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北アの急登、笠新道から読売新道を結ぶ道

2002年7月27日(土)〜30日(火)
地図はこちら
 
 「今年の夏はどこへ・・・・?」と思いながら読んでいた本から目についたのが読売新道。 水晶岳と黒部湖を結ぶ長大な尾根道です。 これに、まだ歩いていない笠ヶ岳〜双六岳の道と、まだ好天の時に歩いていない鷲羽岳を組み合わせて、 コースが決まりました。登山計画書を作成して、出発です。

第1日目:
 新穂高温泉(0500)→笠新道入口(0640-0700)→南尾根乗越(1215-45)→杓子平(1300-20) →笠新道分岐(1450)→笠ヶ岳山荘(1605)
 夜行バスを新穂高温泉で降りて、寝不足と硬くなった体を引きずって登山口へと急ぎます。 登山口:1360m、南尾根乗越の約2450mまでの登りが焦点です。 最初のうちは順調に高度を稼ぎながらも、後半はバテバテで、20分歩いては5分休憩になる始末でした(体力ないよな〜)。 どうにか南尾根乗越に到着。涼しい風に身を任せながら、笠ヶ岳の稜線や杓子平を眺めていました。
朝の笠ヶ岳の稜線 笠新道の登山口 振り返り見る焼岳 ヒメサユリ?
ヒメシャジン? 南尾根乗越より望む笠ヶ岳 杓子平のカール状地形
 杓子平で一休止、雪解け水で水筒を満たして、稜線へと登ります (注意:このコースは付け替えられており、登山地図よりも北の尾根を回り込んで、抜戸岳の山頂の一角に出ます)。 後は、緩やかな稜線をたどり、最後に少し登り返すと、テント場に到着です。あ〜あ、疲れた・・・・・。 なんでも小屋の宿泊客は350人という噂でした。
チングルマ 抜戸岳へと登る登山者 キバナコマノツメ アオノツガザクラ
タカネヤハズハハコ かわいいオコジョ
第2日目:
 笠ヶ岳山荘(0600)→笠新道分岐(0650-0700)→秩父平(0800)→大ノマ乗越(0925-35)→小池新道分岐(1020-25) →双六小屋(1125-1230)→三俣山荘(1500)
 朝4時に目を覚ましてみると、快晴の空が拡がっています。山頂へと登り、一角で三脚を構えて、御来光を待ちました。 足元には雲海が広がり、目を上げると遠く南アルプス・富士山も見えていました。
槍穂稜線のシルエット 雲海に浮かぶ霞沢岳 西鎌尾根からの御来光 西鎌尾根からの御来光
霞に浮かぶ南アルプス 北アルプス南部の山々 下りていく登山者の列 テント場からの笠ヶ岳
乗鞍岳と御嶽
 今日は三俣山荘まで、歩く時間も短いし、天気もいいし、のんびりと出発しました。 ゆったりと稜線を歩き、秩父岩手前で右手に急坂を下りると、秩父平のお花畑に到着です。 冷たい水で一休止・・・・
笠ヶ岳を振り返る 笠ヶ岳の全貌 黒部五郎岳と薬師岳 双六谷の上流部
秩父平のお花畑 秩父平の全景 ミヤマダイモンジソウ ミヤマリンドウ
 大ノマ乗越を越え、じっくりと登り返すと、どこが山頂かわからない弓折岳へ到着します。 少し歩くと、小池新道分岐に到着、双六小屋までもう少しです。
ハクサンチドリ?? 槍ヶ岳の遠望 途中の小群落 キヌガサソウ??
 双六小屋の豊富な水で冷やしそうめんを頂いて、大満足!!。おいしかったですよ〜。 双六岳〜三俣蓮華岳の稜線は一度歩いているので、今回は下の巻き道へと足を踏み出します。 沢の源頭の冷たい水、稜線東面の残雪、いっぱいに拡がるお花畑、すごく楽しい路でした。 三俣蓮華への分岐に登り返すと、正面には鷲羽岳が、やがて足元に三俣山荘が見えてきました。
双六小屋にて イワキキョウ 双六岳の巻道 三俣蓮華岳分岐への登路
稜線巻道を振り返る 足元に三俣山荘が見えてきた
 午後出ていたガスも夕方には晴れて、鷲羽岳の後ろには夕焼け雲が拡がっていました。明日も良い天気でしょうか・・・・
夕焼けの鷲羽岳
第3日目:
 三俣山荘(0410)→鷲羽岳(0525-35)→ワリモ乗越分岐(0620-25)→水晶小屋(0705-15)→水晶岳(0755-0805) →赤牛岳(1120-45)→奥黒部ヒュッテ(1535)
 今日は、水晶岳を越えて、赤牛岳、読売新道を下り、奥黒部ヒュッテまでの厳しく長い道・・・・。 不安もあるので、別の4人パーティーにお願いして一緒させてもらうことにしました。 早朝まだ暗いうちに起き出して、ヘッドライトを点けて出発します。 登り途中から振り返ると、三俣蓮華岳の稜線が朝陽に染まっていました。
三俣蓮華岳の稜線に陽が差す 黒部五郎岳 三俣蓮華岳の稜線はもう明るい 槍穂連峰と西鎌尾根
槍ヶ岳と鷲羽池 三俣蓮華〜双六の稜線 ワリモ岳〜水晶岳の稜線
 鷲羽岳山頂はのびやかで、展望がよくて、のんびり昼寝でもしていたい、場所でした。 ワリモ岳を越え、水晶小屋を過ぎると、やがて水晶岳への登山道になります。 厳しい岩場を通り抜けると、岩屑だらけの狭い山頂に到着しました。 
祖父岳(右)と黒部五郎岳 祖父岳(右)と黒部五郎岳 薬師岳全景 水晶岳へと続く稜線
赤牛岳(左)と立山 水晶岳へと続く稜線の道
 水晶岳からの展望はなんと言っても、雲ノ平の広がりの向こうに見える黒部五郎岳のカール・・・・。 山々の真っ只中に今いるんだ、という実感が湧きます。 水晶岳のガラガラの岩場を歩き、2904mピークに着くと一安心。 温泉沢への分岐をやり過ごし、赤ザレの緩い坂道を登り詰めると、赤牛岳に到着です。
水晶岳山頂にて 雲ノ平の向こうに黒部五郎岳 北ア南部の稜線が一望に 赤牛岳へと続く稜線の道
雲ノ平の向こうに黒部五郎岳 薬師岳ののびやかな拡がり チシマキキョウ
 赤牛岳からは、黒部川対岸のどっしりとした薬師岳の展望が最高です。足元に黒部湖が見えています。 あそこまで下るのかと思うと少し憂鬱な気分、標高差が約1400mありますから・・・・。 読売新道に入り、途中で何度か岩を通過すると、やっとで2578mポイント。 2500m付近で道はいきなり樹林帯になるので、風が通らないと汗だくになります。 沢音が大きくなり、道が左手山腹を巻くようになると、やがて奥黒部ヒュッテ、テント場はその先の河原でした。
赤牛岳山頂にて 水晶岳を振り返る 雲ノ平と黒部五郎岳 足元に黒部湖が見えている
赤牛岳を振り仰ぐ 足元の黒部湖が大きくなる 読売新道入口の指導標
第4日目:
 奥黒部ヒュッテ(0700)→平ノ渡(0905)〜〜平ノ小屋(1030)→ロッジくろよん(1330)→黒部ダム(1355)
 針ノ木峠への道は手入れされていない、というヒュッテの話で、黒部ダムへと予定を変更。 黒部ダムまでは水平道なので、渡しの時間に合せて朝はゆっくりと出発です。 平ノ渡までの道は、地図で見るよりップダウンが多く、思ったより時間がかかりました。 渡しの船を下りれば、後は昨年歩いた黒部ダムまでの道になります
オオバギボウシ?? 小沢を渡る木橋 シナノナデシコ?? ??ミヤマママコナ????
オオウバユリ 平ノ渡から対岸を見る 平ノ渡に着いた渡し船
 空には雲が多く、黒部ダムからの赤牛岳の展望は得られませんでした。
黒部ダムの観光放水
 週日のためか、トロリーバスもそれほどの混雑でもなく、途中薬師の湯に寄って、信濃大町に到着。 いつものように各駅停車を乗り継ぎ、今回の山行を振り返りながら、のんびりと帰ってきました。
 午後ガスがちながらも、4日ともよい天候に恵まれて、痛いくらいに真っ黒に日焼けしてしまいました。^_^;  今回は、笠新道を登り、読売新道を降る、という厳しいコース。 人に勧められる路ではありませんが、私的には大満足のコースでした。 夜行バスで寝不足と硬くなった体には、やっぱり笠新道は厳しく、バテバテになってしまうし、 風の通らない樹林の中、木の根や倒木を跨ぎながらの読売新道の下りでは、足を痛めかけるし・・・・。 でも、今となってはいい思い出ですね(って、いつも言っているような・・・・!?)。 鷲羽岳からの展望は初めてだったし、水晶岳〜赤牛岳の間ののびやかな稜線は素晴らしいものだったし、 「山々の真っ只中にいるんだ!!」っていうのを、すごく実感することができました。
 途中、4人組グループに三俣から一緒させてもらったわけですが、おかげで安心して歩けました。 どうもありがとうございました。 自然も、ですが人との出会いも山歩きの楽しみの一つですね。

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制作:加藤 輝男 2002年8月11日
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