1.老年の豊かさについて キケロ(著) 八木 誠一・八木 綾子(訳) レビューへ
2.人生の素晴らしい店じまい 松野 宗純著 レビューへ
「老子」は、この項に入れない。固有名詞に過ぎないからではない。 日本では、「老」という字からほとんど「年取った」という意味しか思い浮かべない。しかし、漢字の輸入元の中国では、むしろ「大成した」とか「尊敬に値する」とかのイメージが強いようである。 他方、年を取ることの意味は、キケロも言うように、体力が落ちる、とか、老い先が短い、とか、単に年を重ねること、ではなく、それなりの特長を身につけるところにある。後者には、若人からみればすごい、尊敬に値する、ということを多少なりとも含んでいる。老子なぞは、後者のかたまりである。故に、彼を「老子」と後世の人が呼んだのであろう。 「老」から、年を取ることの良くないイメージを払拭するためには、ここに「老子」を入れると良いのである。しかし、別項をたててあるのでそちらにゆずる、のです。 |