラマ!


造物主の掟

1985.9.13 創元推理文庫 小隅黎訳 ISBN4-488-66307-9 C0197


およそ百万年の昔、異星の自動工場宇宙船が図らずも新星爆発を起こした星をかすめ過ぎた。その影響で電子回路に損傷を受けた宇宙船は、航空図にも載っていない衛星に自動工場を建設した。時は移って21世紀初頭、地球から放たれた無人探査機は、土星最大の衛星タイタンに着陸し、驚くべき映像を送ってきた。

それは、異星船の機械が発達、進化したロボット生物の世界だった。早速調査のため有人宇宙船が赴くことになった。各人、各組織、各国の思惑を乗せて……。鬼才ホーガンの面目躍如たる傑作長編!


プロテウス・オペレーション〔上〕

1987.10.31 ハヤカワ文庫SF 小隅黎訳 ISBN4-15-010740-8 C0197


1974年、世界はかつて無い暗黒時代を迎えていた。第二次世界大戦で圧倒的勝利を収めたナチス・ドイツが、ヨーロッパはおろかアジアやアフリカ、さらには南アメリカまで支配していたのだ。ナチスの魔手は次第にアメリカ合衆国へと伸び、再び戦争が起こるのは必至だった。

そのアメリカに唯一残された最後の希望が《プロテウス作戦》だ──過去の世界を選りすぐりの工作隊を送り込み、歴史の進路をねじ曲げて、いち早くナチスの野望を叩きつぶすのだ!かくして《プロテウス部隊》は勇躍時間の流れに飛び込んだが……人気絶頂のホーガンが時間テーマに挑んだ雄渾のSF大作!


プロテウス・オペレーション〔下〕

1987.10.31 ハヤカワ文庫SF 小隅黎訳 ISBN4-15-010741-6 C0197


1939年の世界に無事たどり着いた《プロテウス部隊》だったが、その前途には暗雲がたれ込めていた。アメリカは不況に悩み、ヨーロッパ諸国は、領土拡大の野心に燃えるナチスを見くびって、なんの対応も出来ない有様だったのである。

《部隊》はまず政界の第一線を退いたチャーチル議員に協力を要請、更にアインシュタインを始めとする当代一級の科学者たちと接触して新兵器の開発を急ぐが、ナチスを裏で操る謎の存在が、次第にその姿を現しつつあった……現代ハードSFの旗手たるホーガンが徹底した調査と大胆な仮説で描きあげた、もう一つの第二次大戦!


終局のエニグマ《上》

1989.5.26 創元推理文庫 小隅黎訳 ISBN4-488-66308-7 C0197


ロシア革命百年祭の年、ソビエトは直径1マイルを越える巨大な円環体を、地球を巡る軌道上に作り上げた。一万二千人以上の人間が住むこの宇宙島の名は<ワレンティナ・テレシコワ>ソ連政府当局は、これこそ彼らの宇宙計画の平和的目標の象徴であり、マルクス体制が達成する世界の見本であると主張した。

しかし、合衆国の国防総省の見方は違っていた。<テレシコワ>には強力なX線レーザーが積み込まれているに違いない。平和目的どころか、これこそ究極の攻撃兵器なのだ。この謎を解くため、二人のエージェントが送り込まれたが……。


終局のエニグマ《下》

1989.5.26 創元推理文庫 小隅黎訳 ISBN4-488-66309-5 C0197


監視の目をくぐって監房を抜け出したマッケインたちは、<テレシコワ>内部の偵察に乗り出した。西側の秘密情報筋から指示された目標を、ひとつひとつ調べていく。だが、そこにはマイクロ波発射機もなければX線レーザー・ミサイルのランチャーもなかった。では、<テレシコワ>はソ連の言う通りに平和目的のスペース・コロニーなのだろうか?

しかし、マッケインたちは、それでもどこか心に引っかかる物を感じていた。このコロニーはどこかが狂っている。息詰まるサスペンス。あっと驚くどんでん返し。ホーガンが用意した最後の謎とは?


読者が語る「ジェイムズ・P・ホーガン


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