タオ―老子 加島祥造(著) 筑摩書房 (2000/03)
詩人は老子をどう読んだか, 2004/8/2
しかし、この本は、道徳経の内容に則した「自由口語訳(加島による)」である。詩訳といってもよい。詩人でもある加島さんが老子をどう読んだか、が示されている。一種の注釈書でもある。それも、とってもよくこなれた注釈書である。原文をほとんど意識させない。そのせいか、各章末には返り点付きの原文が添えられている。興味のある向きには、加島による詩訳と原文との比較も可能。さらに諸橋轍次や金谷治、福永光司、小川環樹などによる老子の伝統的なテキスト・注釈と対照させてみるのもおもしろそう。